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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ノルモナール錠15mg
組成
- 本剤は、1錠中にトリパミド15mgを含有する割線入りの白色の素錠である。
添加物として結晶セルロース、ステアリン酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する。
禁忌
- 無尿の患者
〔無尿の患者では利尿が期待できず、本剤が体内に貯留し中毒性の副作用(肝障害、皮膚障害)を起こすおそれがある。〕
- 急性腎不全の患者
〔急性腎不全患者ではBUN、クレアチニン、カリウムが上昇し、ナトリウム、クロールが低下する。本剤の使用によりBUN、クレアチニンが上昇し、電解質バランスを乱すことがある。〕
- 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者
〔本剤の使用により体液中のナトリウム・カリウムをさらに低下させ低ナトリウム血症、低カリウム血症を誘発するおそれがある。〕
- チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対し過敏症の既往歴のある患者
〔本剤の代謝産物がチアジドと類似の代謝産物を有しているので、スルホンアミドを含むチアジドによる過敏症の発現例では同様の過敏症が発現するおそれがある。〕
効能または効果
本態性高血圧症
- トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1〜2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 進行した肝硬変症のある患者
〔肝性昏睡を誘発することがある。〕
- 心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
〔急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。〕
- 重篤な腎障害のある患者
〔低ナトリウム血症、低クロール血症を誘発するなど電解質バランスを乱すことがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- 肝疾患・肝機能障害のある患者
〔類似化合物であるチアジドは肝機能を悪化させることがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者
〔痛風や糖尿病を悪化させることがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- 下痢、嘔吐のある患者
〔下痢、嘔吐による電解質失調を悪化させ低ナトリウム血症、低カリウム血症、低クロール血症を誘発するおそれがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
〔高カルシウム血症を誘発し、筋肉障害を誘発するおそれがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- ジギタリス製剤の投与を受けている患者
〔「相互作用」の項参照〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- 糖質副腎皮質ホルモン又はACTHの投与を受けている患者
〔「相互作用」の項参照〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- 減塩療法を受けている患者
〔電解質バランスを乱しやすい。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- 高齢者
〔「高齢者への投与」の項参照〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- 乳児
〔乳児は電解質失調を起こすおそれがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
- 交感神経切除後の患者
〔本剤の降圧作用が増強される。〕
重大な副作用
低ナトリウム血症
頻度不明
- けん怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
低カリウム血症
0.1〜5%未満
- けん怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
薬効薬理
降圧作用
- 本薬は、正常血圧動物では血圧に影響を与えないが、自然発症高血圧ラット、DOCA・食塩負荷高血圧ラット、Goldblatt型高血圧犬では1〜10mg/kgの経口投与で有意な降圧作用を示す。1回投与によって、血圧下降を示し、連続投与により降圧作用はさらに明確となり、慣れの現象はみられない。7)
利尿作用
- ラットに0.13〜160mg/kgの範囲で経口投与すると、用量に応じ尿量、ナトリウム、クロールの排泄が促進されるが、フロセミドやヒドロクロロチアジドに比べて、その用量−反応曲線の勾配はゆるやかで、カリウム排泄は明らかに少ない。イヌの実験及び健康人でも、カリウム排泄作用は小さく、利尿作用は緩和で、持続的である。また、ヒトにおいて腎動脈血流量及び糸球体ろ過量の低下は認められない。8) 9) 10)
血管平滑筋の弛緩作用
- 本薬は、モルモットの摘出腸間膜動脈の活動電位を10-7g/mLの濃度で抑制した。11)
作用機序
- 本薬の降圧機序は緩和な塩利尿作用と末梢血管拡張作用に基づくと考えられる。7) 8) 11)
有効成分に関する理化学的知見
一 般 名
化 学 名
- N‐(4‐aza‐endo‐tricyclo[5.2.1.02,6]decan‐4‐yl)‐4‐chloro‐3‐sulfamoylbenzamide
分 子 式
分 子 量
構 造 式
物理化学的性状
- トリパミドは白色〜微黄色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。本品はギ酸又はN,N‐ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はアセトンに溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点:約255℃(分解)
融 点
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