パゾパニブ
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Japanese Journal
- 5分でわかる新薬の知識 : 知っておきたい効果と副作用(02)抗悪性腫瘍薬 整形外科領域の悪性軟部腫瘍に対する初めての分子標的薬 ヴォトリエント錠200mg(一般名:パゾパニブ塩酸塩) パーキンソン病治療薬 パーキンソン病のオフ現象を改善するための自己注射薬 アポカイン皮下注30mg(一般名:アポモルヒネ塩酸塩注射液)
- Member's Page 新薬解説 化学構造から見た新規性 抗悪性腫瘍薬/キナーゼ阻害薬 ヴォトリエント錠200mg(一般名:パゾパニブ塩酸塩)
- 新薬解説 : 化学構造からみた新規性 抗悪性腫瘍薬/キナーゼ阻害薬 ヴォトリエント錠200mg(一般名:パゾパニブ塩酸塩
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ヴォトリエント錠200mg
組成
成分・含量
- 1錠中にパゾパニブ塩酸塩216.7mg(パゾパニブとして200mg)を含有する。
添加物
- 結晶セルロース、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール400、ポリソルベート80、三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 本剤の化学療法未治療例における有効性及び安全性は確立していない。
- 臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。(「臨床成績」の項参照)
- 通常、成人にはパゾパニブとして1日1回800mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
- 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが上昇するとの報告がある。食事の影響を避けるため、用法・用量を遵守して服用すること。(「薬物動態」の項参照)
- 副作用の発現により用量を減量して投与を継続する場合は、症状、重症度等に応じて、200mgずつ減量すること。また、本剤を減量後に増量する場合は、200mgずつ増量すること。ただし、800mgを超えないこと。
- 臨床試験において、中等度の肝機能障害を有する患者に対する最大耐用量は200mgであることが確認されており、中等度以上の肝機能障害を有する患者に対して本剤200mgを超える用量の投与は、最大耐用量を超えるため推奨されない。中等度以上の肝機能障害を有する患者に対しては減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。(「警告」「慎重投与」「薬物動態」「臨床成績」の項参照)
- 本剤を服用中に肝機能検査値異常が発現した場合は、以下の基準を考慮して、休薬、減量又は中止すること。
肝機能検査値異常に対する休薬、減量及び中止基準
肝機能検査値:3.0×ULN≦ALT≦8.0×ULN
- 処置:投与継続(Grade 1以下あるいは投与前値に回復するまで1週間毎に肝機能検査を実施)
肝機能検査値:ALT>8.0×ULN
- 処置:Grade 1以下あるいは投与前値に回復するまで投与を中断し、投与を再開する場合は、400mgの投与とする。
再開後、肝機能検査値異常(ALT>3.0×ULN)が再発した場合は、投与を中止する。
肝機能検査値:ALT>3.0×ULN、かつ総ビリルビン>2.0×ULN(直接ビリルビン>35%)
- 処置:投与中止(Grade 1以下あるいは投与前値に回復するまで経過を観察)
- GradeはNCI CTCAEによる。
- ULN:基準値上限
慎重投与
- 重度の腎機能障害患者[使用経験がない。]
- 中等度以上の肝機能障害のある患者[臨床試験において、中等度の肝機能障害を有する患者に対する最大耐用量が200mgであることが確認されている。](「警告」「用法・用量に関連する使用上の注意」「薬物動態」「臨床成績」の項参照)
- 高血圧の患者[高血圧や心機能障害が悪化するおそれがある。](「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
- 心機能障害のリスク因子を有する患者(特に、アントラサイクリン系薬剤等の心毒性を有する薬剤、及び放射線治療による治療歴のある患者)[症状が悪化するおそれがある。](「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
- QT間隔延長の既往のある患者、抗不整脈薬や他のQT間隔を延長させる可能性のある薬剤を投与中の患者[QT間隔延長や心室性不整脈をおこすおそれがある。](「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
- 血栓塞栓症又はその既往歴のある患者[本剤投与により血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある。](「重大な副作用」の項参照)
- 脳転移を有する患者[臨床試験において、転移部位からの出血が報告されている。](「重大な副作用」の項参照)
- 肺転移を有する患者[気胸が悪化又は発現するおそれがある。また、臨床試験において、転移部位からの出血が報告されている。](「重大な副作用」の項参照)
- 外科的処置後、創傷が治癒していない患者[創傷治癒遅延があらわれることがある。](「重大な副作用」の項参照)
重大な副作用
肝不全、肝機能障害
(4.6%)
- 肝不全、AST、ALT及びビリルビン上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は休薬し、適切な処置を行うこと。
高血圧(39.2%)、高血圧クリーゼ(頻度不明)
