- 英
- diltiazem
- 化
- 塩酸ジルチアゼム ジルチアゼム塩酸塩 diltiazem hydrochloride
- 商
- コロヘルサーR、コロヘルサー、セレスナット、ヘマレキート、ヘルベッサーR、ヘルベッサー、ミオカルジー、ヨウチアゼム、ルチアノン
- Cardizen
- 関
- ニフェジピン、ベラパミル
- 血管拡張剤
- カルシウム拮抗薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/03 15:16:50」(JST)
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ジルチアゼム
|
IUPAC命名法による物質名 |
cis-(+)-[2-(2-ジメチルアミノエチル)-5-(4-メトキシフェニル)-3-オキソ-6-チア-2-アザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7,9,11-トリエン-4-イル]エタン酸
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
40% |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
3-4.5 時間 |
排泄 |
腎臓
胆汁
母乳 (授乳期の女性) |
識別 |
CAS番号 |
42399-41-7 |
ATCコード |
C08DB01 |
PubChem |
CID: 39186 |
DrugBank |
APRD00473 |
ChemSpider |
35850 |
UNII |
EE92BBP03H |
KEGG |
D07845 |
ChEMBL |
CHEMBL23 |
化学的データ |
化学式 |
C22H26N2O4S |
分子量 |
414.519 g/mol |
SMILES
-
O=C2N(c3c(S[C@@H](c1ccc(OC)cc1)[C@H]2OC(=O)C)cccc3)CCN(C)C
|
InChI
-
InChI=1S/C22H26N2O4S/c1-15(25)28-20-21(16-9-11-17(27-4)12-10-16)29-19-8-6-5-7-18(19)24(22(20)26)14-13-23(2)3/h5-12,20-21H,13-14H2,1-4H3/t20-,21+/m1/s1
-
Key:HSUGRBWQSSZJOP-RTWAWAEBSA-N
|
ジルチアゼム塩酸塩(英: diltiazem hydrochloride)は、田辺製薬(現:田辺三菱製薬)により合成・開発された血管拡張薬の1つである。CAS登録番号は [42399-41-7]。
概要
ジルチアゼムは、Ca2+チャネルの開口を抑制することにより血管平滑筋細胞へのカルシウムイオンの流入を抑制し、血管を拡張させる。血管拡張作用(血管選択制)は冠動脈>末梢血管であり、本邦では1974年に狭心症治療薬として開発されヘルベッサー®の商品名で上市された。その後1982年に高血圧の適応を取得している[1]。
合成時の原料の1つとしてアニスアルデヒドを用いている[2]。構造上はベンゾチアゼピン誘導体であり、ジヒドロピリジン誘導体のニフェジピン・アムロジピンやフェニルアルキルアミン誘導体のベラパミルと基本骨格が異なるが、電位依存性L型カルシウムチャネルのα1サブユニットに結合し、カルシウムチャネルの開口を抑制するは同じである[3]。
血管拡張(冠動脈、末梢動脈)とともに心刺激生成・伝導系の抑制作用を有する。刺激伝導抑制/血管拡張の比は、フェニルアルキルアミン誘導体>ベンゾチアゼピン誘導体>ジヒドロピリジン誘導体の順である[4]。
- <薬理作用>
- 血管拡張作用:血管平滑筋へのカルシウム流入抑制による血管拡張作用。
- ※血管平滑筋の収縮は、細胞外から血管平滑筋細胞へのカルシウムイオンの流入により起こる。
- Ca拮抗薬は血管平滑筋細胞へのCaイオンの流入を抑制することで、血管平滑筋の収縮を抑制し動脈(血管平滑筋は主に動脈に存在する)を拡張する。
- 抗狭心症作用:冠動脈拡張作用、冠スパズム抑制作用。および、心拍数の低下作用に伴う心筋酸素消費量の抑制作用。
- 心拍数低下作用:心臓の刺激生成・伝導系(洞結節や房室結節)でのカルシウム流入抑制による洞結節での心拍数の生成抑制作用。
- 抗不整脈作用:心臓の刺激生成・伝導系(洞結節や房室結節)でのカルシウム流入抑制による洞結節での刺激生成低下、房室結節でのリエントリーの抑制作用。
- <臨床適応>
抗狭心症薬、抗不整脈薬、降圧薬として使用される。
- 降圧作用:末梢血管の拡張による。
- 抗狭心症作用:冠動脈拡張作用、特に冠スパズム(冠攣縮)の防止効果に優れることから安静・異型狭心症などの発作予防に使用される。また、心拍数の低下作用を有し、心筋酸素消費量を抑制することから労作狭心症にも適応となる。
