- 英
- Newcastle disease
- 関
- ニューキャッスル病、Newcastle病
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/01/28 19:13:52」(JST)
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ニューカッスル病(ニューカッスルびょう)は鳥類のウイルス性感染症で、ニワトリをはじめ多くの家禽や野生鳥類に感染する。日本も含めた多くの国に在来する病気で、伝染性が高く、経済的にも重大な影響を与える。日本ではニワトリ、アヒル、ウズラ、七面鳥に関して家畜伝染病予防法の法定伝染病に指定されている。家禽における法定伝染病はほかに高病原性鳥インフルエンザ、家禽コレラ、家きん禽サルモネラ感染症がある。
東南アジアで1926年に初めて発見されたが、翌1927年にイギリスのニューカッスル・アポン・タインで再発見されたため命名された。「ニューカッスル」を日本語に訳すと「新しい城」となるが、中国語では「新城病」と表記される。
病原体であるニューカッスル病ウイルス(Newcastle disease virus:NDV)は1本鎖-鎖RNAウイルスで、はしかウイルス、おたふくかぜウイルス、ジステンパーウイルス、センダイウイルスなどとともにパラミクソウイルス科に分類される。
目次
- 1 症状等
- 2 NDVの利用
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
症状等
感染は病鳥の糞などで汚染された飼料、水、器具や衣服などを通して起こる。ヒトが病鳥に直接曝露されると、稀に軽度の結膜炎とインフルエンザ様症状を起こすことがあるが、それ以外にはNDVはヒトの健康に害を及ぼすことはない。
鳥類の症状はNDVの系統、および宿主の種や健康状態、齢数などによって大きく異なるが、呼吸器系(呼吸困難、咳)、神経系(抑うつ、食欲不振、翼の脱力、麻痺)、眼や首の腫脹、下痢、卵殻の異常、産卵の減少などがある。ニワトリが最も感受性が高い。トリインフルエンザと誤認される場合もある。
NDVの系統は強毒株、中毒株、弱毒株に分けられる。強毒型はさらにアジア型(内臓強毒型)とアメリカ強毒型(神経強毒型)に分けられる。強毒株は呼吸器と神経に重篤な症状を起こし、感染力も強く死亡率は90%にも達する。中毒株は咳や産卵の異常を起こし死亡率は10%ほどになる。弱毒株の死亡率はごくわずかである。
強毒株は全身の臓器に存在するフーリン(en:furin)などの酵素によりFタンパク質の開裂が起こるため全身の臓器で増殖することが可能であるが、弱毒株では気管や消化器に存在する酵素によってしかFタンパク質の開裂が起こらないため、気道と消化器でしか増殖することができない。
治療法はないが(日本では法定伝染病であるため淘汰の対象となる)、計画的なワクチン接種と衛生管理により予防が可能であり、これによって近年の日本における、通常の養鶏農場での発生の心配は殆どなくなった。しかし、NDワクチンの接種を行なっていない小規模農家や、鑑賞用として飼育している愛好家のニワトリで未だに散発的な発生が見られている。
診断には発育鶏卵や組織培養法を用いてウイルスを分離、赤血球凝集抑制試験(HI試験)により同定する。抗体の検出にはゲル内沈降反応やELISAが有用である。
伝染性喉頭気管炎、伝染性気管支炎、マレック病、鶏脳脊髄炎、鶏脳軟化症、トリインフルエンザ、家禽コレラとの鑑別が必要である。
NDの生ワクチンと伝染性喉頭気管炎の生ワクチンの間では干渉現象が認められるため、両者は混合使用されない。
NDVの利用
NDVにはヒトの正常細胞には強い毒性を示さず一部の癌細胞を選択的に殺す性質がある(正常細胞にある感染抑止機構が癌化により外れると考えられる)ことから、関心が持たれている。
ヘブライ大学の研究者は特異的に癌細胞だけを標的にする自然変異株NDV-HUJを分離した。これは弱毒株の一種で、正常細胞にはほとんど影響せずにある種の癌細胞(脳腫瘍、肺癌)に選択的に感染し複製する性質を持っている。2006年の発表によれば彼らはこの新しいウイルス療法を14人の多型性神経膠芽腫(悪性度の高い脳腫瘍)患者に適用し、うち1人で腫瘍が退縮するという有望な結果を得た(外部リンク参照)。
関連項目
外部リンク
- Phase I/II trial of intravenous NDV-HUJ oncolytic virus in recurrent glioblastoma multiforme.
