- 英
- water flea
- 関
- ミジンコ属、ミジンコ目
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/13 23:49:54」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この項目では、甲殻類について説明しています。その他の用法については「みじんこ」をご覧ください。 |
ミジンコ(微塵子、水蚤)は、水中でプランクトンとして生活する、微小な甲殻類である。以下の様なものがミジンコと呼ばれている。
- 鰓脚綱枝角目(ミジンコ目)のもの
- 貝形虫亜綱ミオドコーパ目のもの:カイミジンコ
- カイアシ亜綱のもの:ケンミジンコ
- 枝角目(ミジンコ目)ミジンコ科の1種
この項では、4.について扱う。ミジンコ類全般についてはミジンコ目を参照のこと。なお、上記1.から3.の見分け方は以下の通り。
- ミジンコ:丸っこい体・両腕を広げている・卵を担いでいる・バタフライで泳ぐ(左右の腕を同時に振っている)
- ケンミジンコ:細長い体・長い触角・卵のうをぶら下げている・犬かきで泳ぐ(腹面に細かい脚)
- カイミジンコ:二枚貝の外見・はい回れる脚・自由形で泳ぐ(両腕を交互に掻いている)
目次
- 1 ミジンコ(狭義)
- 2 特徴
- 3 生息環境
- 4 生態
- 4.1 ゲノム解読
- 4.2 日本に生息する個体に関する知見の変遷
- 5 利用
- 6 脚注
- 7 参考文献
- 8 関連項目
- 9 外部リンク
ミジンコ(狭義)
ミジンコ |
ミジンコ Daphnia pulex
|
分類 |
界 |
: |
動物界 Animalia |
門 |
: |
節足動物門 Arthropoda |
亜門 |
: |
甲殻亜門 Crustacea |
綱 |
: |
鰓脚綱 Branchiopoda |
亜綱 |
: |
葉脚亜綱 Phyllopoda |
目 |
: |
双殻目 Diplostraca |
亜目 |
: |
枝角亜目 Cladocera |
下目 |
: |
異脚下目 Anomopoda |
科 |
: |
ミジンコ科 Daphniidae |
属 |
: |
ミジンコ属 Daphnia |
種 |
: |
ミジンコ D.pulex |
|
学名 |
Daphnia pulex
(Leydig, 1860) |
和名 |
ミジンコ |
英名 |
water flea |
ミジンコ (Daphnia pulex)は、鰓脚(さいきゃく)綱 双殻目 枝角亜目 異脚下目 ミジンコ科 ミジンコ属に属する淡水性の甲殻類である。
特徴
中型種で体長1.5-3.5mm。体は頭部を除き二枚貝のような背甲に覆われ、横から見るとひよこのような形をしている。背甲の下に卵を抱えて孵化まで保育する。ミジンコ目全体の特徴でもあるが、ミジンコに見られる大きな眼は、横から見ると左右あるように思えるが、実際は一つ目である。正面から見ると一つ目のお化けのように見える。
頭部にははっきりした吻があり、その下にある第1触角は吻端に達しない。体を覆う甲は広卵形で、後方の縁には細かな棘が並ぶ。後端にある棘状突起は甲羅の長さの4分の1以下、時にはないこともある。
生息環境
世界的に分布する。日本でも全土に分布、浅い池沼に生息する。
生態
ミジンコには、自分とおなじクローンしか産まない単為生殖期と、交配して子孫を残す有性生殖期がある。一般的に、通常(環境の良いとき)はメスを産み、生存危機が迫ったときにだけオスを産んで交配するといわれている。また、エサや水温、日照時間の変化により、休眠卵とよばれる卵を作り、有性生殖期には雌雄による受精卵を作ることもある。
ゲノム解読
ミジンコはDNAのサイズは約2億塩基対と小さいのに、タンパク質を作る遺伝子は少なくとも約3万900個と、これまでゲノムが解読された動物の中で最も多いことが判明している。東京薬科大学やアメリカインディアナ州立大学などの研究によれば、ミジンコの遺伝子は3万1000個以上にのぼり、ヒトよりも8000個も多い[1]
日本に生息する個体に関する知見の変遷
- 1926年以前 Daphnia morsei として分類され日本の固有種と考えられていた。
