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ネダプラチン
英
nedaplatin
商
アクプラ
関
抗悪性腫瘍薬
その他の腫瘍用薬
Japanese Journal
口腔癌頸部リンパ節転移に対するドセタキセルと
ネダプラチン
による超選択的動注を用いた化学放射線療法の有効性
小林 恒,佐藤 寿,榊 宏剛 [他]
日本口腔科学会雑誌 61(1), 8-15, 2012-01
NAID 40019230309
症例報告 術前化学療法が著効した子宮頸癌Ib2期の1例
野村 由紀子,幸本 康雄,松浦 玲 [他]
東京産科婦人科学会会誌 60(4), 580-584, 2011-12
NAID 40019361799
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
抗悪性腫瘍剤
販売名
アクプラ静注用10mg
組成
成分・含量(1瓶中)
ネダプラチン10mg
添加物
デキストラン70 10mg
禁忌
重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪する。]
重篤な腎障害のある患者[腎障害が増悪する。]
本剤又は他の白金を含む薬剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
頭頸部癌,肺小細胞癌,肺非小細胞癌,食道癌,膀胱癌,精巣(睾丸)腫瘍,卵巣癌,子宮頸癌
通常,成人にはネダプラチンとして1日1回80〜100mg/m
2
(体表面積)を投与し,少なくとも4週間休薬する。これを1コースとし,投与を繰り返す。
なお,投与量は,年齢,疾患,症状により適宜増減する。
本剤投与時,投与量に応じて300mL以上の生理食塩液又は5%キシリトール注射液に溶解し,60分以上かけて点滴静注する。
本剤の投与に引き続き1000mL以上の輸液を点滴静注する。
慎重投与
骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪するおそれがある。(「警告」の項参照)]
腎障害のある患者[腎障害が増悪するおそれがある。(「警告」の項参照)]
肝障害のある患者[肝障害が増悪するおそれがある。]
聴器障害のある患者[聴器障害が増悪するおそれがある。]
感染症を合併している患者[本剤の骨髄抑制作用により,感染症が増悪するおそれがある。]
水痘患者[致命的な全身障害があらわれることがある。]
高齢者[骨髄抑制が増悪するおそれがある。(「高齢者への投与」の項参照)]
重大な副作用
ショック,アナフィラキシー様症状(1〜5%未満):ショック,アナフィラキシー様症状(潮紅,呼吸困難,悪寒,血圧低下)等があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
骨髄抑制:汎血球減少(1〜5%未満),貧血,白血球減少,好中球減少,血小板減少,出血傾向(0.1〜1%未満)等があらわれることがあるので,末梢血液の観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与間隔の延長,減量,休薬等の適切な処置を行うこと。
腎不全(0.1〜1%未満):腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与継続の可否について慎重に検討すること。
アダムス・ストークス発作:アダムス・ストークス発作を起こして死亡した症例が報告されている。[「重要な基本的注意」の項参照]
難聴・聴力低下(1〜5%未満),耳鳴(0.1〜1%未満):難聴,高音域の聴力低下,耳鳴等があらわれることがあるので,適宜聴力検査を行うなど患者の状態を十分に観察し,異常が認められた場合には休薬するなど適切な処置を行うこと。前治療に他の白金製剤の投与を受けた患者,投与前から聴力低下,腎機能低下のある患者には特に注意すること。
間質性肺炎(0.1%未満):発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗腫瘍作用
マウス腫瘍細胞株(Lewis肺癌)並びにヒト腫瘍の培養細胞株(肺大細胞癌株Lu-99,肺扁平上皮癌株RERF-LC-AI)に対する50%増殖抑制濃度はいずれも1μg/mL以下,ヒト肺腺癌株A549に対しては1.6μg/mL,ヒト正常肺及び羊膜の細胞株各2株に対しては6.5〜12.5μg/mLであった。(
in vitro
)
可移植性動物腫瘍株に対する最高ILS%
注1
及び化学療法係数
注2
は,下表のとおりであった。(
in vivo
)
表4 可移植性動物腫瘍株に対する効力参照
ヌードマウス(BALB/c-nu/nu)に移植したヒトの肺癌株(6株),頭頸部癌株(3株),食道癌株(1株),子宮頸癌株(2株)に,LD
50
の1/2量(29.6mg/kg)を単回静脈内投与した場合に,肺癌株(4株),食道癌株(1株),子宮頸癌株(1株)に対して腫瘍増殖抑制作用を示した。(
in vivo
)
作用機序
ネダプラチンは細胞内に入った後,グリコレート配位子のアルコール性酸素と白金の結合が切れて,白金に水が付加したイオン種(活性種,すなわちアコ錯体)を生成する。次に,一方が外れたグリコレート配位子は不安定になって脱離し,種々のイオン種に変化し,これらのイオン種がDNAと結合する。
このように本薬はシスプラチンと同様の経路でDNAと結合し,その結果,DNAの複製を阻害することにより抗腫瘍作用を示すと考えられる。
なお,本薬あるいはシスプラチンとDNAとの反応においても,結合塩基の種類は完全に一致していることが確認されている
10)
。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称:ネダプラチン(JAN)
Nedaplatin
化学名:
cis
-Diammineglycolatoplatinum
分子式:C
2
H
8
N
2
O
3
Pt
分子量:303.18
化学構造式:
性状:白色〜淡黄色の結晶性の粉末である。
水にやや溶けにくく,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点:昇温により,着色,発泡等の変化を伴い分解し,明確な融点は認められない。
分配係数:0.006[pH7,クロロホルム/緩衝液]