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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/23 12:47:24」(JST)
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ファムシクロビル
|
IUPAC命名法による物質名 |
[2-(acetyloxymethyl)-4-(2-aminopurin-9-yl)-butyl] acetate |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
B1 (Au), B (U.S.) |
法的規制 |
S4 (Au), POM (UK), ℞-only (U.S.) |
投与方法 |
Oral |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
75–77% |
血漿タンパク結合 |
20-25% |
代謝 |
Hepatic, circulation, intestinal wall (to penciclovir) |
半減期 |
2–2.3 hours |
排泄 |
Renal, faecal |
識別 |
CAS登録番号 |
104227-87-4 |
ATCコード |
J05AB09 S01AD07 |
PubChem |
CID 3324 |
DrugBank |
APRD00600 |
KEGG |
D00317 |
化学的データ |
化学式 |
C14H19N5O4 |
分子量 |
321.332 g/mol |
物理的データ |
融点 |
103 °C (217 °F) |
ファムシクロビルは、抗ウイルス薬で、ヘルペスウイルス感染症の治療に用いられる。ペンシクロビルのプロドラッグである。日本では2008年に販売承認され、マルホから「ファムビル」の商品名で発売されている、
目次
- 1 適応症
- 2 用法・用量
- 3 作用機序
- 4 関連項目
|
適応症
用法・用量
- 通常、成人にはファムシクロビルとして1回500mgを1日3回投与する。
作用機序
- 本剤はプロドラッグで代謝されてペンシクロビルとなり、作用が発現する薬である。一方、バラシクロビルはアシクロビルのプロドラッグであり、主に、HSVとVZVに効果があるとされるが、。細胞内でDNAの合成を阻害するため腎臓排泄に負担がかからないとされており、腎機能低下の患者さんにも使えると言われている。
関連項目
- 抗ウイルス薬
- アシクロビル - 抗ヘルペスウイルス薬
- バラシクロビル - 抗ヘルペスウイルス薬。アシクロビルのプロドラッグ。
- ペンシクロビル - 抗ヘルペスウイルス薬
- ブリブジン - 抗ヘルペスウイルス薬。
- ソリブジン - 抗ヘルペスウイルス薬。
抗DNAウイルス薬(ATCコード:J05、S01AD、D06BB) |
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Baltimore I |
ヘルペスウイルス
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DNA合成
阻害剤
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TK活性型
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プリン誘導体
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グアニン(アシクロビル#/バラシクロビル、ガンシクロビル/バルガンシクロビル、ペンシクロビル/ファムシクロビル)
アデニン(ビダラビン、シタラビン)
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ピリミジン誘導体
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ウリジン(イドクスウリジン、トリフルリジン、エドクスウジン)
チミン(ブリブジン)
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TK不活性型
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ホスカルネット
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その他
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ドコサノール · 初期タンパク質(ホミビルセン) · トロマンタジン
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HPV/MC
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イミキモド/レシキモド · ポドフィロトキシン
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ワクシニア
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会合阻害: リファンピシン
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ポックスウイルス
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メチサゾン
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B型肝炎 (VII) |
ヌクレオシド誘導体/NARTI: エンテカビル · ラミブジン · テルビブジン · クレブジン
ヌクレオシド誘導体/NtRTI: アデホビル · テノホビル
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Multiple/general |
核酸阻害剤
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シドホビル
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インターフェロン
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インターフェロンα-2b · ペグインターフェロンα-2a
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複合/不明