- 高血圧があらわれることがあるので、本剤の投与期間中は血圧を十分観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。なお、管理できない重症の高血圧が認められた場合には休薬すること。また、高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、血圧の推移等に十分注意して投与すること。高血圧クリーゼがあらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心機能障害
(5.4%)
- うっ血性心不全及び左室駆出率低下等の心機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は休薬等、適切な処置を行うこと。
QT間隔延長(0.8%)、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)(頻度不明)
- QT間隔延長、心室性不整脈(Torsade de pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
動脈血栓性事象
(0.8%)
- 心筋梗塞、狭心症、虚血性脳卒中、一過性脳虚血発作、心筋虚血等の動脈血栓性事象があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
静脈血栓性事象
(2.9%)
- 静脈血栓症及び肺塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
出血
(15%)
- 腫瘍関連出血を含む、脳出血(0.4%)、喀血(0.4%)、消化管出血(6.7%)、血尿(0.4%)、肺出血(0.4%)、鼻出血(6.7%)等の出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
消化管穿孔、消化管瘻
(0.4%)
- 消化管穿孔、消化管瘻があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
甲状腺機能障害
(7.1%)
- 甲状腺機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
ネフローゼ症候群(0.4%)、蛋白尿(0.8%)
- ネフローゼ症候群、蛋白尿があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等適切な処置を行うこと。
感染症
(9.2%)
- 好中球減少の有無にかかわらず重篤な感染症があらわれることがあり、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
創傷治癒遅延
(0.4%)
- 創傷治癒遅延があらわれることがある。創傷治癒遅延があらわれた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止すること。
間質性肺炎
(0.4%)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血栓性微小血管症
(0.4%)
- 血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群等の血栓性微小血管症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
可逆性後白質脳症症候群
(頻度不明)
- 可逆性後白質脳症症候群(RPLS)があらわれることがあるので、RPLSに一致する徴候や症状〔高血圧(伴わない例もある)、頭痛、覚醒低下、精神機能変化、及び皮質盲を含めた視力消失など〕が認められた場合は、本剤の投与を中止し、高血圧管理を含め、適切な処置を行うこと。
膵炎
(頻度不明)
- 膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、膵炎を示唆する症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗腫瘍効果
In vitro
- パゾパニブは、ヒト滑膜肉腫由来SYO-1細胞株、HS-SY-II細胞株、1273/99細胞株及びFuji細胞株に対して細胞増殖抑制作用を示した17)。
In vivo
- パゾパニブはヒト脂肪肉腫由来SW-872細胞株及びヒト滑膜肉腫由来SYO-1細胞株を皮下移植したマウスにおいて、腫瘍の増殖を抑制した17, 18)。
作用機序19)
- パゾパニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR-1、VEGFR-2及びVEGFR-3)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR-α及びPDGFR-β)、並びに幹細胞因子受容体(c-Kit)のリン酸化を阻害した。また、パゾパニブは、マウスに投与した時に肺のVEGFR-2のリン酸化を阻害した。
- パゾパニブは、マウス脈絡膜にレーザー照射で誘発した血管新生、並びにウサギ脈絡膜に血管内皮細胞増殖因子及び塩基性線維芽細胞増殖因子で誘発した血管新生に対して、阻害作用を示した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- パゾパニブ塩酸塩
(Pazopanib Hydrochloride)
化学名
- 5-({4-[(2,3-ジメチル-2H-インダゾール-6-イル)(メチル)アミノ]ピリミジン-2-イル}アミノ)-2-メチルベンゼンスルホンアミド 一塩酸塩
分子式
分子量
性状
- パゾパニブ塩酸塩は白色?わずかに黄色の粉末である。
pH1.0の緩衝液に溶けにくく、pH7.0の緩衝液にほとんど溶けない。また、メタノールに溶けにくく、水又はエタノールに極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pazopanib
- 商
- ヴォトリエント
- 化
- パゾパニブ塩酸塩 pazopanib hydrochloride
[★]
- 英
- bird、avian
- 関
- 鳥類