- 英
- tamibarotene
- 商
- アムノレイク
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タミバロテン |
|
IUPAC名
4-[(1,1,4,4-tetramethyltetralin-6-yl)carbamoyl]benzoic acid
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
94497-51-5 |
PubChem |
108143 |
ChemSpider |
97231 |
UNII |
08V52GZ3H9 |
DrugBank |
DB04942 |
ChEBI |
CHEBI:32181 |
ChEMBL |
CHEMBL25202 |
IUPHARリガンド |
2648 |
バイルシュタイン |
3564473 |
- O=C(O)c1ccc(cc1)C(=O)Nc2ccc3c(c2)C(CCC3(C)C)(C)C
|
- InChI=InChI=1S/C22H25NO3/c1-21(2)11-12-22(3,4)18-13-16(9-10-17(18)21)23-19(24)14-5-7-15(8-6-14)20(25)26/h5-10,13H,11-12H2,1-4H3,(H,23,24)(H,25,26)
|
特性 |
化学式 |
C22H25NO3 |
モル質量 |
351.44 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
タミバロテン(Tamibarotene、商品名:アムノレイク、開発コード:Am80、TOS-80T)は別名:レチノ安息香酸とも呼ばれる合成レチノイドであり、トレチノイン(ATRA)耐性急性前骨髄球性白血病(APL)に対する化学療法剤として用いられる経口剤である[1]。日本でのみ承認(2005年4月[2]:1)されており、早期臨床試験でATRAより良好な忍容性が示されている[3]。他に、アルツハイマー型認知症、多発性骨髄腫、クローン病治療への応用が模索されている[3][4]。
目次
- 1 効能・効果
- 2 警告
- 3 副作用
- 4 合成経路
- 5 用法・用量
- 6 参考資料
効能・効果
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病[5]
警告
- レチノイン酸症候群が発現し、致死的な転帰を辿る事が有る。
- 催奇形性が有るので、妊娠する可能性の有る婦人に止むを得ず投与する場合は避妊させる。1ヵ月毎に妊娠検査する事が望ましい。
副作用
添付文書に記載されている重大な副作用は、レチノイン酸症候群、感染症、白血球増加症、間質性肺疾患、縦隔炎、横紋筋融解症である。
5%以上の患者に頭痛、発疹、皮膚乾燥、湿疹、剥脱性皮膚炎、骨痛、関節痛、発熱、白血球数増加、ヘモグロビン減少、AST増加、ALT増加、LDH増加、ALP増加、TG増加、TC増加、毛包炎、CRP増加が発生する。
合成経路
テトラリン骨格を有するタミバロテンは、下記の経路で合成する事が出来る。
ジオール[1]を塩酸で処理してカルボン酸クロリド[2]を得る。塩化アルミニウムを触媒としてアセトアニリドに[2]をフリーデル・クラフツ反応で結合させ、テトラリン[3]を得る。アミドをアルカリで加水分解してアニリン誘導体[4]を得る。[4]のアミノ基をテレフタル酸モノエチルエステルモノクロリド[5]でアシル化してアミド[6]を得る。[6]のエステル基を再び加水分解して最終産物[7]を得る[6]。
用法・用量
寛解導入療法:1日6mg/m2を2回にわけて朝、夕食後経口投与し、骨髄寛解が得られるまで投与する。投与期間は本剤の投与開始日から8週間を越えないこと。
参考資料
- ^ "Tamibarotene: AM 80, retinobenzoic acid, Tamibaro". Drugs in R&D 5 (6): 359–62. 2004. doi:10.2165/00126839-200405060-00010. PMID 15563242.
- ^ “アムノレイク錠2mg インタビューフォーム”. 東光薬品工業 (2013年10月). 2015年7月17日閲覧。
- ^ a b Miwako, I; Kagechika, H (August 2007). "Tamibarotene". Drugs Today (Barc) 43 (8): 563–568. doi:10.1358/dot.2007.43.8.1072615. PMID 17925887.
- ^ Fukasawa, H; Nakagomi, M; Yamagata, N; Katsuki, H; Kawahara, K; Kitaoka, K; Miki, T; Shudo, K (2012). "Tamibarotene: a candidate retinoid drug for Alzheimer's disease" (PDF). Biological & Pharmaceutical Bulletin 35 (8): 1206–1212. doi:10.1248/bpb.b12-00314. PMID 22863914.
- ^ “アムノレイク錠2mg 添付文書” (2009年10月). 2015年7月17日閲覧。
- ^ Y. Hamada, I. Yamada, M. Uenaka, T. Sakata, アメリカ合衆国特許第5,214,202号 (1993).
