出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/05 13:29:02」(JST)
この項目では、格闘技の用語について記述しています。その他の用法については「ノックアウト (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
ノックアウト(Knock Out)とはボクシングやその他格闘技において、相手をノックダウン状態にしたままによって発生する勝利のこと。通称はK.O.。
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ボクシングやキックボクシングなどの試合では、ノックダウンを宣告されてから、レフェリーが10秒数え終える前に立ち上がってファイティングポーズを取れない場合にノックアウト(以下、KO)が宣告され、試合が終了させられる。これを10カウント制という。
ただし、近年は選手のダメージが大きい場合、10秒数え終える前にレフェリーがKOを宣告し、試合終了を宣言する場合が多い。これは、安全性の観点から、ダメージが大きい場合は即座に試合を止めるという風潮があるからである。そのため、レフェリーはダウンを宣告すると、選手の状態(足元がふらついていないか、意識を失なっていないか等)を確認する。10秒以内に立ち上がってファイティング・ポーズを取れたとしても、選手の負ったダメージが大きすぎると判断した場合、KOを宣告し、試合を止める。
また、規定の回数以上ダウンを宣告されると、自動的にKO負けを宣告されるルールを採用する団体もある。例えば、ボクシングの世界王座認定団体の世界ボクシング協会(WBA)は、1回のラウンドで3回ダウンを宣告されると、その時点でKO負けを宣告する「3ノックダウン制」を採用している。また、世界ボクシング評議会(WBC)は、ダウンの回数は気にせず、ダウンした選手のダメージ量を見てKO負けにするか続行させるかを判断する「フリーノックダウン制」を採用している。K-1の場合は、ワンマッチにおいては「3ノックダウン制」を採用しているが、トーナメントでは2度のダウンでKO負けとなる「2ノックダウン制」を採用している。ただし、トーナメント決勝戦はワンマッチ同様「3ノックダウン制」である。なお、団体やルールによっては、カウントを5秒に短縮する場合もある。また、J-NETWORKのようにラウンド開始後に10カウントを数えて選手が試合に入らない場合にKOとする団体も存在する。
レフェリーやドクターが試合を止めた場合、あるいはセコンドがタオル投入により棄権の意思表示をした場合はテクニカル・ノックアウト(T.K.O.)と呼ぶ(特にレフェリーが止めた場合はレフェリー・ストップ、ドクターが止めた場合はドクター・ストップと呼ぶ)。
両者がノックダウンして、両者とも立ち上がれない場合はダブル・ノックアウトと呼び、引き分けとなる。
相手の攻撃によってリングの外に出された場合、レフェリーは20カウントを数え、それまでにリングに戻れなければノックアウト負けとなる。これはリング・アウトと呼ぶ。
なおアマチュアボクシングでは、KO(KnockOut)の他に、プロボクシングのTKOに相当するものとして「レフェリーストップコンテスト(RSC)」がある。RSCは、選手がカウント内に立ち上がったものの、
と判断した場合、などに適用される。
特にレフェリーによって頭部へのダメージが大きいと判断された場合には、RSCのバリエーションであるRSCH(H=Head)が適用される。
コンピュータ採点(5人の審判で押しボタン投票を行ない過半数で有効打と判定されたら1点)を採用している試合では、15点差が付くとRSCのバリエーションとしてRSCO(RefereeStopContest Outclass)が適用される(野球での点差によるコールドゲームやアマチュアレスリングでのテクニカルフォールと同義)。
総合格闘技でもKO決着は存在するが、倒れた相手に対する加撃が認められるゆえそれが行われるかダウンした時点でレフェリーストップに至るため、10カウントに入ることは滅多にない。アマチュアの総合格闘技ではグラウンドパンチを禁止していることが多いため、スタンドからの打撃によるダウンはボクシング同様にダウンカウント方式を採用している。
プロレスにも10カウント制のKO決着は一応ルール上は存在するが、3カウント制のフォール勝ちがあるため、普通レスラーはそちらを取りに行くので、通常の試合ではKO決着はほとんど見られない(ダブル・ノックアウトは度々見られる)。しかし、アメリカのプロレス団体WWEには、フォールもギブアップも無く、10カウントKOのみで試合を決するラストマン・スタンディング・マッチという形式の試合が存在する。
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