- glauc 青みがかった緑 + oma
- 英
- glaucoma ()
- 同
- あおそこひ、いしそこひ
分類 SOP.92
-
- 1. 続発開放隅角緑内障
- 2. 続発閉塞隅角緑内障
- 1. 早発型発達緑内障
- 2. 遅発型発達緑内障
- 3. 他の先天異常を伴う発達緑内障
症状
治療
-
-
-
- 眼房水産生を抑制しぶどう膜強膜流出を増加する ← 交感神経遮断薬と矛盾しない?
緑内障が禁忌となっている薬剤
催眠鎮静剤、抗不安剤
アモバン(ゾピクロン)
エバミール、ロラメット(ロルメタゼパム)
エリスパン(フルジアゼパム)
エリミン(ニメタゼパム)
コレミナール(フルタゾラム)
コンスタン、ソラナックス(アルプラゾラム)
セニラン(ブロマゼパム)
セパゾン(クロキサゾラム)
セルシン、ホリゾン(ジアゼパム)
セレナール(オキサゾラム)
ソメリン(ハロキサゾラム)
ダイアップ(ジアゼパム)
ダルメート、ベノジール(フルラゼパム)
ドラール(クアゼパム)
バランス、コントール(クロルジアゼポキシド)
ハルシオン(トリアゾラム)
ベンザリン、ネルボン(ニトラゼパム)
マイスリー(ゾルピデム)
メイラックス(ロフラゼプ酸エチル)
メレックス(メキサゾラム)
メンドン(クロラゼプ酸)
リスミー(リルマザホン)
ルネスタ(エスゾピクロン)
レキソタン(ブロマゼパム)
レスタス(フルトプラゼパム)
レスミット(メダゼパム)
レンドルミン(ブロチゾラム)
ロヒプノール、サイレース(フルニトラゼパム)
ワイパックス(ロラゼパム)
臭化カリウム(臭化カリウム)
臭化ナトリウム(臭化ナトリウム)
抗てんかん剤
マイスタン(クロバザム)
リボトリール、ランドセン(クロナゼパム)
抗パーキンソン剤
アーテン(トリヘキシフェニジル(錠))
アキネトン、タスモリン(ビペリデン)
コリンホール(メチキセン)
ドパゾール(レボドパ)
ドプス(ドロキシドパ)
トリモール(ピロヘプチン)
ネオドパストン、メネシット(レボドパ,カルビドパ)
パーキン(ヒベンズ酸プロフェナミン)
パーキン(プロフェナミン)
ペントナ(マザチコール)
マドパー、イーシー・ドパール、ネオドパゾール(レボドパ,ベンセラジド)
神経系用剤(含む別用途)
アナフラニール(クロミプラミン)
アモキサン(アモキサピン)
アンプリット(ロフェプラミン)
サインバルタ(デュロキセチン)
ストラテラ(アトモキセチン)
スルモンチール(トリミプラミン)
デパス(エチゾラム)
トフラニール(イミプラミン)
トリプタノール(アミトリプチリン)
ノリトレン(ノルトリプチリン)
プロチアデン(ドスレピン)
ベタナミン(ペモリン)
リーゼ(クロチアゼパム)
リタリン、コンサータ(メチルフェニデート)
ルジオミール(マプロチリン)
総合感冒剤
LL(複合感冒薬)
PL(複合感冒薬)
ピーエイ(複合感冒薬)
ペレックス(複合感冒薬)
小児用ペレックス(複合感冒薬(小児用))
幼児用PL(複合感冒薬)
他の中枢神経系用薬
サノレックス(マジンドール)
骨格筋弛緩剤
ロキシーン(プリジノール)
自律神経剤
エスペラン(オキサピウム)
チアトン(チキジウム)
トランコロン(メペンゾラート)
トランコロンP(メペンゾラート,フェノバルビタール)
プロ・バンサイン(プロパンテリン)
鎮けい剤
コリオパン(ブトロピウム)
セスデン(チメピジウム)
ダイピン(N-メチルスコポラミン)
ダクチル(ピペリドレート)
ファイナリン(メチルベナクチジウム)
ブスコパン(ブチルスコポラミン)
ロートエキス(ロートエキス)
眼科用剤
アトロピン点眼液、リュウアト眼軟膏(アトロピン)
ウブレチド(ジスチグミン)
エピスタ(エピネフリン)
サイプレジン(シクロペントラート)
ネオシネジン(フェニレフリン)
ピバレフリン(ジピベフリン)
ミドリンM(トロピカミド)
ミドリンP(トロピカミド,フェニレフリン)
眼科用プリビナ(ナファゾリン)
臭化水素酸ホマトロピン(ホマトロピン)
耳鼻科用剤
ナーベル(テトラヒドロゾリン)
ナシビン(オキシメタゾリン)
鎮暈剤
トラベルミン(ジフェンヒドラミン,ジプロフィリン)
不整脈用剤
シベノール(シベンゾリン)
ピメノール(ピルメノール)
リスモダン、ノルペース(ジソピラミド)
リスモダンR、ノルペースCR(ジソピラミド)
利尿剤
ダイアモックス(アセタゾラミド)
血管拡張剤
アイトロール(一硝酸イソソルビド)
ニトロール(硝酸イソソルビド)
ニトロール(硝酸イソソルビド)
ニトロール、フランドル(硝酸イソソルビド(持効))
ニトログリセリン錠(ニトログリセリン(舌下))
ニトロペン(ニトログリセリン(舌下))
フランドル、ニトロール(硝酸イソソルビド(外))
ミリステープ、ニトロダーム、ミオコールスプレー(ニトログリセリン(外用))
ミリステープ、ニトロダーム、ミオコールスプレー(ニトログリセリン(外用))
他の循環器官用薬
リズミック(アメジニウム)
鎮咳剤
アストーマ(アストーマ(製))
アストフィリン(アストフィリン(製))
カフコデ(カフコデ(製))
トクレス(ペントキシベリン)
フスコデ(フスコデ(製))
気管支拡張剤・他
アトロベント(イプラトロピウム)
スピリーバ(チオトロピウム)
テルシガン(オキシトロピウム)
フルブロン(フルトロピウム)
消化性潰瘍用剤
コランチル(コランチル(製))
ノバフイリンG(ノバフイリンG(製))
メサフィリン(メサフィリン(散)(製))
複合エピサネートG(エピサネート(製))
健胃消化剤
MP散(複合健胃散)
ベルサン(複合健胃散)
他の消化器官用薬
イリコロンM錠(イリコロンM(製))
副腎ホルモン
セレスタミン(セレスタミン(製))
ボスミン(アドレナリン)
他の泌尿生殖器官、肛門用薬
ウリトス、ステーブラ(イミダフェナシン)
デトルシトール(トルテロジン)
バップフォー(プロピベリン)
ベシケア(ソリフェナシン)
ポラキス(オキシブチニン)
抗ヒスタミン剤
アリメジン(アリメマジン)
ゼスラン、ニポラジン(メキタジン)
タベジール、テルギン(クレマスチン)
ピレチア、ヒベルナ(プロメタジン)
ベネン(トリプロリジン)
ペリアクチン(シプロヘプタジン)
ホモクロミン(ホモクロルシクリジン)
ポララミン(d-クロルフェニラミン)
レスタミン(ジフェンヒドラミン)
参考
- http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/glaucoma2.jsp
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/22 14:22:00」(JST)
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緑内障(りょくないしょう、英: glaucoma)は、目の病気の一種。青底翳(あおそこひ)とも呼ばれる。
目次
- 1 概説
- 2 原因
- 3 疫学
- 4 症状
- 5 分類
- 5.1 閉塞隅角緑内障
- 5.2 開放隅角緑内障
- 5.3 発達緑内障
- 6 緑内障関連病名
- 7 検査
- 7.1 眼圧検査
- 7.2 隅角検査
- 7.3 眼底検査
- 7.4 視野検査
- 7.5 画像解析検査
- 8 治療
- 8.1 対処療法
- 8.2 視神経の再生
- 8.3 薬による治療
- 8.4 レーザー手術
- 8.5 外科手術
- 8.6 代替医療
- 9 著名な患者
- 10 関連項目
- 11 参考文献
- 12 外部リンク
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概説[編集]
