- 英
- bromazepam
- 商
- セニラン、レキソタン
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ブロマゼパム
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
9-bromo-6-pyridin-2-yl-
2,5-diazabicyclo[5.4.0]undeca-5,8,10,12-tetraen-3-one |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
D (US) |
法的規制 |
Schedule IV (US) |
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
84% |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
10-20 時間 |
排泄 |
腎臓 |
識別 |
CAS登録番号 |
1812-30-2 |
ATCコード |
N05BA08 |
PubChem |
CID 2441 |
DrugBank |
? |
KEGG |
D01245 |
化学的データ |
化学式 |
C14H10BrN3O |
分子量 |
316.2 |
ブロマゼパム (Bromazepam) は、ベンゾジアゼピン系の緩和精神安定剤、抗不安薬の一種。
目次
- 1 概要
- 2 適用
- 3 種類
- 4 薬理
- 5 副作用
- 6 禁忌
- 7 注意
- 8 用量・用法
- 9 脚注
- 10 関連項目
概要[編集]
日本国内では、中外製薬[1]がレキソタン の商品名で販売されており、ジェネリック医薬品としては、サンドのセニランなどがある。
適用[編集]
- 心身症や神経症などにおける身体症候、不安や緊張・うつ病およびうつ状態・睡眠障害など。また麻酔前投与薬としても用いられる。筋弛緩作用(筋肉の緊張をほぐす)がある。
種類[編集]
薬理[編集]
脳にある抑制性のGABAニューロンのシナプス後膜に存在するベンゾジアゼピン受容体にアゴニストとして高い親和性で結合し、抑制性の内因性リガンドであるGABA親和性を増大させることにより、神経の興奮性を低下させると考えられている。
副作用[編集]
倦怠感・頭痛・集中力低下・ふらつき・脱力感など。アルコール(飲酒)や他の向精神薬を同時に摂取すると、副作用が強く出る可能性がある。また大量に使い続けることで薬物依存症が起こる。2週間を超える使用は、離脱症状とリバウンド症状の危険性がある。長期間使用した場合、耐性や依存性が生じる[2]。
耐性・依存・離脱[編集]
他のベンゾジアゼピンと同様に、ブロマゼパムには乱用・誤用・身体依存・精神依存のリスクがある[3][4]。 離脱についての調査では、身体的・精神的依存が認められ、4週間の継続使用後にリバウンド不安が見られた。ゆっくりと減薬を行った患者では離脱は起こらなかった[5]。
全般性不安障害のためブロマゼパム治療を行われた患者は、不安の悪化などの離脱症状を経験し、急激な断薬時に身体依存が起こった[6]。
禁忌[編集]
眼圧を上げる作用があるので急性狭隅角緑内障の患者、および症状を悪化させる可能性があるので重症筋無力症の患者に使うことは禁忌とされており使ってはならない。また、過去にこの薬に対して既往歴のある人にも使ってはならない。
注意[編集]
呼吸器系の疾患や病気を持つ人、心臓・肝臓・腎臓に障害を持つ人、脳に障害のある人、高齢者などに投与する時は、障害や疾患を悪化させたり、副作用が強く出る可能性がある。
用量・用法[編集]
- うつ病・神経症の場合
- 心身症の場合
- 麻酔前投与薬として用いる場合
脚注[編集]
- ^ かつてはロシュから発売されていた。
- ^ Lader M, Tylee A, Donoghue J (2009). “Withdrawing benzodiazepines in primary care”. CNS Drugs 23 (1): 19?34. doi:10.2165/0023210-200923010-00002. PMID 19062773.
- ^ Rastogi RB; Lapierre YD, Singhal RL (1978). “Some neurochemical correlates of "rebound" phenomenon observed during withdrawal after long-term exposure to 1, 4-benzodiazepines”. Prog Neuropsychopharmacol 2 (1): 43?54. doi:10.1016/0364-7722(78)90021-8. PMID 31644.