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リバビリン#/タリバビン†
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ErbB2/PI3K経路
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NOV-205§ · NOV-002†
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#WHO-EM. ‡市場から撤退。治験: †第III相。§第II相以下 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 適正使用のための薬剤情報(12)帯状疱疹治療薬ファムシクロビル
Related Links
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Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ファムビル錠250mg
組成
成分・含量(1錠中)
添加物
- ヒドロキシプロピルセルロース、無水乳糖、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、ポリエチレングリコール、酸化チタン
禁忌
効能または効果
**単純疱疹
- 通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。
**帯状疱疹
- 通常、成人にはファムシクロビルとして1回500mgを1日3回経口投与する。
**腎機能障害患者
- 腎機能障害のある患者では投与間隔をあけて減量することが望ましい。腎機能に応じた本剤の投与量及び投与間隔の目安は下記のとおりである。〔「慎重投与」、「高齢者への投与」、「過量投与」及び〔薬物動態〕「(5)腎機能障害者における薬物動態」の項参照〕
腎機能に応じた本剤の減量の目安注)
クレアチニンクリアランス(mL/分):≧60
- 単純疱疹の治療:1回250mgを1日3回
帯状疱疹の治療:1回500mgを1日3回
クレアチニンクリアランス(mL/分):40-59
- 単純疱疹の治療:1回250mgを1日3回
帯状疱疹の治療:1回500mgを1日2回
クレアチニンクリアランス(mL/分):20-39
- 単純疱疹の治療:1回250mgを1日2回
帯状疱疹の治療:1回500mgを1日1回
クレアチニンクリアランス(mL/分):<20
- 単純疱疹の治療:1回250mgを1日1回
帯状疱疹の治療:1回250mgを1日1回
- 注)外国人における成績1)〜3)をもとに設定した。
血液透析患者
- 血液透析患者には本剤250mgを透析直後に投与する。なお、次回透析前に追加投与は行わない。
慎重投与
- 腎機能障害のある患者〔腎クリアランスの低下に伴い、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、投与間隔をあけて減量するなど注意すること。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「過量投与」及び〔薬物動態〕「(5)腎機能障害者における薬物動態」の項参照)〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
重大な副作用
*精神神経症状
(頻度不明注))
- 錯乱、幻覚、意識消失などの精神神経症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。錯乱は主に高齢者であらわれることが報告されている。
*重篤な皮膚障害
(頻度不明注))
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑等の重篤な皮膚反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
*急性腎不全
(頻度不明注))
- 急性腎不全があらわれることがあるので、腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*横紋筋融解症
(頻度不明注))
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
**作用機序
- ファムシクロビルは、服用後速やかに代謝を受け活性代謝物ペンシクロビルに変換される。ペンシクロビルはヘルペス群ウイルス感染細胞内において、ウイルス由来のチミジンキナーゼにより一リン酸化され、更に宿主細胞由来キナーゼにより三リン酸化体(PCV-TP)となる32)33)。感染細胞内において、PCV-TPはウイルスDNAポリメラーゼの基質の1つであるデオキシグアノシン三リン酸化体(dGTP)と競合的に拮抗することにより、ウイルスDNAポリメラーゼ阻害作用を示す33)34)。また、ウイルスDNAポリメラーゼの基質としてウイルスDNAに取り込まれることにより、ウイルスDNA鎖伸長阻害作用を示す33)。以上の作用によりウイルスの増殖を抑制すると考えられる。ペンシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細胞内に存在するウイルス由来チミジンキナーゼによるため、ウイルス非感染細胞に対する影響は少ないものと考えられる。
また、単純ヘルペスウイルス1型及び2型感染細胞内におけるPCV-TPの半減期はそれぞれ10時間及び20時間32)33)、水痘・帯状疱疹ウイルス感染細胞内におけるPCV-TPの半減期は9.1時間34)であった。
**抗ウイルス作用
- 活性代謝物ペンシクロビルは単純ヘルペスウイルス1型及び2型、水痘・帯状疱疹ウイルスに対して抗ウイルス作用(培養細胞におけるウイルス増殖抑制作用)を示し、そのIC50値は単純ヘルペスウイルス1型及び2型に対してはそれぞれ0.4〜0.6μg/mL及び1.1〜2.4μg/mL、水痘・帯状疱疹ウイルスに対しては1.9〜5.1μg/mLであった35〜40)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- [2-(acetyloxymethyl)-4-(2-aminopurine-9-yl)-butyl]acetate
分子式
分子量
融点
性状
- ファムシクロビルは白色〜微黄色の結晶性の粉末である。
アセトニトリル、メタノール、エタノール(95)又はN,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、水にやや溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
ファムシクロビル
[★]
- 英
- cyclo
- 関
- 環状、サイクロ
[★]
- 英
- building
- 関
- 建物