緑内障は網膜神経節細胞が死滅する進行性の病気であり、特徴的な視神経の変形と視野異常(視野欠損)を呈する。基本的には現時点では一度喪失した視野は回復させることが困難なため、失明の原因になりうる。日本では、最近になって糖尿病網膜症を抜いて1番目の失明の原因となっている[1]。視野狭窄は自覚されないうちに末期症状に至ることも多く、発見には定期的な健康診断が必須である。
かつては眼の中の圧力である眼圧が高いことが原因と考えられていたが、眼圧が正常範囲であっても緑内障に罹患している患者が多いことが確認され、視神経乳頭の脆弱性が緑内障の原因として考えられている。しかし眼圧は緑内障進行の最大の危険因子であり、緑内障治療の基本は眼圧を下げることで視野障害の進行を停めるという方法をとる。眼圧を30 %低下させることにより正常眼圧緑内障において80 %の患者において視野障害の進行が停止したという報告もある[2]。
視神経の再生の可能性[編集]
視神経の再生を試みる研究もある。理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹博士の研究チームはマウスのES細胞から網膜全体を作ることに成功したと2011年4月7日付の英科学誌『ネイチャー』に発表した。ES細胞から網膜を立体的に作ったのは世界初の試みであり、研究チームは2年以内のヒトの網膜での実用化、更には臨床への応用を計画している[3]。
原因[編集]
緑内障の定義は「視神経変化・特徴的視野変化を有し、眼圧下降により進行を防止できる病気」である。何らかの原因により視神経乳頭内の篩状板が変形し、その中を通過する視神経線維が物理的に圧迫されると逆行性軸索輸送による神経栄養因子の輸送が阻害されて神経節細胞が死滅する。視神経線維の脱落にともないその部分に該当する網膜の感度低下から視野欠損が起こり、病気の進行にともない視神経乳頭の変形と視野異常が進行する。
視神経乳頭が変形・陥没していく原因はいまだ明らかではないが、眼圧の物理的圧迫によるという眼圧説 (機械説) や、正常眼圧緑内障患者に片頭痛やレイノー現象が多いことから視神経乳頭部の血流異常が関与しているという血流説、緑内障を引き起こす遺伝子異常がいくつか報告されていることから視神経の脆弱性が緑内障の発症に関わっているという説などが提唱されている。その他にも、自己免疫疾患の関与、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患との関与、ヘリコバクター・ピロリ感染と緑内障の関与なども報告されている。また緑内障患者は脳脊髄圧が低いという報告がある。現在のところ緑内障治療に有効なエビデンスは眼圧下降のみである。
疫学[編集]
2004年の100,000人あたりの緑内障の障害調整生命年 (DALY)[4]
0 情報なし
0 20未満
0 20-43
0 43-66
0 66-89
0 89-112
0 112-135
0 135-158
0 158-181
0 181-204
0 204-227
0 227-250
0 250以上
日本では、以前は40歳以上の人の30人に1人が罹患しているといわれていたが (1988年、1989年)、2000年の疫学調査からは40歳以上の17人に1人、2003年の疫学調査からは40歳以上の20人に1人が罹患しているという結果が報告されている (日本緑内障学会 2000年、2004年)。有病率は年齢とともに上昇し40歳代では2 %であるが70歳代になると10 %を越える (2004年)。日本国内で治療中の患者は約30万人 (厚生省患者調査2002年)。潜在患者数は400万人ともいわれる (2000年)。
緑内障発症の危険因子として明らかなもの
発症者の傾向
緑内障を合併しやすい病態・疾患
- 糖尿病
- 高血圧
- 甲状腺機能亢進症
- 偏頭痛
- 落屑症候群
- 小眼球症
ただし糖尿病に関しては緑内障に保護的に働くとの報告もあり、緑内障専門医間でも議論が分かれる。
喫煙習慣が緑内障を進行させる、もしくは発症率を増すという明らかなエビデンスはない。[要出典]
アルコール摂取が緑内障を進行させる、もしくは発症率を増すという明らかなエビデンスはない。[要出典]
カフェインが緑内障の発症を増すという明らかなエビデンスはない。[要出典]ただしカフェインの摂取後約2時間程度、約2 mmHgの眼圧上昇が生じるとされる。
n-9不飽和脂肪酸摂取量が多い群に緑内障の発症が多いという疫学調査がある。[要出典]
緑内障患者は短命であるという報告があり、心血管イベントによる死亡率は対照群と比較し有意に高値であった。[要出典]
運動により眼圧は一時的に下降する。
また、2002年に発表された弘前大学の大黒らの報告によると、グルタミン酸ナトリウムを過剰摂取させたラットのガラス体と網膜神経節細胞にはグルタミン酸ナトリウムの蓄積がみられ、機械的ストレスを受ける細胞の部位に見出されることが多いグリア線維性酸性タンパク質の発現増加と、通常の餌を与えたラットに比べて網膜ニューロン層の厚さが著しく薄くなっていることを確認したという[5][6]。大黒らは、このことがグルタミン酸ナトリウムが欧米に比べて広く使われているアジアで緑内障が多い原因のひとつではないかと述べている[7]が、上記図からは必ずしも十分に確認はできない。
獣医学領域では、イヌで最も多く発生する。
症状[編集]
多くの緑内障は視野の相補性 (視野欠損が生じても反対の目が情報を補うため視野欠損に気づきにくい) や視野の補完性 (視野欠損部があっても視中枢が欠損部周囲の情報から欠損部を補完するため視野欠損に気づきにくい) のために自覚症状に乏しく末期に至るまで気づかれにくい。そのために初期の緑内障は他の症状を訴えて受診した際に偶然発見されたり健診の眼底検査で発見されることが多い。新聞広告の簡易検査表やTVのノイズ画面などで簡便な検査をしてみるのも一考である。眼圧が著しく上昇する場合には一時的な目のかすみ感 (例えば起床後1〜2時間のあいだ目が白く霞む日が時々あるなど) や光のにじみ、頭痛を自覚することもあるが稀である。 それに対して急性隅角閉塞症や急性閉塞隅角緑内障は突然の激しい眼痛や頭痛、視力低下を生じる。
分類[編集]
隅角の構造によって閉塞隅角緑内障と開放隅角緑内障の2つに分けることが多い。また発症の誘因から3つのタイプに分けられる。診断名には、構造による分類と誘因による分類の2つを組み合わせて、「原発開放隅角緑内障」などと使うことがある。原発性の場合は省略することもある。
眼圧の値、視野障害の有無からも分けることができる。
閉塞隅角緑内障[編集]
- 急性閉塞隅角緑内障
- 房水排出部である隅角が比較的短期間にふさがり、房水の排出能が急激に低下することにより眼圧が急激に上昇することで発生する。突如激しい頭痛、目の痛み、腹痛、嘔吐などの症状が出る。対処が遅れると一晩でも失明の危険がある。激しい頭痛などによる症状から脳疾患などと疑われやすく、診断が遅れることが多い。緊急の場合には、外科的手術を必要とすることもある。
- 中年以降の遠視の女性に好発する。通常、前房深度が狭くなる夜間~明け方に発症しやすい。視神経障害を生じると閉塞隅角緑内障となる。
- 慢性閉塞隅角緑内障
- 房水排出部である隅角が (部分的に) ふさがっている。自覚症状に乏しく、徐々に視野狭窄の症状がおきる。
- 続発閉塞隅角緑内障
- ぶどう膜炎続発緑内障、血管新生緑内障、角膜移植後緑内障、小眼球症、悪性緑内障などがある。
開放隅角緑内障[編集]
- 原発開放隅角緑内障
- 緑内障に一番多いタイプで、約90 %を占める。
- 狭義の原発開放隅角緑内障は隅角は開いているが、房水排出部が詰まって流れが悪くなり、発生すると考えられている。症状は慢性型閉塞隅角緑内障と同じで、自覚症状に乏しく、徐々に視野が減少する。
- 正常眼圧緑内障
