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- sublingual tablet
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- バッカル錠
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/09 16:56:48」(JST)
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錠剤(じょうざい、tablets)とは、有効成分または有効成分に賦形剤等を加えたものを圧縮形成などの方法により一定の形に製した固形の製剤である。 携帯性に優れ、容易に一定量を取ることができる。
この項目では医薬品の錠剤について述べる。
目次
- 1 形状
- 2 種類
- 2.1 用法による分類
- 2.2 コーティングによる分類
- 2.3 特殊錠
- 3 製造
- 4 包装形態
- 5 品質
- 6 長所と短所
- 7 服薬時の注意
- 8 関連項目
形状
取り扱いやすさや飲み込みやすさを顧慮して、おおむね重量100–500mg、直径6–15mmほどのもの が多い。円盤形やレンズ形、竿形などさまざまなものがある。膣錠は、挿入しやすくするために矢尻型など特殊なものがある。素錠には、半分に割るための割線が入っているものがある。
通例、錠剤には識別のための番号や記号が入っているが、素錠は刻印、コーティング錠は印刷で入れる。錠剤は着色することができ、これは識別を容易にするが、タール色素の発癌性などが問題になったことから、近年は無着色の白い錠剤が多い。
種類
用法による分類
- 内服用錠剤
- 口腔用錠剤 — 嚥下せず口腔内で溶解させて使うもの。口腔粘膜から有効成分を吸収させるバッカル錠や舌下錠、咽頭の消毒などに使うトローチ錠がある。
- 外用錠剤 — うがいなどの際に溶かして使う溶解錠や膣錠がある。
コーティングによる分類
- 素錠(裸錠) — 成形したままの錠剤。
- コーティング錠 — 薬剤の安定化、矯味、矯臭などの目的で裸錠の表面に均一に皮膜を施したもの。白糖による糖衣錠、水溶性高分子によるフィルムコーティング錠がある。また、胃酸により影響を受ける有効成分を、酸性では不溶性のコーティング剤で被膜した腸溶錠がある。
特殊錠
- チュアブル錠 — 服用時かみ砕いて使う錠剤。制酸剤など比較的用量の多い医薬品に使われる。例シングレア®チュアブル錠
- 口腔内崩壊錠(OD錠) — 唾液で崩壊する錠剤。水なしでも服用できる。
- 持続性錠(徐放性錠) — 溶解性の異なる基材などを使い、一定時間持続的に有効成分が放出されるよう調整した錠剤。
- ワックスマトリックス錠 — 体内で徐々に崩壊する徐放化基材に有効成分を分散させた錠剤。
- グラデュメット錠 — 多孔質の不溶性樹脂に有効成分を滲み込ませた錠剤。
- 多孔性皮膜錠 — 不溶性で微細な穴の空いた皮膜を施した錠剤。
- 多層錠 — 放出性の異なる複数の層からなる錠剤。速溶層と徐放層を単純に重ねたスパンタブ、速溶錠の核に徐放錠を入れたロンタブ、速溶錠の核に腸溶錠を入れたレペタブがある。
- 有核錠 — 錠剤の中に別の錠剤を埋め込んだもの。
- スパスタブ — 速溶錠の中に徐放性の顆粒を分散させたもの。
- レジネート — イオン交換樹脂を使った錠剤。
製造
添加剤
通例錠剤には、有効成分の他に以下のような添加剤が加えられる。
- 賦形剤 — 有効成分が少ない場合に、取り扱うのに適当な量になるように加えるもの。生理活性を持たない物質として、おもに乳糖やデンプンなどが使われる。
- 結合剤 — 原料の粉体粒子同士を結びつけるために加えるもので、錠剤の機械的強度に影響する。デンプン糊やアラビアゴム糊、ヒドロキシプロピルセルロースなどが使われる。
- 崩壊剤 — 体内の水分を吸って膨張するなどして錠剤を崩壊させ有効成分の放出を容易にするために加えるもの。賦形剤として使われるデンプンは水分を吸って膨張するので崩壊剤としての機能も持つ。その他には、セルロース類などがよく用いられる。また炭酸塩のように水と反応してガスを発生し崩壊させるものもある。これを使った錠剤を発泡錠という。
- 滑沢剤 — 粉体の流動性をよくし圧縮形成を容易にするために加えるもので、ステアリン酸マグネシウムなどのワックスやタルクなどが用いられる。
工程
古くは、有効成分に賦形剤などを加えて練り合わせのばしたものを一定の形に打ち抜いて製造する湿製法があったが、現在は圧縮形成によるものがほとんどである。 錠剤の圧縮形成のことを「打錠」という。
