- 英
- Dulbecco
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2018/01/03 22:03:37」(JST)
[Wiki ja表示]
Renato Dulbecco
レナート・ドゥルベッコ |
レナート・ドゥルベッコ(1966)
|
生誕 |
(1914-02-22) 1914年2月22日
イタリア カタンザーロ |
死没 |
2012年2月19日(2012-02-19)(97歳没)
アメリカ合衆国 カリフォルニア州サンディエゴ |
国籍 |
アメリカ合衆国 |
研究分野 |
ウイルス学 |
研究機関 |
カリフォルニア工科大学
ソーク研究所 |
出身校 |
トリノ大学 |
博士課程
指導学生 |
ハワード・マーティン・テミン |
主な業績 |
逆転写酵素 |
主な受賞歴 |
アルバート・ラスカー基礎医学研究賞(1964)
ノーベル生理学・医学賞(1975) |
プロジェクト:人物伝 |
ノーベル賞受賞者 |
受賞年:1975年 |
受賞部門:ノーベル生理学・医学賞 |
受賞理由:腫瘍ウイルスと細胞の遺伝物質との相互作用に関する発見 |
|
レナート・ドゥルベッコ(Renato Dulbecco、1914年2月22日 - 2012年2月19日)はイタリア出身のウイルス学者。アメリカ・イギリスなどで活動しているため、英語風にリナート・ダルベッコと呼ばれることも多い。腫瘍ウイルスの研究により1975年度ノーベル生理学・医学賞受賞者の1人となった。
略歴
カラブリア州カタンザーロ生まれ。トリノ大学でジュゼッベ・レーヴィに医学を学び、研究生活に入る。ここでサルヴァドール・ルリアとリータ・レーヴィ=モンタルチーニに会い親交を結んだ。1940年第二次世界大戦が勃発すると軍医として召集されてフランス・ロシアの前線に派遣され、負傷した。ファシスト政権崩壊後はレジスタンス運動に参加した。
戦後研究を再開したが、まもなくレーヴィ=モンタルチーニとともにアメリカへ渡り、ルリアとともにインディアナ大学(ブルーミントン)でバクテリオファージの研究を始めた。1949にカリフォルニア工科大学に移ってマックス・デルブリュックのグループに加わった。さらにここで動物ウイルス、特に腫瘍ウイルスの研究を始めた。1952年には培養細胞を用いた動物ウイルスのプラーク定量法を導入した。
1950年代後半にはハワード・テミンが学生となる。1962年にはソーク研究所に移り、ここではデビッド・ボルティモアや利根川進を指導している。1972年にはイギリス王立がん研究所に移る。
1975年にテミン、ボルティモアとともにノーベル賞を受賞。1986年には他の研究者とともにヒトゲノムプロジェクトの立ち上げに加わった。1993年にはイタリアに帰り、CNR生物医学研究所(ミラノ)所長を務めた。
ドゥルベッコのグループは、腫瘍ウイルスと呼ばれるウイルスが正常細胞に感染すると、ウイルス由来の遺伝子が細胞のゲノムに取り込まれ、これが形質転換(細胞レベルのがん化)の原因になることを明らかにした。腫瘍ウイルスは人間の一部のがんの原因ともなる。また一部の腫瘍ウイルス(レトロウイルス)では、遺伝子の取り込みの第一段階は逆転写酵素(RNAからDNAへの転写を行う)によることが、テミンとボルティモアによって明らかにされた。これが彼ら3人のノーベル賞受賞理由となっている。
さらにレトロウイルスの持つ遺伝子によく似たがん遺伝子は正常細胞にもあり、これが一般の発がんにも関係することが後に明らかにされた。このようにドゥルベッコの発見は、その後のがんに関する研究すべての基礎となっている。
ポール・バーグ(1980年ノーベル賞)、リーランド・ハートウェル(2001年ノーベル賞)もダルベッコ研究室に長期滞在している[1][2]。
2012年2月19日、カリフォルニア州サンディエゴ市ラホヤ地区の自宅で死去[3]。97歳没。
受賞歴
- 1964年 - アルバート・ラスカー基礎医学研究賞(ハリー・ルービンと共に)
- 1973年 - コロンビア大学よりルイザ・グロス・ホロウィッツ賞(ハリー・イーグル、シオドア・パックと共に)
- 1975年 - ノーベル生理学・医学賞(ハワード・テミン、デビッド・ボルティモアと共に)
脚注
- ^ ダルベッコと師匠ルリア、ルリアの弟子ワトソン、ダルベッコの弟子ボルティモア、テミン、バーグ、テミン、利根川と師弟関係で8人ものノーベル賞受賞者が出ている。