- 抗不整脈作用:心臓の刺激生成・伝導系(洞結節や房室結節)での膜電位生成に関与するカルシウム流入を抑制し心拍数の低下作用が認められる。また房室結節でのカルシウム拮抗作用により発作性上室性頻脈 (PSVT) など房室結節のリエントリー性の不整脈などに対しても使用される。
- <海外展開>
日本国内で開発され海外展開されたパイオニア的な薬剤である。
脚注
- ^ 阿部久二、長尾拓ら 『塩酸ジルチアゼムの開発研究』 薬学雑誌 108(8) 716 (1988)
- ^ アニスアルデヒド ファインケミカル 2009年11月号 (Chemical Profile) p.81
- ^ 柳澤輝行:[目でみる循環器病シリーズ13]『循環器病の薬物療法』 Ca拮抗薬の分類と作用機序 pp132-143 メジカルビュー社、1998年 ISBN 4-89553-744-7 C3347
- ^ 中村元臣、平 則夫偏 『カルシウム拮抗薬‐基礎と臨床‐全面改訂』1986年 医薬ジャーナル社
参考文献
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
関連項目
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心疾患
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心室性
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心室細動 | 心室頻拍 | トルサード・ド・ポワント | 期外収縮
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内科的治療
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
|
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心不全治療薬(en)
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(英語版)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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Japanese Journal
- 薬剤抵抗性冠攣縮性狭心症に対しニフェジピンが著効した1例
- 舟山 哲,宮下 武彦,加藤 重彦,佐々木 敏樹,渡邉 哲,久保田 功
- 日本心臓病学会誌 =Journal of cardiology. Japanese edition 5(2), 153-157, 2010-06-15
- NAID 10026916956
- 小林 洋一,菊嶋 修示,宮田 彰,三好 史人
- 心電図 = Electrocardiology 30(1), 20-36, 2010-03-10
- … テーテルアブレーションの評価,などがあげられる.まず,ATPのヒトにおける上室の刺激伝導系への作用を概説し,次にATPの基本的な使い方を,さらには,臨床的な診断治療における有用性につき述べ,その他今まであまり使われていない使用方法にも触れる.Ca拮抗薬はすでに20年以上前から不整脈治療に用いられてきたが,本章では静注薬に的を絞り,ATP,ベラパミル,ジルチアゼムの使い分けについて解説する. …
- NAID 10026410724
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
- ジルチアゼム塩酸塩注射用250mg「サワイ」は、1バイアル中に日局ジルチアゼム塩酸塩250mgを含有する用時溶解して用いる注射剤である。
効能または効果
- 本剤(ジルチアゼム塩酸塩として250mg)は、5mL以上の生理食塩液又はブドウ糖注射液に用時溶解し、次のごとく投与する。
通常、成人には1分間に体重kg当たりジルチアゼム塩酸塩として5?15μgを点滴静注する。目標値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
- 不安定狭心症
- 本剤(ジルチアゼム塩酸塩として250mg)は、5mL以上の生理食塩液又はブドウ糖注射液に用時溶解し、次のごとく投与する。
通常、成人には1分間に体重kg当たりジルチアゼム塩酸塩として1?5μgを点滴静注する。投与量は低用量から開始し、患者の病態に応じて適宜増減するが、最高用量は1分間に体重kg当たり5μgまでとする。
慎重投与
- うっ血性心不全の患者〔心不全症状を悪化させるおそれがある。〕
- 心筋症のある患者〔心不全症状を悪化させるおそれがある。〕
- 急性心筋梗塞のある患者〔心不全症状を悪化させるおそれがある。〕
- 徐脈、1度の房室ブロックのある患者〔本剤の心刺激生成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそれがある。〕
