エムトリシタビン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エムトリバカプセル200mg
組成
有効成分(1カプセル中)
添加物
- クロスポビドン,ステアリン酸マグネシウム,セルロース,ポビドン
カプセル本体にゼラチン,酸化チタン,青色2号
禁忌
効能または効果
- 通常,成人にはエムトリシタビンとして1回200mgを1日1回経口投与する。なお,投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。
- 腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するので,腎機能の低下に応じて,次の投与方法を目安とする(外国人における薬物動態試験成績による)。
慎重投与
- 腎障害のある患者[中等度及び重篤な腎機能障害のある患者では,本剤の血中濃度が上昇する(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の「5.腎不全患者」の項参照)。]
重大な副作用
乳酸アシドーシス(頻度不明注2))
- 乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので,このような場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- エムトリシタビンは,シチジンの合成ヌクレオシド誘導体であり,細胞内酵素によりリン酸化されエムトリシタビン5'-三リン酸となる。エムトリシタビン5'-三リン酸はHIV-1逆転写酵素の基質であるデオキシシチジン5'-三リン酸と競合すること,及び新生ウイルスDNAに取り込まれた後に,DNA鎖伸長を停止させることにより,HIV-1逆転写酵素の活性を阻害する。哺乳類のDNAポリメラーゼα,β,ε及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するエムトリシタビン5'-三リン酸の阻害作用は弱い。
抗ウイルス作用(in vitro)4)
- ヒトリンパ芽球様細胞株,MAGI-CCR5細胞株及び末梢血単核細胞を用いて,HIV-1の実験室株及び臨床分離株に対するエムトリシタビンの抗ウイルス活性を評価した。エムトリシタビンの50%阻害濃度(IC50値)は,0.0013〜0.64μM(0.0003〜0.158μg/mL)の範囲であった。
薬剤耐性
- In vitroにおいてエムトリシタビン耐性HIV-1株を得た。これらの分離株の遺伝子型解析により,エムトリシタビンに対する感受性の低下と,HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異との間に関連性が認められた。
エムトリシタビンを単独投与又は他の抗レトロウイルス薬と併用投与した患者より,エムトリシタビン耐性HIV-1株が検出されている。抗レトロウイルス薬による治療を未経験の患者を対象とした臨床試験では,ウイルス学的失敗が認められた患者の35%から分離されたウイルスで,M184V/I変異が認められた。
交差耐性
- これまでに一部の核酸系逆転写酵素阻害薬の間には交差耐性が認められている。エムトリシタビン耐性株(M184V/I)はラミブジン及びザルシタビンに対して交差耐性を示したが,ジダノシン,サニルブジン,テノホビル,ジドブジン及び非核酸系逆転写酵素阻害薬(デラビルジン,エファビレンツ及びネビラピン)に対してはin vitroで感受性を維持した。アバカビル,ジダノシン,テノホビル及びザルシタビンによりin vivoで選択されるK65R変異を有するHIV-1分離株では,エムトリシタビンに対する感受性の低下が確認された。ジドブジン関連変異(M41L,D67N,K70R,L210W,T215Y/F,K219Q/E)又はジダノシン関連変異(L74V)を有するウイルスは,エムトリシタビンに対する感受性を維持した。非核酸系逆転写酵素阻害薬耐性と関連づけられるK103N変異を有するHIV-1は,エムトリシタビンに対して感受性を示した。
有効成分に関する理化学的知見
性状
- 白色〜帯黄白色の粉末であり,水,メタノールに溶けやすく,アセトニトリルに溶けにくく,酢酸イソプロピルに極めて溶けにくい。
融点
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- emtricitabine
- 商
- エムトリバ、ツルバダ配合
- 関
- 抗ウイルス剤
[★]
- 英
- bird、avian
- 関
- 鳥類