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ペモリン
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
(RS)-2-amino-5-phenyl-1,3-oxazol-4(5H)-one |
臨床データ |
法的規制 |
?
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
代謝 |
肝臓 |
識別 |
CAS番号 |
2152-34-3 |
ATCコード |
N06BA05 |
PubChem |
CID 4723 |
DrugBank |
DB01230 |
KEGG |
D00744 |
化学的データ |
化学式 |
C9H8N2O2 |
ペモリン(Pemoline, Betanamin, Cylert, Tradon) は、中等度の中枢神経刺激薬である。
日本ではベタナミン® (BETANAMIN®)がペモリンを含む医薬品である。
目次
- 1 薬学
- 2 医療用途
- 3 一般情報
- 4 副作用
- 5 関連項目
- 6 脚注
- 7 出典
薬学
ペモリンは、中枢作用性交感神経刺激アミンである。ペモリンは、交感神経系に弱く作用するため、構造式においても薬力学的側面においても、アンフェタミンなど他の精神刺激薬とは異なる。従って、この種の薬物に典型的に認められる幾つかの副作用が発生しない。ドーパミンの再取り込み阻害などの役割をその作用機序とする。効果は初回投与後2〜3週間経ってから現れるとされる。
医療用途
ADHD治療用の中枢神経刺激薬とされているが、うつ状態に於ける傾眠および意欲の低下、ナルコレプシーおよび原発性過眠症など傾眠疾患に対し、覚醒作用、精神賦活作用、大脳皮質の賦活作用と脳幹の鎮静作用を示し、睡眠発作、傾眠傾向、精神的弛緩の改善に使用されており、慢性疲労時の強壮剤としても効果がある。同種の他の物質と違って、ペモリンには食欲抑制作用は無い。
ペモリンはカフェインよりも強力な中枢神経刺激薬であるが、アンフェタミンやメチルフェニデートよりも強力ではない。スペイン語圏に於ける商品で通常最も良く知られたものとしてMagnesium Pemoline 50mg入り錠剤があるが、これがペモリンの最も一般的な医薬品形態である。
日本ではベタナミン® (BETANAMIN®)錠が10mg、25mg、50mgの三種類の剤形で三和化学研究所から発売されている。かつては、セントラミン(武田)、マイアミン(大日本)も発売されていた。
スペイン語版に於いては処方時の最小有効量は、約25mgである。治療量レベルは75mgから100mgの範囲であり、最大推奨投与量は通常150mgである。
ペモリンにはメチルフェニデートでよくみられる副作用が無く、とりわけその他の興奮剤と比べるとリバウンド現象が無いか、または有ってもごく僅かであるとされる。
適応・用量
日本では、軽症うつ病、抑うつ神経症には、1日10~30mg,朝食後、ナルコレプシー及び近縁傾眠疾患には、1日20~200mg,2回分服(朝・昼食後)が用いられる。
一般情報
ペモリンは、腸で急速に吸収され、肝臓に運ばれる。生体内での消失半減期は、メチルフェニデートよりも大幅に長い(メチルフェニデートの半減期は約3時間、ペモリンは約12時間)ため、服用を1日当たり1回として投与することが可能である。またペモリンの場合、中毒の可能性は低い。ペモリンの上記以外の比較優位として、向精神薬に関する条約のスケジュールIIに含まれておらず、スケジュールIVに含まれていることが挙げられる[1]。従って、他と比べて大幅に規制を受けない物質である。
近年まで、ADHDの治療において第2選択薬とされ、メチルフェニデートに対する反応やメチルフェニデートの効き目が思わしくない場合に使用されてきた。ADHDの治療において、ペモリンによる治療の成功率はメチルフェニデートよりも大幅に低いが、一定の特質を有するため、処方に於いてはペモリンが優位に立っている。また、そのような特質のため、法的規制に於いても副作用の面でもペモリンは優位に立ち、中毒の可能性も少なく、消失半減期もより長くなっている。しかしながら、アメリカ食品医薬品局が、近年になってペモリンに肝毒性のリスクの可能性があることについて根拠を提示し、ペモリンを使用しないよう勧告した。このため、英国など数ヶ国でペモリンは市場から引き上げられることになった。ペモリンの商業取引が依然として行われている国や地域ではADHDを治療する薬理学的枠組み内にペモリンが含まれることがあり、ADHDほどではないが、ナルコレプシーおよび原発性過眠症の治療に於いてもペモリンが含まれることがある。
副作用
ドイツに於いてはペモリンの使用により肝酵素値の上昇と肝毒性反応が認められたことから、ドイツ医師医薬品委員会(Arzneimittelkommission der Deutschen Ärzteschaft <de:Arzneimittelkommission>)は処方制限に踏み切った。ペモリンは、他の治療措置(メチルフェニデートやアンフェタミンといった中枢神経刺激薬を用いた治療)では効果がみられない場合や、それだけでは十分でない場合にのみ、肝機能に十分注意した上で処方が認められた。[1]
関連項目
- 中枢神経刺激薬
- 注意欠陥・多動性障害
- ナルコレプシー
- ADHDに関する論争
- 薬物依存症
- Adrafinil(en:Adrafinil)
- モダフィニル
脚注