- 低血圧のある患者〔血圧を更に低下させるおそれがある。〕
- WPW、LGL症候群を伴う心房細動、心房粗動のある患者〔低血圧を伴う心拍数増加、心室細動を来すおそれがある。〕
- β遮断剤の投与を受けている患者〔徐脈、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそれがある。〕
- 重篤な肝・腎機能障害のある患者〔薬物の代謝、排泄が遅延し、作用が増強するおそれがある。〕
重大な副作用
- 完全房室ブロック、高度徐脈(初期症状:徐脈、めまい、ふらつき等)等があらわれることがあり、心停止に至る場合もあるので、これらに対処できる十分な準備を行い、投与する。また、このような異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、下記等の適切な処置を行うこと。
- 完全房室ブロック、高度徐脈:アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン等の投与や必要に応じて心臓ペーシング等の適切な処置を行うこと。
- 心停止:心マッサージ、アドレナリン等のカテコールアミンの投与等蘇生処置を行うこと。
- うっ血性心不全があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 血管平滑筋、心筋などで電位依存性カルシウムチャネルを遮断することにより細胞内へのCa2+流入を抑制する。血管平滑筋においては、側副血行路及び太い冠動脈を拡張し、心筋虚血部への血流を増加する作用及び末梢血管拡張による降圧作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ジルチアゼム塩酸塩(Diltiazem Hydrochloride)
化学名
- (2S,3S)-5-[2-(Dimethylamino)ethyl]-2-(4-methoxyphenyl)-4-oxo-2,3,4,5-tetrahydro-1,5-benzothiazepin-3-yl-acetate monohydrochloride
分子式
分子量
融点
性状
- ジルチアゼム塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。ギ酸に極めて溶けやすく、水、メタノール又はクロロホルムに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、無水酢酸又はエタノール(99.5)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 75歳の女性。交通外傷による肝損傷の緊急手術後で2日前からICUに入院中である。術前、術中に一時的に大量の輸液と輸血が行われた。術後はICUに入室して人工呼吸管理を受けていたが、気管からピンク色泡沫状の分泌物が吸引されるようになった。心拍数 110/分、整。血圧 112/64mmHg。中心静脈圧 16mmHg。頸静脈の怒張を認め、両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。動脈血ガス分析(FⅠO2 0.6):pH 7.35、PaCO2 40Torr、PaO2 70Torr、HCO3- 23mEq/L。胸部エックス線写真で心胸郭比 75%、両肺野に浸潤影を認める。心エコーで左室駆出率 35%。
- この時点で考えるべき治療薬はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G057]←[国試_111]→[111G059]
[★]
- 英
- hypotensor, depressor, hypotensive drugs hypotensive agent hypotensive drug
- 同
- 降圧剤、血圧降下薬、高血圧症治療薬、抗高血圧薬 antihypertensive antihypertensive drug, antihypertensive drugs
[show details]
ja
hypotensor : 約 1,170 件
depressor : 約 13,000 件
hypotensive drugs : 約 1,410 件
hypotensive agent : 約 1,320 件
hypotensive drug : 約 1,200 件
en
hypotensor : 約 12,100 件
depressor : 約 1,220,000 件
hypotensive drugs : 約 29,100 件
hypotensive agent : 約 37,600 件
hypotensive drug : 約 12,500 件
降圧薬
-
- 近位尿細管:アセタゾラミド:炭酸脱水酵素を阻害
- 太いヘンレループ上行脚:フロセミド:Na+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC)を阻害
