- 英
- anneal
- 関
- 徐冷、焼き鈍し
WordNet
- bring to a desired consistency, texture, or hardness by a process of gradually heating and cooling; "temper glass" (同)temper, normalize
PrepTutorEJDIC
- (ひずみの防止のため)〈金属・ガラス〉'を'焼き入れする / 〈精神など〉'を'強くする,鍛える
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/12/24 11:45:30」(JST)
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焼なまし(やきなまし、英語: annealing)、焼鈍し、焼き鈍し、焼鈍(しょうどん)、アニーリングとは、加工硬化による内部のひずみを取り除き、組織を軟化させ、展延性を向上させる熱処理である[1]。目的に応じて多くの種類・方法が存在する。焼きなましと「き」の送り仮名をつける表記もあるが、本記事では日本工業規格、学術用語集の表記に準じる[2][3]。
目次
- 1 完全焼なまし
- 2 応力除去焼なまし
- 3 その他
- 4 派生語
- 5 注・出典
- 6 参考文献
- 7 関連項目
完全焼なまし
最も一般的に行われるのが完全焼なましである。鋼をできるだけ柔らかくすることができる[4]。単に焼なましと言えば、この完全焼なましを指す場合が多い[5]。不必要な残留応力の除去や[6]、鋳鋼品や熱間鍛造品などで結晶粒が粗大化したものを標準組織に回復させる[5]。
保持温度は、亜共析鋼の場合は鉄-炭素系平衡状態図のA3線より20 - 30℃高い温度で、過共析鋼の場合はA1線より20 - 50℃高い温度で行う[5]。この温度で十分時間保持することで、組織をオーステナイト化させる。その後、100℃/h以下のゆっくりとした冷却速度で徐冷を行う[4]。通常は炉中で冷却する炉冷で行われ、炉外で行う場合は灰中で冷却される[5][6]。徐冷により、完全焼なまし後は柔らかい層状パーライト組織などが得られ[5]、鋼の標準組織となる[1]。
応力除去焼なまし
応力除去焼なましは、鍛造、鋳造、冷間加工、溶接、機械加工などで生じる残留応力を除去するために行われるもので、ひずみ取り焼なましとも呼ぶ[7]。また、熱処理の中では低温で行うことから、低温焼なましとも呼ばれる[8]。鋼は、その再結晶温度を超えると再結晶が発生し、ひずみの無い結晶に戻り残留応力が解放される[8]。これを利用して応力除去焼きなましでは、残留応力除去を行う。
保持温度は、再結晶温度約450℃以上からA1線約730℃以下までの間で行われる[4]。加熱温度が高いほど残留応力の除去量が大きくなるが、一般には約500 - 650℃で加熱保持される[8]。鋳鉄の場合は約500 - 700℃[9]、溶接による残留応力除去の場合は約600 - 680℃[10]で保持される。
その他
その他の焼なましの種類として、球状化焼なまし、中間焼なまし、拡散焼なまし、等温焼なまし、軟化焼なましなどがある。
派生語
- 慣用句として、『〔刃物を鍛える時に火が行きわたりすぎて,かえって切れ味のにぶることから〕年をとるなどして衰えてにぶくなる。ぼける。』の意味で「焼きが回る」と言う[11]。
注・出典
- ^ a b 『機械工学辞典』 日本機械学会、丸善、2007年、第2版、1307頁。ISBN 978-4-88898-083-8。
- ^ JIS B 6905 p.2
- ^ “オンライン学術用語集検索ページ”. 学術用語集. 文部科学省・国立情報学研究所. 2014年9月21日閲覧。
- ^ a b c 熱処理技術マニュアル p.40
- ^ a b c d e 熱処理ガイドブック p.121
- ^ a b 機械工作法Ⅰ p.183
- ^ 機械工作法Ⅰ p.184
- ^ a b c 熱処理ガイドブック p.122
- ^ “誰でも分かる鋳物基礎講座”. 日本鋳造工学会関東支部. 2014年7月23日閲覧。
- ^ 『溶接・接合技術入門』 溶接学会、産報出版、2010年、第3版、265頁。ISBN 978-4-88318-151-3。
- ^ “『焼きが回る』の意味”. 大辞林 第三版. ウェブリオ株式会社. 2016年9月1日閲覧。
参考文献