- NDV-HUJ variant discovered by researchers from the Hebrew University
家畜伝染病 |
言葉 |
家畜/家禽 - 牧畜/酪農/養豚/養鶏/養蜂 - 畜産/畜産業
病原体 - 感染 - 感染経路 - 伝染病/感染症 - 海外悪性伝染病 - 人獣共通感染症 - 公衆衛生 - アウトブレイク/パンデミック - ワクチン - 屠殺 - 殺処分 - 検疫
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組織・施設等 |
国際獣疫事務局(OIE) - 国際連合食糧農業機関(FAO) - 農林水産省/農業・食品産業技術総合研究機構/動物衛生研究所 - 検疫所/家畜防疫官 - 家畜保健衛生所/家畜防疫員/獣医師 - 日本家畜商協会/家畜商 - 屠畜場/化製場 - 保健所 - 農業共済組合/農業災害補償制度
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協定・法律等 |
SPS協定(世界貿易機関) - OIEコード(国際獣疫事務局) - 家畜伝染病予防法(農水省) - 狂犬病予防法(厚労省) - 口蹄疫対策特別措置法 - Category:畜産関連法規
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国際獣疫事務局 リスト疾病 |
複数種 |
炭疽症 - オーエスキー病 - ブルータング - ブルセラ症 - クリミア・コンゴ出血熱 - エキノコックス症 - 口蹄疫 - 心水病 - 日本脳炎 - レプトスピラ症 - 新世界ラセンウジバエ - 旧世界ラセンウジバエ - ヨーネ病 - Q熱 - 狂犬病 - リフトバレー熱 - 牛疫 - 旋毛虫症 - 野兎病 - 水胞性口炎 - 西ナイル熱
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ウシ |
アナプラズマ病 - バベシア症 - 牛疫 - 牛海綿状脳症 - 結核 - 牛ウイルス性下痢 - 牛肺疫 - 牛白血病 - 出血性敗血症 - 牛伝染性鼻気管炎 - 皮膚病 - 悪性カタル熱 - タイレリア症 - トリコモナス病 - ナガナ病
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ヒツジ、ヤギ |
山羊関節炎・脳脊髄炎 - 伝染性無乳症 - 山羊伝染性胸膜肺炎 - 流行性羊流産 - 羊慢性進行性肺炎 - ナイロビ羊病 - 緬羊ブルセラオビス - 小反芻獣疫 - サルモネラ症 - スクレイピー - 羊痘/山羊痘
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ウマ |
アフリカ馬疫 - 馬伝染性子宮炎 - 媾疫 - 東部馬脳炎 - 西部馬脳炎 - 馬伝染性貧血 - 馬インフルエンザ - 馬ピロプラズマ病 - 馬鼻肺炎 - 馬ウイルス性動脈炎 - 鼻疽 - スーラ病 - ベネズエラ馬脳脊髄炎
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ブタ |
アフリカ豚コレラ - 豚コレラ - ニパウイルス感染症 - エキノコックス症 - 豚繁殖・呼吸障害症候群 - 豚水胞病 - 伝染性胃腸炎
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トリ |
クラミジア - 鶏伝染性気管支炎 - 鶏伝染性喉頭気管炎 - 鶏マイコプラズマ病 - あひる肝炎 - 家禽コレラ - 家禽チフス - 鳥インフルエンザ - 伝染性ファブリキウス囊病 - マレック病 - ニューカッスル病 - ひな白痢 - 七面鳥鼻気管炎
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ウサギ |
兎粘液腫 - ウサギ出血病
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ハチ |
アカリンダニ症 - アメリカ腐蛆病 - ヨーロッパ腐蛆病 - スモール・ハイブ・ビートル症 - ミツバチトゲダニ症 - バロア病
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魚類 |
伝染性造血器壊死症 - 伝染性造血器壊死症 - コイ春ウイルス病 - ウイルス性出血性敗血症 - 伝染性膵臓壊死症 - 伝染性サケ貧血 - 流行性潰瘍症候群 - 細菌性腎臓病 - ギロダクチルス症 - マダイイリドウイルス病
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軟体動物 |
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甲殻類 |
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その他 |
ラクダ痘 - リーシュマニア症