- 遠位尿細管前半部:チアジド系利尿薬:Na+とCl-の共輸送体を阻害
- 遠位尿細管後半部と集合管:
- スピラノラクトン:アルドステロン受容体に競合的に結合
- トリアムチレン:Na+流入を抑制
-
-
-
- カルベジロール(α1遮断により末梢血管を拡張。β遮断により陽性変力作用を抑制)
- アムスラロールなど
- 強力な降圧効果を示す
- 細胞内へのCa流入を抑制することにより血管平滑筋を弛緩させ末梢血管抵抗を下げる
- 脳、心臓、腎臓への血流を保つ
- 膜電位依存性Caチャネルに作用して血管平滑筋を弛緩させる
-
- 副作用:ジルチアゼムの副作用:洞性徐脈、洞性ブロック
- ニフェジピン: 血管への親和性が高い→抗高血圧薬として優れる
- 副作用:反射性交感神経緊張、顔面紅潮、浮腫(静脈拡張より動脈拡張の度合いが大きいため)、便秘
- 臓器障害の改善、進展予防 beyond blood pressure
- RA系の抑制
- アンジオテンシノゲン→(レニン)→アンジオテンシンI→(アンジオテンシン転換酵素)→アンジオテンシンII-(アンジオテンシン受容体遮断薬)-|アンジオテンシン受容体1
- ACE阻害薬の腎機能保護
- ACE阻害薬:輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 拡張 → 糸球体内圧↓
- Ca拮抗薬 :輸入細動脈 拡張、輸出細動脈 なし → 糸球体内圧↑
-
- 副作用
- ACEはブラジキニンを分解するキニナーゼIIと同一の酵素である。ACE阻害薬はこの酵素を阻害するが、ブラジキニンは血管拡張、決勝滲出決勝進出、発痛作用に関わっている。このため咳を誘発することがある。
- 禁忌
- 妊婦。ブラジキニンは胎児の動脈管閉鎖に関わっている。このた、母胎にACE阻害剤を加え、ブラジキニンが増えると胎児の動脈管が閉鎖してしまう。(血管浮腫?)
- 1型アンジオテンシンII受容体拮抗薬(AT1受容体拮抗薬)
降圧薬の積極的な適応と禁忌
- 合併症を有する高齢者高血圧に対する第一選択薬と併用薬
○:第一選択 空欄:適応可 △:注意が必要 ×:禁忌
- 理由はACE参照
使用できる降圧薬
- α2作動薬
- β遮断薬
- α遮断薬
参考
- http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html
漢方薬
- 降圧目的に釣藤散が使われることが多い。補助的に防風通聖散が用いられることがある。
[★]
- 英
- HMG-CoA reductase inhibitor
- 同
- ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬 hydroxymethylglutaryl-CoA reductase inhibitor。スタチン statin
- 関
- 高脂血症治療薬、高脂血症、コレステロールの生合成。HMG-CoA還元酵素 HMG-CoA reductase
特徴
- アトルバスタチンの場合
- 血清TC低下率30%
- 血清LDL-C低下率41%
- 血清TG低下作用
- TG250-350mg/dl 380
- TG350-450mg/dl 470
- プラバスタチンは水溶性。(⇔脂溶性だとどこでも入っていく→全身性に作用する)
- プラバスタチンの輸送担体は肝臓にしかない→臓器選択性↑→安全性↑
- CYP3A4との相互作用がない
種類
CYP 代謝による 分類
|
薬物
|
商品名
|
性質1)
|
CYP代謝 2)
|
代謝物の活性 3)
|
排泄形態 3)
|
bioavailability (%) 3)
|
尿中排泄 (%) 2)
|
半減期 (hr) 2)
|
定性
|
定量(LogP)
|
非代謝型
|
プラバスタチン
|
メバロチン
|
水溶性
|
-0.47
|
ほとんどなし
|
ー
|
未変化体
|
18
|
20
|
1ー2
|
ロスバスタチン
|
クレストール
|
水溶性
|
|
ー 5)
|
未変化体 5)
|
29
|
10 5)
|
15~19 5)
|
ピタバスタチン
|
リバロ
|
脂溶性
|
1.49
|
ー
|
未変化体
|
60
|
<2
|
11
|
代謝型
|
フルバスタチン
|
ローコール
|
脂溶性
|
1.73
|
CYP2C9
|
なし
|
代謝物
|
10-35
|
<6
|
1.2
|
シンバスタチン
|
リポバス
|
脂溶性
|
4.4
|
CYP3A4
|
あり
|
代謝物
|
<5
|
13
|
1ー2
|
アトルバスタチン
|
リピトール
|
脂溶性
|
1.53
|
CYP3A4
|
あり
|
(データ無し)
|
12
|
2
|
14
|
1)Prog Med, 18:957-962,1998. 2)Heart, 85:259-264,2001. 3)PHarmacol Ther, 80:1-34 改変 4)興和(株)社内資料 5)添付文書