- 1926年 上野益三により Daphnia pulex と修正。
- 2015年 東北大学の研究グループにより日本各地で捕獲した Daphnia pulex のミトコンドリアDNAと核DNAの分析結果から、北米産の日本には生息していない別種 Daphnia pulicaria との雑種個体で、300年から7000年前に北米から侵入した4個体のメスに由来すると発表[2]。同時に、侵入ルートや、単為生殖で繁殖したクローンであるため遺伝的多様性が低いにも係わらず個体群を維持できた理由は不明であるとしている。なお、別に、「単為生殖を続ける個体群は有害遺伝子の蓄積により数千年で集団としての寿命が尽きる」との研究があることから、このままの単為生殖を続けた場合 Daphnia pulexの個体群は有害遺伝子の蓄積や病気による消滅の可能性を指摘している[2]。
利用
容易に飼育できる特性を利用して様々な利用がされている。
- 魚類飼育の際の餌[3]。(使用例、メダカ)
- 観賞用の飼育。
- 化学物質の生態毒性の試験[4][5]。
脚注
- ^ ミジンコの遺伝子、ヒトを8000個上回る インディアナ大など AFP通信 AFPBB News 記事:2011年02月09日
- ^ a b ミジンコはたった4個体を起源とする北米からの帰化種だった ―日本に生息する生物の意外な由来― 東北大学 プレスリリース 2015年4月7日
- ^ ミジンコの利用に関する二, 三の実験 水産増殖 Vol.17 (1969-1970) No.1 P19-25
- ^ 農薬の水生動物に対する毒性試験法の確立 Journal of Pesticide Science Vol.6 (1981) No.2 P257-264
- ^ 化学物質の安全性試験と生態系への影響評価 Journal of Pesticide Science Vol.25 (2000) No.4 P431-434
参考文献
- 水野壽彦、『日本淡水プランクトン図鑑』 保育社、1964年。
- 岡田要他 『新日本動物図鑑』 北隆館、1976年。p.449
関連項目
|
ウィキメディア・コモンズには、ミジンコ属に関連するカテゴリがあります。 |
- 生態毒性
- OECD化学品テストガイドライン
- 化審法
- イリヤ・メチニコフ
外部リンク
- ミジンコが教えてくれる世界 国立環境研究所
- 東京薬科大学生命科学部環境分子生物学研究室
- 宮城教育大学見上研究室のページ
|
この項目は、動物に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(Portal:生き物と自然/プロジェクト:生物)。 |
Japanese Journal
- ミジンコの環境応答を制御する幼若ホルモン (特集 幼若ホルモン(JH)研究の最新トピックス)
- 沈水植物が湖沼の生物多様性保全に果たす役割 (特集 湖沼内沈水植物(水草)の生態系における役割と課題)
- 生物の窓 ミジンコの巧みな性決定システム : 雄性決定に関与するビタミンの発見
Related Links
- 楽天市場-「ミジンコ」3,507件 人気の商品を価格比較・ランキング・レビュー・口コミで検討できます。ご購入でポイント取得がお得。セール商品・送料無料商品も多数。「あす楽」なら翌日お届けも可能です。
- 理科の教科書でミジンコの姿を見たことがある人は多いのではないでしょうか。ミジンコは動物性プランクトンと呼ばれており、自然界では他の生き物の餌として非常に重要な役割を果たしています。それだけではなく、見
- 微生物ミジンコの生息地って?ミジンコの採取方法も紹介 ミジンコを知っているという人はいても、どこに生息しているのか知らないといった方もいるのではないでしょうか? 今回はミジンコの生息地についてみていきましょう...
★リンクテーブル★
[★]
ミジンコ
- 関
- Cladocera、Daphnia
[★]
- ラ
- Daphnia
- 関
- ミジンコ目、Daphnia属、ミジンコ、ダフニア属
[★]
- ラ
- Cladocera
- 関
- ミジンコ属、枝角類、ミジンコ