胆汁
- 0.5-1.0 L/day, pH 8.0-8.6
- 消化酵素を含まないアルカリ性の分泌液である
分泌部位
部位 胆汁 割合 肝細胞 毛細管胆汁 2/3 胆細管 胆細管胆汁 1/3
分泌経路
- 肝臓胆汁が総肝管を経由して胆嚢にいたり、ここで濃縮を受けて胆嚢胆汁となる。
機能
- 1. 脂肪乳化作用
- 胆汁酸により、直径1μm以下の脂肪滴が形成され、表面積拡大によりリパーゼと反応しやすくなる。
- 2. ミセルの形成
- ミセルの直径5nm。胆汁酸は両親媒性であり親水基と疎水基を持つ。
- 親水性: OH基,ペプチド結合,カルポキシル基
- 疎水性: 上記部分以外
- 胆汁に含まれる胆汁酸とリン脂質により、モノグリセリド・脂肪酸とミセルを形成することができる。
- 3. コレステロールとビリルビンの排出
- 4. 胃酸の中和
組成
1. 胆汁酸
- see HBC.236
1次胆汁:コレステロールより合成 コール酸 キノデオキシコール酸 2次胆汁:1次胆汁の腸内細菌による代謝(7位の部位のOH基が除去される) デオキシコール酸 リトコール酸 3次胆汁:肝臓から分泌される状態(可溶性) タウロコール酸(タウリンと抱合) グリココール酸(グリシンと抱合)
2. 胆汁色素
ビリルビン:Hbの代謝産物 間接型(不溶性) ↓←グルクロン酸抱合 直接型(水溶性)(抱合型ビリルビン) ↓ ウロビリノーゲン(腸管) ↓ ステルコピリン(腸管) ↓ 排泄
3. 脂質
リン脂質(主にレシチン) 不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性) コレステロール 不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性)
4.電解質成分
陽イオン:Na+(主)、その他K+,Ca2+ 陰イオン:Cl-,HCO3-(アルカリ性)
胆汁の分泌と排出
1. 毛細管胆汁 1-1. 胆汁酸依存性胆汁 胆汁酸と水分の分泌:胆汁酸の腸肝循環に依存。 腸肝循環:肝臓から分泌された胆汁が小腸で吸収され、門脈を経て肝臓に戻り、再び排泄されること。 タウロコール酸・グルココール酸 陰イオンに解離しやすく吸収されやすい。 リトコール酸 非解離型なので糞便中に排泄される。 分泌された胆汁酸の95%は腸肝循環により再利用される。
1-2. 胆汁酸非依存性胆汁 胆汁酸以外の分泌:Na+,K+,Ca2+,Cl-,HCO3-,ビリルビン(有機陰イオン) 等張性 :Na+,Cl-,HCO3-は血漿濃度に類似
2. 胆細管胆汁 2-1. Na+,HCO3-(高濃度),水の分泌---セクレチンによる 2-2. Na+,Cl-の吸収
3. 胆汁の濃縮(胆嚢) 電解質吸収(Na+,Cl-の能動的吸収)とそれに伴う水の吸収→5-50倍に濃縮
4. 胆汁排出 食後30分で胆嚢収縮開始。液性の調節機構による排出が主である。 4-1. 液性 十二指腸内食物→CCK分泌→オッディ括約筋弛緩・胆嚢収縮 十二指腸内食物→セクレチン分泌→CCKの作用に拮抗 胃内食物→ガストリン分泌→胆嚢収縮 4-2. 神経性 迷走神経性反射→オッディ括約筋弛緩,胆嚢収縮(関与の程度不明)
臨床関連
- 胆道系に形成された結石。半数以上は無症状SilentStoneである
- 食後3時間程度で痛痛発作、黄痘などを呈する事がある。
- コレステロール系結石(全体の70%):コレステロールの過飽和による。
- ビリルビン系結石(全体の30%):黒色石+ビリルビンCa石
- その他:炭酸カルシウム石など
- 皮膚、強膜、粘膜が黄色くなる。
- 1. ビリルビンの生成過多
- 2. 肝細胞によるビリルビンの取り込み減少
- 3. グルクロン抱合障害
- 4. 胆汁へのビリルビン分泌障害
- 5. 胆管閉塞
- 胆汁により皮膚に痒みが出る