- 原発開放隅角緑内障のなかで無治療時の眼圧が21 mmHg以下と正常範囲であるものを正常眼圧緑内障と呼ぶ。当初は眼圧が低いのに緑内障であることから低眼圧緑内障とも呼ばれていたが、眼圧が正常範囲であることから正常眼圧緑内障の名が定着した。日本では全緑内障の72 %を占める最も多い病型である (多治見スタディ)。正常眼圧緑内障と眼圧が高い (狭義の) 原発開放隅角緑内障を厳密に鑑別診断するためには眼圧が24時間正常範囲内にあることの確認や眼圧の評価の際に角膜厚を補正する必要があるとされていた。現在では正常眼圧緑内障と眼圧が高い原発開放隅角緑内障とを区別することに臨床的意義はないと考えられるようになり、両者を併せて (広義の) 原発開放隅角緑内障と呼ぶ。
- 続発開放隅角緑内障
- 糖尿病網膜症・網膜中心静脈閉塞症・眼虚血症候群等に伴う血管新生緑内障、ぶどう膜炎に伴うもの、ステロイドによる緑内障、ポスナーシュロスマン (Posner-Schlossman) 症候群、偽落屑症候群、色素緑内障、アミロイドーシス
発達緑内障[編集]
房水の出口である隅角に先天異常があることで発症する緑内障。乳児期に発症する早発型はかつて先天緑内障と呼ばれていたもので黒目 (角膜) が大きくなる「牛眼」や角膜の混濁により発見されることが多い。明るいところをいやがる羞明や流涙を訴えることもある。発見次第早期に手術を必要とすることが多い。他に、異常の程度が軽いために発症時期が遅れる遅発型や、マルファン症候群やスタージー・ウェーバー症候群のように隅角以外の先天異常をともなう発達緑内障もある。
緑内障関連病名[編集]
- 高眼圧症
- 眼圧が21 mmHg以上でも緑内障性変化を認めない場合には高眼圧症と診断される。角膜厚が厚く見かけ上眼圧が高く測定される場合や、視神経乳頭の眼圧への抵抗力が強い場合には高眼圧症と診断されたまま生涯緑内障にならない。しかし高眼圧症の一部には何年かのちに緑内障性変化が現れることがあり、この場合は緑内障の前駆状態であったと考えられる。眼圧が25 mmHgを越える高眼圧症眼は緑内障になりやすいと報告されている。
- 視神経乳頭陥凹
- 緑内障性視神経障害が進行すると視神経乳頭縁の狭細化や視神経乳頭陥凹の拡大など特徴的な変化が現れる。こうした視神経乳頭の異常があるにもかかわらずに視野異常を認めないときに視神経乳頭陥凹と呼ばれる。視神経乳頭異常が視野異常に先行するために緑内障の前駆状態ともとらえられる。健康診断や人間ドックでは視野検査をおこなわないので、この病名で精密検査 (視野検査など) を促す。
- 偽緑内障
- 緑内障と紛らわしい視神経乳頭や視野異常を示すが緑内障ではないもの。通常は治療しなくても進行しない。視神経疾患や頭蓋内疾患、大量出血など病気で起こることもあれば、視神経低形成など先天的な場合もある。丁寧な問診や詳細な検査で区別がつくこともあるが、進行の有無を確認するために年余にわたる経過観察が必要になることも多い。
- 視神経部分低形成 (英: segmental optic disc hypoplasia)
- 視力は正常で部分的な視野欠損を示すが視野欠損を自覚することは少ない。コンタクトレンズの検診で発見されることが多く、若年者の視野欠損の鑑別診断のひとつとして重要である。視野欠損の特徴としてマリオット盲点へ向かう相対暗点の少ない扇形に外方に広がる楔状視野欠損が認められる。その多くは緑内障性視野欠損の特徴とは異なることから鑑別が可能である。下方の視野欠損を呈する視神経乳頭上方低形成 (英: superior segmental optic disc hypoplasia: SSOH) は、(i) 視神経乳頭上鼻側のrimの菲薄化、(ii) double ring sign、(iii) rim菲薄部に一致する鼻上方の幅広い神経線維層欠損を3徴とする。以前は視神経低形成の頻度はあまり高くないと考えられていたが多治見スタディのデータよりSSOHの頻度が以前考えられていたよりも高いことが示された。
検査[編集]
検査は眼圧検査、隅角検査、眼底検査、視野検査、視神経乳頭等の形状解析などが行われる。
眼圧検査[編集]
眼の内部の圧である眼圧を測定する。眼圧を下げることが緑内障の治療となるので治療状況を把握するための基礎的な検査である。検査機器は接触型と非接触型の二つに分けられ、接触型としてゴールドマン眼圧計やパーキンス眼圧計、トノペンなどがあり、非接触型として圧縮空気を吹き付けるノンコンタクトトノメーターがある。前者は表面麻酔薬を用いて麻酔後、黄色い色素をつけてから施行する必要があるが後者よりも測定精度が高い。またその施行には熟練を要する場合もある。
眼圧には日内変動があり病院受診時の眼圧が代表的な眼圧とは限らない。外来での眼圧が低いにもかかわらず緑内障の進行が止まらない場合には、他の時間帯に眼圧が上がっていることを疑って24時間の眼圧の推移を測定する場合がある。日内変動の他に日々変動や季節変動もある。また体位による眼圧の変動も知られており、仰臥位にて眼圧が上昇する傾向にある。
一般に角膜が平均より厚い人は眼圧が実際よりも高く測定され、逆に角膜がもともと薄い人や近視矯正手術で薄くなっている人は、眼圧が実際よりも低く測定される。他にも角膜の病気があると正確な眼圧測定ができずに緑内障の病状把握が困難になることがある。高眼圧症と診断される人の中には角膜が厚いだけで実際の眼圧は高くない場合もある。眼圧の補正は、補正後眼圧 = 実測眼圧 - 0.012 × [角膜厚 (μm) - 520] で計算される。
隅角検査[編集]
緑内障の病型を定めるためにおこなう。表面麻酔をおこない検査用のレンズを角膜に乗せて水の出口である隅角の状態を検査する。隅角の開大度や形態異常、色素沈着、隅角後退、新生血管、虹彩前癒着などの有無を確認する。血管新生緑内障の隅角新生血管や落屑症候群のサンパオレージ線、ポスナーシュロスマン症候群の健眼よりも薄い色素沈着沈着など特徴的な所見も多い。病型によっては進行度合いによって隅角の状態も変わるので検査を繰り返す場合もある。
眼底検査[編集]
視神経乳頭陥凹の度合い、網膜神経線維層欠損 (英: nerve fiber layer defect) の有無、乳頭出血の有無、乳頭周囲脈絡網膜萎縮 (英: peripapillary atrophy) 等を診る。
視野検査[編集]
緑内障を発症すると視野に異常が現れるがビエルム領域と呼ばれる中心から15度〜30度の範囲に視野異常が初発することが多い。通常末期になるまで中心視野は保たれることが多いため視野異常を自覚しにくい。しかし中心視野が損なわれると視力は急激に低下する。
- ゴールドマン視野計 (GP)
- 指標を外から中心へ向かって動かし、見えた位置をつなげて視野の形を決定する検査で動的視野検査と呼ばれる。視角90度まで測定できるので視野全体の形を把握するのに適している。検者の技量に依存し異なる検者間での比較が困難であり、また定量性に欠けるという欠点がある。
- ハンフリー視野計 (HFA)、オクトパス視野計
- 異なる明るさの光を提示して、光が見える最小の輝度からその位置の感度を決定する検査で静的視野検査と呼ばれる。緑内障性変化のでやすい中心視角30度で検査をおこなうことが多い。ゴールドマン視野計よりも初期緑内障の検出感度が高い。初期から中期の緑内障の経過観察に適し、また定量性に優れる。末期となり固視点が小さい場合も中心10度の検査で経過観察をおこなうことができる。短時間に行う設定も存在し簡便に施行することができる。また動的視野も測定するプログラムが開発されている。
- FDT (英: Frequency Doubling Technology Perimetry)
- ハンフリー視野計・オクトパス視野計では検出できない、より早期の緑内障発見をめざして開発された。異なる輝度の縞模様を反転させ、そのちらつきが見える最小の輝度から感度を決定する。前2機種に対する明らかな優位性は確認されていない。
画像解析検査[編集]
