出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/02/25 16:22:09」(JST)
ピペット(pipette)とは、比較的少量の液体を必要なだけ吸い取り、計量や移動をさせるための科学実験機具の総称である。計量目盛りが付いていない移動専用の製品も多い。スポイトの類似品であるが、筐体には耐薬品性を重視したガラスや高密度ポリエチレンなどの素材が使用され、測定精度の高い形状が多い。そのため一般的なスポイトとしての利用も可能である。ただし筐体の素材や形状によっては吸入できない液体(腐食性や粘性の問題)も存在するため注意が必要である。
計量に用いられるピペットとしては、ホールピペットやメスピペットが挙げられる。
液体を移動する際には、中央に膨らみを持つ駒込ピペット(こまごめピペット)が多用されるがガラス管の先を長く細く引き伸ばしたいわゆるパスツールピペットも使用され、これは安価なため汚染を防ぐ目的からしばしば使い捨てる。パスツールピペットには吸引端側に綿栓を用いてフィルターにする場合もある。駒込ピペットやパスツールピペットは微量物質向けのカラムクロマト管として用いられることもある。駒込ピペットは二木謙三が考案し、当時勤めていた駒込病院の名が冠されている[1]。通常、駒込ピペットのゴムキャップは取り替えることができるようになっている。
計量に使用されるホールピペットやメスピペットはもともと口で吸引するように作られているので、誤飲を防ぐ意味でもかなり管部が長い。ただし、毒物などを扱う際にはゴム製吸引装置(安全ピペッター)を付けて使用する。一方、駒込ピペットやパスツールピペットはゴム球などで発生させた陰圧で吸引することを前提に作られているので比較的管部は短い。
※大学などの研究室においては、ガスバーナーでガラス管を加熱して延伸し、ピペットを自作するところが多い。簡易に作ることが出来る。
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