- 化
- トファシチニブクエン酸塩
- 商
- ゼルヤンツ
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/22 01:09:00」(JST)
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トファシチニブ
|
IUPAC命名法による物質名 |
3-[(3R,4R)-4-methyl-3-[methyl(7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-4-yl)amino]piperidin-1-yl]-3-oxopropanenitrile |
臨床データ |
商品名 |
ゼルヤンツ, Xeljanz, Jakvinus |
胎児危険度分類 |
C(US) |
法的規制 |
℞-only (US) 劇薬、処方せん医薬品 |
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
74% |
血漿タンパク結合 |
40% |
代謝 |
肝代謝 (CYP3A4 および CYP2C19による) |
半減期 |
3時間 |
排泄 |
尿中排泄 |
識別 |
CAS登録番号 |
477600-75-2 |
ATCコード |
L04AA29 |
PubChem |
CID 9926791 |
DrugBank |
DB08183 |
ChemSpider |
8102425 |
UNII |
87LA6FU830 |
ChEBI |
CHEBI:71200 |
ChEMBL |
CHEMBL221959 |
別名 |
CP-690550 |
化学的データ |
化学式 |
C16H20N6O |
分子量 |
312.369 g/mol |
SMILES
- CC2CCN(C(=O)CC#N)CC2N(C)c3ncnc1nccc13
|
InChI
-
InChI=1S/C16H20N6O/c1-11-5-8-22(14(23)3-6-17)9-13(11)21(2)16-12-4-7-18-15(12)19-10-20-16/h4,7,10-11,13H,3,5,8-9H2,1-2H3,(H,18,19,20)/t11-,13+/m1/s1
Key:UJLAWZDWDVHWOW-YPMHNXCESA-N
|
トファシチニブ (tofacitinib)は、ヤヌスキナーゼ阻害剤であり、免疫抑制剤・分子標的薬のひとつ。製品名はゼルヤンツ、XeljanzやJakvinus。ファイザーにより開発され、日本では武田薬品工業が販売している。
薬理
トファシチニブは、JAKファミリーの強力な阻害薬である。in vitroでは、トファシチニブはJAK1、JAK2、JAK3をともに阻害する。細胞内では 2 分子のJAKが介在してシグナル伝達が行われるが、トファシチニブは主としてJAK3又はJAK1に会合するヘテロ二量体受容体によるシグナル伝達を強力に阻害する。JAK1及びJAK3の阻害により[1]、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15及びIL-21を含む数種類のサイトカイン受容体を介した細胞内シグナル伝達が遮断される。これらのサイトカインは、細胞核でのDNA転写[2]、リンパ球の活性化・増加・機能発現に不可欠であることから、これらのシグナル伝達の阻害により免疫を抑制できると考えられている。
効能・効果
特徴
- ORAL-start試験において、トファシチニブはSharp-core, ACR70ともに、メソトレキセートよりも優れていた。[3]
脚注
- ^ Ghoreschi, K. (2011). “Modulation of Innate and Adaptive Immune Responses by Tofacitinib (CP-690,550)”. J Immunol. 186 (7): 4234–4243. doi:10.4049/jimmunol.1003668. PMC 3108067. PMID 21383241. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3108067.