視神経乳頭や視神経線維層の形状解析により緑内障の進行度合いを推し量る
- 視神経乳頭解析装置 HRT (英: Heidelberg Retina Tomograph)
- 視神経線維層厚測定装置 GDx
- OCT (英: Optical Coherence Tomograph)
- 光干渉断層計を用いて視神経乳頭周囲視神経線維層を計測することができる。
- 近年、緑内障の画像診断に関する緑内障診断に関する研究の進捗が著しい。
治療[編集]
治療法としては、進行を遅らせる対処療法と失った視神経を再生させる根本治療が考えられるが、2013年段階では対処療法が中心となる。現段階では対処療法で進行を遅らせ、視神経再生の技術の臨床応用を待つことになる。
対処療法[編集]
現在の緑内障治療は眼圧を下げることを基本としている。具体的に眼圧を下げる治療方法として点眼薬、内服薬、点滴療法、レーザー手術、外科手術がある。視野欠損が小さい発症初期には点眼薬により眼圧を下げて経過を追うが点眼薬による眼圧下降には限界がある。初診時より大きな視野欠損があり十二分に眼圧を下げなければいけない場合や点眼治療にもかかわらず進行する場合には外科的手術を含む点眼以外の治療が必要となる。現在のところ失った視野を取り戻す方法は無いとされる。
視神経の再生[編集]
視神経の再生の可能性については上記のES細胞治療を確認のこと。
薬による治療[編集]
緑内障点眼治療薬として現在よく使われているのはプロスタグランジン関連薬、交感神経遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬の3種類であり眼圧下降が良好なプロスタグランジン関連薬が第一選択薬となる場合が多い。第二選択薬は交感神経遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬のいずれかが選ばれる。実際には個人個人によって眼圧下降の必要度の多寡、性別、年齢、既存の全身疾患の有無などを総合的に考慮して第一選択薬、第二選択薬は選ばれる。病型によっては副交感神経刺激薬が選択される場合もある。
- プロスタグランジン関連薬
- プロスト系のラタノプロスト、トラボプロスト、タフルプロスト、プロスタマイド系のビマトプロスト、プロストン系のウノプロストンが日本では上市されている。眼圧下降効果に関してはプロスト系がほぼ同等、ビマトプロストはプロスト系と同等あるいはやや眼圧下降効果に優れ、ウノプロストンは一段落ちるとする報告が多い。眼圧下降機序はぶどう膜強膜流出路からの房水流出の上昇とされている。プロスタグランジン関連薬は、全身の副作用が少ない反面、眼局所の副作用を有し眼瞼、虹彩の色素沈着やまつげが濃くなるのはほぼ必発であり、炎症や黄斑浮腫を引き起こす可能性も指摘されている。また眼圧下降効果の小さいノンレスポンダーの存在も知られている。プロスタグランジン関連薬に関しては、ノンレスポンダーを除外するために片眼トライアルと言われる片目だけに治療し無治療眼との治療効果を比較する方法が知られているが、片眼トライアルは長期的な眼圧下降を反映しないという前向き研究が近年報告されている。
- 交感神経遮断薬
- β遮断薬としてマレイン酸チモロール、ゲル化チモロール、塩酸カルテオロール、ゲル化カルテオロール、β1選択的遮断薬として塩酸ベタキソロール、αβ遮断薬として塩酸レボブノロール、ニプラジロール、α1遮断薬として塩酸ブナゾシンが上市されている。眼圧下降機序は毛様体における房水産生の抑制である。β遮断薬はかつては治療の第一選択薬であったが、就眠時眼圧を下げる効果が弱いこと、長期使用で効果が減弱すること、全身的な副作用が多く重篤であることからその座をプロスタグランジン関連薬に譲ることとなった。眼圧下降効果に関してはマレイン酸チモロール、ゲル化チモロール、塩酸カルテオロール、塩酸レボブノロール、ニプラジロール間では眼圧下降効果に大きな差はないとされている。塩酸ベタキソロールに関しては、チモロールと比較しやや眼圧下降効果が低いとされているが、ベタキソロールにおいても点眼開始12ヵ月後にはチモロールやカルテオロールと遜色のない眼圧下降効果を示すという報告もある。β遮断薬・αβ遮断薬・β1遮断薬では多くの全身副作用が報告されており洞徐脈、2度以上の房室ブロック、コントロール不十分な心不全などがある患者では禁忌である。呼吸器系への影響としては、β2遮断作用により気管支平滑筋が収縮するので、喘息患者や慢性閉塞性肺疾患などでは気道閉塞が誘発される危険性がありβ遮断薬・αβ遮断薬は禁忌である。カルテオロールには内因性交感神経刺激作用があり血圧低下が少ないとされている。ブナゾシンはα1遮断薬であり局所・全身副作用が少ない反面、眼圧下降効果もやや劣るとされている。
- 炭酸脱水酵素阻害薬
- 炭酸脱水酵素阻害薬としてはドルゾラミド塩酸塩、ブリンゾラミドが上市されている。眼圧下降機序は房水産生の抑制である。炭酸脱水酵素阻害薬はしみる、かすむ等の眼局所副作用を有するものの全身副作用が少ない。単剤での眼圧下降効果は交感神経遮断薬に劣るもののラタノプロストとの併用では交感神経遮断薬と同等の眼圧下降効果を示すという報告もある。両者とも単剤投与では2回点眼よりも3回点眼が眼圧下降の点で優れるという報告が多いが、プロスタグランジン関連薬との併用では2回点眼と3回点眼とで差がないとも報告されている。プロスタグランジン関連薬との併用時にはβ遮断薬と眼圧下降効果に差はなく、就眠時の眼圧を下げる効果はβ遮断薬より強いため第2選択薬として選ばれることも少なくない。
- 2010年にチモロールとラタノプロストの合剤、チモロールとトラボプロストの合剤、チモロールとドルゾラミドの合剤 (コソプト®/MSD) の3剤が相次いで上市された。
- カルパイン阻害剤
-
- 中澤徹(東北大学大学院医学研究科眼科学分野)らのグループは、視神経の細胞死を引き起こすタンパク分解酵素である「カルパイン」の働きを抑える薬剤を、緑内障を発症させたマウスに投与し、視神経の生存率の上昇と神経を保護する作用を確認した。将来的には臨床への応用が計画されている。[8][9]。
- 薬物治療の方針
-
- プロスタグランジン関連薬を点眼しても緑内障性視野障害が進行する場合には点眼薬の追加を考慮する。ただしノンレスポンダーであることで充分な眼圧下降が得られていない可能性がある場合には、プロスタグランジン系薬の他剤への切り替えを行うこともある。ただし、眼圧には日内変動、季節変動がありノンレスポンダーの評価は困難である場合がある。追加点眼薬としては具体的にはβ遮断薬の追加、もしくは炭酸脱水酵素阻害薬の追加を考慮する場合が多い。両者はプロスタグランジン点眼薬との併用において眼圧下降効果は同等であるという報告が多い。炭酸脱水酵素阻害薬には少ない全身的副作用や就眠時眼圧の下降という長所と一日二回もしくは三回点眼が必要、しみる、霞むといった眼局所副作用が多いという短所があり、一方、β遮断薬には一日一回点眼で充分な眼圧下降効果を持つ薬剤があるためアドヒアランスが良好、局所の副作用が少ないといった長所と重篤な全身的副作用と就眠時眼圧下降が不十分といった短所がある。加えて治療を受ける個人の眼圧下降の必要度の多寡、性別、年齢、既存の全身疾患の有無などを総合的に考慮して第一選択薬、第二選択薬が選ばれる。
- 2剤点眼下で緑内障性視神経症が進行する場合には3剤目の追加点眼を考慮する。3剤目の追加投与ではいずれの追加においても眼圧下降に大きな違いはないとされている。
- 4剤目の追加点眼の効果は限定的である。角膜上皮障害の増加などの副作用の増加や、アドヒアランスの低下が考えられるため4剤目の追加点眼は慎重に考慮する必要がある。4剤目の追加を行わずに次の治療に移行することも多い。
- その他の点眼治療
- プラトー虹彩など一部の病型ではピロカルピンなどの副交感刺激薬による縮瞳が有効であることもある。