- 日本工業標準調査会(編)、1995、『JIS B 6905 金属製品熱処理用語』
- 大和久重雄、2008、『熱処理技術マニュアル』増補改訂版、 日本規格協会
- 日本熱処理技術協会、2013、『熱処理ガイドブック』4版、 大河出版
- 朝倉健二・橋本文雄、2002、『機械工作法Ⅰ』改訂版、 共立出版 ISBN 4-320-08105-6
関連項目
- 焼入れ
- 焼戻し
- 焼ならし
- 光輝焼鈍
- 焼きなまし法 - 汎用の乱択アルゴリズム
UpToDate Contents
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Japanese Journal
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- HfO₂/Al₂O₃/InGaAsゲート構造における移動度への成膜温度およびH₂アニールの影響 (マイクロ波)
- 電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 116(432), 35-40, 2017-01-26
- NAID 40021098907
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ダイアニールPD-2 4.25腹膜透析液
組成
成分・分量(w/v%)
- 成分 化学式 分量
ブドウ糖 C6H12O6 3.86
塩化ナトリウム NaCl 0.538
乳酸ナトリウム C3H5NaO3 0.448
塩化カルシウム CaCl2・2H2O 0.0257
塩化マグネシウム MgCl2・6H2O 0.00508
電解質濃度
- 電解質 化学式 濃度(mEq/L)
ナトリウムイオン Na+ 132
カルシウムイオン Ca2+ 3.5
マグネシウムイオン Mg2+ 0.5
塩素イオン Cl− 96
乳酸イオン C3H5O3− 40
禁忌
- 横隔膜欠損のある患者[胸腔へ移行し、呼吸困難が誘発されるおそれがある]
- 腹部に挫滅傷又は熱傷のある患者[挫滅又は熱傷の治癒を妨げるおそれがある]
- 高度の腹膜癒着のある患者[腹膜の透過効率が低下しているため]
- 尿毒症に起因する以外の出血性素因のある患者[出血により蛋白喪失が亢進し、全身状態が悪化するおそれがある]
- 乳酸代謝障害の疑いのある患者[乳酸アシドーシスが誘発されるおそれがある]
効能または効果
- 慢性腎不全患者における腹膜透析(高マグネシウム血症や代謝性アシドーシスの改善が不十分な場合に用いる)。
- ダイアニール-N PD-2 1.5腹膜透析液、2.5腹膜透析液、ダイアニールPD-2 4.25腹膜透析液及びダイアニール-N PD-4 1.5腹膜透析液、2.5腹膜透析液、ダイアニールPD-4 4.25腹膜透析液は、各々次のような場合に使用すること。
ダイアニール-N PD-2 1.5腹膜透析液、2.5腹膜透析液、ダイアニールPD-2 4.25腹膜透析液
- 高マグネシウム血症や代謝性アシドーシスの改善が不十分な場合
ダイアニール-N PD-4 1.5腹膜透析液、2.5腹膜透析液、ダイアニールPD-4 4.25腹膜透析液
- 高マグネシウム血症や代謝性アシドーシスの改善が不十分で、かつ炭酸カルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤の投与により高カルシウム血症をきたすおそれのある場合
- 腹腔内に注入し、透析治療を目的とした液として使用する。通常、成人では1回1.5〜2Lを腹腔内に注入し、4〜8時間滞液し、効果期待後に排液除去する。以上の操作を1回とし、体液の過剰が1kg/日以下の場合、通常1日あたりダイアニール-N PD-2 1.5腹膜透析液のみ3〜4回の連続操作を継続して行う。体液の過剰が1kg/日以上認められる場合、通常ダイアニール-N PD-2 2.5腹膜透析液を1〜4回、またはダイアニールPD-2 4.25腹膜透析液を1〜2回処方し、ダイアニール-N PD-2 1.5腹膜透析液と組合せて1日あたり3〜5回の連続操作を継続して行う。なお、注入量、滞液時間、操作回数は症状、血液生化学値及び体液の平衡異常、年齢、体重などにより適宜増減する。注入及び排液速度は、通常300mL/分以下とする。
