- 英
- actinoid
- 関
- アクチニド、アクチノイド系列元素
WordNet
- any of a series of radioactive elements with atomic numbers 89 through 103 (同)actinide, actinon
- having a radial form; "starfish are actinoid--that is, they are radially symmetrical"
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/05/06 18:00:18」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年1月) |
|
3 |
6 |
57-71
ランタノイド |
7 |
89
Ac |
90
Th |
91
Pa |
92
U |
93
Np |
94
Pu |
95
Am |
96
Cm |
97
Bk |
98
Cf |
99
Es |
100
Fm |
101
Md |
102
No |
103
Lr |
アクチノイド (英: Actinoid) とは、原子番号89から103まで、すなわちアクチニウムからローレンシウムまでの15の元素の総称を言う[1][2][3][4]。
目次
- 1 命名
- 2 メジャーアクチノイド
- 3 マイナーアクチノイド
- 4 性質
- 5 脚注
命名
アクチニド(Actinide、アクチナイドとも)と呼ぶこともあり、またランタノイドと同様に、最初と最後に当たるアクチニウムとローレンシウムの一方または両方をアクチノイドの範囲から除いて呼ぶこともある。IUPAC命名法ではアクチニウムとローレンシウムも含めて「アクチノイド」としている。
メジャーアクチノイド
アクチノイドのうち、ウランは存在量が突出しており、プルトニウムは核燃料などとしての用途が確立されていることから、特に区別してメジャーアクチノイド (Major actinide) またはメジャーアクチニドと呼ぶ。
マイナーアクチノイド
アクチノイドに属する超ウラン元素のうちプルトニウムを除いたものをマイナーアクチノイド (Minor actinide) もしくはマイナーアクチニドと呼ぶ。一般にはマイナーアクチノイドに分類されるのはネプツニウム、アメリシウム、キュリウム、バークリウム、カリホルニウム、アインスタイニウム、フェルミウムであるとされている[5]。この中で使用済み核燃料に含まれる重要な同位体はネプツニウム237, アメリシウム241, アメリシウム243, キュリウム242から248とカリホルニウム249から252である。これらは強い放射能を持つ長寿命核種であり、300年から2万年に渡って使用済み核燃料から発生する強い放射線と熱の原因となる[6]ため、放射性廃棄物処理を考える上で大きな問題となる。 また、マイナーアクチノイドは核実験による放射性降下物にも含まれる。
軽水炉における238Puから244Cmの核種変換のフロー[7]。
核分裂を起こす確率は100%から図中の数値を引いたものになる。
核種変換の割合は核種により大きく異なっている。
また、
245Cm–
248Cm は長寿命核種のため崩壊は無視している。
アメリシウムはアルファ線源およびガンマ線源として工業的に利用されており、例えばさまざまな煙検知器に利用されている。アメリシウムはプルトニウム239やプルトニウム240の中性子捕獲により生成したプルトニウム241がベータ崩壊して生成する[8]。一般に、中性子のエネルギーが高くなるほど核分裂反応断面積と中性子捕獲断面積の比は核分裂が起きやすくなる方向に傾く。このため、MOX燃料を沸騰水型軽水炉や加圧水型軽水炉のような熱中性子炉で燃焼させると高速炉よりも大量のアメリシウムが生成する[9]。したがって、原子炉級プルトニウム(英語版)にはアメリシウムも大量に含まれており、核兵器の生産には適さない。プルトニウム中のアメリシウム含有量の測定は、未知のプルトニウム試料の由来やアメリシウムを化学的に分離してからの経過時間を知る手段としても利用される。
軽水炉の使用済み核燃料(燃焼度 55 GWdth/T)中の超ウラン元素 と平均中性子吸収率 [10]
核種 |
存在比 |
DLWR |
Dfast |
Dsuperthermal |
Np-237 |
0.0539 |
1.12 |
-0.59 |
-0.46 |
Pu-238 |
0.0364 |
0.17 |
-1.36 |
-0.13 |
Pu-239 |
0.451 |
-0.67 |
-1.46 |
-1.07 |
Pu-240 |
0.206 |
0.44 |
-0.96 |
0.14 |
Pu-241 |
0.121 |
-0.56 |
-1.24 |
-0.86 |
Pu-242 |
0.0813 |
1.76 |
-0.44 |
1.12 |
Am-241 |
0.0242 |
1.12 |
-0.62 |
-0.54 |
Am-242m |
0.000088 |
0.15 |
-1.36 |
-1.53 |
Am-243 |
0.0179 |
0.82 |