打錠には、混合した原料をそのまま打錠する直接打錠法と、混合した原料を顆粒にしてから打錠する顆粒打錠法がある。直接打錠法では工程は単純になるが、原料の流動性が悪いと重量にばらつきが出たり仕上がりが悪くなる。
近年は、湿式練合したものを型に入れ乾燥させるOD錠のような特殊な製法もある。
以下に一般的な顆粒打錠法の工程を示す。
- 秤量
- 一次混合 — 有効成分、賦形剤、結合剤、崩壊剤などを均一になるように混合する。
- 造粒
- 篩過 — 顆粒の大きさをそろえる。粒径がばらつくと、錠剤の重量や有効成分の放出性などに影響する。
- 二次混合 — 顆粒に滑沢剤を混ぜる。ある程度均一にする必要があるが、混ぜすぎると撥水性のある滑沢剤の場合、錠剤の崩壊性を損ない有効成分が放出されにくくなる。
- 打錠 — 打錠圧と速度が品質に影響する。打錠圧が低いと錠剤の強度が低下する。逆に高すぎると表面が割れて剥がれたりする打錠障害が起きることがある。
- コーティング(必要に応じ)
- 包装
包装形態
錠剤を流通させるのに様々な包装形態がある。
- 瓶入り — 一定数の錠剤をガラスや樹脂製の瓶に詰めたもの。
- SP (strip package) 包装 — 柔軟なプラスチックフィルムなどに1錠ずつ挟み込みヒートシールしたもの。
- PTP (press through package) 包装 — 錠剤の形にへこませた硬質プラスチックなどに錠剤を入れ、アルミニウムフィルムなどで封をしたもの。
錠剤は、吸湿したりすることにより成分が変質したり、崩壊性が低下することがあるので、容器には気密性が要求される。また、医薬品によっては光により分解するものがあり、それらには遮光性がある包材が使用される。
SP包装やPTP包装では切り離しやすいようにミシン目が入っていたが、包装から錠剤を取り出さずに服用してしまう事例があったことから、現在では1錠ずつには切り離せないようになっている。
品質
錠剤には、次のような品質が求められる。
- 重量及び含量の均一性
- 崩壊性及び溶出性
- 機械的強度
先発品メーカーと後発品メーカーの医薬品では、有効成分が同じでもこういった品質に差があり効果の出方が異なるといわれてきた。後発品の使用推進を目指す国では、後発品メーカーに先発品と同等の品質であることを示すことを求めている。
長所と短所
取扱いが容易で、一定量を容易に取ることができるという点で優れる。徐放錠などにすることにより、持続時間を調整したりすることもできる。散剤などと異なり外見で何の薬か識別できることも長所のひとつである。
一方、微妙な量の調整ができないこと、乳幼児や高齢者では服用が困難な場合があること、複数の医薬品を服用しようとすると量が多くなってしまうことなどが短所としてあげられる。
また経口剤は一般に、口腔粘膜から吸収される舌下錠などを除き、有効成分が消化管から吸収され肝臓を通らないと全身血流に移動しないことから、効果の発現までに時間がかかることと、消化液や肝臓での代謝により有効成分の効果が変化してしまうことが短所となることもある。
服薬時の注意
割線の無い素錠や固い錠剤を割るための錠剤カッターの一例。
フィルムコート錠等の徐放性が期待される錠剤には使ってはいけない。
一般に錠剤を服用する際には十分な水で服用する必要がある。水の量は錠剤の崩壊や溶出に影響する。また水が少ないと、錠剤が咽頭などに張り付いてしまい、高濃度の医薬品にさらされた粘膜が潰瘍を起こしたりすることがある。
錠剤を砕いてしまうことは、臭いや味のマスキング効果、徐放性や腸溶性などが失われてしまうので避けなければならない。但し、口中で徐々に溶かしまたは噛み砕いてもよいチュアブル錠のほか、均質な素錠には割線が入っていたり、必要量を調整できるようにしてある錠剤もあり、不明な点は医師や薬剤師に確認して服用すべきである。
錠剤を手指で割るにはある程度のコツがあり、難しい場合は市販の錠剤カッターを用いるとよい。ハサミやカッターナイフ等を使うと滑ってしまいうまく行かないばかりか怪我をする恐れがある。
また、高齢者など嚥下の力が弱っている人には喉に詰まらせたりするおそれがあるので、その際は水分を多めに摂る、ぬるま湯と一緒に飲む(溶解力を高めるものがある)、市販の補助ゼリーを使用するなどの工夫が必要である。
関連項目
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- 医薬品
- 製剤
- 剤形
- 日本薬局方
- 薬剤学
- 錠剤状の食品 - 錠菓・サプリメント等
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Japanese Journal
