- 英
- bufexamac
- 商
- アンダーム、サリベドール、デムコ、ルブラゾン
- 関
- ブフェキサマック
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/13 21:19:42」(JST)
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ブフェキサマク
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-(4-butoxyphenyl)-N-hydroxyacetamide |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
発売中止 |
投与方法 |
外用、経口、坐剤 |
薬物動態的データ |
排泄 |
主に尿中 |
識別 |
CAS登録番号 |
2438-72-4 |
ATCコード |
M02AA09 |
PubChem |
CID 2466 |
化学的データ |
化学式 |
C12H17NO3 |
分子量 |
223.26828 g/mol |
ブフェキサマク(bufexamac)は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一つである。皮膚の赤みや腫れをおさえる抗炎症薬として湿疹や皮膚炎の治療に日本で用いられる非ステロイド性の外用剤(塗り薬)の主要な成分の一つとなっていた。抗炎症作用はステロイド系抗炎症薬ほど強くなく、主に比較的軽い湿疹や帯状疱疹などに使われた。日本では「アンダーム®」の商品名で軟膏やクリームが帝國製薬から発売されていたほか、後発品としてアンホリル、エンチマック、サリベドール、デルキサム、ヒフマック、ルブラゾンなどの商品名で軟膏やクリームが2010年5月まで発売されていた。回収は行われていないが、現在は販売中止となっている。
目次
- 1 性状
- 2 歴史
- 3 作用機序
- 4 副作用
- 5 急性毒性
- 6 脚注
- 7 参考文献
- 8 関連項目
|
性状 [編集]
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがあり、味はない。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールやエタノールにやや溶けにくく、水やジエチルエーテルにほとんど溶けない。融点(分解)は約162℃。
歴史 [編集]
ブフェキサマクは、1966年にベルギーのBuu-Hoiらによって開発されたp-ブトキシフェニル酢酸のヒドロキサム酸誘導体で、抗炎症作用や鎮痛作用持つ酸性NSAIDである。ベルギーのコンチネンタル・ファーマが経口剤、坐剤、外用剤を開発し、1969年に内服剤と坐剤を、1971年に外用剤(クリーム)を発売した。しかし、2010年4月22日に、重篤な接触性皮膚炎の副作用の可能性が治療上のメリットを上回る事を理由に、欧州医薬品庁(EMA)が、欧州共同体に対し、販売許可中止勧告を行った事を受け、日本においても、2010年5月に、関係各社の自主的判断の元販売中止となった。
作用機序 [編集]
他の酸性NSAIDと同様に、アラキドン酸からプロスタグランジン(PG)への変換をつかさどる酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)の活性を阻害することによってPGが合成されるのを妨げ、PGによる炎症作用などを抑制するとともに鎮痛、解熱作用を持つ。
副作用 [編集]
- まれに接触性皮膚炎を起こし、重篤化した場合には痒み、発赤、腫れ、水ぶくれなどの皮膚炎症状が全身に拡大することがあるので、異常が認められた場合には直ちに使用を中止して適切な処置を行う必要がある。このため、現在、日本国内では販売中止となっている。
- その他の副作用には、過敏症(発赤、丘疹、腫れ、水ぶくれなど)や、一過性の刺激感、痒み、熱感などがある。長期使用すると皮膚に色素沈着が生じることがある。
急性毒性 [編集]
単回投与毒性試験におけるLD50は次の表の通り[1]。
ブフェキサマクのLD50
動物/投与経路 |
経口 |
外用(皮膚) |
皮下注射 |
腹膜内注射 |
マウス |
8,000 mg/kg |
>5,000 mg/kg |
>5,000 mg/kg |
1,195 mg/kg |
ラット |
3,370 mg/kg |
>5,000 mg/kg |
>5,000 mg/kg |
805 mg/kg |
脚注 [編集]
- ^ “Toxicity of Bufexamac, ChemIDplus Advanced, United States National Library of Medicine”. 2008年12月11日閲覧。
