プラリドキシム
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- プラリドキシムヨウ化メチル(プラリドキシムヨウかメチル、pralidoxime iodide)は、有機 リン剤中毒の特異的な解毒剤である。一般的な通称はパム(PAM)もしくはオキシム剤と 呼ばれることもある。化学的にはピリジニウム環にオキシム部位が置換した構造を ...
- ヨウ化プラリドキシム. 〔効〕有機リン剤中毒の解毒. 〔用〕(注)1回1gを徐々に静注. 〔慎〕 筋無力症. 〔相〕アトロピン併用時には混注しない(薬効発現が遅延). 〔副〕嘔気,口内苦味 感,不整脈,胸内苦悶,下顎疲労感,軽度不快感,ヨウ素過剰症状(鼻咽頭灼熱感,耳下腺 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
パム静注500mg
組成
有効成分
1アンプル(20mL)中
添加物
1アンプル(20mL)中
効能または効果
- 有機リン剤の中毒
- プラリドキシムヨウ化物として、通常成人1回1gを静脈内に徐々に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 重症筋無力症〔正常人と異なる反応を示すことがあるので、筋肉症状に十分注意すること。〕
- 腎機能障害のある患者〔本剤は主として腎臓で排泄されるため、慎重に投与すること。〕
薬効薬理
コリンエステラーゼ(ChE)賦活作用
- マウスにパラチオン他7種類の有機リン剤を投与した実験において、各臓器のChE活性を回復させることが認められている。1)
- マウスにパラチオン他8種類の有機リン剤を投与した実験において、LD50値が上昇することが認められている。2)
- ウサギにパラチオン他8種類の有機リン剤を投与した実験において、血液中のChE活性を回復させることが認められている。2)
- ヒト血液を用いたin vitroの実験において、スミチオン他9種類の有機リン剤によって阻害されたChE活性を回復させることが認められている。3)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- プラリドキシムヨウ化物(プラリドキシムヨウ化メチル)
Pralidoxime Iodide
化学名
- 2-formyl-1-methylpyridinium iodide oxime
分子式(分子量)
性状
- 黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エーテル又はクロロホルムにほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 45歳の男性。農業に従事している。意識障害のため搬入された。夕食後、自宅倉庫へ行ったまま2時間以上たっても戻らないのを心配した家族が見に行き、倒れているのを発見した。搬送した救急隊員によると、そばに空ピンがころがり、床の吐物に有機溶剤臭があった。意識レベルはJCS II-20。身長165cm、体重58kg。体温36.0℃。脈拍44/分、整。血圧100/58mmHg。縮瞳を認める。皮膚は湿潤していて発赤はない。骨格筋の線維性攣縮が認められる。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:外観は淡黄色透明。蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 500万、白血球 6,200、血小板 32万。血液生化学所見:アルブミン 4.8g/dl、クレアチニン 1.1mg/dl、総ビリルビン 0.8mg/dl、AST 30IU/l、ALT 35IU/l、LD 300IU/l(基準176-353)、ALP 200IU/l(基準115-359)、γ-GTP 30IU/l(基準8-50)、コリンエステラーゼ OIU/l(基準400-800)、アミラーゼ 40IU/l(基準37-160)、CK 20IU/l(基準30-140)。動脈血ガス分析(自発呼吸, room air) : PaO2 98Torr、PaCO2 40Torr、HCO3- 24mEq/l。
- 処置として投与が検討されるのはどれか、2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D050]←[国試_104]→[104D052]
[★]
- 50歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。農業用の共同管理小屋の近くで倒れているのを近所の人が発見し、救急車を要請した。最近、うつ傾向のため自宅近くの医療機関を受診していたという。農作業に従事しており、一人暮らしである。意識レベルはJCSⅡ-20。身長 165cm、体重 60kg。体温 36.0℃。心拍数 44/分、整。血圧 98/56mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%(room air)。縮瞳を認める。皮膚は湿潤していて発赤を認めない。骨格筋の線維束攣縮を認める。腹部に異常を認めない。尿所見:淡黄色透明、蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 480万、白血球 6,200、血小板 30万。血液生化学所見:アルブミン 4.6g/dL、総ビリルビン 0.8mg/dL、AST 28U/L、ALT 35U/L、LD 310U/L(基準 176~353)、ALP 200U/L(基準 115~359)、γ-GTP 25U/L(基準 8~50)、コリンエステラーゼ OU/L(基準 400~800)、アミラーゼ 45U/L(基準 37~160)、CK 20U/L(基準 30~140)、クレアチニン 1.0mg/dL。動脈血ガス分析(room air):PaCO2 40Torr、PaO2 98Torr、HCO3- 24mEq/L。
- 治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A055]←[国試_111]→[111A057]
[★]
- 英
- pralidoxime
- 商
- パム静注, Protopam
- 同
- プラリドキシムヨウ化メチル、2-pyridine aldoxime methiodide 2-PAM PAM、ヨウ化プラリドキシム pralidoxime iodide
- 関
- 有機リン剤中毒、コリンエステラーゼ阻害薬
概念
- 有機リン化合物中毒治療
- コリンエステラーゼを再活性化させる。
薬効薬理
- パム静注500mg
- (1) マウスにパラチオン他7種類の有機リン剤を投与した実験において、各臓器のChE活性を回復させることが認められている。1)
- (2) マウスにパラチオン他8種類の有機リン剤を投与した実験において、LD50値が上昇することが認められている。2)
- (3) ウサギにパラチオン他8種類の有機リン剤を投与した実験において、血液中のChE活性を回復させることが認められている。2)
- (4) ヒト血液を用いたin vitroの実験において、スミチオン他9種類の有機リン剤によって阻害されたChE活性を回復させることが認められている。3)
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3929401A1035_3_04/3929401A1035_3_04?view=body
[★]
- 英
- iodide、iodo
- 関
- ヨード、ヨウ化物、ヨウ素