- ^ Laux G (May 1979). “[A case of Lexotanil dependence. Case report on tranquilizer abuse]”. Nervenarzt 50 (5): 326?7. PMID 37451.
- ^ Fontaine, R; Chouinard, G; Annable, L (Jul 1984). “Rebound anxiety in anxious patients after abrupt withdrawal of benzodiazepine treatment.”. The American journal of psychiatry 141 (7): 848?52. ISSN 0002-953X. PMID 6145363.
- ^ Chouinard G; Labonte A, Fontaine R, Annable L (1983). “New concepts in benzodiazepine therapy: rebound anxiety and new indications for the more potent benzodiazepines”. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 7 (4?6): 669?73. doi:10.1016/0278-5846(83)90043-X. PMID 6141609.
関連項目[編集]
- ベンゾジアゼピン
- ベンゾジアゼピン依存症
- ベンゾジアゼピン離脱症候群
- ベンゾジアゼピンの長期的影響
抗不安剤 (N05B) |
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GABAA PAMs |
ベンゾジアゼピン
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Adinazolam アルプラゾラム Bretazenil ブロマゼパム Camazepam クロルジアゼポキシド クロバザム クロナゼパム クロラゼプ酸 クロチアゼパム クロキサゾラム ジアゼパム ロフラゼプ酸エチル エチゾラム フルジアゼパム Halazepam Imidazenil Ketazolam ロラゼパム メダゼパム Nordazepam Oxazepam Pinazepam プラゼパム トフィソパム
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|
カルバミン
|
Emylcamate Mebutamate メプロバメート (Carisoprodol, Tybamate) Phenprobamate Procymate
|
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非ベンゾジアゼピン
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Abecarnil Adipiplon Alpidem CGS-9896 CGS-20625 Divaplon ELB-139 Etifoxine GBLD-345 Gedocarnil ICI-190,622 L-838,417 NS-2664 NS-2710 Ocinaplon Pagoclone Panadiplon Pipequaline RWJ-51204 SB-205,384 SL-651,498 TP-003 TP-13 TPA-023 Tracazolate Y-23684 ZK-93423
|
|
その他
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クロルメザノン Etazolate エタノール (アルコール) Kavalactones (カヴァカヴァ) タツナミソウ属 吉草酸 (セイヨウカノコソウ)
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|
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α2δ VDCC Blockers |
Gabapentin Pregabalin
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5-HT1A作動薬 |
アザピロン系: Buspirone Gepirone タンドスピロン; Others: Flesinoxan Oxaflozane
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H1 拮抗薬 |
Diphenylmethanes: Captodiame ヒドロキシジン; Others: Brompheniramine クロルフェニラミン Pheniramine
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CRF1 拮抗薬 |
Antalarmin CP-154,526 Pexacerfont Pivagabine
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NK2 拮抗薬 |
GR-159,897 Saredutant
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MCH1 拮抗薬 |
ATC-0175 SNAP-94847
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mGluR2/3 作動薬 |
Eglumegad
|
|
mGluR5 NAMs |
Fenobam
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TSPO 作動薬 |
DAA-1097 DAA-1106 Emapunil FGIN-127 FGIN-143
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σ1 作動薬 |
Afobazole Opipramol
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Others |
Benzoctamine Carbetocin Demoxytocin Mephenoxalone オキシトシン Promoxolane Trimetozine WAY-267,464
