- 英
- thiazide derivative、thiazide
- 関
- サイアザイド、サイアザイド系、サイアザイド系化合物、チアジド、チアジド系化合物、チアジド系利尿薬、サイアザイド系利尿薬、サイアザイド系利尿降圧剤、チアジド系薬剤、チアジド系利尿降圧剤、チアジド系利尿剤
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- any of a group of drugs commonly used as diuretics in the treatment of hypertension; they block the reabsorption of sodium in the kidneys
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/18 20:21:47」(JST)
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利尿薬(りにょうやく、英: diuretic)は、尿量を増加させる作用を持つ薬物の総称である。
尿は水分や電解質を体外へ排出する最も効果的な手段である。尿は腎臓でつくられるが、腎臓は体内の状況に応じて尿の量や濃度を調節し、全身の体液を一定に保つよう制御している。利尿薬は、この調節機構が適切にはたらかない病態などにおいて、水分を体外に排出するために用いられる。腎臓の項も参照のこと。
目次
- 1 浸透圧利尿薬
- 2 ループ利尿薬
- 3 サイアザイド系利尿薬
- 4 K保持性利尿薬
- 5 その他の利尿薬
- 6 副作用
- 7 関連項目
- 8 参照・脚注
浸透圧利尿薬
浸透圧利尿薬は糸球体で濾過されると再吸収されないため、尿細管内の浸透圧が上昇し、水の再吸収が抑制される。脳圧亢進時などに用いられる。
ループ利尿薬
ヘンレのループにおいてNaとClの再吸収を阻害する。腎機能に悪影響を与えないため、利尿薬の第一選択として使用される。また心不全、高血圧治療薬としても使用される。
- フロセミド(ラシックス,オイテンシン, 後発品あり)
- トラセミド (ルプラック)
- アゾセミド(ダイアート、長時間作用型)
- ピレタニド(アレリックス、作用時間はフロセミドに近い)
サイアザイド系利尿薬
遠位尿細管においてNa+とCl-の再吸収を阻害する。降圧剤としても使用される。大規模臨床試験では他剤と遜色ない結果を得ており、現在も高血圧治療薬の代表的なもの。[1]
- サイアザイド系利尿薬はしばしば重篤な低ナトリウム血症に陥る。サイアザイド系利尿薬は腎髄質の濃度勾配には影響を与えないため、髄質集合管で働くバゾプレッシン(ADH)の反応が起こりにくく、その結果、自由水の再吸収が生じ、ナトリウムが希釈されやすい。よって、重度の低ナトリウム血症を来しやすいものと考えられている。機序として「ナトリウム排泄薬」の側面を持ち、食塩感受性高血圧の治療に則している。
- ヒドロクロロサイアザイド(HCTZ,ダイクロトライド)
- トリクロルメチアジド(フルイトラン)
- インダパミド(ナトリックス)
- クロルタリドン(ハイグロトン)
K保持性利尿薬
抗アルドステロン薬とも。遠位尿細管においてアルドステロン(抗利尿ホルモン)に拮抗し、Naの再吸収を阻害する一方、Kの尿中排泄を抑制する。ループ利尿薬等と合わせて、肝硬変、うっ血性心不全などに対して使用される。またセララは高血圧に対してしか日本では適応症はない。
- トリアムテレン(トリテレン)
- スピロノラクトン(アルダクトンA)
- カンレノ酸カリウム(ソルダクトン注)
- エプレレノン(セララ錠)
その他の利尿薬
- アセタゾラミド(ダイアモックス)は、緑内障やメニエール病に対して使用される。
- 塩酸ドパミン(イノバン)は、腎血流量を増やして間接的に利尿作用を示す。
- アミノフィリン(ネオフィリン)や強心薬も利尿作用を示す。
- カルペリチド(ハンプ)は心房性Na利尿ペプチド(ANP)と呼ばれ、重症心不全時の利尿薬として使用される。
- トルバプタンは、世界初のバソプレシンV2-受容体拮抗剤。大塚製薬より「サムスカ®錠 15mg」として2010年12月14日上市された。
副作用
- 血圧への影響を鑑み、高尿酸血症治療薬であるアロプリノール(ザイロリック)、フェブキソスタット(フェブリク)、トピロキソスタット(トピロリック・ウリアデック)を服用するのではなく、利尿薬減量のうえ、ロサルタンやシルニジピン併用とするとよい。[2][3]
- ボクシング等の階級制の競技において、体重調整の最後の手段として利尿剤が使用されることがあるが、ドーピング検査においても利尿剤は禁止薬物として指定されていることが多い。副作用も大きく、治療以外の目的で利尿剤を使用することは危険も伴うため、絶対にさけるべきである。
関連項目
参照・脚注
- ^ 木村玄次郎(2006), 高血圧治療と利尿薬, 呼吸と循環, 54(1):71-80.