- 内服治療と点滴治療
-
- 点眼薬を多剤使用しても眼圧降下が十分ではない場合にはアセタゾラミドなどの炭酸脱水酵素阻害薬の内服薬を併用する場合がある。副作用として四肢末端のしびれ感、食思不振、異味感などがあげられるが尿路結石、骨髄抑制などの重篤な副作用もあるため通常は長期に使用しない。手術までの短期間の眼圧を抑えるため、手術を希望しない場合、すでに複数回の手術がなされており手術による効果が望みにくい場合などに使用される。
- マンニトールやグリセリンなどの高張浸透圧薬による点滴治療は一過性に眼圧を下げる必要がある場合に選択される。
- 充分に眼圧が下がっているにもかかわらず緑内障性視野障害の進行が止まらない場合がある。その際にはカルシウム拮抗薬を内服して視神経保護効果を期待することもある。同じく神経保護効果のある点眼や血流改善効果のある点眼を併用することもある。
- 大麻
-
- 2003年アメリカ眼科学会は緑内障の治療目的に大麻を使用しても緑内障治療薬以上の有用性はないと結論している[10]。
- 妊娠・授乳と緑内障
- 妊娠・授乳期における緑内障治療薬使用の安全性は明らかではない。プロスタグランジン系薬は胎盤を通過することが知られており妊娠中の使用は避けられる場合が多い。交感神経刺激薬は比較的安全とされている。交感神経遮断薬の使用により胎児に低心拍数、不整脈が見られたとの症例報告がある。しかし交感神経遮断薬使用群と比較し、非交感神経遮断薬使用群に有意に低出生体重児が多いという報告もある。副交感神経刺激薬により流産や早産が誘発されるとの報告がある。動物実験では炭酸脱水酵素阻害薬の大量投与による催奇形性が報告されている。妊娠により眼圧は下降するとされている。交感神経遮断薬は母乳への移行が良いため授乳期の使用は避けられることが多い。
レーザー手術[編集]
- レーザー虹彩切開術
- レーザーで虹彩周辺部に小孔をあけて隅角が閉じないようにする治療。急性あるいは慢性閉塞隅角緑内障が発症した場合に薬物療法に優先して/平行して選択される。レーザーでは虹彩切開できない症例に対しては「観血的虹彩切除術」か「白内障手術」を施行する。最大の合併症は角膜内皮細胞の減少で、切開術施行後数年経ってから角膜内皮細胞の減少により水疱性角膜症に伴う角膜混濁が起こることがあり、角膜移植や角膜内皮移植が必要になる。
- レーザー線維柱帯形成術 (ALT; 英: Argon Laser Trabeculoplasty, SLT; 英: Selective Laser Trabeculoplasty)
- 隅角部にレーザーを照射して眼圧を下げる治療。入院が不要など負担は少ないが、施術された中で眼圧が下がるのは約70 %であり、効いたとしても眼圧降下作用は小さく、時間が経つにつれてその効果は減弱する。したがって外科手術に代わるものではない。手術を希望しない、高齢、点眼するのを忘れがち、副作用のため点眼が困難な場合などにおこなわれる。SLTは効果が減弱したときに再度施術できる。
外科手術[編集]
- 線維柱帯切開術 (トラベクロトミー)
- 線維柱帯を切り開く手術で生理的房水流出路の機能回復を目的としている。線維柱帯が眼圧上昇の主因となっている場合には根治的治療となりうる。開放隅角緑内障に対する線維柱帯切開術後の平均眼圧は薬物療法を併用しても10台後半である。術後の合併症は少ない。合併症としては、前房出血、一過性眼圧上昇は頻度が高く、前房出血は必発である。稀な合併症として早期穿孔、毛様体剥離、デスメ膜剥離などがある。早発型発達緑内障 (特に生直後) には有効である。ステロイド緑内障、落屑緑内障には比較的有効であるとされ、線維柱帯切除術との比較が近年行われているが、眼圧下降のみを評価すると線維柱帯切除術が有効であるとする報告が多い。
- 成人に対する線維柱帯切開術は日本以外ではほとんど行われていない。
- 線維柱帯切除術 (トラベクレクトミー、濾過手術ともいわれる)
- 虹彩に小さく開口部を作るとともに強膜に水が流れる通路を造り、後房から強膜外 (眼球外) へと房水を排出する。眼圧降下作用が大きく、効果の長期的な持続が見込める。創傷治癒を抑制するためにマイトマイシンC (抗がん剤性抗生物質) を併用する場合が非常に多い。 (かっては5-フルオロウラシル (5-FU代謝拮抗剤) を使用していた。) 原発開放隅角緑内障に対する緑内障手術の成績は、緑内障手術後平均3.8年 (最長8年) の最終観察時点での眼圧が20 mmHg以下であったものが76 %、15 mmHg以下であったものが59 %であった。合併症としては結膜からの房水漏出、脈絡膜剥離、悪性緑内障、駆出性出血、線維柱帯切除部閉鎖、濾過胞機能不全、乱視、視力喪失、濾過胞からの房水漏出、低眼圧黄斑症、感染性眼内炎、白内障、濾過胞の角膜上への張り出しなどの可能性がある。末期緑内障に対する手術では中心視野を喪失する場合もある。前房に穿孔しない非穿孔性線維柱帯切除術という変法は術直後の合併症を軽減できるものの眼圧コントロールを維持することが原法よりも困難であり適応は限られる。また初回の線維柱帯切除術と比較すると2回目以降の線維柱帯切除術は有意に術後成績が下降する。近年、円蓋部基底結膜弁線維柱帯切除術によりろか胞感染症の予防効果を評価する大規模な前向き研究が緑内障学会を主体に行われている。
- 羊膜移植併用線維柱帯切除術
- 難治緑内障に対し羊膜を併用した線維柱帯切除術が行われる場合があり、その有効性が多施設から複数報告されている。
- インプラント手術
- 日本では保険適応がないが難治緑内障に対する線維柱帯切除術に代わる治療法として注目されている。海外では線維柱帯切除術との有効性を比較する無作為化比較試験が複数行われており、良好な結果が得られている。
- 隅角癒着解離術
- 広い範囲に虹彩前癒着がある閉塞隅角緑内障にたいして虹彩癒着を剥離することで眼圧を下げる手術。生理的房水流出路を用いるので眼圧降下には限界があり、より低い眼圧を求める場合には線維柱帯切除術がおこなわれる。
- 周辺虹彩切除術
- 原発閉塞隅角症、原発閉塞隅角緑内障に対しておこなわれる。近年、単独白内障手術との効果の比較検討が行われている。
- 毛様体破壊術
- レーザーもしくは冷凍凝固によって房水を作る毛様体を破壊して眼圧を下げる手術。複数回の施術が必要となる場合がある。
- 前部硝子体切除術
- 悪性緑内障に対して行われる。
代替医療[編集]
緑内障に関して、エビデンスレベルの高い代替医療は報告されていない。血流改善薬や視神経保護薬による緑内障治療が期待されているが現在のところエビデンスレベルの有効性は確認されていない。そのほか星状神経性節ブロック、高圧酸素、胎盤 (プラセンタ) 抽出物、イチョウ葉抽出物 (英: Ginkgo biloba) などが緑内障の進行を抑制したという報告もあるが[要出典]現在のところ信頼に足るものではない。
著名な患者[編集]
- 一条ゆかり (漫画家)
- 柳原白蓮 (歌人)
- 曲亭馬琴 (戯作者)
- 大桃美代子 (タレント・キャスター)[要出典]
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- ^ 中江公祐 他: 厚生労働科学研究研究費補助金難治性疾患克服研究事業「網脈絡膜萎縮・視神経萎縮に関する研究」平成17年度総括分担研究報告書 (2006年)
- ^ Collaborative Normal Tension Glaucoma Study Group. The effectiveness of intraocular pressure reduction in the treatment of normal tension glaucoma. Am J Ophthalmol 1998;126:495-505.
