- 英
- procarbazine
- ラ
- procarbazinum
- 化
- 塩酸プロカルバジン procarbazine hydrochloride
- 商
- ナツラン
- 関
- 抗悪性腫瘍薬
WordNet
- an antineoplastic drug used to treat Hodgkins disease
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/09/24 01:12:37」(JST)
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プロカルバジン
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
N-Isopropyl-4-[(2-methylhydrazino)methyl]benzamide
|
臨床データ |
販売名 |
Matulane |
Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a682094 |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
Oral (Gel Capsule), intravenous |
薬物動態データ |
代謝 |
Hepatic, Renal |
半減期 |
10 minutes |
排泄 |
Renal |
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
671-16-9 |
ATCコード |
L01XB01 |
PubChem |
CID: 4915 |
DrugBank |
DB01168 |
ChemSpider |
4746 |
UNII |
35S93Y190K |
KEGG |
D08423 en:Template:keggcite |
ChEBI |
CHEBI:71417en:Template:ebicite |
ChEMBL |
CHEMBL1321en:Template:ebicite |
化学的データ |
化学式 |
C12H19N3O |
分子量 |
221.299 g/mol |
SMILES
-
O=C(c1ccc(cc1)CNNC)NC(C)C
|
InChI
-
InChI=1S/C12H19N3O/c1-9(2)15-12(16)11-6-4-10(5-7-11)8-14-13-3/h4-7,9,13-14H,8H2,1-3H3,(H,15,16)
-
Key:CPTBDICYNRMXFX-UHFFFAOYSA-N
|
プロカルバジン(Procarbazine)はホジキンリンパ腫や膠芽腫等の悪性腫瘍に対する化学療法に用いるアルキル化剤系の抗悪性腫瘍薬である。肝臓で代謝されて活性体となる。他にMAOを阻害するので、アドレナリン作動薬、抗うつ薬、チラミンの作用が増強される。
WHO必須医薬品モデル・リストに収載されている[1]。
目次
- 1 承認
- 2 適応
- 3 副作用
- 4 作用機序
- 5 出典
- 6 外部リンク
承認
アメリカ食品医薬品局(FDA)に承認されたのは1969年である。日本でも1967年から臨床試験が始まり、1973年に悪性リンパ腫の治療薬として承認された。2005年2月には神経膠腫に対する承認を取得した[2]:19。
適応
ホジキンリンパ腫(HL)の治療に用いる場合には、BEACOPP(英語版)レジュメ(ブレオマイシン(英語版)、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン(商品名:オンコビン)、プレドニゾン、プロカルバジン)の一部として用いられる事が多い。HLの治療に一次選択で用いられるMOPP療法(英語版)にも含まれている(現在はABVD療法の方が主流)。
一方、悪性星細胞腫や乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に用いる場合には、PCVレジュメ(プロカルバジン、CCNU(=ロムスチン)、ビンクリスチン)等で用いられる。この場合、日本では他の抗悪性腫瘍剤との併用のみが認められており、単剤では使用できない。
投与量
通常成人では、プロカルバジンとして1日50~100mg(1~2カプセル)を1~2回に分割して経口投与を開始する。その後約1週間以内に漸増し、プロカルバジンとして1日150~300mg(3~5カプセル)を3回に分割投与し、臨床効果が明らかとなるまで連日投与する。
腎機能および肝機能に応じて投与量を調整すべきとの意見がある。
副作用
重大な副作用として添付文書に記載されているものは、痙攣発作と間質性肺炎である。その他10%以上に発現する副作用として、白血球減少、血小板減少、食欲不振、悪心、嘔吐、脱毛が挙げられている。
エタノールに対してジスルフィラム様作用を持つ。肝臓のCYP450系酵素を阻害して、同酵素で代謝されるバルビツール酸系睡眠薬、フェノチアジン系抗精神病薬、麻薬等の作用を増強する。MAO阻害作用があるので、抗うつ薬や一部の偏頭痛治療薬と併用すべきではない。消化管でのMAO阻害作用はチラミンが豊富な食品(熟成したチーズ等)を食べた際に高血圧性クリーゼを惹起する可能性がある。
プロカルバジンは稀に化学療法起因性末梢神経障害(英語版)(CIPN)[3]の原因となる。CIPNは四肢末端、時に四肢全体に起こる進行性・長期性・しばしば非可逆性の、疼き、痺れ、激しい疼痛、寒さに対する過敏症を呈する[4]。
作用機序
作用機序の詳細は明らかになっていない。代謝に因ってアゾプロカルバジンと過酸化水素が生じ、DNAを損傷するのではないかと言われている[要出典]。インタビューフォームに拠ると、核酸(DNA、RNA)および蛋白合成阻害作用による殺細胞効果ではないかとされている[2]:8。
出典
- ^ “WHO Model List of EssentialMedicines”. World Health Organization (2013年10月). 2014年4月22日閲覧。
- ^ a b “塩酸プロカルバジンカプセル50mg「中外」インタビューフォーム” (2012年11月). 2015年1月24日閲覧。
- ^ Lisa M. DeAngelis and Jerome B. Posner (2003). “Nonmetastatic Complications”. In Kufe DW, Pollock RE, Weichselbaum RR, et al.. Holland-Frei Cancer Medicine (6th ed.). Hamilton (ON): BC Decker. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK12946/.
