- 英
- phytic acid
- 関
- イノシトール
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/19 13:05:57」(JST)
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フィチン酸 |
|
別名 |
IP6 |
分子式 |
C6H18O24P6 |
分子量 |
660.08 |
CAS登録番号 |
[83-86-3] |
形状 |
淡褐色油状 |
SMILES |
C1(OP(=O)(O)(O))C(OP(=O)(O)(O)) C(OP(=O)(O)(O))C(OP(=O)(O)(O)) C(OP(=O)(O)(O))C1(OP(=O)(O)(O)) |
フィチン酸(フィチンさん、phytic acid)は生体物質の一種で、myo-イノシトールの六リン酸エステル。myo-イノシトール-1,2,3,4,5,6-六リン酸(myo-inositol-1,2,3,4,5,6-hexaphosphate または hexakisphosphate または hexakis(dihydrogenphosphate))ともいう。略称は IP6。組成式は C6H18O24P6 、分子量は 660.08、CAS登録番号は [83-86-3]。種子など多くの植物組織に存在する主要なリンの貯蔵形態であり、特にフィチン(Phytin: フィチン酸のカルシウム・マグネシウム混合塩で、水不溶性)の形が多く存在する。キレート作用が強く、多くの金属イオンを強く結合する。
フィチン酸の形のリンは、非反芻動物ではフィチン酸消化酵素であるフィターゼ(フィチン酸を加水分解しリン酸を遊離する)がないため、一般に吸収されにくい。一方反芻動物はルーメン(反芻胃)内の微生物によって作られるフィターゼがこれを分解するためフィチンを利用できる。現在非反芻動物(ブタ、ニワトリなど)は主にダイズ、トウモロコシなどの穀物で肥育されているが、これらに含まれるフィチンは動物に吸収されずに腸管を通過するため、自然界のリン濃度を上昇させ、富栄養化などの環境問題につながる恐れがある。飼料にフィターゼを添加することでフィチン由来のリンの吸収を増すことができる。またいくつかの穀物で、種子のフィチン酸含量を大幅に低下させ無機リン含量を上昇させた品種が作出されている。しかし生育に問題があることからこれらの品種は広く利用されるに至っていない。
フィチン酸は未精製の穀物や豆類に多く含まれる。フィチン酸は鉄、亜鉛など重要なミネラルに対して強いキレート作用を示すため、一方、この性質が腸管での酸化ダメージを減らすことで大腸がんの予防に役立つ可能性がある。抽出したフィチン酸を添加した1925年の研究を根拠に、食品中のミネラルやタンパク質との強い結合となっている場合に、消化吸収を妨げる方向に働くと考えられてきた。しかし、現在では糠などに閉じ込められた状態ではミネラルの吸収に問題が見られないことがわかってきた。ただし、ミネラルが著しく少ない食事において、フィチン酸が大量の場合にミネラルの吸収を阻害する可能性があり、この作用は必須ミネラルの摂取量が著しく低い発展途上国の子供のような人々には好ましくない。
1960年代から食物繊維が大腸がんを予防するのではないかと考えられてきたが、1985年、がんを予防しているのは食物繊維ではなくて繊維に含まれるフィチン酸の摂取量が多い場合に大腸がんの発生率が少ないことが報告された。その後、フィチン酸の単独投与によってがんの抑制作用が観察されていった。
1998年には京都で、フィチン酸などの米ぬか成分に関する国際シンポジウムが開かれ、フィチン酸の生理作用の研究報告がなされた。尿路結石や腎結石の予防、歯垢形成の抑制、大腸がん、乳がん、肺がん、皮膚がんの予防に役立つ可能性がある。抗がん作用や抗腫瘍作用、抗酸化作用による治療への応用が期待されて研究が進められている。イノシトールとの同時に摂取したほうが効果が吸収されやすい。現在では、単独に遊離されたサプリメントが流通している。
フィチン酸の pKa値は現在のところ不明である。
参考文献
- アブルカラム・M. シャムスディン『天然抗ガン物質IP6の驚異―革命的効果でガンの治療が変わる』坂本孝作・訳、講談社ブルーバックス、2000年。ISBN 978-4062573047
外部リンク
- Cancer Inhibition by Inositol Hexaphosphate (IP6) and Inositol: From Laboratory to Clinic
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- イオンクロマトグラフィーによるフィチン酸の定量 (日本工業用水協会会誌「工業用水」 論文集 : 水質試験方法特集-'13)
- リン酸資源の枯渇に対応したリン栄養研究 : 6. 低フィチン穀類の開発とその利用
- 登熟種子の金属蓄積に果たすリン貯蔵物質フィチン酸の役割
Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
テクネフチン酸キット
組成
添加物
- 塩化スズ(II)二水和物 0.5mg、塩酸 適量、水酸化ナトリウム 適量
効能または効果
次の疾患におけるセンチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ
- フィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液を用いたセンチネルリンパ節生検は、本検査法に十分な知識と経験を有する医師のもとで、実施が適切と判断される症例において実施すること。なお、症例の選択にあたっては、最新の関連ガイドライン等を参照し、適応となる腫瘍径や部位等について十分な検討を行うこと。
フィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液の調製
- 本品に放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」2〜8mLを加え、よく振り混ぜてフィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液を得る。
肝脾シンチグラムによる肝脾疾患の診断
- 得られたフィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液の18.5〜111MBqを静注し、20〜30分後に適当な位置に患者を固定し、シンチスキャナーあるいはシンチカメラでシンチグラムをとる。
なお、年齢・体重により適宜増減する。
センチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ
- 通常、成人には得られたフィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液の18.5〜111MBqを、腫瘍近傍(皮下又は皮内)に適宜分割して投与し、2時間以降にガンマ線検出用のプローブで被検部を走査することにより、センチネルリンパ節を同定する。また、必要に応じガンマカメラで被検部を撮像することによりリンパシンチグラムをとる。なお、投与から検査実施までの時間等により適宜増減する。
- センチネルリンパ節の同定においては、可能な限りフィチン酸テクネチウム(99mTc)注射液と色素法を併用することが望ましい。色素法との併用を行う際には、併用する薬剤の添付文書を参照した上で使用すること。
有効成分に関する理化学的知見
99mTcの核物理学的特性
物理的半減期
主なγ線エネルギー
減衰表
★リンクテーブル★
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フィチン酸
- 関
- inositol hexakisphosphate、inositol hexaphosphate、phytate
- 同
- inositol hexaphosphate
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- 英
- inositol hexakisphosphate、inositol hexaphosphate
- 関
- フィチン酸、イノシトール6リン酸
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- 関
- inositol hexakisphosphate、inositol hexaphosphate、phytic acid
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義