ビダラビン
Japanese Journal
- 帯状疱疹患者の末梢血リンパ球における水痘帯状疱疹ウイルス核酸の検出
- ビダラビン (アラセナ-A( !R)) 注射用新製剤の溶解操作時の有用性に関する検討
- 3%ビダラビン(アラセナA^【○!R】)軟膏外用時のビダラビンとその代謝産物の血漿中濃度
- 西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology 59(6), 907-909, 1997-12-01
- NAID 10019137818
Related Links
- 市販の口唇ヘルペス再発治療薬「アラセナS」。抗ヘルペスウイルス成分ビダラビン配合。(製造販売元:佐藤製薬株式会社) ... この医薬品は、薬剤師からの説明を受け、『使用上の注意』をよく読んでお使いください。
- 持田製薬株式会社のアラセナ-A軟膏3%(化学療法剤)、一般名ビダラビン(Vidarabine) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 ... 通常、適量を1日1~4回、患部に塗布または貼布します。必ず指示された使用方法に従ってください。 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アラセナ−A点滴静注用300mg
組成
- 本剤は1バイアル中に下記成分を含む。
- (組成及び性状の表参照)
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- ペントスタチンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 本剤は、通常、5%ブドウ糖注射液または生理食塩液を用いて用時溶解し、輸液500mLあたり2〜4時間かけて点滴静注する。
●単純ヘルペス脳炎の場合
- ビダラビンとして、通常1日10〜15mg/kg、10日間点滴静注する。なお、症状・腎障害の程度により適宜増減する。
●免疫抑制患者における帯状疱疹の場合
- ビダラビンとして、通常1日5〜10mg/kg、5日間点滴静注する。なお、症状・腎障害の程度により適宜増減する。
-
薬液の調製法
- 通常、輸液(5%ブドウ糖注射液または生理食塩液)500mLあたり本品1バイアルを溶かして用いる。なお、薬液の調製は次の操作で行う。
- 輸液用容器より輸液約10mLを取り、本品1バイアルに注入し、約15秒間よく振り混ぜ、本品の懸濁液を調製する。
- 本品の懸濁液を輸液用容器に戻し、よく振り混ぜ本品の溶解液を調製する。
- 帯状疱疹患者に投与する場合には、可能な限り早期(発症から5日以内)に投与を開始することが望ましい。
- 薬液の調製に際しては、「適用上の注意」の項2.に記載されている点に留意すること。なお、本剤の溶解法については、「アラセナ−A点滴静注用300mgの溶解法」を参照すること。
慎重投与
- 腎障害のある患者[排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。]
- 骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制を助長するおそれがある。]
- 膠原病の患者[副作用があらわれやすいとの報告がある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 乳児・幼児・小児(「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
精神神経障害(0.1〜5%未満)
- 精神神経障害(振戦、四肢のしびれ、痙攣、意識障害、幻覚、錯乱、一過性の精神障害等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
骨髄機能抑制(0.1〜5%未満)
- 骨髄機能抑制(赤血球数、白血球数、血小板数の減少及びヘモグロビン、ヘマトクリット値の低下)があらわれることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので観察を十分に行い、血圧低下、胸内苦悶、脈拍異常、呼吸困難、悪心・嘔吐、発疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗ウイルス作用
- In vitroの実験で、ビダラビンは単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、ワクチニアウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス等のDNAウイルスに対して強い増殖抑制作用を有するが、インフルエンザウイルス等のRNAウイルスに対する増殖抑制作用は認められていない8,9)。
- 実験的に感染させた単純ヘルペス脳炎動物(ウサギ、ハムスター)の20日間生存率は無処置群20〜40%、ビダラビン投与群90〜100%で、ビダラビン投与により生存率が著明に増大した10)。
作用機序
- ウイルスのDNA依存DNAポリメラーゼを強力に阻害することにより抗ウイルス作用が発現するものと推察されている11)。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:ビダラビン(Vidarabine)
- 化学名:9-β-D-Arabinofuranosyladenine
- 構造式:
- 分子式:C10H13N5O4
- 分子量:267.24
- 性状:ビダラビンは白色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。本品はジメチルスルホキシドに溶けやすく、酢酸(100)に溶けにくく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は吸湿性である。
- 融点:約250℃(分解)