- 英
- [[]]
- 関
- [[]]
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/08/10 12:59:35」(JST)
[Wiki ja表示]
遺伝子重複(いでんしちょうふく、gene duplication / chromosomal duplication)とは、遺伝子を含むDNAのある領域が重複する現象のことである。遺伝子重複が起こる原因としては、遺伝的組換えの異常、レトロトランスポゾンの転移、染色体全体の重複などがある[1]。
遺伝子の重複だけでなく、ゲノム全体の重複も珍しいことではない。例えば酵母のゲノムは1億年ほど前に重複したと考えられている[2]。また植物では頻繁にゲノム重複が起こっており、コムギは6つのゲノムセットを持つ6倍体である(→ 倍数性)。
目次
- 1 遺伝子重複と進化
- 2 パラログとオーソログ
- 3 参考文献
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
|
遺伝子重複と進化
重複した遺伝子の一方は選択圧から開放される。これは同じ機能を持つ二つの遺伝子が存在する場合、一方が突然変異を起こしてその機能を失っても(もしくは変化させても)、もう一方が正常に機能していれば生物の生存に支障が無いためである。そのため重複した遺伝子では、単一の遺伝子よりもはるかに早く、経代に伴う変異が蓄積される。
重複遺伝子は、従って進化の主要な役目を担うと考えられており、100年以上も前から学界において支持されてきた[3]。大野乾はもっとも有名な提唱者の一人であり、著書 "Evolution by gene duplication" (1970年)を著した人物でもある[4]。重複遺伝子は共通祖先の出現以来、最も重要な進化の原動力であったと主張する人もいる。
パラログとオーソログ
遺伝子重複によって生じた二つの遺伝子はパラログと呼ばれ、一般に機能や構造が異なるタンパク質をコードする。これに対し、異なる生物に存在する相同な機能を持った遺伝子群はオーソログと呼ばれ、種分化の過程で生じたものである。
これらパラログとオーソログを区別することは研究上重要であるが、しばしば困難である。例えばヒトの遺伝子の研究は、他の動物に相同な遺伝子が見つかればそれを用いて行われることが多いが、これはその遺伝子がヒトの遺伝子のオーソログである場合にのみ可能である。仮に遺伝子重複の結果生じたパラログであれば、その機能は全く異なっている可能性が高い。
参考文献
- ^ Zhang, J. (2003). "Evolution by gene duplication: an update." Trends in Ecology & Evolution 18(6): 292-298. DOI link
- ^ Kellis, M, Birren, BW & Lander, ES. (2004). "Proof and evolutionary analysis of ancient genome duplication in the yeast Saccharomyces cerevisiae" Nature 428: 617-624.
- ^ Taylor, JS. & Raes, J. (2004). "Duplication and Divergence: The Evolution of New Genes and Old Ideas" Annual Review of Genetics 9: 615-643. DOI link
- ^ Ohno, S. (1970). Evolution by gene duplication. Springer-Verlag. ISBN 0-04-575015-7.
関連項目
外部リンク
- A bibliography on gene and genome duplication(英語)
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
- 1. 遺伝性乳癌・卵巣癌症候群の概要 overview of hereditary breast and ovarian cancer syndromes
Japanese Journal
- 1P-126 Acetobacter pasteurianus SKU1108アルデヒド脱水素酵素のパラログセットaldSLCは酢酸発酵を保証できない(一般講演(発酵生理学,発酵工学),第65回日本生物工学会大会)
- 新納 俊,児玉 知大,薬師 寿治,Gunjana Theeragool,松下 一信
- 日本生物工学会大会講演要旨集 65, 49, 2013-08-25
- NAID 110009737506
- 遺伝子操作メダカを用いた成長ホルモン受容体パラログの機能解析(平成24年度大学院理学研究科修士論文題目と要旨)
- ヘテロダイマー形成によるホヤGnRH受容体パラログのdifferentialな機能調節機構
Related Links
- 目次. 1 遺伝子重複と進化; 2 パラログとオーソログ; 3 参考文献; 4 関連項目; 5 外部 リンク ... [編集] パラログとオーソログ. 遺伝子重複によって生じた二つの遺伝子は パラログと呼ばれ、一般に機能や構造が異なるタンパク質をコードする。これに対し、 異なる生物 ...
- オーソログ:別な種の共通先祖が持っていた同じ先祖遺伝子に由来する遺伝子パラログ :1つのゲノムで遺伝子複製でできた類縁遺伝子。機能が同じであろうと異なろうと ホモログ:オーソログとパラログかを問わずに類縁関係にある遺伝子 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
パラログ
- 関
- paralogue
[★]
- 関
- paralog
[★]
- 英
- log
- 関
- 記録、対数