- ^ The self-made eye: Formation of optic cup from ES cells (RIKEN Center for Developmental Biology (CDB))
- ^ “Death and DALY estimates for 2004 by cause for WHO Member States (xls)”. World Health Organization (2004年). 2011年12月20日閲覧。
- ^ Ohguro, H.; Katsushima, H.; Maruyama, I.; Maeda, T.; Yanagihashi, S.; Metoki, T.; Nakazawa, M. Experimental Eye Research 2002, 75, 307-315. DOI: 10.1006/exer.2002.2017
- ^ http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn2957
- ^ グルタミン酸ナトリウム
- ^ The critical role of calpain in axonal damage-induced retinal ganglion cell death. Journal of Neuroscience Research Volume 90, Issue 4, pages 802–815, April 2012
- ^ 「軸索障害による視神経細胞死におけるカルパイン阻害剤の神経保護効果---緑内障動物モデルに、カルパイン阻害薬が治療効果を」東北大学大学院医学系研究科平成23年11月8日
- ^ “Marijuana in the Treatment of Glaucoma CTA” (英語). Ophthalmic News and Education Network. American Academy of Ophthalmology (2003年5月). 2011年6月26日閲覧。
外部リンク[編集]
- 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター網膜再生医療研究チーム
- 日本緑内障学会 多治見緑内障疫学調査報告
- 日本眼科学会 緑内障診療ガイドライン (第2版)
- 「Glaucoma」 - Medpediaにある「緑内障」についての項目。(英語)
- メルクマニュアル医師向け18版 緑内障
- 緑内障情報サイト eye-web (アイウェブ)
- 緑内障フレンドネットワーク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 濾過胞感染への対応 : 日本緑内障学会「濾過胞感染多施設共同研究」の成果を受けて
- 緑内障とアンチエイジング医学 (特集 眼とアンチエイジング)
Related Links
- 緑内障 (りょくないしょう、英: glaucoma) は、目の病気の一種。青底翳 (あおそこひ) とも 呼ばれる。 網膜神経節細胞が死滅する進行性の病気であり、特徴的な視神経の変形と 視野異常 (視野欠損) を呈する。基本的には現時点では一度喪失した視野は回復 ...
- 緑内障. ■はじめに 緑内障は、厚生労働省研究班の調査によると、我が国における失明 原因の第1位を占めており、日本の社会において大きな問題として考えられています。 しかも最近、日本緑内障学会で行った大規模な調査(多治見スタディ)によると、40歳 ...
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- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 51歳の男性。上腹部痛を主訴に来院した。
- 現病歴:3日前から上腹部の強い痛みと悪心とを自覚していた。これまでも時々、空腹時に上腹部膨満感が出現することがあり市販の薬を内服していた。便通は毎日あり、もともと軟らかい方である。今朝から倦怠感を少し感じたため受診した。発熱や息切れはない。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒はウイスキー60mL/日を30年間。
- 家族歴:母親が60歳時にくも膜下出血で死亡。父親がAlzheimer型認知症を発症し72歳時に胃癌で死亡。
- 医療面接は以下のように続いた。
- 患者「・・・ということで当時は親戚中がもめており、父が亡くなったときは正直言ってホッとしたことを思い出します」
- 医師「そうでしたか。つらい思い出をお話しくださってありがとうございました」
- 患者「いえいえ。もうずいぶん前のことですから大丈夫ですよ」
- 医師「それで、今回のおなかの痛みについて何か思い当たることはありますか」
- 患者「実は、父が自分と同じように長い間胃が悪くて、検査の結果ピロリ菌陽性だったそうで、ひょっとしたら自分もそうではないかと」
- 医師「そういうご事情があったのですね」
- 現症:意識は清明。身長 174cm、体重 67kg。体温 36.5℃。脈拍 96/分、整。血圧 100/62mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 97%(room air)。皮疹を認めない。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。心窩部から右季肋部にかけて圧痛を認める。反跳痛を認めない。直腸指診で異常を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 340万、Hb 10.0g/dL、Ht 35%、白血球 7,200、血小板 16万。CRP 1.5mg/dL。腹部超音波検査で異常を認めない。
- 次に行う検査の前に再度確認しておくべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109F026]←[国試_109]→[109F028]
[★]
- 28歳の女性。激しい頭痛を主訴に来院した。19歳ころから拍動性の右側の頭痛を自覚している。頭痛は嘔吐を伴い、吐き終わると少し楽になると言う。頭痛持続中は強い光と大きな音とがつらく、暗い部屋でじっとしていることが多かった。大学生のころには頭痛は定期試験が終了した後などに限られていたが、卒業後就職したころから週に1回は出現するようになり、欠勤することが多い。最近は、月経開始2日前から開始2日後にかけて激しい頭痛が出現している。頭痛出現に先行する症状は特にない。神経学的所見に異常はない。母親にも同様の頭痛がある。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102F022]←[国試_102]→[102F024]
[★]
- 芥川龍之介著「歯車」の一部を以下に示す。
- のみならず僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?-と云うのは絶えずまわっている半透明の歯車だった。僕はこう云う経験を前にも何度か持ち合わせていた。歯車は次第に数を殖やし、半ば僕の視野を塞いでしまう、が、それも長いことではない、暫らくの後には消え失せる代わりに今度は頭痛を感じはじめる、-それはいつも同じことだった。
- 「僕」の症状から最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104F016]←[国試_104]→[104F018]
[★]
- 40歳の男性。健康診断で緑内障を疑われて来院した。眼精疲労以外の自覚症状はない。視力は右1.2(矯正不能)、左1.5(矯正不能)。検査法の写真①~⑤を以下に示す。この患者に必要な検査はどれか。
- (1) ①
- (2) ②
- (3) ③
- (4) ④
- (5) ⑤
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095C037]←[国試_095]→[095C039]
[★]
- 53歳の女性。人間ドックの眼底検査で異常を指摘され来院した。視力は右1.0(矯正不能)、左1.0(矯正不能)。左眼底写真と視野図とを以下に示す。右眼底も同様の所見である。考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D008]←[国試_097]→[097D010]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095B077]←[国試_095]→[095B079]
[★]
- 検査の様子(別冊No. 3A)とその検査所見(別冊No. 3B)とを別に示す。この検査で異常高値を示す眼疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E013]←[国試_106]→[106E015]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [114C014]←[国試_114]→[114C016]
[★]
