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Jailbreak(ジェイルブレイク)とは、ユーザー権限に制限を設けているコンピュータ(携帯電話やゲーム機など)に対して、セキュリティホールを突くなどしてその制限を取り除き、開発者が意図しない方法でソフトウェアを動作できるようにすること。また、その状態のこと。日本語で脱獄(だつごく)とも呼ばれる。
この語は、一般的にはアップル社のiOS機器(iPhoneなど)に対して、アップルの認可を受けていないソフトウェア(App Storeで流通していないアプリ)を動作可能にすることを指す。
その他、家庭用ゲーム機のプレイステーション3においても、専用のUSBドングルを挿してソフトのバックアップや起動、自作ソフトの起動等を可能にするソフト及びUSBドングルそのものの名称として使われている。
目次
- 1 iOSのJailbreak
- 1.1 アンロックとの相違点
- 1.2 アップルの見解
- 1.3 Jailbreak関連ツール
- 1.4 純正ファームウェアのアップデートへの追従
- 1.4.1 2007年
- 1.4.2 2008年
- 1.4.3 2009年
- 1.4.4 2010年
- 1.4.5 2011年
- 1.4.6 2012年
- 1.4.7 2013年
- 1.5 非公式インストーラ
- 2 プレイステーション3におけるJailbreak
- 3 脚注
- 4 関連項目
iOSのJailbreak[編集]
iPhoneまたはiPod touchにインストールできるソフトウェア(アプリケーションと呼ばれる)は、アップルが認可したアプリケーションを販売している窓口(App Store)で入手したソフトウェアのみである[1]。Jailbreakツールは 非認可のソフトウェアをインストール可能にし、またソフトウェアのインストーラを追加するように端末のOSを書き換える。
この行為は、アップル社のソフトウェアライセンス及びソフトウェア利用許諾契約に違反する改造行為であり、アップルからのサポートを受けられなくなる。また、端末自体の故障や自由にアプリケーションを追加できる故にコンピュータウイルスなどのマルウェアの標的にされ、感染の拡大を大幅に増やす危険性がある[2]。
最近では、脱獄を検知して起動しないなどのアプリ内部への改造対策を取るアプリが増えてきている。再びアップルのサポートを受けるには、ファームウェアの復元が必要になる。
アンロックとの相違点[編集]
詳細は「iPhone#SIMロックと解除」を参照
SIMロック版のiPhoneは購入後、販売している地域でiPhone専用の料金プランを契約しなければ緊急電話としてしか機能しない。このロックを解除する行為がアンロックである。
アップルの見解[編集]
アップルはJailbreakについてこれまでコメントを避けていたが、2009年2月に「Jailbreakが、著作権で保護されているファームウェアを無効にする行為は、アップルの著作権やデジタルミレニアム著作権法に違反する」というコメントをアメリカ著作権局に提出した[3]。
ただし、アメリカの非営利組織であるElectronic Frontier Foundation(EFF)が、Jailbreak行為をデジタルミレニアム著作権法から免除する要請をアメリカ著作権局に2008年12月申請し[4]、2010年7月に「ユーザーが合法的に入手したアプリケーションなどを実行するためにJailbreakする行為」や「携帯電話を他の携帯キャリアに接続させるためのJailbreak」などは合法との判断を下している[5]。また、アップルが米国特許商標庁に提出したiPhone関連の特許出願図の中に、Jailbreak後に利用できるiPhoneアプリの名称が掲載されており、物議をかもした[6]。 Appleはこの現状(Jailbreak)する事に対して、対策を行おうとアップデートを繰り返すが、プログラミングの都合上あるセキュリティーホール・脆弱性を塞ごうとするとまた、新しい脆弱性が生まれてしまうので今の所いたちごっこ状態になっている。
Jailbreak関連ツール[編集]
iPhone/iPod touchを接続したMacintoshまたはWindows上でJailbreakを行うことのできるツールがいくつか発表されている。わずか1クリックでJailbreakできるよう工夫されたものも存在する。
また、Jailbreak後に非純正アプリを内蔵無線LAN経由でインストールするiPhone/iPod touch向けツールも存在する。 ここでは現在主流なツールのみを取り上げておく。
- Spirit
- iPhone/iPod touch/iPadをワンクリックでJailbreakするツール。iPod touch 3G(late 2009)およびiPad(Wifi版,Wifi+3G版含む)の完全なJailbreakが可能。Safariのセキュリティホールを使う。
- jailbreakme
- iOS4対応。このツールにPCは不要。PDFのセキュリティホールを使う。iPad,iPhone4を含む3.1.2~4.0.1までの全デバイスの完全なJailbreakに対応。今年7月に出たjailbreakme3.0では、iPod touch 3G/4G、iPhone3GS/4、iPad/2のデバイスのうち、iOSが4.3から4.3.3(iPod touch 3GはiOS 4.3、4.3.2~4.3.3、iPad2はiOS 4.3.3)のものをjailberakできる
- limera1n
- iOS4.1対応。iPod touch3G/4G、iPhone3GS/4、iPad(Wifi版,Wifi+3G版含む)の完全なJailbreakが可能。BootRomのセキュリティホールを使う。
- Greenpois0n(RC4まで)
- iOS4.1対応。limera1nと同様のセキュリティホールを使用している。Jailbreakに必須なDFUモードに入る方法を親切にガイドする機能が入っている。すべてのiPodtouch(第1世代はiOS4.1が入らないので対象外),iPhone3G/3GS/4、AppleTVの完全なJailbreakが可能、Greenpois0nのリリース前にリリースされないと思われたlimera1nが急遽リリースされ、Greenpois0nのリリースが延期になった過去がある。
- Greenpois0n(RC5以降)