- ^ 「ダルベッコ先生 環境整え口は出さず」私の履歴書 利根川進⑫ 日本経済新聞2013年10月12日
- ^ Renato Dulbecco, Nobel Winner in Physiology-Medicine, Dies at 97 NYtimes 2012年2月21日閲覧
ノーベル生理学・医学賞受賞者 |
マックス・タイラー (1951) - セルマン・ワクスマン (1952) - フリッツ・アルベルト・リップマン / ハンス・クレブス (1953) - ジョン・フランクリン・エンダース / トーマス・ハックル・ウェーラー / フレデリック・チャップマン・ロビンス (1954) - ヒューゴ・テオレル (1955) - アンドレ・フレデリック・クルナン / ディキソン・W・リチャーズ / ヴェルナー・フォルスマン (1956) - ダニエル・ボベット (1957) - ジョージ・ウェルズ・ビードル / エドワード・ローリー・タータム / ジョシュア・レーダーバーグ (1958) - セベロ・オチョア / アーサー・コーンバーグ (1959) - フランク・マクファーレン・バーネット / ピーター・メダワー (1960) - ゲオルク・フォン・ベーケーシ (1961) - ジェームズ・ワトソン / フランシス・クリック / モーリス・ウィルキンス (1962) - ジョン・C・エックルス / アラン・ロイド・ホジキン / アンドリュー・フィールディング・ハクスリー (1963) - コンラート・ブロッホ / フェオドル・リュネン (1964) - フランソワ・ジャコブ / アンドレ・ルヴォフ / ジャック・モノー (1965) - ペイトン・ラウス / チャールズ・ハギンズ (1966) - ラグナー・グラニト / ハルダン・ケファー・ハートライン / ジョージ・ワルド (1967) - ロバート・W・ホリー / ハー・ゴビンド・コラナ / マーシャル・ニーレンバーグ (1968) - マックス・デルブリュック / アルフレッド・ハーシー / サルバドール・エドワード・ルリア (1969) - ベルンハルト・カッツ / ウルフ・スファンテ・フォン・オイラー / ジュリアス・アクセルロッド (1970) - エール・サザランド (1971) - ジェラルド・モーリス・エデルマン / ロドニー・ロバート・ポーター (1972) - コンラート・ローレンツ / カール・フォン・フリッシュ / ニコ・ティンバーゲン (1973) - アルベルト・クラウデ / クリスチャン・ド・デューブ / ジョージ・エミール・パラーデ (1974) - レナート・ドゥルベッコ / ハワード・マーティン・テミン / デビッド・ボルティモア (1975)
|
1901年 - 1925年 | 1926年 - 1950年 | 1951年 - 1975年 | 1976年 - 2000年 | 2001年 - 2025年 |
|
典拠管理 |
- WorldCat
- VIAF: 52489596
- LCCN: n80111169
- ISNI: 0000 0001 0901 5450
- GND: 118994220
- SUDOC: 030020557
- BNF: cb121522282 (データ)
- BIBSYS: 90342977
- NLA: 35252078
- NKC: ola2002161220
- ICCU: IT\ICCU\CFIV49268
- BNE: XX989049
- IATH: w6fg6dzg
|
|
49268
BNE: XX989049
IATH: w6fg6dzg
</raw>
</toggledisplay>
Japanese Journal
- ノーベル賞と医学の進歩・発展(44)がんウイルスの研究とダルベッコ培地
- グルコース濃度・インスリン濃度の差異がC2C12細胞の増殖と分化に与える影響
- 森 拓也,川原 勲,後藤 桂,國安 弘基
- 理学療法学Supplement 2015(0), 0685, 2016
- … 通常培養条件は,ダルベッコフォークド改変イーグル最小培地(DMEM)に10%FBSを加えた培地を使用し,CO2インキュベーターの温度は37℃,CO2濃度は5%にて培養を行った。 …
- NAID 130005417692
- 難波 正義
- 岡山医学会雑誌 123(1), 27-31, 2011
