商品名
会社名
成分
薬効分類
- 抗悪性腫瘍剤, 抗腫瘍性抗生物質結合抗CD22モノクローナル抗体
薬効
【希少疾病用医薬品】
Japanese Journal
- 新薬の紹介 抗悪性腫瘍剤 抗腫瘍性抗生物質結合抗CD22モノクローナル抗体 イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)製剤(ベスポンサ点滴静注用1mg)
- 吉野 周太
- 日本病院薬剤師会雑誌 = Journal of Japanese Society of Hospital Pharmacists 54(7), 867-869, 2018-07
- NAID 40021629190
- 新薬収載 4月18日 デュピクセント、リムパーザ、ベスポンサの薬価が決定 : 原価の開示度低く加算率が大幅に目減り
- 新薬紹介委員会
- ファルマシア 54(10), 968-973, 2018
- 本稿では既に「承認薬の一覧」に掲載された新有効成分含有医薬品など新規性の高い医薬品について,各販売会社から提供していただいた情報を一般名,市販製剤名,販売会社名,有効成分または本質および化学構造,効能・効果を一覧として掲載しています.<br>今回は,54巻4号「承認薬の一覧」に掲載した当該医薬品について,表解しています.<br>なお,「新薬のプロフィル」欄においても詳解しま …
- NAID 130007492980
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- 総称名 ベスポンサ 一般名 イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え) 欧文一般名 Inotuzumab Ozogamicin(Genetical Recombination) この情報は KEGG データベースにより提供されています。 日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。
- 再発・難治性急性リンパ性白血病治療薬「ベスポンサ ® 点滴静注用1mg」本日発売 ~高い寛解率で、治癒を目指す造血幹細胞移植へとつなぐ本邦初かつ唯一のCD22を標的とする抗体薬物複合体~
- ベスポンサ(一般名:イノツズマブオゾガマイシン)の作用機序 まず、ベスポンサは白血病細胞表面にある「 CD22 」を認識して結合します。その後、ベスポンサは白血病細胞内に取り込まれ、抗がん剤の オゾガマイシンが遊離 されます。
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 抗悪性腫瘍剤
- 抗腫瘍性抗生物質結合抗CD22モノクローナル抗体
販売名
ベスポンサ点滴静注用1mg
組成
1バイアル中:
有効成分
- イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え) 1mg
添加物
- トロメタモール 10mg
精製白糖 201mg
ポリソルベート80 0.4mg
塩化ナトリウム 2.3mg
塩酸 適量
禁忌
効能または効果
- フローサイトメトリー法等の検査によって、CD22抗原が陽性であることが確認された患者に使用すること。
- 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応となる患者の選択を行うこと。
- 本剤投与による造血幹細胞移植(HSCT)施行後の全生存期間への影響は、既存の化学療法と同程度ではない可能性が示唆されていることから、HSCTの施行を予定している患者に対する本剤の投与については、本剤以外の治療の実施を十分検討した上で、慎重に判断すること。[「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「副作用」、「高齢者への投与」及び「その他の注意」の項参照]
- 通常、成人にはイノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)として1日目は0.8mg/m2(体表面積)、8及び15日目は0.5mg/m2(体表面積)を1日1回、1時間以上かけて点滴静脈内投与した後、休薬する。1サイクル目は21〜28日間、2サイクル目以降は28日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。投与サイクル数は造血幹細胞移植の施行予定を考慮して決定する。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 1サイクル目の期間は原則21日間とするが、寛解(血球数の回復の有無を問わない)が得られた場合は、28日間まで延長できる。また、寛解(血球数の回復の有無を問わない)が得られた場合、2サイクル目以降の1日目の投与量は、イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)として0.5mg/m2(体表面積)とすること。なお、骨髄中の芽球が5%未満で、末梢血中の白血病芽球及び髄外病変が消失した場合に、寛解(血球数の回復の有無を問わない)が得られたと判断すること。
- 本剤の投与サイクル数は、以下のとおりとする。
HSCTの施行を予定している場合
- 投与サイクル数の増加に応じてHSCT施行後のVOD/SOSの発現リスクが高まるおそれがあるので、本剤の効果が得られる最小限のサイクル数とすること。治療上やむを得ないと判断される場合を除き、3サイクル終了までに投与を中止すること。[「警告」、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「副作用」、「高齢者への投与」及び「その他の注意」の項参照]
HSCTの施行を予定していない場合
- 6サイクルまで投与を繰り返すことができる。ただし、3サイクル終了までに本剤の効果が得られない場合には、投与を中止すること。
- 本剤を7サイクル以上投与した際の有効性及び安全性は確立していない。
- 副作用により本剤を休薬、減量、中止する場合には、以下の基準を考慮すること。なお、減量を行った場合は、再度増量しないこと。
血液毒性
本剤による治療開始前
好中球絶対数
1,000/μL以上
- 処置
2サイクル目以降のサイクル開始時に好中球絶対数の減少が認められた場合は、好中球絶対数が1,000/μL以上になるまで休薬する。
本剤による治療開始前
血小板数
50,000/μL注)以上
- 処置
2サイクル目以降のサイクル開始時に血小板数の減少が認められた場合は、血小板数が50,000/μL以上になるまで休薬する。
本剤による治療開始前
好中球絶対数1,000/μL未満又は血小板数50,000/μL注)未満
- 処置
2サイクル目以降のサイクル開始時に好中球絶対数又は血小板数の減少が認められた場合は、以下のいずれかになるまで休薬する。なお、直近の骨髄検査に基づき病態の安定又は改善が認められ、かつ好中球絶対数及び血小板数の減少が、本剤による副作用ではなく、原疾患によるものであると判断できる場合には、以下によらず本剤の投与を開始できる。