- ^ Arzneimittelkommission der deutschen Ärzteschaft: Verordnungseinschränkungen für Pemolin (Tradon®) wegen des Risikos von LeberschädigungenDeutsches Ärzteblatt 97, Heft 6, 11. Februar 2000 (PDF)
出典
- ドイツ語版[2](de:Pemolin)00:10, 20. Apr. 2010より翻訳 by 91.36.231.192,Inkogn!to,JWBE,Giftmischer,LaaknorBot etc...、
- スペイン語版[3](es:Pemolina) 00:54 3 dic 2009より翻訳 by TXiKiBoT,Luckas-bot,Jü,Mikuna,Miguel A. Ortiz Arjona etc...
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Japanese Journal
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ベタナミン錠10mg
組成
- ベタナミン錠10mgは、1錠中にペモリン10mgを含有する製剤である。
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mgを含有する。
効能または効果
ベタナミン錠10mg
軽症うつ病、抑うつ神経症
次の疾患に伴う睡眠発作、傾眠傾向、精神的弛緩の改善
ベタナミン錠25mg、ベタナミン錠50mg
次の疾患に伴う睡眠発作、傾眠傾向、精神的弛緩の改善
ベタナミン錠10mg
- 軽症うつ病、抑うつ神経症にはペモリンとして通常成人1日10?30mgを朝食後経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
- ナルコレプシー、ナルコレプシーの近縁傾眠疾患にはペモリンとして通常成人1日20?200mgを朝食後、昼食後の2回に分割経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
ベタナミン錠25mg、ベタナミン錠50mg
- ナルコレプシー、ナルコレプシーの近縁傾眠疾患にはペモリンとして通常成人1日20?200mgを朝食後、昼食後の2回に分割経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
慎重投与
- てんかんの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させるおそれがある。]
- 肝機能障害又はその既往歴のある患者[肝機能障害が強くあらわれるおそれがある。]
- 高血圧の患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
- 重篤な腎機能障害のある患者[本剤は主に腎で排泄されるため副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 小児[「小児等への投与」の項参照]
重大な副作用
重篤な肝障害
- 肝不全を起こすことがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
薬物依存
- 長期投与により薬物依存を生じることがあるので、長期投与する場合には観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ナルコレプシー及び近縁傾眠疾患に対して、覚醒作用、全般的精神賦活作用、大脳皮質の賦活作用と脳幹の鎮静作用を有する5?12)。
(ラット、マウス、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒト[健康成人])
- うつ病、うつ状態に対して、中枢興奮作用に基づく抗うつ作用を有する13)。(マウス)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-Imino-5-phenyl-4-oxazolidinone
分子式
分子量
融点
性状
- ペモリンは、白色の結晶性の粉末で、においはない。N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けにくく、酢酸(100)に溶けにくく、水、無水酢酸、エタノール(95)、アセトン又はクロロホルムにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- narcolepsy
- 同
- ジェリーノ症候群、居眠り病 Einschlafsucht、眠りの発作 hypnolepsie
- 関
疫学
- 1000人に1.2人。HLAの関連が示唆されている(HLA-DR2の90%以上の患者で陽性)。日本人に多い。11-20歳に発症のピーク。
症状
治療
<youtube v=wN1_yS6_5T4></youtube>
<youtube v=70jFzlxCnZA></youtube>
[★]
- 英
- psychostimulant
- 同?
- 精神賦活薬 psychoactive drug psychic energizer
- 中枢神経興奮薬 ←使いわけは?、精神賦活薬
- 関
- 向精神薬
[show details]
概念
精神刺激薬
[★]
ペモリン
- 同
- Cylert
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3