- ☆case30 無月経
- ■症例
- 23歳 女性 女優
- 主訴:無月経
- 現病歴:5ヶ月前からの無月経である。初経は13歳で、これまで月経周期は整であった。食欲はあると言っているが昨年から(over the pas year)体重が8kg減少した。
- 嗜好品:アルコール10 unit/week(缶ビール(350ml)6本弱本/週)。
- 既往歴:なし
- 社会歴:現在は無職。
- 服用薬:なし
- 生活歴:一年前、彼氏と別れた。
- 身体所見 examination
- 四肢と殿部の筋肉が喪失。身長1.7m、体重41kg、BMI 13.7(標準的:20< <24)。頬、首、前腕で毛が過剰に生えている。脈拍52/分。血圧96 /60 mmHg
- 検査所見 investigations
- ECG
- 血液生化学
- K↓, Cl↓, HCO3-↑, Cre↓, Alb(保たれているのか・・・)
- 問診(S)
- 5ヶ月前からの無月経
- 昨年から8kg体重が減少。
- 無職
- 1年前に彼氏と別れた
- 身体所見(O)
- 四肢と殿部の筋肉が喪失。
- 身長1.7m
- 体重41kg
- BMI 13.666666666666666
- 頬、首、前腕で毛が過剰に生えている。
- 脈拍52/分
- 血圧96/60 mmHg
- 検査(O)
- K↓, Cl↓, HCO3-↑, Cre↓
- ・なにをすべきか?
- ・無月経の鑑別診断?
- ・体重減少の原因
- ■診断
- 神経性食思不振症, anorexia nervosa, AN
- ■要点
- ・嘔吐 → H+,Cl-喪失。
- ・減少した血漿量 → アルドステロン分泌亢進 → 尿細管ではナトリウム保持、カリウム分泌、(本来分泌されるべき)H+の枯渇
- ・アルカローシス(血中:Cl-低値、HCO3-高値。尿:Cl-低値、K+高値)
- ・尿中のCl-:<10mmol/day:嘔吐していることを暗示(imply vomitting)。高値:利尿剤の乱用
- ・anorexia nervosaで見られる検査値もチェックしておこう
- ・LH, FSH, エストロゲンは低値
- ■key points
- ・神経性食思不振症は若年女性の中で無月経の主要な原因である。
- ・低カリウム性代謝性アルカローシスは特徴的な代謝異常
- ・神経性食思不振症は利尿剤や下剤の濫用と結びついていることがある。
- ■参考文献
- DIF Differential Diagnosis in Primary Care Fourth Edition版 Lippincott Williams & Wilkins
- ■major cases of secondary amenorrhea
- ・視床下部、下垂体の疾患:ex. 下垂体機能低下症、高プロラクチン血症
- ・性腺不全:ex. 自己免疫性卵巣不全、多能性卵巣
- ・副腎不全:ex. クッシング病
- ・甲状腺疾患:ex. [甲状腺機能低下症]]、甲状腺機能亢進症
- ・重症慢性疾患:ex. 癌、慢性腎不全
- □アルコールのunit
- 1 unit = 10 ml of ethanol
- 350ml アルコール5% → 350x0.05/10=1.75 unit
- ■glossary
- buttock
- n. 殿部、尻。船尾
- interrelate
- vi. 相互関係を持つ(有する)
- vt. 相互に関係(関連)づける
- contract
- v. 収縮する
- lanugo
- n. 毳毛、うぶ毛
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 禁煙にて短期間に改善し早期病変と考えられた肺ランゲルハンス細胞組織球症の1例
- 松尾 潔,津島 瑞穂,上田 裕介,藤原 慶一,米井 敏郎,佐藤 利雄
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 31(5), 288-292, 2009-09-25
- … CH)はランゲルハンス細胞の非腫瘍性増殖と肉芽腫形成を特徴とする,比較的まれな原因不明の疾患である.本邦では100例余り報告されており,喫煙の関与が強く示唆されている.症例.51歳,男性.喫煙歴;30本/day×30年.糖尿病にて他院通院中.2007年秋の人間ドックにて胸部異常陰影を指摘され当院を受診された.胸部CTにて,小葉中心性の淡い小粒状影を認めたため,気管支鏡検査を施行し,右B^2より経気管支肺生検( …
- NAID 110007359157
- 鏡視下バンカート修復術のラーニングカーブの検討 : 手術習熟度の目安
- 岩噌 弘志
- 肩関節 = Shoulder joint 33(2), 317-319, 2009-07-27
- … Takeda evaluated the learning curve regarding arthroscopic Bankart repair, and reported that experience of about 100 cases is necessary to produce certain results. … The operating time/anchor was 9-70 minutes, being 30 minutes or more in the first 50 cases and 20 minutes or less in most subsequent cases. …
- NAID 10025335285
- 愛媛大学皮膚科における乳房外 Paget 病100例の検討
- 永松 将吾,中岡 啓喜,村上 信司,橋本 公二
- Skin cancer : official organ of the Japanese Society for Skin Cancer = 皮膚悪性腫瘍研究会機関誌 24(1), 30
- 当科で経験した乳房外Paget病100例についてまとめ,1992年に報告した内容と比較検討した。本疾患は70代男性に多くみられ,近年は増加傾向にあった。大部分の症例は表皮内癌で生命予後は良好であったが,浸潤癌症例では高率にリンパ節転移を来しており,予後不良であった。当科では従来の方針を見直し,皮膚側切除範囲を5cmから3cmにまで縮小し,それまで全例に行ってきた所属リンパ節郭清の適応を浸潤癌の症例 …
- NAID 10025619000
- 順天堂東京江東高齢者医療センターにおける精神科病棟入院患者の現状 : 開院当初と比較して
- 熊谷 亮,榛沢 亮,内海 雄思,小松 弘幸,野澤 宗央,山本 涼子,松原 洋一郎,杉山 秀樹,村山 憲男,井関 栄三,一宮 洋介
- 順天堂医学 54(4), 468-473, 2008-12
- 目的:2007年に順天堂東京江東高齢者医療センターの精神科病棟に入院となった患者の精神疾患および入院理由を調査し,開院当初と比較することで高齢者専門病院精神科病棟の役割の変化を検討する.対象と方法:2007年4月から2008年3月に当院精神科病棟に入院となった患者394名を対象とし,各患者についで性別・年齢・精神科的診断・入院理由について調査した.結果:性別は男性:女性=178:216であり,年齢 …
- NAID 110007125628
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