- 肝動脈化学塞栓療法の適用を決める際に最も注意すべき病歴はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B017]←[国試_108]→[108B019]
[★]
- 大気中のフロンの増加に関連すると考えられているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G005]←[国試_111]→[111G007]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B025]←[国試_096]→[096B027]
[★]
- 乳幼児揺さぶられ症候群(Shaken Baby Syndrome)を疑った場合、確認すべき眼所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D002]←[国試_114]→[114D004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [113A001]←[国試_113]→[113A003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F061]←[国試_101]→[101F063]
[★]
- 紫外線による健康影響と考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F035]←[国試_113]→[113F037]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105E012]←[国試_105]→[105E014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096H012]←[国試_096]→[096H014]
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[正答]
※国試ナビ4※ [098E034]←[国試_098]→[098E036]
[★]
- 英
- glucocorticoid (Z), glucocorticoids
- 関
- グルココルチコイド
- 関
- 副腎皮質、副腎皮質ホルモン
- 以下、内的に合成される糖質コルチコイドについて述べる
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
生理作用
1. エネルギー代謝
- 糖新生においてグルコースの前駆体となるアミノ酸を肝臓に供給すべく動員する作用 (SP.894)
a. 糖代謝作用
- 糖新生の亢進
- 血糖上昇
- 肝細胞以外のグルコースの取り込みを抑制 (SP.894) ← 末梢でインスリンの作用に拮抗
- グルコース-6-ホスファターゼの活性亢進 (SP.894)
- グリコーゲンの合成亢進
- 血糖値の上昇に伴い、肝臓などでグルコースからグリコーゲンが作られる (SP.894)
b. タンパク質代謝作用
- 肝臓での糖新生の基質を末梢から供給する作用
- 肝細胞以外でのアミノ酸取り込み阻害 (SP.894)
- 特定のアミノ酸合成を阻害 (SP.894)
- 生理的範囲:(肝臓)同化作用が起こる、(肝臓以外)異化作用が起こる
- ステロイド大量投与時:ほとんど異化作用が起こる→副作用につながる
c. 脂質代謝作用
- 脂肪細胞に対して、インスリンの拮抗作用を持つが、一方で糖質コルチコイドにより血糖値が上昇する
-
- 脂肪細胞に対してグルコースの取り込みを抑制し、中性脂肪の生合成を抑制し、さらに大量の遊離脂肪酸とグリセロールを放出させる。肝臓でグリセロールからグルコースが合成される。 (SP.894)
- 血糖値の上昇によりインスリンが分泌され、脂肪細胞で脂肪の合成が促進される (SP.894)
- (1)、(2)のいずれの反応が起こるかは体の部位によって異なり、脂肪分布の変化が生じる。
- 中心性肥満、満月様顔貌、バッファローハンプ
2. 電解質代謝作用
- 糖質コルチコイドの電解質コルチコイド様作用。
- Na+再吸収↑、K+排泄↑
- コルチゾールの電解質作用はアルドステロンの約1/400
- コルチゾールの量 はアルドステロンの約 200倍
- ゆえに、電解質コルチコイドの1/2の作用力を持つ
3. 水代謝作用
- GFR↑、ADHに拮抗、細胞内への水移動の抑制→水利尿作用を有する。 尿崩症 + 副腎不全 → 多尿がいくらか改善されると考えて良いと思われる。仮面尿崩症
4. 骨・軟骨に対する作用
- a. ビタミンDと拮抗して腸管からのCa吸収阻害 (SP.894)
- b. 腎尿細管におけるCa再吸収阻害 (SP.894)
- c. 骨芽細胞の分化・増殖を抑制 (SP.894)
- 糖質コルチコイドの大量投与→軟骨↓骨成長↓(活性型ビタミンD3に拮抗・尿細管Ca再吸収↓→PTH↑、骨芽細胞の分化抑制、タンパク質の異化作用↑)→骨粗鬆症、骨壊死 or 骨端線閉鎖を促進(←?要調査)
- b.の機序で尿に排泄されるカルシウムが増加 → 高カルシウム尿症 → 尿路結石
5. 抗炎症作用
- 胸腺やリンパ組織を萎縮させる → 炎症反応や免疫反応を抑制
- リンパ球数の減少、白血球の遊走抑制、抗体産生低下、ヒスタミン放出抑制(局所の毛細血管拡張抑制) (SP.894)
- 末梢好中球数は増加する(YN.F-78) → 白血球増多症
SPC.330
- a) 核内受容体を介してlipocortinを発現させ、これがphospholipase A2を阻害する。これにより、アラキドン酸の産生が抑制され、炎症を促進するロイコトリエンの産生も抑制される。
- b) 末梢血Tリンパ球、単球、好酸球、好塩基球:骨髄からの放出減少と再分配(?)のため末梢血中では減少する。
- c) 末梢血好中球:炎症部位への集合が抑制され(血管外への遊走が抑制される(GOO.1600))、末梢血中では増加する。
- d) Bリンパ球はヘルパーT細胞が抑制されるために抗体産生能が減少する。
- e) リンパ球などの細胞表面の立体構造を換えて抗体や補体の結合を抑制する。
- f) 毛細血管(毛細管)の収縮により、血管の透過性は低下する。
6. 循環器
- カテコールアミン・アンジオテンシンIIによる血管収縮作用の許容作用 → 糖質コルチコイドなしではその作用を十分に及ぼし得ない
- 欠乏症では血管のカテコールアミン・アンジオテンシンIIに対する感受性低下
7. 中枢神経系
8. 成長発達
- 胎児期の消化酵素・リン脂質(肺胞表面の張力に関与)の合成に関与 (SP.895)
- 小児期で骨や熱強訴域に直接作用して身長の伸びを抑制する (SP.895)
作用機序
免疫抑制(GOO. 657,674,1600)
- 糖質コルチコイドはリポコルチンを産生→リポコルチンはホスホリパーゼA2の活性を修飾→アラキドン酸産生↓
分泌調節
- 1. 概日リズム
- 2. フィードバック制御
- 3. ストレス反応
臨床関連
用量
- Low-to-moderate doses — Doses of 1 mg/kg per day of prednisone in children or 40 mg per day in adults may be considered an approximate threshold at which significant toxicities begin to appear with extended use in most individuals.
副作用
- 副腎皮質ホルモン剤
- Patients receiving a glucocorticoid dose equivalent to ≥20 mg of prednisone daily for one month or longer who also have another cause of immunocompromise (eg, certain hematologic malignancies or a second immunosuppressive drug)
- https://www.uptodate.com/contents/treatment-and-prevention-of-pneumocystis-pneumonia-in-hiv-uninfected-patients?
- 0.5mg/kg以上のプレドニゾロン(PSL)を3週間以上投与され、かつST予防投与されていない間質性肺炎74例中7例(9.5%)でPCPを発症(榎本達治,他.ステロイド療法中の間質性肺炎患者に発症したニューモシスチス肺炎の臨床的検討.日呼吸会誌 2005: 43: 725-30)
[★]
- 英
- muscarinic receptor
- 同
- ムスカリン性受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体 muscarinic cholinergic receptors mAChR
- 関
- アセチルコリン受容体、ニコチン受容体、ムスカリン受容体拮抗薬、受容体
- アセチルコリン受容体のサブタイプ
- 7回膜貫通型のGタンパク質共役型受容体 →ニコチン受容体はイオンチャネル型
- β-アドレナリン受容体などと類似の構造と機能を有する (SPC.66)
ムスカリン受容体 (SP.412)
ムスカリン性受容体 (出典?)
