心筋梗塞
定義
- 冠循環障害による心筋壊死
原因
- 血栓の塞栓(冠状動脈粥状硬化巣の破綻、心房細動、心内膜炎、弁膜症)
- 血管炎、解離性動脈瘤、川崎病
リスクファクター
- 高脂血症、肥満、糖尿病
分類
時間
筋層の梗塞の深さ
- 貫壁性心筋梗塞
- 非貫壁性心筋梗塞
梗塞部位による分類
重症度
- Killip分類:ラ音・心不全ショックの有無
- Forrester分類:心係数と肺動脈楔入圧
STEMI患者における血圧と脈拍(HIM.1533)
- ST上昇心筋梗塞(STEMI)を起こした患者の多くは、最初の1時間以内では正常な血圧と脈拍を示す。
- 前壁梗塞を起こした患者の1/4は頻脈と高血圧
- 下壁梗塞を起こした患者の1/2は徐脈と低血圧
急性心筋梗塞と房室ブロック (HIM.1420)
- 前壁梗塞より下壁梗塞で2度以上の房室ブロックがよく起こる。下壁梗塞でのブロックの程度は、房室結節の中でより安定で狭い補充調律である傾向にある。これにたいし、前壁梗塞は房室結節複合の遠位、ヒス束、索枝(bundle branch)での房室ブロックと関連しており、広いQRS複合、不安定な補充律動、および高い死亡率を伴う悪い予後に終わる。
検査
心電図
| QB CBR vol.3 p.201 | I | II | III | aVR | aVL | aVF | V1 | V2 | V3 | V4 | V5 | V6 | 冠動脈 | |
| 前壁中隔 | V1-4 | ○ | ○ | ○ | ○ | LAD | ||||||||
| 側壁 | I,aVL,V5-6 | ○ | ○ | ○ | ○ | LCX | ||||||||
| 下壁 | II,III,aVF | ○ | ○ | ○ | RCA | |||||||||
| 後壁 | V1(↑R) | * | ||||||||||||
| aVRは正常心電図では幅広いQ波を呈する | ||||||||||||||
| PHD. 102 | I | II | III | aVR | aVL | aVF | V1 | V2 | V3 | V4 | V5 | V6 | 冠動脈 | |
| 下壁 | II,III,aVF | ○ | ○ | ○ | RCA | |||||||||
| 前壁中隔 | V1-V2 | ○ | ○ | LAD | ||||||||||
| 前壁心尖 | V3-V4 | ○ | ○ | LAD(distal) | ||||||||||
| 前壁側壁 | I,aVL,V5-6 | ○ | ○ | ○ | ○ | LCX | ||||||||
| 後壁 | V1,V2(↑R) | * | * | RCA | ||||||||||
- 心電図の読み方パーフェクトマニュアル p.131も参考に
心電図の異常波形と時間経過
- PHD.105
| hyper acute |
acute | hours | day 1-2 | days later | weeks later | |
| 心筋虚血 | 心筋壊死 | |||||
| ST | ST上昇 | ST上昇 | ST上昇 | ST正常化 | ST正常 | |
| T | T波増高 | T波増高 | T波増高 | 陰性T | T正常 | |
| R | ↓R振幅 | |||||
| Q | 異常Q出始め | 異常Q深くなる | 異常Q | |||
心電図の異常波形と時間経過 QB CBT vol3.237
- 1. 発症直後よりT波の増高(超急性期T波)とSTの上昇が見られる
- 2. 発症後1-数時間を経過すると貫壁性の心筋壊死が生じ、異常Q波が出現し始める
- 3. 数日後よりSTは基線に戻り始め、T波の陰転が始まる。およそ1週間後にはSTは基線に戻り、陰性T波(冠性T波)が完成する。この時期になってもST上昇が持続する場合には心室瘤の形成が危惧される。
- →also see心電図の読み方パーフェクトマニュアル p.169-170
心エコー
- 局所的壁運動低下、心膜液の出現
胸部単純X線
- 心拡大、肺うっ血
血液検査
- CK:上昇
- CK-MB:上昇
- AST:上昇
- ALT:正常
- LDH:上昇
- 白血球:上昇
- ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP):上昇
- ミオグロビン:上昇
- 心筋トロポニンT:上昇
- 心筋トロポニンI:上昇
治療
ガイドライン
- 1. 急性心筋梗塞(ST上昇型)の診療に関するガイドライン