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家畜伝染病予防法上の監視伝染病 |
法定伝染病 |
牛疫 - 牛肺疫 - 口蹄疫 - 日本脳炎 - 狂犬病 - 水胞性口炎 - リフトバレー熱 - 炭疽症 - 出血性敗血症 - ブルセラ症 - 結核病 - ヨーネ病 - ピロプラズマ症 - アナプラズマ病 - 牛海綿状脳症 - 鼻疽 - 馬伝染性貧血 - アフリカ馬疫 - 豚コレラ - アフリカ豚コレラ - 豚水胞病 - 家きんコレラ - 高病原性鳥インフルエンザ - ニューカッスル病 - 家きんサルモネラ感染症 - 腐蛆病
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届出伝染病 |
ブルータング - アカバネ病 - 悪性カタル熱 - チュウザン病 - ランピースキン病 - 牛ウイルス性下痢・粘膜病 - 牛伝染性鼻気管炎 - 牛白血病 - アイノウイルス感染症 - イバラキ病 - 牛丘疹性口炎 - 牛流行熱 - 類鼻疽 - 破傷風 - 気腫疽 - レプトスピラ症 - サルモネラ症 - 牛カンピロバクター症 - トリパノソーマ病 - トリコモナス病 - ネオスポラ症 - 牛バエ幼虫症 - ニパウイルス感染症 - 馬インフルエンザ - 馬ウイルス性動脈炎 - 馬鼻肺炎 - 馬モルビリウイルス肺炎 - 馬痘 - 野兎病 - 馬伝染性子宮炎 - 馬パラチフス - 仮性皮疽 - 小反芻獣疫 - 伝染性膿疱性皮膚炎 - ナイロビ羊病 - 羊痘 - マエディ・ビスナ - 伝染性無乳症 - 流行性羊流産 - トキソプラズマ病 - 疥癬 - 山羊痘 - 山羊関節炎・脳脊髄炎 - 山羊伝染性胸膜肺炎 - オーエスキー病 - 伝染性胃腸炎 - 豚エンテロウイルス性脳脊髄炎 - 豚繁殖・呼吸障害症候群 - 豚水疱疹 - 豚流行性下痢 - 萎縮性鼻炎 - 豚丹毒 - 豚赤痢 - 鳥インフルエンザ - 鶏痘 - マレック病 - 伝染性気管支炎 - 伝染性喉頭気管炎 - 伝染性ファブリキウス嚢病 - 鶏白血病 - 鶏結核病 - 鶏マイコプラズマ病 - ロイコチトゾーン病 - あひる肝炎 - あひるウイルス性腸炎 - 兎ウイルス性出血病 - 兎粘液腫 - バロア病 - チョーク病 - アカリンダニ症 - ノゼマ病
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Japanese Journal
- ニューカッスル病及びマレック病ワクチン(組換え生ワクチン)
- 鈴木 祥子
- 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 65(5), 325-326, 2012-05-20
- NAID 10030648228
- 弱毒ニューカッスル病ウイルスMET95株の赤血球凝集能
- 高瀬 公三,山崎 憲一,小尾 岳士,タカセ コウゾウ,ヤマザキ ケンイチ,オビ タカシ,TAKASE Kozo,YAMAZAKI Kenichi,OBI Takashi,髙瀬 公三
- 鹿児島大学農学部学術報告 (61), 1-5, 2011-03-00
- 弱毒ニューカッスル病ウイルスMET95株の赤血球凝集(HA) 能について, 同弱毒ウイルスB1株あるいはVG/GA株との比較において検討した。各HA能のホルマリンによる不活化作用において差は認められなかったが, 熱(50°C) による不活化作用には差を認め, B1株のHA能は他の2株よりも早く失活した。MET95株およびB1株の感染価あるいはHA価を同じに調整した不活化ウイルス液に水酸化アルミニウ …
- NAID 40018802840
- ニューカッスル病ウイルスの赤血球凝集抑制試験による抗体検査法
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アレルゲンスクラッチエキス「トリイ」卵黄
効能または効果
診断
- アレルギー性疾患のアレルゲンの確認
- 用法及び用量
診断
通常乱刺または切皮法により皮膚面に出血しない程度に傷をつけ、本品1滴を滴下し、15〜30分後に膨疹径が対照の2倍以上または5mm以上を陽性とする。
重大な副作用
ショック
(頻度不明)
- ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、くしゃみ、蕁麻疹、血管浮腫、不快感、口内異常感、喘鳴、耳鳴等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
★リンクテーブル★
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ニューカッスル病、ニューキャッスル病、Newcastle病
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- disease、sickness
- 関
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