- ラ
- nucleus paraventricularis
- 同
- 視床下部室傍核 hypothalamic paraventricular nucleus、視床室傍核 paraventricular thalamic nucleus
- 関
- 視床下部 、視床上核
- 大神経細胞ではアルギノバソプレシン(AVP)が合成される
- 傷心経細胞ではAVPと副腎皮質刺激ホルモンが産生され、下垂体門脈内に放出される
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/09/14 22:29:34」(JST)
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脳: 室傍核 |
間脳と視床下部の位置関係、"Hypothalamus"が視床下部。室傍核はこの視床下部の内側部に位置する
ヒトの脳の視床下部周辺の冠状断。画像右端の3Vと書かれた所が第三脳室。そのすぐ脇にあるPVNと書かれた灰色の部分が室傍核。SONと書かれた視索上核にも見える黒い細かい点はバゾプレシンニューロン。
|
名称 |
日本語 |
室傍核 |
英語 |
Paraventricular hypothalamic nucleus |
ラテン語 |
nuclei paraventricularis hypothalami |
略号 |
PVN, Pa |
関連構造 |
上位構造 |
視床下部 |
関連情報 |
NeuroNames |
関連情報一覧 |
NIF |
総合検索 |
MeSH |
Paraventricular+Hypothalamic+Nucleus |
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室傍核(しつぼうかく、Paraventricular hypothalamic nucleus)とは、間脳の視床下部を構成する神経核の1つである。
目次
- 1 概要
- 2 シナプス入力
- 3 画像
- 4 参考文献
|
概要
室傍核には神経分泌ニューロンが含まれている。この核の外側の大細胞性領域には、神経ホルモンであるバゾプレシンあるいはオキシトシンを含む神経分泌ニューロンの細胞体がある。そこからニューロンは軸索を伸ばし、軸索末端は脳下垂体後葉に投射して、毛細血管にそれぞれのホルモンを分泌している。一方、室傍核内側の小細胞性領域には副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRHと呼ばれる副腎皮質刺激ホルモンの分泌促進因子)という神経ホルモンを分泌する神経分泌ニューロンの細胞体があり、この軸索末端は正中隆起に投射し毛細血管に神経分泌されている。血管に分泌されたCRHは下垂体門脈を通って脳下垂体前葉に作用して副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌させる。
シナプス入力
ラットの室傍核の小細胞性神経分泌ニューロンは、副腎皮質刺激ホルモンを分泌させる肉体的ストレスにより興奮する。たとえば痛み(皮膚を抓ったりキャプサイシンを皮下投与)や脱血によって、一過性に発火頻度が上昇する[1]。 またやはり心理的ストレスによっても興奮する。たとえばコレシストキニン(CCK8)は不安を引き起こし副腎皮質刺激ホルモンを分泌させる事が知られているが、CCK8の腹腔投与で小細胞性神経分泌ニューロンの発火頻度を上昇させる[2]。従って視床下部室傍核の小細胞性神経分泌ニューロンがハンス=セリエのいうストレス反応をになっている。 つぎに室傍核を制御する高次の脳として、最近小脳が知られている。小脳の室頂核と挿入核から投射している。
大細胞性神経分泌ニューロンについては、バゾプレシンとオキシトシン分泌ニューロンは視索上核のそれぞれと同じ発火パタンを示す。
画像
-
サルの脳の視床下部周辺の冠状断試料。画像中央の空白(第三脳室)の両脇に見える、濃く染まっている部分が室傍核。"Paraventricular N" と書かれている。
-
視床下部内における室傍核の位置関係。画像右端の黄色の部分が室傍核。 "Paraventricular N" と書かれている。
-
ヒト脳の視床下部周辺の正中矢状断面。神経核の位置関係を表した図。画像中央上部、PVと書かれた青い所が室傍核。
参考文献
- ^ HAMAMURA M, ONAKA T and YAGI K. (1986) Parvocellular Neurosecretory Neurons: Converging Inputs after Saphenous Nerve and Hypovolemic Stimulations in the Rat The Jap J Physiol 36(5);921-933*[1]
- ^ Leng G et al. (1993) Inputs from the nucleus tractus solitarii to the magnocellular neurosecretory system. Reg Peptides 45(1-2);103-107*[2]
Japanese Journal
- 交感神経系の伝達経路と腎神経アブレーション (第1土曜特集 自律神経による調節とその破綻) -- (延髄吻側および尾側の交感神経中枢)
- 視床下部室傍核の4型メラノコルチン受容体発現ニューロンによる食欲調節
- 交感神経が高血圧をもたらすしくみ (AYUMI 高血圧診療のNew Technology : 腎交感神経アブレーションを中心に)
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- vasopressin VP
- 同
- バゾプレッシン, arginine vasopressin AVP、抗利尿ホルモン antidiuretic hormon ADH
- 商
- ピトレシン Pitressin
- 関
- デスモプレシン、尿細管
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分類
性状
産生組織
- PED. 1328
標的組織
- 腎臓の集合管