- ^ シルニジピンの糖尿病合併高血圧症例に関する特定使用成績調査結果 永濱 忍,他:診療と新薬 2009;46:473-491
- ^ N型カルシウム拮抗薬シルニジピンの筋原性高尿酸血症抑制作用 浜田紀宏,他:診療と新薬 2006;43:382-386
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- カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド配合剤(エカード^【○!R】配合錠)の薬理作用および臨床効果
- 楠本 啓司,森 光宏,田之頭 淳一,戸塚 伸夫
- 日本薬理学雑誌 134(4), 217-224, 2009-10-01
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- NAID 10025741780
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- チアジド系利尿薬は近位尿細管中に分泌され、遠位尿細管においてNa + ・Cl - の再吸収を抑制する。チアジド系利尿薬にはトリクロルメチアジド(商品名:フルイトラン)、ヒドロクロロチアジドがある 。 副作用として低カリウム血 ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- thiazide
- 関
- サイアザイド系、サイアザイド系化合物、チアジド、チアジド系、チアジド系化合物、チアジド系利尿薬、サイアザイド系利尿薬、サイアザイド系利尿降圧剤、チアジド系薬剤、チアジド系利尿降圧剤、チアジド系利尿剤
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- サイアザイド、サイアザイド系化合物、チアジド、チアジド系、チアジド系化合物、チアジド系利尿薬、サイアザイド系利尿薬、サイアザイド系利尿降圧剤、チアジド系薬剤、チアジド系利尿降圧剤、チアジド系利尿剤
[★]
- 関
- thiazide
[★]
- 英
- thiazide diuretic, benzothiazide diuretic
- 同
- サイアザイド系利尿薬
- 関
- 利尿薬、利尿薬の作用部位、sodium-chloride symporter inhibitor。ギテルマン症候群
特徴
- 安価である
- 有効率が高い
- 遠位尿細管前半部に作用するらしい
- Na+とCl-の共輸送体(NCCT)を阻害→Na+,Cl- の再吸収を阻害する
排泄される電解質の変化
- Na↑、K↑、H↑、Ca↓、Mg↑、Cl↑、HCO3↑、H2PO4↑
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → つまり管腔側から受動的に引き込まれるということ。
- ループ利尿薬と同様の機序による (GOO.755)
チアジド系利尿薬
効能・効果
禁忌
- 無尿(効果なし)
- 急性腎不全(腎機能悪化):緻密斑より下流にチアジド系利尿薬の作用部位があるため、GFRを増加させたい場合にフィードバックがかかりにくいため?(緻密斑は適正量のNaが排泄されていると検出し、GFRを低下させても、下流では想定より多くのNaを喪失し、hypovolemicになる?)
- 電解質異常
副作用
- 長期間の使用における副作用:低カリウム血症、高尿酸血症、高脂血症、耐糖能低下、光線過敏症、脂質代謝障害。高カルシウム血症(YN.C-62) → (利尿薬参照。ループ利尿薬との違いはカルシウムを排泄するかどうか)
低カリウム血症
- GOO.756
- カリウムは抗高血圧作用があるので、チアジド系利尿薬の利尿作用を打ち消してしまう。
耐糖能の低下
- GOO.756
- 低カリウム血症の関与が示唆されている。K+をチアジド系利尿薬と共に投与すると高血糖が改善されるから。
歴史
- 第二次世界大戦中、衛生状態の悪い兵士の間でシラミを介したバルトネラ属の感染症(塹壕熱、病原体はBartonella quintana)が流行していたが、この治療にサルファ剤が用いられていた。このサルファ剤が有する利尿作用に中臆して開発されたのがチアジド系利尿薬である。1957年にクロロチアジド、1959年に10倍の利尿作用を有するヒドロクロロチアジドが開発された。いずれも光線過敏症が副作用として知られている。日本では光線過敏症がより少ないと言われているトリクロルメチアジド(フルイトラン)がもっぱら用いられている。チアジド系利尿薬は日本では光線性白斑黒皮症と知られており、色素沈着と白斑を伴う。
- 参考:チアジド系利尿剤の副作用の歴史 日本医史学雑誌第58巻第2号(2012)p156
[★]
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