・好中球絶対数及び血小板数がいずれも本剤による治療開始前の値以上
・好中球絶対数が1,000/μL以上、かつ血小板数が50,000/μL以上
- 注:次サイクル開始の判断に用いる血小板数は、輸血の影響を受けない値を用いること。
非血液毒性
副作用
VOD/SOS又は他の重篤な肝障害
副作用
総ビリルビン値が施設基準値上限の1.5倍超又はAST(GOT)/ALT(GPT)が施設基準値上限の2.5倍超注1)
- 処置
投与前の総ビリルビン値が施設基準値上限の1.5倍以下又はAST(GOT)/ALT(GPT)が施設基準値上限の2.5倍以下に回復するまで休薬する。
副作用
infusion reaction
- 処置
点滴投与を中断し、副腎皮質ステロイド、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行う。
重症度に応じ、投与を再開できる。
重篤なinfusion reactionの場合は、投与を中止する。
副作用
グレード2注2)以上の非血液毒性
- 処置
投与前に、グレード1又は本剤による治療開始前のグレードになるまで休薬する。
- 注1:ジルベール症候群又は溶血による場合は除く。
- 注2:グレードはCTCAE version 3.0に準じる。
用量調節基準
副作用による休薬期間
7日未満
- 用量調節
同一サイクル内で、次回の投与を延期する。(投与間隔は6日間以上あけること)
副作用による休薬期間
7日以上
副作用による休薬期間
14日以上
- 用量調節
初回発現:次サイクルの各投与量を25%減量する。
1サイクルの各投与量を25%減量した後の発現:次の1サイクルあたりの投与回数を2回にする。
1サイクルの投与回数を2回とした後の発現:投与を中止する。
副作用による休薬期間
28日超
- infusion reactionを軽減させるために、副腎皮質ステロイド、解熱鎮痛剤又は抗ヒスタミン剤の前投与を考慮すること。[「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照]
- 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
慎重投与
- 肝疾患のある又はVOD/SOSの既往歴のある患者[肝疾患が増悪する又はVOD/SOSの発現リスクが高くなるおそれがある。「警告」、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「副作用」、「高齢者への投与」及び「その他の注意」の項参照]
- HSCT施行歴のある患者[VOD/SOSの発現リスクが高くなるおそれがある。「警告」、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「副作用」、「高齢者への投与」及び「その他の注意」の項参照]
- 感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある。「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照]
重大な副作用
肝障害
- VOD/SOS(2.4%)、γ-GTP増加(12.8%)、AST(GOT)増加(10.4%)、高ビリルビン血症(10.4%)、ALT(GPT)増加(8.5%)、血中アルカリホスファターゼ増加(5.5%)等があらわれることがあるので、VOD/SOSを含む肝障害の徴候及び症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与中止等の適切な処置を行うこと。[「警告」、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「高齢者への投与」及び「その他の注意」の項参照]
骨髄抑制
- 好中球減少(39.0%)、血小板減少(34.8%)、白血球減少(24.4%)、貧血(22.6%)、発熱性好中球減少症(14.0%)、リンパ球減少(12.8%)、汎血球減少症(0.6%)等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には休薬、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参照]
感染症
- 肺炎(2.4%)、敗血症(1.8%)、敗血症性ショック(1.2%)等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には休薬、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照]
出血
- 鼻出血(3.7%)、消化管出血(1.2%)等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には休薬、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」の項参照]
infusion reaction
- 発熱、発疹、悪寒、低血圧等を含むinfusion reaction(17.1%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与中止等の適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参照]
腫瘍崩壊症候群
- 腫瘍崩壊症候群(1.8%)があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査等を行うなど、腫瘍崩壊症候群の徴候及び症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与中止等の適切な処置を行うこと。
膵炎
- 膵炎(頻度不明)、リパーゼ増加(6.1%)、アミラーゼ増加(2.4%)等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には休薬、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
薬効薬理
抗腫瘍作用
in vitro試験12)
- CD22陽性の急性リンパ性白血病細胞由来Reh、RS4;11及びSUP-B15細胞株に対して増殖抑制作用を示した。
in vivo試験13)
- Reh細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。また、Reh細胞株を静脈内移植した重症複合型免疫不全(SCID)マウスにおいて、がんの進展による後肢麻痺発症の抑制を示した。
作用機序14、15)
- 本剤は、CD22抗原を発現した白血病細胞に結合し細胞内に取り込まれた後に、加水分解を受けて生じたN-アセチル-γ-カリケアマイシン ジメチルヒドラジドのジスルフィド結合が還元的に開裂され活性体となり、DNA二本鎖を切断することにより腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見