ムスカリン性受容体
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局在
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反応
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シグナル伝達系
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M1
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自律神経節
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脱分極
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Gq→PLC→IP3/DAG
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中枢神経
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M2
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心臓
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洞房結節
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脱分極の抑制、過分極
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Gi→K+チャネル開
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心房
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収縮力↓
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Gi→cAMP↓→電位依存性L型Caチャネル閉
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房室結節
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伝導速度↓
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心室
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収縮力↓
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M3
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平滑筋
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収縮
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Gq→PLC→IP3/DAG
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血管内皮細胞
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拡張
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NO産生
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外分泌腺
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分泌促進
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Gq→PLC→IP3/DAG
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ムスカリン受容体作動薬・拮抗薬の臨床応用
[★]
- 英
- retinal vein occlusion, obstruction of the retinal vein
分類
リスクファクター
- 参考1
- 年齢、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、凝固亢進状態(factor V Leiden, activated protein C resistance)、緑内障、網膜細血管異常(retinal arteriolar abnormality)
- 出典不明
比較
- SOP.134
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網膜静脈分枝閉塞症
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網膜中心静脈閉塞症
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網膜中心動脈閉塞症
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BRVO
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CRVO
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CRAO
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概念
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網膜動静脈交差部で静脈が閉鎖
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網膜中心静脈の閉塞
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網膜中心動脈の閉塞
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疫学
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CRVOより遙かに頻度が高い
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50歳以上の中高年で高血圧症のある人に好発
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(1)血栓塞栓子、(2)乳頭内での粥状硬化、あるいは動脈炎による血管攣縮による動脈の閉塞、(3)緑内障や外力による高眼圧
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病型
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静脈うっ滞網膜症 venous stasis retinopathy:静脈拡張、出血など静脈閉塞のみを主症状とする。 出血性網膜症 hemorrhagic retinopathy:高度の血管床閉塞など動脈の循環障害を併発
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症状
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黄斑部を支配する静脈が閉塞すれば視力低下を痔核。
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無痛性の片眼性の急激な視力低下
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無痛性の高度視力障害
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眼底
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閉塞した静脈域で静脈の拡張し、透過性亢進による出血、浮腫、綿花白斑を生じる。数ヶ月の経過で出血は吸収され、静脈は白線化し、硬性白斑が残る。
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視神経乳頭から放射状の火炎状出血、(重症例)暗赤色の出血斑。乳頭の充血、浮腫、網膜静脈の拡張蛇行、綿花様白斑、黄斑浮腫から嚢胞様黄斑浮腫
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網膜は混濁、白濁。cherry-red spot
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合併症
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新生血管形成と硝子体出血。再発性硝子体出血と牽引性網膜剥離症(閉塞した静脈域の毛細血管の閉塞によりその領域周辺の網膜や視神経乳頭での血管新生をきたす)。
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新生血管緑内障:予後不良。発症から3ヶ月が好発時期。前房隅角や虹彩に新生血管が生じ眼圧上昇をきたす。
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治療
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光凝固術:黄斑浮腫、新生血管に対して。 硝子体手術:硝子体手術、牽引性網膜剥離
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原疾患の治療 新生血管緑内障予防:汎光凝固術
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眼球圧迫マッサージ 亜硝酸アミル (高眼圧の場合)前房穿刺
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予後
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1時間以内に血行が改善しないと網膜機能の回復は期待できない。
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参考
- 1. [charged] Retinal vein occlusion: Epidemiology, clinical manifestations, and diagnosis - uptodate [1]
[★]
- 44歳 女性
- 主訴:頭痛
- 現病歴:前年より頭痛が続いていた。頭痛が増強してきたたため、当院受診となった。
- なお頭痛は両側性であり、夜に向かって増悪し、視覚障害、または嘔気は伴わない。その他に食欲減退と早朝覚醒を伴う睡眠障害がある。
- 嗜好歴:喫煙 15/day、飲酒 15units/week (350mlの缶ビール 10本)
- 社会歴:パートタイムのoffice cleaner。離婚している。2人の子供(10歳と12歳)の世話をしている。
- 家族歴:母が脳腫瘍で死亡。
- 既往歴:皮疹と過敏性腸症候群(当時はそれ以外になにも問題なかった)
- 服用薬:頭痛に対してパラセタモールかイブプロフェン
- 身体所見 examination
- 全身:引きこもっているように見える(withdrawn)。
- 脈拍:74/分、整。血圧:118/76 mmHg。
- システミックレビュー:心血管系、呼吸器系・消化器系、胸部および網内系は正常。神経学所見は正常。眼底所見は正常
- Q1. 診断は?
- Q2. 鑑別診断は?
- Q3. 管理方法は?
-
- ■鑑別診断
- 片頭痛 問診:(典型例では)眼症状に続く片側性、拍動性の頭痛で、悪心・嘔吐もあり、数時間持続。家族歴。
- 群発頭痛 問診:眼窩の激烈な痛み(行動不能になる程度)。
- 占拠病変による頭痛
- その他
- 副鼻腔炎 問診:頭重感、鼻汁の有無、発熱。診察:上顎洞・前頭洞の圧痛を触診、扁桃腺視診、頚部リンパ節触診
- 歯牙障害 歯科コンサルト
- 頚椎症 加齢による退行性変性を考慮しつつ、頚部の可動制限、疼痛、凝り感を問診。単純X線、MRIで診断。
- 緑内障 問診:視野。検査:視力、眼圧、視野、視神経乳頭形態、隅角検査
- 外傷後頭痛 外傷の既往歴、頭皮の視診
- □unit
- 1 unit = 10 ml of ethanol
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- ■glossary
- withdrawn
- v.
- withdrawのpp.
- adj.
- 1.(人が)引きこもった、内にこもった、世間と交わらない
- She looks withdrawn.
- 2.人里離れた、遠くにある
- 3.(商品などが市場から)回収された
- 4.(競争などから)撤退した
- reticuloendothelial system
- 細網内皮系 = 網内系
- dental disorder 歯牙障害
- bereavement
- n.
- 死別
- sneezing
[★]
- 英
- pigmentary degeneration of the retina
- ラ
- degeneratio pigmentosa retinae, retinitis pigmentosa
- 関
- 網膜色素変性、色素性網膜症、色素性網膜炎、桿体錐体ジストロフィー、色素上皮網膜変性、夜盲症、難病
[show details]
概念
遺伝形式
症状
- 症状は通常両眼性である。進行は緩徐に進行する。
- 夜盲
- 視野狭窄:輪状暗点(初期)、求心性視野狭窄(末期)
- 視力低下:周辺視力低下、最終的には失明、。
検査
- 眼底検査:網膜動脈狭細化、蝋状の視神経乳頭萎縮、骨小体様色素沈着(必ずしも見られない)
- 傾向眼底検査
- 暗順応検査
- 網膜電図:(初期から見られる)振幅低下・消失
- 視野検査:(初期)輪状暗点、求心性視野狭窄
認定基準
- 参考1
-
- 網膜血管狭小
- 粗糙胡麻塩状網膜(ごま塩眼底??)
- 骨小体様色素沈着
- 白点状
- 2) 網膜電図の振幅低下又は消失
- 3) 蛍光眼底造影所見で網膜色素上皮萎縮による過蛍光
合併症
網膜色素変性を伴う疾患
網膜色素変性の類変疾患(網脈絡膜変性疾患)
- →網脈絡膜ジストロフィー
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/337
- http://homepage1.nifty.com/jibiaka50/nantyoumoumaku.htm
- 3. [charged] Retinitis pigmentosa: Clinical presentation and diagnosis - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- normal tension glaucoma, normal-tension glaucoma NTG, normotensive glaucoma
- 関
- 低眼圧緑内障
症状
[★]
- 英
- angle-closure glaucoma, closed angle glaucoma
- 同
- 狭隅角緑内障 narrow-angle glaucoma
- 関
- 緑内障、レーザー虹彩切開術
[★]
- 英
- low-tension glaucoma, low tension glaucoma
- 関
- 正常眼圧緑内障、緑内障
[★]
- 英
- glaucomatous abnormality of visual field
- 関
- 緑内障、視野異常
[★]
- 英
- drug for glaucoma
- 関
- 緑内障