参考文献 [編集]
- 『アンダームR軟膏5%/アンダームRクリーム5%』添付文書・2008年7月改訂第8版(日医工、帝國製薬)
- 『デルキサムクリーム5%/デルキサム軟膏5%』医薬品インタビューフォーム・2008年6月改訂第2版(小林化工)
- 『医療用ブフェキサマク配合外用剤の販売中止に関するQ&A』2010年5月 (帝國製薬)
関連項目 [編集]
- 非ステロイド性抗炎症外用剤
- イブプロフェンピコノール、スプロフェン、ベンダザック、ウフェナマート
- 非ステロイド性抗炎症薬
- 軟膏剤
- ヒドロキサム酸
Japanese Journal
- 症例 ブフェキサマク含有クリームを顔面塗布後に喉頭浮腫を合併した接触皮膚炎症候群の1例
- 昭和大学皮膚科において1990~2010年に施行された外用薬のパッチテスト結果の解析
- 長村 蔵人,北見 由季,末木 博彦 [他]
- 昭和学士会雑誌 = Journal of the Showa University Society 73(4), 375-381, 2013-08
- NAID 40020029823
- 昭和大学皮膚科において1990~2010年に施行された外用薬のパッチテスト結果の解析
- 長村 蔵人,北見 由季,末木 博彦,中田 土起丈,保坂 浩臣
- 昭和学士会雑誌 73(4), 375-381, 2013
- … 眼薬85名,抗菌剤63名,非ステロイド系消炎剤49名等で平均貼付数は2.94であった.陽性反応は316名中107名(33.9%)に認められ,非ステロイド系消炎剤のブフェキサマク15例,消毒薬のポピドンヨード13例の順に多かった.今回の検討からブフェキサマクに限らず,NSAIDs外用薬はriskの大きい薬剤群と考えられた.ポピドンヨードによる接触皮膚炎は減少傾向が認められた反面,止痒剤による接触皮膚炎は …
- NAID 130004627322
Related Links
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- 今般、ブフェキサマク配合の非ステロイド性抗炎症外用剤(医療用医薬品)について、自主的に販売を中止することを ... 効能・効果: 軟膏 急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、おむつ皮膚炎、日光皮膚炎、酒さ様皮膚炎・口囲 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量 (1g中)
添加物
- ミリスチン酸イソプロピル、セタノール、ポリソルベート80、プロピレングリコール、鯨ロウ、ステアリン酸、ステアリン酸ソルビタン、パラフィン、流動パラフィン、水酸化Na、メチルパラベン、ブチルパラベン
禁忌
効能または効果
ルブラゾンクリーム
- 急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、日光皮膚炎、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、帯状疱疹
ルブラゾン軟膏
- 急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、日光皮膚炎、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、帯状疱疹、おむつ皮膚炎、熱傷 (第 I・II度)、皮膚欠損創
- 本品の適量を1日1〜数回患部に塗布する。
なお、必要に応じて貼布療法、ODT療法を行う。
重大な副作用
接触皮膚炎
(頻度不明)
- 本剤使用部位に発現したそう痒感、発赤・紅斑、腫脹、浮腫、水疱・びらん等の皮膚炎症状が全身に拡大し、重篤化することがあるので、異常が認められた場合には直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ,*ルブラゾンクリーム5%は、ラットを用いたヒスタミン血管透過性亢進抑制試験において標準製剤 (クリーム剤、5%) との効力比較の結果、両剤間に有意差は認められなかった1)。
また、ルブラゾン軟膏5%及び標準製剤 (軟膏剤、5%) について同様の試験を行った結果、同様の結果が得られた2)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
化学名:
- 2-(4-Butyloxyphenyl)-N -hydroxyacetamide
- 約162℃ (分解)
★リンクテーブル★
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ブフェキサマク、ブフェキサマック
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