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Japanese Journal
- 屋内発生の急性薬物中毒に伴う重度低体温症によって心肺停止に至った一例
- 小川 亮,中田 託郎,青木 基樹,大岩 孝子
- 静岡赤十字病院研究報 = Journal of Japanese Red Cross Shizuoka Hospital 31(1), 49-52, 2012-03
- … 症例は59歳女性.2010年3月某日夕,アセトアミノフェン,ブロマゼパム,ベニジピン塩酸塩,アルコールを服用後に発見され,当院に救急搬送された.来院時は直腸温23.0℃,血圧88/49mmHg,脈拍10-20/分,Japan coma scale:300であった.高度徐脈から一時心肺停止となるも蘇生し,人工呼吸器管理の上,入院となった.復温と共に循環動態の安定,意識レベルの改善を認めた.急性腎不全を併発し,第3病日より持続的血液濾過透析を実 …
- NAID 120004211726
- P1-188 外来がん化学療法における制吐剤としてのブロマゼパム坐剤の有効性について(一般演題 ポスター発表,がん薬物療法(副作用対策),医療薬学の創る未来 科学と臨床の融合)
- 柴田 佳子,濱 敏弘,戸谷 渡,瀧口 友美,中野 知代,中島 生恵,高橋 洋子,川地 香奈子,横井 麻珠美,伊藤 良則
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 19(0), 324, 2009
- NAID 110007484824
- ブロマゼパムの薬物動態と薬効に及ぼすイトラコナゾールの影響
- 織田 麻奈美,小手川 勤,堤 喜美子,桑谷 圭二,久保田 公仁孝,大谷 康清,中野 重行
- 臨床薬理 34(2), 337S-338S, 2003-03-31
- NAID 10011422801
Related Links
- ブロマゼパムは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬のレキソタンの一般名(成分名)です。レキソタンは1977年から発売されていますので、すでにジェネリック医薬品も作られています。レキソタンのジェネリックは、セニラン錠として ...
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- 1.組成 錠1: 本剤は、1錠中に日局ブロマゼパム1mgを含有す る白色の素錠である。添加物として、乳糖水和物、 結晶セルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウ ムを含有する。錠2: 本剤は、1錠中に日局ブロマゼパム2mgを含有す
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
有効成分
含量(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 急性狭隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 重症筋無力症の患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]
効能または効果
神経症における不安・緊張・抑うつ及び強迫・恐怖
うつ病における不安・緊張
心身症(高血圧症、消化器疾患、自律神経失調症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ及び睡眠障害
麻酔前投薬
神経症・うつ病の場合
- 通常、成人にはブロマゼパムとして1日量6〜15mgを1日2〜3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
心身症の場合
- 通常、成人にはブロマゼパムとして1日量3〜6mgを1日2〜3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
麻酔前投薬の場合
- 通常、成人にはブロマゼパムとして5mgを就寝前又は手術前に経口投与する。
なお、年齢、症状、疾患により適宜増減する。
慎重投与
- 次の患者には少量から投与を開始するなど注意すること。
- 心障害のある患者[ジアゼパムで循環器への影響があらわれたとの報告がある。]
- 肝障害又は腎障害のある患者
- 脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれやすい。]
- 小児等(「小児等への投与」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 衰弱患者
- 中等度呼吸障害又は重篤な呼吸障害(呼吸不全)のある患者[呼吸器への影響があらわれるおそれがある。]
重大な副作用
依存性(頻度不明)
- 大量連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないよう慎重に投与すること。
また、大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
刺激興奮、錯乱(頻度不明)
- 統合失調症等の精神障害者に投与すると逆にこのような症状があらわれることがある。
薬効薬理
抗不安作用13),14)
- マウスのfoot shockによる闘争行動抑制作用において、ジアゼパムの2倍以上の効果を示した。一方、ラットの視床下部に慢性的に電極を植込んでの脳内自己刺激行動に対する抑制作用及びラットの自己刺激行動後の不快刺激と食餌報酬行動における葛藤状態に対する抑制作用もジアゼパムの2倍以上であった。また、ラットでのshuttle box法による条件回避反応もジアゼパムより強力な作用を示した。
その他の中枢作用13)
- ウサギの自発脳波及び脳波覚醒反応の抑制作用は、ジアゼパムの約2倍の効果を示した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 7-Bromo-5-(pyridin-2-yl)-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one
分子式
分子量
性状
- 白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)又はアセトンに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点