- … ダルベッコ培地を使用して細胞を培養したといった記載を読んだ研究者は少なくないであろう.また,実際にダルベッコ培地を使用した研究者もいると思う.今回は,この培地を報告したDulbecco(1975年,がんウイルスの研究によってノーベル賞)の波乱万丈の経歴,彼の人脈(多くの人物がノーベル賞を受賞),彼の研究概略などについて紹介したい.そして,筆者のダルベッコ …
- NAID 130004505700
Related Links
- DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)は、哺乳類細胞の培養に幅広く使用されています。高グルコース培地は、高密度の浮遊培養に適しており、低グルコース培地は接着培養に使用されます。
- 【ダルベッコPBSとPBSの違いについて】----DPBSとPBSの違い,選定基準、それらが及ぼす影響の違い 現在、実験で使用するPBSの選定を行っているのですが, DPBSとPBSの違いがわかりません. データから含有量が違う ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ロタリックス内用液
組成
製法の概要
- 本剤は、G1P[8]に属するヒトロタウイルス(89-12株)のクローンである弱毒生ヒトロタウイルス(RIX4414株)をアフリカミドリザル腎臓由来のVero細胞で培養増殖させ、得たウイルス液を精製し、添加剤を加えた内用液剤である。
本剤は、製造工程でブタの膵臓由来成分(トリプシン)及びウシの乳由来成分(無水乳糖)を使用している。また、製造工程の極めて初期の段階(Vero細胞のセルバンク作製時)において、仔ウシの血液由来成分(血清)、ウシとブタの骨抽出成分(アミノ酸類)及びウシの乳由来成分(ラクトアルブミン加水分解物)を使用している。
組成
- 本剤は、1.5mL中に下記の成分・分量を含有する。
有効成分
- 弱毒生ヒトロタウイルス(RIX4414株) 6.0log10 CCID50以上
安定剤
緩衝剤
緩衝剤
希釈剤
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の接種後に本剤又は本剤の成分によって過敏症を呈したことがある者
- 腸重積症の発症を高める可能性のある未治療の先天性消化管障害(メッケル憩室等)を有する者
- 腸重積の既往のある者
- 重症複合型免疫不全(SCID)を有する者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
- 本剤はロタウイルスG1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]、G9P[8]に対する予防効果が示唆されている。
- 他のウイルスに起因する胃腸炎を予防することはできない。
- 乳児に通常、4週間以上の間隔をおいて2回経口接種し、接種量は毎回1.5mLとする。
接種対象者・接種時期
- 生後6週から初回接種を開始し、少なくとも4週間の間隔をおいて2回目の接種を完了する。遅くとも生後24週までには接種を完了させること。また、早期産児においても同様に接種することができる。
なお、初回接種は生後14週6日までに行うことが推奨されている。1)
接種方法
- 本剤は経口接種だけに限り、絶対に注射してはならない。
- 接種直後にワクチンの大半を吐き出した場合は、改めて本剤1.5mLを接種させることができる。
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔をおいて本剤を接種すること。ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往がある者
- 免疫機能に異常がある疾患を有する者及びそのおそれがある者、免疫抑制をきたす治療を受けている者、近親者に先天性免疫不全症の者がいる者[「重要な基本的注意」及び「臨床成績」の項参照]
- 胃腸障害(重度又は慢性の胃腸疾患、感染原因を問わない感染性胃腸炎等)を有する乳児における本剤の有効性及び安全性は確立していないので、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- Dulbecco's modified Eagle medium、DMEM
- 関
- Dulbecco変法イーグル培地
[★]
- 英
- Dulbecco Modified Eagle Medium DMEM