- 英
- ortholog、((英))orthologue
- 関
- 相同分子種、オーソログ
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/11/09 05:48:50」(JST)
[Wiki ja表示]
遺伝子重複(いでんしちょうふく、gene duplication / chromosomal duplication)とは、遺伝子を含むDNAのある領域が重複する現象のことである。遺伝子重複が起こる原因としては、遺伝的組換えの異常、レトロトランスポゾンの転移、染色体全体の重複などがある[1]。
遺伝子の重複だけでなく、ゲノム全体の重複も珍しいことではない。例えば酵母のゲノムは1億年ほど前に重複したと考えられている[2]。また植物では頻繁にゲノム重複が起こっており、コムギは6つのゲノムセットを持つ6倍体である(→ 倍数性)。
目次
- 1 遺伝子重複と進化
- 2 パラログとオーソログ
- 3 参考文献
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
遺伝子重複と進化[編集]
重複した遺伝子の一方は選択圧から開放される。これは同じ機能を持つ二つの遺伝子が存在する場合、一方が突然変異を起こしてその機能を失っても(もしくは変化させても)、もう一方が正常に機能していれば生物の生存に支障が無いためである。そのため重複した遺伝子では、単一の遺伝子よりもはるかに早く、経代に伴う変異が蓄積される。
重複遺伝子は、従って進化の主要な役目を担うと考えられており、100年以上も前から学界において支持されてきた[3]。大野乾はもっとも有名な提唱者の一人であり、著書 "Evolution by gene duplication" (1970年)を著した人物でもある[4]。重複遺伝子は共通祖先の出現以来、最も重要な進化の原動力であったと主張する人もいる。
パラログとオーソログ[編集]
遺伝子重複によって生じた二つの遺伝子はパラログと呼ばれ、一般に機能や構造が異なるタンパク質をコードする。これに対し、異なる生物に存在する相同な機能を持った遺伝子群はオーソログと呼ばれ、種分化の過程で生じたものである。
これらパラログとオーソログを区別することは研究上重要であるが、しばしば困難である。例えばヒトの遺伝子の研究は、他の動物に相同な遺伝子が見つかればそれを用いて行われることが多いが、これはその遺伝子がヒトの遺伝子のオーソログである場合にのみ可能である。仮に遺伝子重複の結果生じたパラログであれば、その機能は全く異なっている可能性が高い。
参考文献[編集]
- ^ Zhang, J. (2003). "Evolution by gene duplication: an update." Trends in Ecology & Evolution 18(6): 292-298. DOI link
- ^ Kellis, M, Birren, BW & Lander, ES. (2004). "Proof and evolutionary analysis of ancient genome duplication in the yeast Saccharomyces cerevisiae" Nature 428: 617-624.
- ^ Taylor, JS. & Raes, J. (2004). "Duplication and Divergence: The Evolution of New Genes and Old Ideas" Annual Review of Genetics 9: 615-643. DOI link
- ^ Ohno, S. (1970). Evolution by gene duplication. Springer-Verlag. ISBN 0-04-575015-7.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- A bibliography on gene and genome duplication(英語)
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 松本 拓真,亀井 陽子,濱口 祐子,久保 友彦,三上 哲夫
- 日本育種学会・日本作物学会北海道談話会会報 (49), 103-104, 2008-12
- NAID 110007133874
- (136) アブラナ科野菜類炭疽病菌の効率的な標的遺伝子破壊株の作出法の確立 : アカパンカビmus-51オルソログ遺伝子ChMUS51遺伝子の単離とchmus51破壊株の性質(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- C-9 塩基性アミノ酸トランスポーターの線虫オルソログの同定とその機能解析(一般口演,第34回杏林医学会総会)
Related Links
- steelyrubripesさん 遺伝子は進化の過程で重複(コピー)して増えたと考えられています。今、Aという遺伝子を考え、進化の過程で重複によりA1,A2,A3の3種類の遺伝子ができたと仮定します。このときもともとのA遺伝子のもつ ...
- 「オルソログ」とは、共通の祖先遺伝子から種分岐に伴って派生した遺伝子間の対応関係、もしくは、そのような対応関係にある遺伝子群を指しています。しかしながら、種分岐を遡ってこのような対応関係を実際に確かめることは現実的で ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- ortholog、((英))orthologue
- 関
- オルソログ、オーソログ
[★]
オルソログ、オーソログ、相同分子種
- 関
- orthologue
[★]
- 英
- ortholog
- 関
- 相同分子種、オルソログ
[★]
相同分子種、オルソログ
- 関
- ortholog
[★]
- 英
- log
- 関
- 記録、対数
[★]
- 英
- ortho
- 関
- オルト