|
作用機序
- HMG-CoA reductaseはHMG-CoAからmevalonate産生を触媒
副作用
- 原因:メバロン酸合成↓→CoQ↓→ミトコンドリア機能異常。Cl-の細胞膜透過性の変化
- 薬物相互作用によりCYP3A4の働きが阻害されると、横紋筋融解症の引き金となりうる
- 脂溶性HMG-CoA還元酵素阻害薬は重篤な肝障害を起こす
- This was suggested by a study showing greater increases in post-marathon CK levels in individuals receiving statins; older runners receiving statins exhibited more susceptibility to CK elevations than younger runners. These elevations in CK were, however, mild and subclinical, which suggests that trained individuals need not discontinue statin therapy prior to a race.(uptodate)
- 軽度であれば(マラソンの)習熟者はレース前にスタチンを中止をする必要がないことを示唆する。
禁忌
[★]
- 英
- voltage-dependent calcium channel, VDCC
- 同
- 電位関門型カルシウムチャネル voltage-gated calcium channel VGCC、電位作動型カルシウムチャネル voltage-operated calcium channel VOCC, 電位依存性Ca2+チャネル
- 関
- イオンチャネル、電位依存性イオンチャネル
[show details]
- α1サブユニット単独でチャネルを形成できる (SP.93)
- β, γ, α2/δの3種類の副サブユニットはチャネルの機能を修飾する
電位依存性カルシウムチャネルの分類 (SP.93)
型
|
α1サブユニット遺伝子
|
発現組織
|
阻害薬
|
閾電位
|
コンダクタンス
|
L型
|
Cav 1.1
|
骨格筋
|
ジヒドロピリジン、ベラパミル、ジルチアゼム
|
高
|
大
|
Cav 1.2
|
心臓、神経系、内分泌系
|
Cav 1.3
|
神経系、内分泌系、内有毛細胞
|
Cav 1.4
|
視細胞
|
P/Q型
|
Cav 2.1
|
神経系
|
|
N型
|
Cav 2.2
|
|
R型
|
Cav 2.3
|
|
中
|
T型
|
Cav 3.1
|
神経系、心臓、平滑筋、腎臓、内分泌系
|
|
低
|
小
|
Cav 3.2
|
|
Cav 3.3
|
|
[★]
- 英
- paroxysmal supraventricular tachycardia, PSVT
- 同
- 房室回帰頻拍 atrioventricular reciprocating tachycardia
- 関
- 上室性頻拍症
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概念
- 房室結節リエントリー、房室回帰、心房内リエントリー、異所性自動能亢進が機序となる.
- 発作性上室頻拍の約90%は房室結節リエントリー性頻拍 AVNRT あるいはWPW症候群に伴う房室回帰性頻拍 AVRT
症状
- 心拍数:150-200/分
- 動悸、胸部不快感など
- 血圧低下
検査
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治療のターゲット
治療
緊急
非緊急
- Valsalva手技以外の手技の有効性はそれほど高いものではない(Valsalva手技54%,右頚動脈洞マッサージ15%,顔面浸水15%など)
-
- ATP
- ベラパミル:比較的心拍数が遅い発作(心拍数<186/分)に有効
- ジルチアゼム:心拍数が速い発作(>166/分)に有効
参考
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
- [display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
国試
[★]
- 英
- antianginal agents, antianginal drug
- 関
- 狭心症
種類
硝酸薬
- 冠血管スパズム緩解→酸素供給↑
- 末梢血管拡張→心筋仕事量↓→心筋酸素需要↓
特徴
- 小動脈より静脈を拡張させる → 前負荷の減少
- 冠血管では、細い動脈より太い動脈を弛緩させる
β遮断薬
- 冠血管スパズム緩解→酸素供給↑ (SPC.226)
- 心筋抑制→心筋仕事量↓→心筋酸素需要↓
作用機序
- 電位依存性型Ca2+チャネルのαサブユニットに作用
その他の冠血管拡張薬
抗狭心症薬の使い分け