ブデソニド、ホルモテロール
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Japanese Journal
- ブデソニド/ホルモテロール配合剤(シムビコート タービュヘイラー)--in vitroにおける製剤特性
- Backstrom Kjell,Asking Lars,Lindblad Thomas [他]
- アレルギ-・免疫 17(5), 874-884, 2010-05
- NAID 40017113911
- ブデソニド/ホルモテロール配合剤(シムビコート タービュヘイラー)の安全性
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
シムビコートタービュヘイラー30吸入
組成
1回吸入量(容器から放出される量)注1)
- ブデソニド160μg
ホルモテロールフマル酸塩水和物4.5μg
添加物
- 乳糖水和物注2)
- 注1) 本剤とパルミコートタービュヘイラー(本剤の成分の1つであるブデソニド製剤)の用量対応表を【参考】に記載した。
- 注2) 夾雑物として乳蛋白を含む。
禁忌
- 有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある。]
- 本剤の成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既往歴のある患者
効能または効果
- 気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
-
- 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
気管支喘息
- 本剤は吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用による治療が必要な場合に使用すること。
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解
- 本剤は増悪時の急性期治療を目的として使用する薬剤ではない。
気管支喘息
- 通常、成人には、維持療法として1回1吸入(ブデソニドとして160μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として4.5μg)を1日2回吸入投与する。なお、症状に応じて増減するが、維持療法としての1日の最高量は1回4吸入1日2回(合計8吸入:ブデソニドとして1280μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として36μg)までとする。
- 維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追加で行うことができる。本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入する。必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。
- 維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解
- 通常、成人には、1回2吸入(ブデソニドとして320μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として9μg)を1日2回吸入投与する。
気管支喘息
- 症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を投与し、必要に応じ吸入ステロイド剤への切り替えも考慮すること。
- 発作治療薬(本剤の頓用吸入を含む)の使用量が増加したり、効果が十分でなくなってきた場合には、喘息の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求めるように患者に注意を与えると共に、そのような状態がみられた場合には、生命を脅かす可能性があるので、本剤の維持用量の増量、あるいは全身性ステロイド剤等の他の適切な薬剤の追加を考慮すること。併用薬剤は症状の軽減に合わせて徐々に減量すること。
- 患者に対し、本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、用法・用量を超えて使用しないよう注意を与えること。
- β刺激剤の薬理学的作用による症状(動悸、頻脈、不整脈、振戦、頭痛及び筋痙攣等)の発現等により本剤を治療上必要な用量まで増量できない場合は、他の治療法を考慮すること。
[本剤を維持療法として使用する場合]
- 発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤等の適切な薬剤を使用すること。
[本剤を維持療法に加えて頓用吸入としても使用する場合]
- 本剤の頓用吸入は維持療法としての使用に追加して行うこと。本剤は頓用吸入のみに使用しないこと。
- 発作に対しては原則として他の発作治療薬は用いず、本剤を使用すること。
- 維持療法としての吸入に引き続き頓用吸入を行う場合は、維持療法と頓用吸入の合計で最大6吸入までとすること。
- 1日使用量が合計8吸入を超える場合には、医療機関を受診するよう患者に注意を与えること。またこのような患者では、喘息の状態を再度評価し、患者が受けている喘息維持治療の内容についても検討を行うこと。
- 維持療法として1回2吸入1日2回を超える用量を投与している場合は、発作発現時に本剤を頓用吸入で使用しないこと(1回2吸入1日2回を超える用量を投与している時に本剤を発作治療薬として頓用吸入した臨床経験がない)。
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解
- 患者に対し、本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、用法・用量を超えて使用しないよう注意を与えること。
