出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/03 19:53:18」(JST)
正方晶(Tetragonal crystal system)は、7つの結晶系の1つである。正方晶の結晶構造は、正六面体格子を1つの格子ベクトルに沿って伸ばすことにより得られるものであり、その結果、正方形の底面(a×a)と長方形の側面(a×c, a≠c)を持つ直角の角柱となる。
正方晶には、2つの結晶構造の種類がある。単純正方晶(単純な立方格子が伸びたもの)と体心正方晶(面心立方格子または体心立方格子が伸びたもの)の2つのブラベー格子がある。面心立方格子を伸ばすと面心正方晶になると思われがちだが、面心正方晶は体心正方晶と等価である。体心正方晶はより基礎的だと考えられており、そのため標準的な術語として用いられている[1]。
名前 | 単純 | 体心 |
---|---|---|
ピアソン記号 | tP | tI |
単位胞 |
この結晶系となる点群は、以下の通りである。表には、ヘルマン・モーガン記号、シェーンフリース記号、該当鉱物の例等が併せて記されている[2][3]。
# | 点群 | 例 | 空間群 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | Intl | Schoen. | Orb. | Cox. | |||
75–80 | Tetragonal pyramidal | 4 | C4 | 44 | [4]+ | ピノ石, ピウパイト |
P4, P41, P42, P43 I4, I41 |
81–82 | Tetragonal disphenoidal | 4 | S4 | 2× | [2+,4+] | カーン石, ツグツープ石 | P4 I4 |
83–88 | Tetragonal dipyramidal | 4/m | C4h | 4* | [2,4+] | 灰重石, モリブデン鉛鉱, 白榴石 | P4/m, P42/m, P4/n, P42/n I4/m, I41/a |
89–98 | Tetragonal trapezohedral | 422 | D4 | 224 | [2,4]+ | クリストバライト, ワード石 | P422, P4212, P4122, P41212, P4222, P42212, P4322, P43212 I422, I4122 |
99–110 | Ditetragonal pyramidal | 4mm | C4v | *44 | [4] | ダイアボレオ石 | P4mm, P4bm, P42cm, P42nm, P4cc, P4nc, P42mc, P42bc I4mm, I4cm, I41md, I41cd |
111–122 | Tetragonal scalenohedral | 42m | D2d | 2*2 | [2+,4] | 黄銅鉱, 黄錫鉱 | P42m, P42c, P421m, P421c, P4m2, P4c2, P4b2, P4n2 I4m2, I4c2, I42m, I42d |
123–142 | Ditetragonal dipyramidal | 4/mmm | D4h | *224 | [2,4] | 金紅石, 軟マンガン鉱, ジルコン | P4/mmm, P4/mcc, P4/nbm, P4/nnc, P4/mbm, P4/mnc, P4/nmm, P4/ncc, P42/mmc, P42/mcm, P42/nbc, P42/nnm, P42/mbc, P42/mnm, P42/nmc, P42/ncm I4/mmm, I4/mcm, I41/amd, I41/acd |
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