- 英
- cellulase
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/15 02:54:10」(JST)
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セルラーゼ (Cellulase) とは、β-1,4-グルカン(例えば、セルロース)のグリコシド結合を加水分解する酵素。主に細菌や植物において作られ、生物界に広く存在する。
分子内部から切断するエンドグルカナーゼ EC 3.2.1.4 と、糖鎖の還元末端と非還元末端のいずれから分解し、セロビオースを遊離するエキソグルカナーゼ(セロビオヒドロラーゼ) EC 3.2.1.91 にわけられる。また酵素タンパク質の構造から、ファミリーに分けられている。
目次
- 1 保有生物
- 2 応用
- 3 関連項目
- 4 参考文献
保有生物
菌類など生産能を有している生物のほか、哺乳類では体内に生産能を持つ別の生物を共生させているものがある。
動物類
- 貝類
- 動物では巻き貝や二枚貝がセルラーゼ、ヘミセルラーゼを産生できる。
- 節足動物門
- シロアリやゴキブリはセルラーゼを産生する単細胞の原生生物を腸内に共生させている。動物自身はセルラーゼを産生できないためこのような共生をおこなっていると考えられてきたが、シロアリの研究では、シロアリ自身のゲノムにセルラーゼをコードする遺伝子が存在し、この遺伝子が共生するバクテリアや原生生物から近年に水平転移したものでは無いことが示唆されている (Watanabe et al. 1998)。マツノザイセンチュウもセルラーゼ遺伝子の発現が認められるという報告がある。
- 深海底に生息するカイコウオオソコエビでは、高いグルコース(ブドウ糖)生産性を有している。
- 哺乳類
- ウシやヒツジなどの反芻動物やウマなどの草食動物は消化管にセルラーゼを産生する微生物(細菌、糸状菌、原生生物)を生息させており、これらによるセルロース分解によって植物繊維の消化を可能にしている。
菌類
- 子嚢菌類、担子菌類にはセルロース分解能を持つものが多い。木材の分解はこれらが主体となっており、木材腐朽菌と言われる。糸状菌トリコデルマの1種 Trichoderma reesei はセルラーゼ高生産菌として有名な菌である。50~60 g/lのタンパク質を分泌し、その大部分がセルラーゼ、ヘミセルラーゼを占めている。少なくとも5種のエンドグルカナーゼと2種類のセロビオハイドロラーゼといった複数のセルラーゼを生産することが分かっており、セルロース分解において期待されている。
- 好熱嫌気性セルロース分解細菌 Clostridium thermocellum では複数のサブユニットからなるセルラーゼ複合体 — セルロソーム (Cellulosome) を形成していることが知られており、これが高いセルロース分解能につながっていると考えられている。
応用
植物細胞の細胞壁のみを分解し、植物細胞のプロトプラスト化する場合や、繊維の間の汚れを取るために市販の洗剤に配合されたり、ジーンズ繊維の材質の改善などに使われている。また、カイコウオオソコエビ由来のセルラーゼは廃材などのセルロースを常温でグルコース(ブドウ糖)に変換できることから、穀物を原料としないアルコール燃料の生産に寄与することが期待されている[1]。
関連項目
参考文献
- H Watanabe et al. Nature 394, 330-331, 1998
- ^ マリアナ海溝世界最深部に生息する超深海性ヨコエビの特異な生態の解明と新規セルラーゼの発見 海洋研究開発機構
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- INSECTS REPORTS シロアリ社会性の発達と木質消化
- シロアリ消化システムの変遷 (特集 シロアリ研究の現在)
- アルカリセルラーゼ : 新たな洗浄原理を創出した洗剤配合酵素
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- セルラーゼの話題 この地球上で、最もたくさん存在し ... このセルロースをブドウ糖が数 個つながったオリゴ糖に分解する酵素がセルラーゼです。 セルロースは植物によって ... 草食動物にも消化酵素としてのセルラーゼはありません。しかし彼らは、その胃や腸に ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
※※ オーネスST配合錠
組成
組 成
- オーネスST配合錠は1錠中下記の成分を含有する。
ビオヂアスターゼ2000………………15mg
セルラーゼAP3………………………5mg
ニューラーゼ…………………………10mg
プロザイム6 ………………………4mg
膵臓性消化酵素TA……………………50mg
添加物
トウモロコシデンプン、乳糖水和物、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースフタル酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、酸化チタン、マクロゴール6000、ヒプロメロース、ミツロウ
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- ウシ又はブタたん白質に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能または効果
- 通常成人1回2錠を1日3回食後に経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。
有効成分に関する理化学的知見
胃溶性顆粒
○ビオヂアスターゼ2000
- アスペルギルスに属する糸状菌を培養し、抽出、精製した酵素で、主として、でんぷん消化力、蛋白消化力、繊維素消化力を有する。活性pH域は3.0〜9.0である。
○ニューラーゼ
- リゾープスに属する糸状菌を培養し、抽出、精製した酵素で、蛋白消化力、脂肪消化力を有する。活性pH域は、2.5〜4.5である。
○セルラーゼAP3
- アスペルギルスに属する糸状菌を培養し、抽出、精製した酵素で、繊維素消化力を有する。活性pH域は、3.0〜7.0である。
腸溶性顆粒
○膵臓性消化酵素TA
- 主としてブタの膵臓から製した酵素で、でんぷん消化力、蛋白消化力、脂肪消化力を有する。活性pH域は、6.0〜9.0である。
○プロザイム6
- アスペルギルスに属する糸状菌を培養し、抽出、精製した酵素で、蛋白消化力を有する。活性pH域は、5.0〜8.5である。
★リンクテーブル★
[★]
セルラーゼ
- 関
- beta-glucosidase
[★]
- 英
- cellulase AP3
- 商
- エンテラーゼ配合、オーネスSP配合、オーネスST配合、オーネスSZ配合、ケイラーゼA、ケイラーゼS、セブンイー・P配合、タンチパン配合、ハイフル配合、パスターゼSA配合、フェルターゼ配合、ポリトーゼ、ボルトミー配合、マックターゼ配合
[★]
- 英
- enzyme cellulase
- 関
- セルロース