出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/28 10:25:54」(JST)
ノズル(Nozzle)とは、気体や液体のような流体の流れる方向を定めるために使用されるパイプ状の機械部品のこと。ノズルは流れる物質の流量、流速、方向、圧力と言った流体の持つ特性をコントロールするために幅広く使用される。
一般に、ノズルは内部エネルギーを犠牲にする代わり、運動エネルギーを増加させる事に用いられる。
ノズルは「コンバージェント」(流体が進むにつれ、直径が小さくなっていく)あるいは「ダイバージェント」(流体が進むにつれ、直径が大きくなっていく)型として分類できる。デ・ラベル・ノズルは、収束部に続いて発散部を持っており、しばしばコンバージェント・ダイバージェント・ノズルと呼ばれる。
コンバージェント・ノズルは流体を加速させる。ノズルの圧力比が十分に高ければ、流速はノズルのもっとも狭い部分で音速に達する。このような場合、ノズルはchokedであるという。
ここでノズルの圧力比をより大きくしても、ノズルのもっとも狭い部分での流速はマッハ1のまま変わらない。流体はノズルを出た後に自由膨張して音速を突破する。
ダイバージェント・ノズルは、流速が亜音速である場合、流速をさらに落とす。しかし、音速に達している流体や超音速の流体に対しては、さらに流速を高める。
このため、デ・ラベル・ノズルは、chokeによって音速に達した流体を、超音速に加速することができる。このCDプロセスはコンバージェント・ノズルの超音速性能を劇的に改善する。
排気速度は対気速度以上でなければならないので、超音速航空機は、重量およびコストの超過を承知の上で、コンバージェント・ダイバージェント・ノズルを備えるのが普通である。戦闘機やSST(例:コンコルド) のような航空機が使用する超音速ジェット・エンジンは高いノズル圧力比を持っている。一方、亜音速ジェットエンジンの排気速度は低く、亜音速の排気しか要求されない。そしてそれほど高くないノズル圧力比をもっており、単純なコンバージョン・ノズルを使う。
ロケットエンジンでは高圧力比のノズルにより最大推力と噴出速度コンバージェント・ダイバージェント・ノズルを使用する。大気圏内では大気圧のため膨張比を大きくとることはできない。
磁気ノズルはプラズマの制御技術として考え出されたノズルである。
プラズマはプラズマ全体で見れば電気的に中性であるが、ミクロ的に見ると電離したイオンや自由電子、すなわち荷電粒子の集まりであり、それらが不規則に飛び回っている。ここに磁場をかけるとローレンツ力によって荷電粒子の流れが整えられる。さらに磁場を変化させることによってその流れの向きを変化させられる。これが磁気ノズルの動作原理である。
これは核融合炉や核融合ロケットを制御するための研究が進められている。
ガス化された異なる質量を持つ物質を分離する為に用いられる。重い粒子は遠心力により外側へ流れ、軽い粒子は内側へ流れる。ノズルの精度や運転時の圧力、温度管理には高精度が求められる。一方、流体に含まれる微粒子によって磨耗すると分離精度が下がるので定期的に交換する必要がある。カスケード状に何段も並べる事で純度を高める。
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