- ダイアニール-N PD-2 1.5腹膜透析液は患者の体液の過剰が1kg/日以下の場合、これのみを1日に3〜4回交換使用すること。ダイアニール-N PD-2 2.5腹膜透析液は患者の体液の過剰が1kg/日以上の場合に通常1日に1〜4回処方し、ダイアニール-N PD-2 1.5腹膜透析液と組み合せて交換使用すること。ダイアニールPD-2 4.25腹膜透析液は高浸透圧液であり、これのみを使用する場合には脱水を起こすことがあるので、急速な除水や多量の除水を必要とする時で、患者の体液の過剰が1kg/日以上の場合に、通常、1日に1〜2回処方し、ダイアニール-N PD-2 1.5腹膜透析液と組み合せて交換使用すること。体液過剰の状況は、患者の体重と基準体重とを比較検討し決定する。基準体重は浮腫がなく、細胞外液の過剰に基づくと考えられる心不全等の症状がない状態で測定した体重値である1)。
- ダイアニール-N PD-2 1.5腹膜透析液、2.5腹膜透析液の2.5Lは2L貯留を施行しているCAPD患者で透析不足による全身倦怠感、食欲不振、不眠等の尿毒症症状が認められる場合、又は1日5回以上の透析液交換に不都合を感じている場合に、患者の腹腔内容積や肺活量に応じて(体重60kg以上を目安とする)2Lに代え適用する。
慎重投与
- 腹膜炎、腹膜損傷、腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患の疑いのある患者[腹膜炎、腹膜損傷、腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患が悪化又は誘発されるおそれがある]
- 腹部手術直後の患者[手術部位の治癒を妨げるおそれがある]
- 糖代謝障害の疑いのある患者[糖代謝異常が悪化又は誘発されるおそれがある]
- ジギタリス治療中の患者[ジギタリス中毒が誘発されるおそれがある]
- 食事摂取が不良の患者[栄養状態が悪化するおそれがある]
- 腹部ヘルニアのある患者[腹部ヘルニアが悪化するおそれがある]
- 腰椎障害のある患者[腰椎障害が悪化するおそれがある]
- 憩室炎のある患者[憩室炎が腹膜炎合併の原因となるおそれがある]
- 人工肛門使用患者[細菌感染を起こすおそれがある]
- 利尿剤を投与している患者[水及び電解質異常が誘発されるおそれがある]
- 高度の換気障害のある患者[胸腔圧迫により換気障害が悪化するおそれがある]
- 高度の脂質代謝異常のある患者[高コレステロール血症、高トリグリセライド血症が悪化するおそれがある]
- 高度の肥満がみられる患者[肥満を増長させるおそれがある]
- 高度の低蛋白血症のある患者[低蛋白血症が悪化するおそれがある]
- ステロイド服用患者及び免疫不全患者[易感染性であるため]
重大な副作用
心・血管障害
- 急激な脱水による循環血液量の減少、低血圧、ショック等があらわれることがあるので、このような場合には本剤の投与を中止し、輸血、生理食塩液、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。
被嚢性腹膜硬化症(EPS)
- 被嚢性腹膜硬化症(EPS)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと[「重要な基本的注意4.」の項参照]
薬効薬理
- ダイアニールPD-2は腎によって通常排泄される毒物や代謝物の除去、また体液及び電解質液平衡の是正を目的として腹腔内へ腹膜カテーテルを通じて注入し、一定時間経過後排液するものである。浸透と拡散は透析液と患者の血漿間の腹膜を介して行われる。これにより、血漿電解質濃度は拡散により正常域に近づき、また血中に高濃度で存在する毒物や代謝物は腹膜を介して透析液に移動する。ダイアニールPD-2はダイアニールよりマグネシウムを低く、重炭酸の前物質である乳酸を高く調整してあるので、高マグネシウム血症及び代謝性アシドーシスが更に是正される。透析液中のブドウ糖により血漿と比較して高浸透圧にすることで浸透圧勾配をつくり、患者から腹腔内に水を除去する。6、7、8、9)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- annealing、slow cooling、anneal
- 関
- アニーリング、アニール、焼き鈍し
[★]
- 英
- annealing、anneal
- 関
- アニーリング、アニール、徐冷
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塩化カルシウム水和物