出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/20 07:37:33」(JST)
ジアルジア | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ランブル鞭毛虫 Giardia lamblia
|
|||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||
Giardia Künstler, 1882 | |||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||
|
ジアルジア (Giardia) は、エクスカバータ メタモナス門ディプロモナス目ヘキサミタ科に分類される、原生動物の属である。
哺乳類、鳥類、爬虫類などの脊椎動物に寄生し、ジアルジア症を引き起こす。Giardia intestinalis のみがヒトに寄生する。
ジアルジアは、1681年、ファン・レーウェンフックが、自らの下痢便を顕微鏡観察して、初めて記載した[1]。
1859年、ランブル (Vilém Dušan Lambl) によりケルコモナス Cercomonas の1種 Cercomonas intestinalis として、詳細に記載された。1879年、ランブルの記載に気づかなかったグラッシ Giovanni Battista Grassi により、齧歯類への寄生虫 Dimorphus muris が記載された[1]。
1882年と1883年、キュンストラー Johann Künstler が、おたまじゃくしへの寄生虫(G. agilis か)を Giardia として記載し、これが属名として使われた。しかし1888年 Blanchard は、Lamblia intestinalis として記載した[1]。
ジアルジアのシストは、宿主の糞便に混ざって排出される。シストは湿った涼しい環境では数ヶ月感染力を維持する[2]。
シストは経口摂取されると、十二指腸で有糸分裂しトロフォゾアとなる。そして、腸の粘液層の下の微絨毛に、腹部の吸盤で付着する。これで新しい宿主への感染が確立される[2]。
いくつかの主要な胆汁酸塩の存在など、腸内環境の変化により、次世代のシストが形成される。シストは糞便と共に排出さえ、汚染された水や食事、肉体の接触により、感染が拡大する[2]。
ランブル鞭毛虫が所属するディプロモナス目は、古典的な分類体系では動物性鞭毛虫綱に含めていたが、分子系統解析によればエクスカバータのうちフォルニカータといる系統に属している。
ジアルジアの種分類はいくつかの理由で困難である[1]。
Giardia の種は、宿主ごとに40種以上に分類された。一方、Simon は形態に基づき G. lamblia と G. muris に分類した。1952年 Filice は中央小体の詳細な形態分類により G. duodenalis、G. muris、G. agilis の3種に分類した[1]。
現在では形態観察や分子系統解析に基づいて、6種に分類される[2]。
このうち G. intestinalis には宿主特異性の異なる複数の遺伝型があることが判明しており、将来にはこれに基づいた再分類が行われることが期待される[3]。現在では、A~Gの7つの遺伝型が確認されている[2]。
ヒトに寄生する G. intestinalis とサギ科に寄生する G. ardeae との間の遺伝的距離は、G. intestinalis 内部の遺伝的多様性より大きい。これは、ジアルジアと宿主との間の共進化が起こったことを裏付ける[1]。
しかし、齧歯類に寄生する G. muris は、共進化が起こった場合に予想される、G. intestinalis に遺伝的に近いという結果にはなっておらず、G. intestinalis と G. ardeae から離れている[1]。
ウィキスピーシーズにジアルジアに関する情報があります。 |
ウィキメディア・コモンズには、ジアルジアに関連するカテゴリがあります。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
.