慎重投与
- 感染症の患者[ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがある。]
- 甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症の症状を悪化させるおそれがある。]
- 高血圧の患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
- 心疾患のある患者[β1作用により症状を増悪させるおそれがある。]
- 糖尿病の患者[グリコーゲン分解作用及びステロイドの作用により症状を増悪させるおそれがある。]
- 低カリウム血症の患者[Na+/K+ ATPaseを活性化し細胞外カリウムを細胞内へ移動させることにより低カリウム血症を増悪させるおそれがある。]
- 重度な肝機能障害のある患者[本剤の成分であるブデソニド及びホルモテロールはいずれも主に肝臓で代謝されるため血中濃度が上昇する可能性がある。]
重大な副作用
- アナフィラキシー(1%未満):アナフィラキシー(呼吸困難、気管支攣縮、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 重篤な血清カリウム値の低下(1%未満):β2刺激剤による重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。また、β2刺激剤による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。さらに、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
薬効薬理
ブデソニド
- ブデソニドは、特有の動態学的特性を示す糖質コルチコイドである25)。吸入ブデソニドは、主に気道組織内で可逆的脂肪酸エステル化を受けるが、この特性はブデソニドの持続的な局所組織結合及び抗炎症作用に寄与すると考えられる26)。各種動物喘息モデルにおいて、抗原投与後の即時型及び遅発型喘息反応27)、並びに、気道過敏反応28),29)を抑制した。in vitroにおいて各種炎症性メディエータ及びサイトカインの産生及び遊離を抑制し30)、動物モデルへの局所投与によって気道内好酸球数増加28),29)、血管透過性亢進31)、炎症性肺浮腫形成32)及び気道粘液繊毛輸送能低下33)に対して抑制作用を示した。
ホルモテロールフマル酸塩水和物
- ホルモテロールは選択的なβ2受容体刺激剤で、迅速かつ持続的な気道平滑筋弛緩作用を示した34)。モルモット喘息モデルにおいて、本薬は、吸入投与によって経口投与よりも低い用量で抗喘息作用を示し、経口、皮下及び吸入投与のいずれにおいてもサルブタモールより強力な抗喘息作用を示した35)。外国人の成人気管支喘息患者を対象とした試験において、ホルモテロールを単回吸入したとき、吸入投与後3分以内に肺機能(FEV1)が有意に改善し、作用は12時間持続した36)。
- 日本人を含む慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした12週間の国際共同臨床試験において、投与開始日にホルモテロール吸入投与5分後の肺機能(FEV1)を測定したところ、プラセボに比して有意な増加が認められた37)。
シムビコート(ブデソニド+ホルモテロールフマル酸塩水和物)
- in vitroのヒト気管支上皮細胞において、ブデソニドとホルモテロールの同時添加によって、TNF-α刺激GM-CSF産生を単独添加よりも強力に抑制した38)。ラットアレルギーモデルの気管内にブデソニドとホルモテロールを併用投与時、メタコリン誘発気道収縮及び肺浮腫を相乗的に抑制した(各抑制率(%)は、ブデソニド、ホルモテロール、併用の順に、気道収縮:29.1、12.9、73.2、肺浮腫:25.9、15.7、45.3)39)。
- これら相乗作用の機序は明らかになっていないが、長時間作動型吸入β2刺激剤のクラスエフェクトと考えられ40)、その機序の一つとしてβ2刺激剤が糖質コルチコイド受容体の核移行を促進することが提唱されている41)。
有効成分に関する理化学的知見
1.ブデソニド
- 一般名:ブデソニド(Budesonide)(JAN)
- 化学名:(+)-[(RS)-16α,17α-butylidenedioxy-11β,21-dihydroxy-1,4-pregnadiene-3,20-dione]
- 構造式:
- 分子式:C25H34O6
- 分子量:430.53
- 融点 :約240℃(分解)
- 性状 :ブデソニドは白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノールにやや溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(95)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
2.ホルモテロールフマル酸塩水和物
- 一般名:ホルモテロールフマル酸塩水和物(Formoterol Fumarate Hydrate)(JAN)(日局)
- 化学名:N-(2-Hydroxy-5-{(1RS)-1-hydroxy-2-[(1RS)-2-(4-methoxyphenyl)-1-methylethylamino]ethyl}phenyl) formamide hemifumarate monohydrate
- 構造式:
- 分子式:(C19H24N2O4)2・C4H4O4・2H2O
- 分子量:840.91
- 融点 :約138℃(分解)
- 性状 :ホルモテロールフマル酸塩水和物は白色〜帯黄白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
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