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- Bayes theorem, Baysian theorem
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/11/13 06:13:38」(JST)
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ベイズの定理(ベイズのていり、英: Bayes' theorem)とは、条件付き確率に関して成り立つ定理で、トーマス・ベイズによって示された。[要検証 – ノート]
なおベイズ統計学においては基礎として利用され、いくつかの未観測要素を含む推論等に応用される。
目次
- 1 ベイズの定理
- 2 ベイズ推定
- 3 脚注
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
ベイズの定理
一般に、確率および条件付き確率に関して、P(A) > 0 のとき次が成り立つ。
この定理はイギリスの牧師トーマス・ベイズ(1701年(?) - 1761年)によって発見された。彼の死後にリチャード・プライスによって1763年に発表された後、ピエール=シモン・ラプラスによってその存在が広く認識されるようになった。
確率および条件付き確率に関する定理であり、頻度主義統計学、ベイズ統計学のどちらでも成立する。
ベイズ推定
詳細は「ベイズ推定」を参照
ベイズの定理と組み合わせて確率的推論を行う方法がラプラスによって始められ、現在言うところのベイズ統計学の端緒となった。事象の確率という考え方を採用する特徴がある。
現在は例えば、迷惑メールの発見・分類といった作業のコンピュータを用いた自動化(フィルタリング)等のふるい分けにも利用されている。
概要
事象Bのベイズ確率について、
- P(B) = 事象 A が起きる前の、事象 B の確率(事前確率, prior probability)
- P(B|A) = 事象 A が起きた後での、事象 B の確率(事後確率,条件付き確率, posterior probability,conditional probability)
とする。 ベイズの定理を使えば、事後確率 P(B|A) は下記に従って計算される。
すなわち、事象Aに関するある結果(データ)が得られたとすると、それを反映し、尤度 P(A|B) の乗算によって、事象 B の確率は事前確率から事後確率へと更新される。なお事象 B の確率の観点からは、P(A) は規格化定数としての意味しかないため、しばしば省略される。つまり事後確率は事前確率と尤度の積に比例する:
ベイズ統計学(およびベイズ決定理論)は上記の手続きにその基礎をおき、名前の由来ともなっている。
批判
ベイズ統計学では、事象の確率という考え方を採用し、必ずしも頻度には基づかない確率を「確率」として見なす。
またベイズの定理を用い、事前確率及び尤度を仮定した下で事後確率を与える、という相対的なメカニズムを主張している。したがって事後確率の計算結果の信憑性や有用性は、事前分布と尤度の設定にかかっており、慎重を期すことが必要である。これはベイズ統計学が、不確実性を含む問題を人によって異なる確率を用いて定式化することを許容する主観確率 (subjective probability) という立場をとっていることによる。この立場はまだ解析対象となっていない新たな問題へのアプローチを可能にするという利点がある一方で、確率の決め方について客観性に欠けるという批判もある(客観確率)。
脚注
参考文献
- Bayes, Thomas; Price, Richard (1763). “An Essay towards solving a Problem in the Doctrine of Chance. By the late Rev. Mr. Bayes, communicated by Mr. Price, in a letter to John Canton, M. A. and F. R. S.” (PDF). Philosophical Transactions of the Royal Society of London (Royal Society) 53 (0): 370–418. doi:10.1098/rstl.1763.0053. http://www.stat.ucla.edu/history/essay.pdf.
- Gelman, Andrew; Carlin, John B.; Stern, Hal S.; Dunson, David B.; Vehtari, Aki; Rubin, Donald B. (2014). Bayesian Data Analysis. Texts in Statistical Science Series (Third ed.). CRC Press. ISBN 978-1-4398-4095-5. MR 3235677. Zbl 1279.62004. //books.google.com/books?id=ZXL6AQAAQBAJ.
- Stigler, Stephen M. (1986). The History of Statistics. The Belknap Press of Harvard University Press. ISBN 0-674-40340-1. MR 0852410. Zbl 0656.62005. //books.google.com/books?id=M7yvkERHIIMC.
関連項目
- R言語
- MCMC
- 確率論
- 人工知能
- 全確率の法則(英語版)
- 単純ベイズ分類器
- ベイジアンフィルタ
- ベイズ確率
- ベイジアン計量経済学
- ベイズ決定理論
- ベイズ推定
- ベイズ統計学
- ベイズ確率
- ベイズの定理
- ベイジアンネットワーク
- 推計統計学
- 確率分布
- 尤度関数
- 尤度比検定
- 最尤法
- 最大エントロピー原理
- 陽性尤度比
- 陰性尤度比
- 尤度方程式
- 条件付き確率
- 決定木
外部リンク
- 世界大百科事典 第2版『ベイズの定理』 - コトバンク
- Weisstein, Eric W., "Bayes' Theorem" - MathWorld.(英語)
UpToDate Contents
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- 1. 冠動脈疾患のスクリーニング screening for coronary heart disease
- 2. 肺結節のCTおよびPET computed tomographic and positron emission tomographic scanning of pulmonary nodules
- 3. 胸部CTの原理 principles of computed tomography of the chest
Japanese Journal
- ピクトグラムの認識に関する調査とベイズの定理を用いた正しい避難に有用なワードの分析
- 歴史都市防災論文集 = Proc. of urban cultural heritage disaster mitigation 10, 167-174, 2016-07-09
- NAID 120005821004
- 進化するメタアナリシス─multiple treatment comparison─
- 身体診察の教育 (特集 知っておくべき総合診療の現在(いま) : 実践と教育・研究から未来を展望する) -- (総合診療の教育)
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