- ^ en:Template:vcite journal
外部リンク
- Medline Plus Drug Information
- MOPP Treatment Regimen
- PCV Information
- Procarbazine Drug Information Provided by Lexi-Comp - Merck Manual
- RX Listing for Matulane
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 抗癌剤による化学療法が若年女性癌患者の妊孕性に及ぼす影響(<特集>妊娠分娩と脳神経外科疾患)
- 鈴木 直,石塚 文平
- 脳神経外科ジャーナル 18(5), 361-366, 2009-05-20
- … らず,女性としてのQOL保持に欠かせないものとなる.悪性度の高い乏突起膠腫は,特にアルキル化剤を基準とした化学療法が有効であるとの臨床試験報告が相次いでおり,用いられる抗癌剤はCCNU,BCNU,ACNU,塩酸プロカルバジン,ビンクリスチン,シスプラチン,エトポシド,メルファランそして5-FUなどとなっている.これら抗癌剤の中で,特にアルキル化剤は化学療法誘発性無月経を誘発する最もリスクの高い抗癌剤であると考えられ …
- NAID 110007227556
- PUVA療法中の成人T細胞白血病 リンパ腫に対して塩酸プロカルバジンの内服を併用した例
- 悪性リンパ腫のプロカルバジン(ナチュラン)による治療経験
Related Links
- プロカルバジンとは?効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- プロカルバジンはがん細胞がDNAやRNA、たんぱく質を合成するのを阻害することで、抗腫瘍効果を発揮します。血液脳関門を通過することから、脳腫瘍の治療に、PAV療法(プロカルバジン+ニムスチン+ビンクリスチン)や、それに ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
塩酸プロカルバジンカプセル50mg「中外」
組成
成分(1カプセル中) 有効成分・含有量
- 日局プロカルバジン塩酸塩 58.3mg
(プロカルバジンとして50mg)
成分(1カプセル中) 添加物
- 内容物:D-マンニトール、トウモロコシデンプン、タルク
カプセル:赤色3号、黄色4号(タートラジン)、酸化チタン、ゼラチン、ラウリル硫酸ナトリウム
禁忌
- 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- アルコール(飲酒)を摂取中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 悪性リンパ腫(ホジキン病、細網肉腫、リンパ肉腫)
- 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫
- 通常成人では、プロカルバジンとして1日50〜100mg(1〜2カプセル)を1〜2回に分割して経口投与を開始する。その後約1週間以内に漸増し、プロカルバジンとして1日150〜300mg(3〜6カプセル)を3回に分割投与し、臨床効果が明らかとなるまで連日投与する。
悪性リンパ腫の寛解導入までに要する総投与量は、プロカルバジンとして通常5〜7gである。
- 悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
プロカルバジンとして1日量60〜75mg/m2を14日間経口投与し、これを6〜8週毎に繰り返す。体表面積より算出されたプロカルバジンの1日量が75mg未満の場合は、50mg(1カプセル)、75mg以上125mg未満となった場合は100mg(2カプセル)、125mg以上175mg未満となった場合は150mg(3カプセル)を1日1〜3回に分割して投与する。
悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法(プロカルバジン塩酸塩、ニムスチン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩)においては、併用薬剤の添付文書及び関連文献(「抗がん剤報告書:塩酸プロカルバジン(脳腫瘍)」、「抗がん剤報告書:硫酸ビンクリスチン(脳腫瘍)」等)を熟読すること。
慎重投与
- 骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制が増強するおそれがある。]
- 肝障害又は腎障害のある患者
- 感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により、感染症が悪化するおそれがある。]
- 小児(「重要な基本的注意」、「小児等への投与」の項参照)
- 水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
重大な副作用
間質性肺炎(0.9%)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
骨髄抑制
- 汎血球減少(0.1%)、白血球減少(35.1%)、好中球減少(2.6%)、血小板減少(17.6%)、貧血(3.6%)があらわれることがある。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
痙攣発作(頻度不明)
- 痙攣発作があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
細胞学的又は染色体に対する作用4−6)
- 腹水癌移植ラットにおいて、染色体異常及び巨細胞出現等の細胞学的効果が認められた。
また、エールリッヒ腹水癌移植マウスにおいて、有糸分裂指数の低下、中間期延長、染色体切断率の上昇等、染色体に対する作用が認められた。
核酸及び蛋白合成に及ぼす作用7−10)
- 組織培養された癌細胞において、各種標識アミノ酸(14C-glycine)の核酸及び蛋白への取り込み率を抑制した。
担癌マウスにおいては、核酸及び蛋白合成の抑制がみられ、transfer-RNAのメチル化に及ぼす影響が示唆された。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
性状
- 白色〜帯淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。希塩酸に溶ける。
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