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この項目では、駅のプラットホームについて説明しています。その他の用法については「プラットフォーム」をご覧ください。 |
プラットホーム、プラットフォーム (platform) とは、鉄道駅において旅客の列車への乗降、または貨物の積み下ろしを行うために線路に接して設けられた台である。日本では多くの場合、「プラットホーム」、略して「ホーム」と呼ばれる。古くは歩廊と呼んだ。
ここではプラットホームと線路の数を表現するのに「○面○線」という表現を用いる。「面」はプラットホームの数、「線」はホームに接する線路の数である。例えば単式ホームは1面1線、島式ホームが1つで線路が2つならば1面2線、相対式ホームが2つで線路が1つならば2面1線とする。
旅客駅におけるプラットホームの高さは高床タイプと、低床タイプが存在する。低床タイプでは、低床式車両以外は車内に設けられた階段(ステップ)か、プラットホーム上に設けられた移動式の仮設階段(タラップ)を利用して乗り降りする。貨物駅のプラットホームは、コンテナ輸送が多い路線ではフォークリフトなどで荷役を行うため、レール上面と同じ高さの低床タイプであるが、有蓋車での荷役を前提としている駅では高床タイプのものもある。
日本の旅客駅では高床タイプのものが一般的である。日本国有鉄道では、レール上面を基準とした760mmの高床タイプを標準としていたが、JRグループでは会社や路線によって異なる。
日本以外の旅客鉄道や、路面電車の多くでは低床タイプを採用しているが、都市部の旅客鉄道路線では高床タイプを多く見ることができる。
プラットホームの長さは一般に停車列車より長い。日本では法令により停車する列車より長いことが必要で、不足する場合には一部車両におけるドアの締め切り(ドアカット)や、列車の解結が行われる。
列車長に比べ長さの短いプラットホームを設けた旅客駅では、列車を停車させる際に乗降させる車両のドア前にプラットホームが来るように速度を調整する。貨物駅では長編成の貨物列車であっても1両ごとに積み込み積み出しを行うことがあるため、必ずしも列車の長さにあったプラットホームは必要ない。
世界で最も長いプラットホームはインド・西ベンガル州のKharagpur駅のもので、1,072メートルである。日本で最も長いプラットホームは京都駅の0番・30番のりばの558メートルであるが、一部が切り欠きとなっているため乗り場としては0番と30番のりばの二つに分かれている。
プラットホームの片側のみが線路に接し、乗降に用いられるもの。片面ホーム。線路と反対側は柵や壁で仕切られ駅舎、出口に接続する。
単式ホームを2つ向かい合わせにしたもの。対向式ホームまたは対面式ホームともいう。両ホームの行き来は跨線橋や構内踏切、改札外で行う。
相対式ホームのうち、2つの単式ホームをずらして設けたもの。2本の線路でプラットホームをずらしたもののほか、単線区間で1本の線路の両側にプラットホームをずらして設けたものもある。編成の短い路面電車では、交差点(踏切)を挟んで上下別のホームを設けたものが多く見られる。交差点の入り口と出口では車線数が異なる(左右折車線)場合が多い上に、乗り場をずらすことにより幅員の増加量を減らす(代わりに長くなる)ことが出来るためである。非自動閉塞方式をとる限り、タブレット(もしくはそれに類するもの)の交換が必要である。一定以上の長さを持つ対向式プラットホームで異なるプラットホームを構内踏切で連結する場合、利便性の観点から駅舎の前、全体の中央付近にこれを設ける場合が多い。すると、タブレット交換のためには有効長が許す限りこの踏切を境に対向する列車の前頭部が来るように停止すると無駄が少ない。長編成の列車が来ないのであれば構内踏切から先は無用である。通常の鉄道路線、あるいは軌道区間でも単線の場合プラットホームが千鳥状の配置になる場合はこの経緯を持つことが多い。