- 腎臓の細い上行脚、太い上行脚、接合尿細管にも作用する (SP.816)
生理作用
- 血管平滑筋の収縮(V1受容体)
- V1受容体は抗利尿作用を示すより大用量で動作(SAN.189) ← 生理的な量では血管収縮による血圧上昇はない。
- 髄質内層集合管で尿素の再吸収を高める(SP.817)
作用機序
抗利尿作用
|
集合管上皮細胞
|
V2R
|
血管平滑筋収縮(昇圧作用)
|
血管内皮
|
V1R
|
分泌調節
- 血漿浸透圧↑、循環血漿量↓→分泌↑ ( 出血 )
- 血漿浸透圧↓、循環血漿量↑→分泌↓ ( 水の大量摂取 )
ADH分泌促進/作用増強する薬物
- QB.D-331
ADHの作用を修飾する物質
- 糖質コルチコイド:水代謝作用(水利尿):GFR↑させたりADHに拮抗することで細胞内への水移動を抑制する
癌患者とADH
- 日腎会誌 2012:54(7):1016-1022
- Ellison DH, Berl T. Clinical practice. The syndrome of inappropriate antidiuresis. NEJM. 2007;356:2064-2072. PMID 17507705
- 異所性ADH産生腫瘍、抗悪性腫瘍薬の副作用、手術侵襲、嘔気・嘔吐、疼痛
分子機構
ここまで、2007後期生理学授業プリント&想像 でまとめた
- 集合管の上皮の基底側に発現していると思われるV(75%){2};Rを介して、アクアポリン2(AQP2)が発現して尿細管腔側に局在、アクアポリン2から水を細胞内に取り込み、アクアポリン3を介して細胞基底側(血管腔)に水が移動する (2007後期生理学授業プリント, SP.817 図12-63)
- 以下の記述と矛盾する気がする・・・
- 水輸送体apuaporin1(AQP1)に作用して集合管における水透過性を高める(SP.817)。
効能又は効果
- ピトレシン注射液20
薬効薬理
- ピトレシン注射液20
- 遠位尿細管における水の再吸収を促進することにより、抗利尿作用を発揮する1)。
- 腹部内臓の細動脈を収縮させ、門脈血流を減少させるので、一時的に門脈圧が下降するため、門脈圧亢進による食道出血時に止血作用を発揮する。
副作用
- ピトレシン注射液20
- 血管収縮による血圧上昇、狭心症、腹痛がありうる。(QB.D-357)
- 重大な副作用:ショック、横紋筋融解症、心不全・心拍動停止、精神錯乱・昏睡、水中毒、中枢神経障害(中心性橋脱髄症)、無償、心室頻拍
禁忌
- ピトレシン注射液20
- 1. 本剤の成分に対しアナフィラキシー又は過敏症の既往歴のある患者
- 2. 冠動脈硬化症 (心筋梗塞症、狭心症等) の患者[心筋虚血を延長させることがある。]
- 3. 急速な細胞外水分の増加が危険となるような病態 (心不全、喘息、妊娠中毒症、片頭痛、てんかん等) のある患者[水中毒を起こすことにより、それらの病態を悪化させるおそれがある。]
- 4. 血中窒素貯留のある慢性腎炎の患者[水分貯留を起こすことにより、血中窒素の排泄が抑制されるおそれがある。]
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2414402A1035_1_02/2414402A1035_1_02?view=body
臨床検査
基準値
- 0.3-4.2pg/ml (RIA2抗体法) (検査の本)
- 0.3-4.0pg/ml (RIA2抗体法) (LAB.695)
[★]
- 英
- thyrotropin-releasing hormone (PT), TRH (PT), thyrotropin releasing hormone
- 同
- 環・グルタミン酸-ビスチジン-プロリン・ アミド pyroglutamyl-histidyl-proline amide
- 関
- 甲状腺ホルモン TSH、ホルモン、TRH試験
分類
性状
- 3aa.
- pGlu-His-Pro-NH2
- pGlu = ピログルタミン酸
産生組織
- 神経終末は正中隆起外層に分布 (SP.874)
標的組織
作用
- TRHのTSH,PRL分泌促進作用は女性>男性である。エストロゲンはTSH分泌細胞のTRH受容体を増やし、女性の法がPRL分泌細胞が多いためらしい(SP.915)
分泌の調整
- 分泌刺激:視床下部前部の体温調整中枢やカロリー調節中枢の刺激(SP.914)。ノルアドレナリン。セロトニン(SP.913)
- 分泌抑制:甲状腺ホルモンによる下垂体前葉(寄与は小さいらしいが視床下部にも)へのネガティブフィードバック (SP.913)。ドパミン、セロトニン(SP.913)
分子機構
- TSH受容体(G蛋白共役受容体)と結合し、IP3-Cキナーゼ型を介して作用を発揮 (SP.874)。特にPKCの活性化がTSH分泌促進に関与(SP.914)
[★]
- 英
- corticotropin-releasing hormone, CRH, corticotropin releasing hormone
- 同
- コルチコトロピン放出ホルモン、ACTH放出ホルモン ACTH-releasing hormone
分類
性状
- 41個のアミノ酸からなる
産生組織
標的組織
作用
分泌の調節
神経伝達物質による調節
- コリン作動性ニューロン : +
- セロトニン作動性ニューロン : +
- アドレナリン作動性ニューロン: + / -
- GABA作動性ニューロン : -
ネガティブフィードバックによる調節
インターロイキンによる調節
分子機構
[★]
- 英
- oxytocin OT
- 関
- ホルモン
- 商
- アトニン
性状
分類
産生組織
標的組織
- 1. 乳管周囲の筋上皮細胞の収縮
- 2. 子宮頚部、膣
- 3. 卵管の蠕動運動を高める
作用
- 1. 乳汁分泌
- 2. 子宮頚部や膣の伸展
- 3. 子宮筋の収縮 → 分娩促進、授乳時の子宮収縮(後陣痛)、子宮復古
分泌の調整
分子機構
臨床関連
[★]
- 英
- neuropeptide Y NPY
- 血圧下降、呼吸抑制
- 血管収縮(冠血管含む)、血圧上昇
構造
局在
[★]
- 英
- nucleus, nuclei
- 同
- 細胞核
- 関
- 細胞