感度と特異度
感度と特異度
- 公衆衛生学的な視点から有用
- 「検査をすることによって集団の中からできるだけ疾病のある人を発見したい」という視点で設定された数値である。
- 出典不明
- 検査値は得られた結果を解釈することではじめて役に立つ。検査結果から診断をつけるためには、検査の感度、特異度を理解しなければならない。感度は病気を持っている患者のうち何%が検査陽性かを表す。感度が高ければ患者が本当に病気を持っていた場合常に陽性となる。よって感度が高い検査においては、陰性であったとき初めて意味がある。つまりスクリーニングとして検査を使うことができる。
- 特異度は感度とは逆に病気を持っていない人のうち何%が検査陰性かを表す。よって特異度が高い検査は結果が陽性であった場合意味をもつ。その病気でない場合、検査が陰性に出る可能性が高いということは、陽性にでれば、その病気である可能性が高いということの証明である。したがって、特異度の高い検査は確定診断に用いることができる。
- しかし、感度と特異度は損益の関係にあるので、感度と特異度は同時に高次元で成立することはできない。そこで、両者の関係をROC分析によって解析し両者が最も高くなる点にカットオフ値を設定する。
- また、感度と特異度の組み合わせは尤度比で表現できる。陽性尤度比=感度/1-特異度、陰性尤度比=1-感度/特異度で表される。陽性尤度比は検査が陽性であった場合、陰性尤度比は検査が陰性であった場合用いる。
- 尤度比は、検査前の確率に尤度比をかけることで新たな確率を導き出すことで、検査前の診断をより確からしいものにする。たとえば60%の確率で虫垂炎であると考える。検査前oddsは60/40である。CTを行って診断することで虫垂炎が陽性である陽性尤度比は10であり、今回CTにより虫垂炎がみつかったとすると、陽性尤度比を適用できて60×10=600より600/600+40=94%と60%の確からしさがかなりの確からしさへと上昇した。しかし毎回この計算をするのも面倒なので以下の値を参考にすると良い。
尤度比 確からしさ 2 15%↑ 5 30%↑ 10 45%↑ 0.5 15%↓ 0.2 30%↓ 0.1 45%↓
- よい検査とは陽性尤度比が高く、陰性尤度比が低い検査である。ただ、尤度比は病気によって変化する。よって尤度比を覚えておくことは不可能である。したがって尤度比は文献検索によって調べる必要がある。
- また、定性検査では感度、特異度に基づいて検査結果を解釈できるが、多くの検査は定量的検査である。感度、特異度は単一のカットオフ値で測定値を二分して得る指標であるので、定量検査に感度、特異度を用いると、定量検査の診断特性であるROC曲線の持つ情報が欠落してしまう。そこで定量検査では、測定値を階層に分けて有疾患、無疾患に分け階層ごとに尤度比を求めることで診断特性情報として用いる。これを層別尤度比という。