リルピビリン
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Related Links
- 2012年5月21日 ... ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:トゥーン・オーヴェルステンズ) は、5月18日に、抗HIV薬*「エジュラントTM錠25mg」(一般名:リルピビリン塩酸塩)の 日本における製造販売承認を取得致しました。これにより、未治療 ...
- エジュラントとは?リルピビリンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 抗ウイルス化学療法剤[非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)]
販売名
エジュラント錠25mg
組成
成分・含量(1錠中)
- リルピビリン塩酸塩27.5mg(リルピビリンとして25mg)含有
添加物
- 乳糖水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、ポリソルベート20、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、マクロゴール4000、ヒプロメロース、トリアセチン、酸化チタン
禁忌
- リファブチン、リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、デキサメタゾン(全身投与)、セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 治療経験のないHIV感染患者に使用すること。
- 本剤による治療にあたっては、可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
- 小児HIV感染症に対しては、本剤投与による有効性、安全性が確立していない。
- 通常、成人にはリルピビリンとして1回25mgを1日1回食事中又は食直後に経口投与する。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。
慎重投与
- 不整脈を起こしやすい患者(低カリウム血症、著しい徐脈、急性心筋虚血、うっ血性心不全、先天性QT延長症候群等)又はQT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者[本剤75mg及び300mg投与時にQT延長が認められており、これらの患者ではQT延長により不整脈が発現するおそれがある(「相互作用」、「薬物動態」の項参照)。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
薬効薬理
作用機序26)、27)
- リルピビリンはジアリルピリミジン骨格を有し、HIV-1に作用するNNRTIである。リルピビリンは、HIV-1逆転写酵素(RT)を非競合的に阻害し、ヒトDNAポリメラーゼα、β及びγを阻害しない。
抗ウイルス作用26)
- T細胞株に急性感染させた野生型(WT)HIV-1実験室株のIIIBに対するリルピビリンの50%有効濃度(EC50)の中央値は、0.73nmol/L(0.27ng/mL)であった。
リルピビリンはHIV-1臨床分離株のgroup Mに対して0.07〜1.01nmol/L(0.03〜0.37ng/mL)、group Oに対して2.88〜8.45nmol/L(1.06〜3.10ng/mL)のEC50値を示した。
リルピビリンは、NRTI/NtRTI(アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、サニルブジン及びテノホビル)、プロテアーゼ阻害剤(アンプレナビル、アタザナビル、ダルナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル及びtipranavir)、NNRTI(エファビレンツ、エトラビリン及びネビラピン)、融合阻害剤(enfuvirtide)及びCCR5阻害剤(マラビロク)との併用により相加作用を示した。NRTIであるラミブジン及びジドブジン、インテグラーゼ阻害剤であるラルテグラビルとは相加又は相乗作用を示した。
薬剤耐性24)、25)、26)
- 異なる由来及びサブタイプのWT又はNNRTI耐性HIV-1株を用いたin vitro耐性獲得試験において、リルピビリン耐性株が出現した。この耐性株で最も高頻度で出現したアミノ酸変異はL100I、K101E、V108I、E138K、V179F、Y181C、H221Y、F227C及びM230Iであった。
リルピビリンの生物学的カットオフ値(BCO)は、WT HIV-1組換え型臨床分離株群を用いた感受性解析に基づき、FC値[表現型耐性の指標であるEC50値の比(各種分離株に対するEC50値/WT HIV-1株に対するEC50値)]を3.7と定義した。
第III相試験の48週時併合解析において、本剤投与群のウイルス学的失敗例72例のうち62例にベースライン時からの耐性変異が認められた。NNRTI耐性を示すアミノ酸変異は主に、V90I、L100I、K101E、E138K、E138Q、V179I、Y181C、V189I、H221Y及びF227Cが認められた。48週時に認められた変異は96週時にも認められた。ベースライン時にみられたV90I及びV189Iは本試験で効果に影響を及ぼさなかった。リルピビリン投与期間にE138Kのアミノ酸変異が最も高い頻度で発現し、多くがM184Iのアミノ酸変異を伴っていた。
In vitro及びin vivoでの検討結果から、ベースライン時にK101E、K101P、E138A、E138G、E138K、E138R、E138Q、V179L、Y181C、Y181I、Y181V、H221Y、F227C、M230I及びM230Lのアミノ酸変異を有する株は、リルピビリンの抗ウイルス効果に影響を及ぼす可能性があると考えられた。
交差耐性24)、26)、28)
- リルピビリンは、RTにK103N及びY181C等のNNRTI耐性関連アミノ酸変異を1個導入した67株のうち64株(96%)に抗ウイルス作用を示した。リルピビリンへの感受性の低下をもたらした単一のアミノ酸変異はK101P、Y181I及びY181Vであった。K103Nのアミノ酸変異は、単一でリルピビリンに対する感受性が低下しなかったが、K103N及びL100Iの二重変異では、リルピビリンに対する感受性が7倍低下した。
エファビレンツ及びネビラピンのどちらか一方若しくは両方に耐性を示す4786株のHIV-1組換え型臨床分離株のうち62%の株は、リルピビリンに対して感受性を維持(FC値≦BCO)していた。
第III相試験の48週時併合解析において、RPV+BR群のウイルス学的失敗62例中31例が表現型耐性検査にて本剤に対する感受性が低下していた。これらのうち28例はエトラビリン、27例はエファビレンツ、14例はネビラピンへの耐性を示した。48週時に認められた交差耐性は96週時にも認められた。
第III相試験の96週時併合解析において、本剤に耐性を示したRPV+BR群のウイルス学的失敗例の中では、ベースラインHIV RNA量が>100,000 copies/mLの被験者よりもベースラインHIV RNA量が≦100,000 copies/mLの被験者の方が、表現型交差耐性を示した被験者数は少なかった。本剤に耐性を示すウイルス学的失敗例において、ベースラインのHIV RNA量が≦100,000 copies/mLの被験者5例のうち、3例はエファビレンツ、4例はエトラビリン、1例はネビラピンへの耐性を示した。ベースラインのHIV RNA量が>100,000 copies/mLの被験者30例のうち、27例はエファビレンツ、28例はエトラビリン、15例はネビラピンへの耐性を示した。
有効成分に関する理化学的知見
性状
溶解性
- メタノール 5.8mg/mL
エタノール 0.67mg/mL
水 0.01mg/mL
融点
分配係数
- log P=4.86(1-オクタノール/pH 7.0リン酸緩衝液)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- rilpivirine
- 化
- リルピビリン塩酸塩 rilpivirine hydrochloride
- 商
- エジュラント
- 関
- 抗ウイルス剤