-0.60 |
0.21 |
Cm-243 |
0.00011 |
-1.90 |
-2.13 |
-1.63 |
Cm-244 |
0.00765 |
-0.15 |
-1.39 |
-0.48 |
Cm-245 |
0.000638 |
-1.48 |
-2.51 |
-1.37 |
合計 |
-0.03 |
-1.16 |
-0.51 |
負の吸収率は中性子源であることを示す。
性質
全て放射性元素で半減期が短いものが多い。トリウムとウランには半減期が数億年以上の長命な同位体が存在するためにまとまった量が天然に存在するが、他の元素は天然には全くないか、ごく僅かしか存在せず、ほとんどが人工的に作られたものである。特にウランより重いネプツニウム以降の元素のことを超ウラン元素といい、ほぼ自然界には存在しない。このため物理的、化学的性質の詳細はとりわけ不明な部分が多い。
アクチノイドの電子配置
軌道 |
1s-5d |
5f |
6s |
6p |
6d |
7s |
7p |
Fr |
[Rn] |
|
[Rn] |
|
1 |
|
Ra |
|
|
2 |
|
Ac |
|
1 |
2 |
|
Th |
|
2 |
2 |
|
Pa |
2 |
1 |
2 |
|
U |
3 |
1 |
2 |
|
Np |
4 |
1 |
2 |
|
Pu |
6 |
|
2 |
|
Am |
7 |
|
2 |
|
Cm |
7 |
1 |
2 |
|
Bk |
9 |
|
2 |
|
Cf |
10 |
|
2 |
|
Es |
11 |
|
2 |
|
Fm |
12 |
|
2 |
|
Md |
13 |
|
2 |
|
No |
14 |
|
2 |
|
Lr |
14 |
|
2 |
1 |
Rf |
14 |
2 |
2 |
|
アクチノイドは、5f軌道の電子が詰まり(占有され)始める元素のシリーズで、4f軌道が詰まり始めるランタノイドと化学的性質が類似する。ただし電子の詰まり方はランタノイドとはやや異なり、アメリシウムより軽い方の元素では6d軌道にも電子が入り込む。そのため、ランタノイド及びアメリシウムより重いアクチノイドでは典型的な原子価が3価であるのに対して、アメリシウムより軽い方では3-6価の原子価を取る。またローレンシウムで5f軌道を充填した次の電子は、ルテチウムと異なり6d軌道ではなく7p軌道に入る。この理由はよくわかっていない。
ランタノイド収縮と同様に、アクチノイドも内側の5f軌道が先に詰まっていくため、原子番号が大きくなるほど原子半径、イオン半径が短くなる(アクチノイド収縮)。
アクチノイドの化合物の中には、フェルミエネルギー上の電子の有効質量が自由電子のものより2、3桁も大きい、重い電子系(Heavy fermion)と呼ばれる性質を持つものがある。
5f、6d、7sなどの外側の軌道は、相対論効果の影響も受ける(例:スピン軌道相互作用←d軌道やf軌道に対して)。
脚注
- ^ Theodore Gray (2009). The Elements: A Visual Exploration of Every Known Atom in the Universe. New York: Black Dog & Leventhal Publishers. p. 240. ISBN 978-1-57912-814-2.
- ^ Actinide element, Encyclopædia Britannica on-line
- ^ Although "actinoid" (rather than "actinide") means "actinium-like" and therefore should exclude actinium, that element is usually included in the series.
- ^ Neil G. Connelly (2005). “Elements”. Nomenclature of Inorganic Chemistry. London: Royal Society of Chemistry. p. 52. ISBN 0-85404-438-8. https://books.google.com/books?id=w1Kf1CakyZIC&pg=PA52.
- ^ Moyer, Bruce A. (2009). Ion Exchange and Solvent Extraction: A Series of Advances, Volume 19. CRC Press. pp. 120. ISBN 9781420059700. http://books.google.com/books?id=NTgjUaLZiDsC&pg=PA120#v=onepage&q&f=false.
- ^ Stacey, Weston M. (2007). Nuclear Reactor Physics. John Wiley & Sons. pp. 240. ISBN 9783527406791. http://books.google.com/books?id=y1UgcgVSXSkC&pg=PA240#v=onepage&q&f=false.