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Japanese Journal
- P-0832 シクロデキストリンによるタミバロテンの溶解性改善(一般演題 ポスター発表,院内製剤・薬局製剤,Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 小林 英文,深水 啓朗,青柳 繁,武田 真弓,鈴木 豊史,伴野 和夫,首藤 紘一,安原 眞人
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 21, 320, 2011-09-09
- NAID 110008910297
- 20-P3-433 急性前骨髄急性白血病治療薬・タミバロテン(Am80)の神経分化誘導剤としての有用性の検討(薬物療法(その他),来るべき時代への道を拓く)
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- タミバロテン(アムノレイク)はトレチノインに続く2つ目のレチノイドとして2005年に承認を受けた抗がん剤で、白血病の中でも特殊な急性前骨髄球性白血病(APL)の治療に用いられます。
- 私たちが一番期待しているレチノイドはタミバロテン (Am80) です。タミバロテンは、 30 年前に東京大学薬学部で合成された化合物で、既に APL の治療薬として承認され、多くの患者さんを救っています (MEDCHEM NEWS 「ある白血病治療薬 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アムノレイク錠2mg
組成
規 格
添加物
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- ビタミンA製剤を投与中の患者[ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こすおそれがある。]
- ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症が憎悪するおそれがある。]
効能または効果
- 染色体検査[t(15;17)転座]又は遺伝子検査(PML-RARα遺伝子)によりAPLと診断された患者に使用すること。
- 初発例のAPL患者での本剤の有効性・安全性は確立していない(「臨床成績」の項参照)。
- 本剤により完全寛解を得た後に再発したAPLに対して、本剤の有効性・安全性は確立していない。
- 寛解導入療法:1日6mg/m2を2回に分わけて朝、夕食後経口投与し、骨髄寛解が得られるまで投与する。投与期間は本剤の投与開始日から8週間を越えないこと。
- 1日6mg/m2を超える用法・用量での有効性及び安全性は明らかではない。1日12mg/m2を超えて投与した経験はない。
- 本剤の寛解後療法の有効性及び安全性は確立していない(投与経験がない)。
慎重投与
- 高脂血症の素因がある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- フィブラート系薬剤を使用している患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 肝機能障害のある患者[類薬(エトレチナート)で、肝障害が悪化するおそれがあることが報告されている。]
- 腎機能障害のある患者[類薬(トレチノイン)で、重篤な腎障害を起こすおそれがあることが報告されている。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 骨の成長が終了していない可能性がある患者(25歳以下の患者)(「重要な基本的注意」及び「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
- レチノイン酸症候群(頻度5%以上):レチノイン酸症候群(諸症状:発熱、呼吸困難、胸水貯留、肺浸潤、間質性肺疾患、肺うっ血、心嚢液貯留、低酸素症、低血圧、肝不全、腎機能不全、多臓器不全等)が発現し、重篤な転帰をたどることがあるので、観察を十分に行うこと。なお、このような症状が認められた場合には、本剤を中止し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行うこと。
- 感染症(頻度5%以上):感染症(肺炎、敗血症等)があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 白血球増加症(頻度5%以上):白血球増加症があらわれることがあるので観察を十分に行い、末梢白血球数が30,000/mm3を超えた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。また、類薬(トレチノイン)において、主に好塩基球性分化能を有するAPL患者において、好塩基球増加症が発現し、抗ヒスタミン血症に至った例も報告されている。
- 間質性肺疾患(頻度5%未満):間質性肺疾患があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 縦隔炎(頻度5%未満):縦隔炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症(頻度5%未満):フィブラート系薬剤を服用している脂質代謝異常の患者に本剤を投与し、本剤との因果関係が否定できない横紋筋融解症が発現し、死亡した症例が報告されているので、異常が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- APLに特異的な染色体異常[t(15;17)転座]の結果生じるPML-RARαキメラ遺伝子は、PMLあるいはRARαの機能を阻害することでアポトーシスの抑制及び骨髄系細胞の分化を阻害しAPLの発症に関与していると考えられている。ここに、本剤が作用するとAPL細胞のPML-RARαキメラ遺伝子の抑制機構が解離され前骨髄球の分化が誘導されると考えられる17)-21)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- タミバロテン(JAN) (英名)Tamibarotene(JAN)
化学名:
- 4-[(5,6,7,8-Tetrahydro-5,5,8,8-tetramethyl-2-naphthyl)carbamoyl]benzoic acid
- >63900[1-オクタノール/緩衝液(pH4.23、25℃)]
854 [1-オクタノール/緩衝液(pH7.07、25℃)]