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- sporocyst
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- オーシスト
原虫のスポロシスト
吸虫のスポロシスト
参考
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/08 23:01:20」(JST)
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スポロシスト (sporocyst) あるいはスポロキストはある種の寄生虫の生活史のステージの1つで、胞子・芽胞 (spore) をもつ嚢子・シスト (cyst) を意味する。原生動物のアピコンプレックス門の生活史のステージの1つと、扁形動物の吸虫の生活史に登場する幼生の1つにこの名称で呼ばれるものがある。
目次
- 1 アピコンプレックス門のスポロシスト
- 2 吸虫のスポロシスト
- 3 参考文献
- 4 関連項目
アピコンプレックス門のスポロシスト
アピコンプレックス門の寄生性の原虫は、宿主の体内で雌雄のガモント(生殖母体)が融合するとオーシスト(接合子嚢)を形成する。このオーシストの中で接合子が分裂して複数の胞子母細胞(スポロブラスト)を形成し、さらに被嚢を形成したスポロブラストの内部で細胞分裂が行われて多数の胞子(スポロゾイト)を形成する。このスポロゾイトを多数内蔵する被嚢を内部のスポロゾイトとともにスポロシストと呼ぶ。ただし、種類によってはスポロブラストは被嚢の内部で分裂せずに、そのままスポロゾイトとなる。
吸虫のスポロシスト
吸虫の二生類では、一次中間宿主である巻貝にミラシジウム幼生が進入すると、これが進入部位の近辺で繊毛衣を脱ぎ捨て、さらに変態、発育して嚢状体となる。これがスポロシスト幼生である。この嚢状態は消化管、排泄系、分泌腺を欠き栄養摂取も体表からの吸収によるが、ミラシジウムから引き継いだ体壁の胚細胞は発達しており、これが無性的な発生によってレジア幼生、あるいは母体と同様のスポロシスト、つまり娘スポロシストに発育して脱出してくる。
娘スポロシストの胚細胞はレジアや娘スポロシストにではなく、セルカリア幼生に発育し、これが母体のスポロシストを、さらには中間宿主の巻貝からも脱出して水中に泳ぎだす。
参考文献
- 石井敏雄 『獣医寄生虫学・寄生虫病学(1)総論/原虫』 講談社サイエンティフィク 1998年 ISBN 4061537156
- 石井敏雄 『獣医寄生虫学・寄生虫病学(2)蠕虫 他』 講談社サイエンティフィク 1998年 ISBN 4061537172
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
- 山田常雄ほか編 『岩波 生物学辞典 第3版』 岩波書店 1983年 ISBN 4000800183
- 八杉龍一ほか編 『岩波 生物学辞典 第4版』 岩波書店 1996年 ISBN 4000800876
- 吉田幸雄 『図説人体寄生虫学 第4版』 南山堂 1991年 ISBN 4525170247
関連項目
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Japanese Journal
- 野生のホンシュウジカにみられた Sarcocystis sybillensis とS. wapiti
- 新井 陽子,田中 成幸,斉藤 守弘
- 動物の原虫病 = Journal of animal protozoosis 25(1), 13-16, 2010-12-15
- … タイプ1の生鮮シストは,1,100-1,300×50-98μmの大きさで,壁は6-10μmと厚く,棚状のvillar protrusionが観察された.タイプ2の生鮮シストは,580-900×40-80μmの大きさで,壁は1μm以下と薄く,毛状のvillar protrusionが観察された.4ヶ月齢の犬2頭を使い,タイプ1またはタイプ2のシスト50個をそれぞれ摂取させたところ,タイプ1またはタイプ2を投与した犬からそれぞれ15-17×10-12μmまたは16-17×10-11μmのスポロシストの排出が認められた. …
- NAID 10028116626
- わが国のホロホロチョウから初めて分離されたコクシジウムの形態およびその病原性
- 矢野 京子,村上 覚史,井上 武 [他],渡邊 忠男,小川 明宏,松井 利博
- 鶏病研究会報 44(2), 75-79, 2008-08-25
- … スポロシストは楕円形で平均9.5×6.1μmで、Stieda bodyおよび内部残体を伴っていた。 …
- NAID 10022568112
- マウス寄生Eimeria krijgsmanniの生活史(寄生虫病学)
- 松井 利博,藤野 隆志,小林 富美恵 [他],森田 達志,今井 壮一
- The journal of veterinary medical science 68(4), 331-336, 2006-04-25
- … 試した.スポロゾイト形成オーシストは卵形または長円形で,19.3×14.8μmであった.1〜2個の小さなpolar granuleが存在したが,micropyleとオーシスト残体は認められなかった.スポロシストは11.6×7.28μmで長円形を呈し,小さなStieda bodyとスポロシスト残体が認められた.6群各5匹のマウスに2.0×10^1から10^6個のオーシストを経口投与した結果,7日目からオーシストを排泄し,OPG値の最高は8日目に10^6個台を示した.排泄期 …
- NAID 110004758085
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