- ^ Sasahara, Akihiro; Matsumura, Tetsuo; Nicolaou, Giorgos; Papaioannou, Dimitri (April 2004). “Neutron and Gamma Ray Source Evaluation of LWR High Burn-up UO2 and MOX Spent Fuels”. Journal of Nuclear Science and Technology 41 (4): 448–456. doi:10.3327/jnst.41.448. http://www.jstage.jst.go.jp/article/jnst/41/4/448/_pdf.
- ^ Raj, Gurdeep (2008). Advanced Inorganic Chemistry Vol-1, 31st ed.. Krishna Prakashan Media. pp. 356. ISBN 9788187224037. http://books.google.com/books?id=0uwDTrxyaB8C&pg=PA356.
- ^ Berthou, V. (2003). “Transmutation characteristics in thermal and fast neutron spectra: application to americium”. Journal of Nuclear Materials 320: 156–162. doi:10.1016/S0022-3115(03)00183-1. http://nucleonica.com/TC/TC0406/relevant_papers/Transmutation_characteristics.pdf.
- ^ Etienne Parent (2003) (PDF). Nuclear Fuel Cycles for Mid-Century Deployment. MIT. pp. 104. http://dspace.mit.edu/bitstream/handle/1721.1/17027/54495851.pdf.
放射線(物理学と健康) |
単位 |
放射線量の単位 - 放射能の単位
|
測定 |
放射線・放射能計測機器
|
放射線の種類 |
電磁放射線(X線 - ガンマ線)- 粒子放射線(アルファ線 - ベータ線 - 中性子線 - 陽子線) - 非電離放射線
|
物質との相互作用 |
各放射線と物質との相互作用
|
放射線と健康 |
基本概念 |
放射線生物学 - 放射線医学 - 放射線被曝 - 保健物理学
|
放射線の利用 |
放射線源 - 放射線療法(レントゲン(X線撮影)- ポジトロン断層法 (PET) - コンピュータ断層撮影(CTスキャン))- 後方散乱X線検査装置 - 食品照射 - 原子力電池
|
法律・資格 |
放射線管理区域 - 放射線管理手帳 - 診療放射線技師 - 放射線取扱主任者 - 技術士原子力・放射線部門 - 原子炉主任技術者 - 核燃料取扱主任者 - エックス線作業主任者 - ガンマ線透過写真撮影作業主任者 - 日本の原子力関連法規
|
放射線と健康影響 |
放射線障害 - 放射線の健康影響
|
放射能被害 |
放射能汚染 - 核実験の一覧 - 原子力事故 - 原子力事故の一覧
|
関連人物 |
放射線研究者
|
関連団体 |
日本の原子力関連組織 - 原子力関連の国際組織
|
関連用語、その他 |
放射線量 - 放射能 - 放射性物質 - 放射性降下物
|
|
Category:放射線
|
|
典拠管理 |
- LCCN: sh85000700
- GND: 4141330-1
- BnF: cb121509511 (data)
- NDL: 00560152
- BNE: XX530121
|
|
Japanese Journal
- アクチノイドと核分裂生成物の一括抽出および逆抽出による相互分離を基礎とする単サイクルプロセスの検討
- アクチノイドと核分裂生成物の一括抽出および逆抽出による相互分離を基礎とする単サイクルプロセスの検討
- 基礎科学ノート = Notes on basic science : 未知への探究 : quest for the future 22(1), 57-64, 2014-12
- NAID 40020547710
Related Links
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - アクチノイドの用語解説 - 原子番号 89のアクチニウムから 103のローレンシウムまでの 15元素の総称。アクチニウムを除く 14元素をアクチニドといったこともある。周期表3族アクチニウム ...
- ランタノイドとアクチノイドってなんで高校化学ではやらないんですか?そもそもこ... 私は中学二年生の学生です ピアスの穴をあけて学校から 指導をうけたのですが、... ランタノイドとアクチノイドって、なぜ、周期表とは別にして ...
- 1.アクチノイド 周期律表の最下段に位置する原子番号89(アクチニウム)から103(ローレンシウム)までの15元素群であり、全て放射性元素である。特に、原子番号がウランよりも大きい元素(超ウラン元素)は天然には存在せず、原子 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- actinide
- 関
- アクチノイド、アクチノイド系列元素
[★]
アクチノイド
- 関
- actinide、actinoid series element
[★]
- 英
- actinoid series element
- 関
- アクチニド、アクチノイド
[★]
ケノデオキシコール酸