- ^ doi/10.2165.2F11588080-000000000-00000
- ^ Lee EB, et al. Tofacitinib versus Methotrexate in Rheumatoid Arthritis. N Engl J Med 2014; 370:2377-2386June 19, 2014. | doi: 10.1056/NEJMoa1310476
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- JAK阻害薬 (特集 リウマチ・膠原病における分子標的治療の最前線)
- 新薬くろ~ずあっぷ(154)ゼルヤンツ錠5mg(トファシチニブクエン酸塩錠)
- 5分でわかる新薬の知識 : 知っておきたい効果と副作用(05)過活動膀胱治療薬 デトルシトールが改良され、効果の確実性がアップ トビエース錠(一般名:フェソテロジンフマル酸塩) 関節リウマチ治療薬 経口投与できる関節リウマチ生物学的製剤 ゼルヤンツ錠(一般名:トファシチニブクエン酸塩)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ゼルヤンツ錠5mg
組成
1錠中:
有効成分(含量)
- トファシチニブクエン酸塩 8.078mg
(トファシチニブとして5mg)
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、ヒプロメロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、マクロゴール4000、トリアセチン
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 重度の肝機能障害を有する患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 好中球数が500/mm3未満の患者[「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]
- リンパ球数が500/mm3未満の患者[「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]
- ヘモグロビン値が8g/dL未満の患者[「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物試験において催奇形性が報告されている。「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
- 過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与する。
- 通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
- 中等度又は重度の腎機能障害を有する患者には、5mgを1日1回経口投与する。[「薬物動態」の項参照]
- 中等度の肝機能障害を有する患者には、5mgを1日1回経口投与する。[「薬物動態」の項参照]
- 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF阻害剤、IL-6阻害剤、T細胞選択的共刺激調節剤等の生物製剤や、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン、ミゾリビン等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)との併用はしないこと。なお、関節リウマチ患者においてこれらの生物製剤及び免疫抑制剤との併用経験はない。
慎重投与
- 感染症の患者又は感染症が疑われる患者[本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性があるので、適切な処置と十分な観察が必要である。「重要な基本的注意」の項参照]
- 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)[結核を活動化させるおそれがあるので、胸部レントゲン検査等を定期的に行うなど、結核症状の発現に十分注意すること。「重要な基本的注意」の項参照]
- 易感染性の状態にある患者[感染症を発現するリスクが増加する。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 腸管憩室のある患者[消化管穿孔があらわれるおそれがある。「重大な副作用」の項参照]
- 好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン値減少のある患者[好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン値減少が更に悪化するおそれがある。「重要な基本的注意」、「その他の注意」の項参照]
- 軽度又は中等度の肝機能障害を有する患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照]
- 腎機能障害を有する患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照]
- 間質性肺炎の既往歴のある患者[間質性肺炎が増悪又は再発することがある。「重大な副作用」の項参照]
重大な副作用
感染症
- 帯状疱疹(3.5%)、肺炎(ニューモシスティス肺炎等を含む)(0.9%)、敗血症(0.1%)、結核(0.1%未満)等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれ、致命的な経過をたどることがある。本剤投与後は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化管穿孔(0.1%)
- 消化管穿孔があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するとともに、腹部レントゲン、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと。
好中球減少(0.4%)、リンパ球減少(0.2%)、ヘモグロビン減少(0.3%)
- 好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)(0.9%)、ALT(GPT)(1.2%)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(0.1%)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスティス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。なお、間質性肺炎の既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、注意すること。
薬効薬理
作用機序
- トファシチニブは、JAKファミリーの強力な阻害薬であり、ヒトのキナーゼ群の中で高い選択性を示す。トファシチニブは、キナーゼアッセイでJAK1、JAK2、JAK3を阻害し、TyK2も軽度に阻害する。細胞内では2分子のJAKが介在してシグナル伝達が行われるが、トファシチニブはJAK3又はJAK1に会合するヘテロ二量体受容体によるシグナル伝達を強力に阻害し、その機能的選択性はJAK2に会合するホモ二量体受容体によるシグナル伝達に対する阻害よりも高い。JAK1及びJAK3の阻害により、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15及びIL-21を含む数種類の共通のγ鎖を有するサイトカイン受容体を介したシグナル伝達が遮断される。これらのサイトカインは、リンパ球の活性化、増殖及び機能発現に不可欠であることから、これらのシグナル伝達の阻害により免疫反応を様々な形で抑制できると考えられる。また、JAK1に対する阻害作用により、IL-6やI型IFNなど他の炎症誘発性サイトカインを介したシグナル伝達も抑制すると考えられる。より高用量では、JAK2ホモ二量体シグナル伝達の抑制を介したエリスロポエチンのシグナル伝達の抑制が生じる可能性がある。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- トファシチニブクエン酸塩(Tofacitinib Citrate)
化学名
- 3-{(3R,4R)-4-Methyl-3-[methyl(7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-4-yl)amino]piperidin-1-yl}-3-oxopropanenitrile monocitrate
分子式
分子量
性状
- 本品は白色の粉末である。本品はN,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、水に溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
会社名
ファイザー
成分
薬効分類
他に分類されない代謝性医薬品(既存治療で効果不十分な関節リウマチ用薬)