- 臨床の"困った"に応える病院薬局製剤(第6回)がん性疼痛患者に用いるブプレノルフィン舌下錠
- がん疼痛治療薬 (新薬展望2010) -- (治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉--新薬の広場)
- 28) nitroglycerin舌下錠を使ったhead-up tilt試験により心臓抑制型の神経調節性失神と診断できた2症例
- 植村 佑介,藤原 俊樹,山下 晋,宮廻 英司,眞木 薫,眞木 高之,別府 昌子,大野 康彦,大西 浩二,北郷 衛,平 仁司
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 66(supplement III), 1098, 2002-10-20
- NAID 110002688444
Related Links
- 成分(一般名) : ニトログリセリン(舌下) 製品例 : ニトロペン舌下錠0.3mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価 ... 概説 血管を広げ血流をよくするお薬です。狭心症や心筋梗塞に用います。 作用 【働き】 狭心発作は、いわゆる心臓 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ニトロペン舌下錠0.3mg
組成
- ニトロペン舌下錠0.3mgは、1錠中に次の成分を含有する。
有効成分・含有量
添加物
- 乳糖水和物、セルロース、シクロデキストリン、トウモロコシデンプン、ポビドン、ステアリン酸Mg
禁忌
[血管拡張作用により、さらに血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。]
[眼圧を上昇させるおそれがある。]
[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]
[血圧低下により貧血症状 (めまい、立ちくらみ等) を悪化させるおそれがある。]
- 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤 (シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル) を投与中の患者
[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。(「相互作用」の項参照)]
効能または効果
- 狭心症、心筋梗塞、心臓喘息、アカラジアの一時的緩解
- ニトログリセリンとして、通常成人0.3〜0.6mg (本剤1〜2錠) を舌下投与する。狭心症に対し投与後、数分間で効果のあらわれない場合には、更に0.3〜0.6mg (本剤1〜2錠) を追加投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
[血管拡張作用により、さらに血圧を低下させるおそれがある。]
[血圧を低下させるおそれがある。]
[心拍出量が低下し、ショックを起こすおそれがある。]
[心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。]
薬効薬理
- ニトログリセリンは容量血管である静脈系に強く作用して静脈還流量を減少させ肺うっ血を軽減し左室充満圧や左室拡張末期容積を減少させる。3, 4)
- 比較的弱いが、抵抗血管である細動脈に作用して末梢血管抵抗を減少させ後負荷を軽減する。この結果心仕事量、心筋02需要が減少する。3, 4)
- 直接冠動脈を拡張し冠血流量を増加させ心筋虚血を改善する。さらに、側副血行路を拡張して、虚血に陥りやすい心筋内膜の血流を改善する。また、ニトログリセリンは冠血管スパズム (攣縮) を緩解し冠血流の減少を抑制する作用や、比較的太い冠動脈を拡張することでCoronary Steal (盗流現象) を起こさないことが知られている。3, 4)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
化学名:
- glyceryl trinitrate 又は1, 2, 3-propanetriol trinitrate
分子式:
分子量:
- 227.09
- ニトログリセリンは、常温では無色澄明の粘稠性の液体で、味は甘く灼熱感があり、衝撃により爆発する。
★リンクテーブル★
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