プラットホームの両側が線路に接しているもの。駅舎や他のプラットホームとは跨線橋、地下道、構内踏切などで連絡する。プラットホームそのものは、単式ホーム2面に比べて設置費用や面積などの点で有利である。しかし、通過する列車の速度を向上させるためには、駅のかなり手前から上下線路の間隔を徐々に空けてカーブを緩和する必要があり、駅の前後区間も含めると、かえって多くの用地が必要となる場合もある。また、プラットホームの拡張や、売店、待合室、線路と直角方向の階段等の設置に制約があるほか、ホーム両側を列車が通過するため安全面で劣る。相互発着を行う場合、必然的にこの構造になる。
日本の国鉄や日本統治時代の台湾の鉄道駅、国鉄の影響を強く受けた鉄道路線に多くみられ、線路配線としては「国鉄型/JR型配線」[5]とも呼ばれる[要検証 – ノート]。多くの場合、単式側に駅本屋がある。
線路を2つのプラットホームで挟むことにより、混雑の激しい駅では左右両側の扉を開けることにより乗車専用ホームと降車専用ホームに分離する目的、および折り返し駅や分岐駅で対面乗り換えできるようにするために用いられる。また、待避設備を両方向で共有することでスペースを削減する効果もある。プラットホームごとに乗降を分離する方式は乗降分離と呼ぶ[7]。
単式または島式のプラットホームの一部を切り取り、そこに行き止まりの線路を設けたもの。プラットホームの数はそのままで線路を増やすことができるが、有効長が短くなる、乗換の際の移動距離が長くなる欠点もある。幹線から支線が分岐する駅や、地下駅でプラットホームの増設が困難な場合に用いられる。切欠きとならない側のホーム番号は変わらないことが多い。
複数のプラットホームの端を同一平面でつなげた形のもの。間の線路は行き止まりとなり、この部分を特に頭端式ホームということが多い。このホームの場合、ホームと改札までの高さが同じであるか、あってもスロープ状になるので必然的にバリアフリーになることが多い一方で、乗客が改札寄りに集中しやすい傾向にある。
日本では上野駅、高松駅、門司港駅、大手私鉄の大都市ターミナル(ターミナルという語は、「終点の」乗り換え駅、が原義)などでよく見られる。欧米の主要ターミナルでは、パリのリヨン駅、ロンドンのキングス・クロス駅、フランクフルト中央駅、ローマのテルミニ駅、マドリードのアトーチャ駅などこの形のものが多い。
1つの駅にプラットホームが複数ある場合は、数字やアルファベットを付けて区別することが多い。プラットホームの呼称は「○番線」「○番のりば」「○番ホーム」「○号線」「プラットホーム○」など国や地域、鉄道会社や駅によって異なる。また、数字やアルファベットを用いず、「○○方面ホーム」とする場合や、単式ホームのみの駅では呼称自体がない例も存在する。櫛形ホームなどの降車用ホームには、数字が振られている場合と振られていない場合が両方ともある。
プラットホームからの転落や走行中の列車との接触はしばしば重大な事故につながるため、プラットホームにはこれらを予防するための対策が施されている。
プラットホーム端から一定の距離に、列車との接触を防止するための目印として白色や黄色の線が引かれている。日本では視覚障害者向けに点字ブロックを並べていることが多い。
プラットホーム内側と線路を隔てるもの。主にプラットホームに列車が停車しない部分について、プラットホーム端やその付近に柵を設置することで、転落・接触事故を防止する効果がある。コストも安く、後述のホームドアで掲げられた問題点も少ないことから、特に乗降客の多い駅で設置される例がある。
プラットホームと線路を隔てるホームドア[8]により転落・接触を防ぐ。ドアの形状が腰高程度までのものは正式名称が「可動式ホーム柵」であり、「ホームゲート」とも呼ばれる。
プラットホームの柵と光センサーを利用した「ホームセンサー」によって転落防止を図る。または、赤外線を使用した障害物検知装置が設置されている。
これは、プラットホーム上の列車停車位置の先頭と末端および連結部のプラットホーム端部に赤外線発射装置と受光器を設置し、列車の入線・発車時にプラットホームより外側に出ているものを検知して、自動的に列車にブレーキをかけたり、発車ができないようにするものである。
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