- iOS4.2.1対応。操作方法は今までのものと同じ。iPod touch3G/4G、iPhone3GS/4、iPad(Wifi版,Wifi+3G版含む)の完全なJailbreakが可能。RC6からApple TV(第二世代)にも対応。
- redsn0w
- iPhone/iPod touchをJailbreakするツール。iPhone 5にも対応。現状、iPhone 4のみ可能なダウングレードファームウェアの作成やそれに伴うshshの取得などの機能もある。バージョン0.9.12bよりiOS5.1.1の完全なJailbreakに対応。最新版は0.9.15b4。
- PwnageTool
- CFW作成ツール(for Mac) iOS5.1.1まで対応している
- sn0wbreeze
- CFW作成ツール(for Windows) iOS3.1.3~6.1.3 に対応している
- Absinthe
- ワンクリックでjailbreakできる。DFUモードにする必要がなくなった。バージョン2.0.2よりiOS5.1.1の完全脱獄に対応(Apple TV第3世代は未対応)。
- evasi0n
- iOS6.0~6.1に対応。最新版ではiOS6.1.2の完全脱獄にも対応している。Absinthe同様DFUモードへの突入は不要。
純正ファームウェアのアップデートへの追従[編集]
2007年[編集]
- 10月: 内蔵Safari経由から直接iPhone・iPod touchをJailbreakするサイトが公開された。このサイトはiOS 1.1.1の脆弱性を利用したものなので、1.1.2以降では実行できない。
- 12月: iOS1.1.2をJailbreakするOktoPrepが公開された。
2008年[編集]
- 1月: iOS 1.1.3をJailbreakするツール、iBrickrが公開された。
- 2月: iOS 1.1.4をJailbreakするツール、ZiPhone2.5が公開された。
- 7月: iOS 2.0をJailbreakするツール、PwnageTool2.0(Macのみ対応)が公開された。
2009年[編集]
- 3月: iPod touch 2GをJailbreakするツール、QuickFreedomが公開された。
- 6月: iOS 3.0をJailbreakするツール、redsn0w 0.7(Windows版は0.7.1)が公開された。
2010年[編集]
- 5月: iOS 3.1.3と3.2をJailbreakするツール、Spiritが公開された。iPod touch 3GおよびiPadに対応。
- 8月: iOS 4.0.1までのすべてのデバイスに対応したJailbreakするツール、Jailbreakme 2.0 Starが公開された。iPhone・iPod touch・iPadのSafariのPDFに関する脆弱性を利用している。なお、この脆弱性はiOS 4.0.2によって塞がれた。
- 10月: iOS 4.1をJailbreakするツール、limera1nが公開された。同月、Greenpois0n(~RC4)も公開された。
2011年[編集]
- 2月: iOS 4.2.1をJailbreakするツール、Greenpois0n(RC5~)が公開された。
- 7月:iOS 4.3.3までのすべてのデバイスに対応したJailbreakするツール、JailbreakMe 3.0 Saffronが公開された。iPhone・iPod touch・iPadのSafariのPDFに関する脆弱性を利用している。なお、この脆弱性はiOS 4.3.4によって塞がれた。
2012年[編集]
- 1月: iOS 5.0.1と5.1.1(5月)をJailbreakするツール、Absintheが公開された。
2013年[編集]
- 4月: iOS 6.0~.1.2のJailbreakに対応した、evasi0nが公開された。
- 12月: iOS 7.0~7.0.4のJailbreakに対応した、evasi0n 7が公開された。
非公式インストーラ[編集]
以前は他にもあったが、現在はCydiaが主流となっており、他のインストーラは買収されたか統合された。
プレイステーション3におけるJailbreak[編集]
PS Jailbreakとは、プレイステーション3を「脱獄」し、Homebrewを起動させる事の出来るUSBドングルとそのソフトの名称である。2010年8月にオーストラリアからバックアップ起動を可能にすると謳うUSBドングルの動作映像が公開され、販売も開始された事で、PS3でのバックアップ起動や自作ソフトの起動が可能となった。
当初、PS Jailbreakは公式の修理などで使用されるサービスモード起動用のUSBドングルがどこかで流出したものを複製したものだと考えられており非合法性を疑われていたが、後に独自に発見したセキュリティホールを使用してサービスモード起動用ドングルをエミュレートするという構造である事が判明した[要出典]。
これを受けてソニーは翌月となる9月に「システムソフトウェアの脆弱性の解決」という名目でシステムソフトウェアの更新版を提供し[7]、これを受けてPS Jalibreakをはじめとした同類のツールは動作しなくなったという意見が寄せられた[8]。
2011年1月にはシステムソフトウェアの脆弱性およびセキュリティの初歩的な実装ミスを利用したカスタムファームウェアのインストール動画が公開され[9]、 特別なドングルなどを必要としないJailbreakソフトウェアがリリースされた[10]。
脚注[編集]
- ^ 開発環境(iOS Developer Program)による方法で開発中(非認可)のソフトウェアのインストールが可能。
- ^ Jailbreak された iPhone のウイルス感染に関する注意喚起 | 慶應義塾 三田ITC
- ^ JailbreakはDMCA違反 - Appleが初めて法的見解をコメント | パソコン | マイコミジャーナル
- ^ 携帯電話のアンロックやJailbreakをDMCA免除に - EFFが請願 | 携帯 | マイコミジャーナル
- ^ 米国著作権局が勧告――iPhoneのジェイルブレイクはユーザーのためにならない ただし連邦著作権法に抵触しないとの見解も - コンピュータワールド日本語版(電子版) 2010年7月27日閲覧。
- ^ アップル、iPhone生体認証特許を出願、なぜか脱獄アプリ名も:engadget Japanese
- ^ Guy Cocker (GameSpot UK) / GameSpot Japan 編集部 (2010年9月8日). “ソニー、PS3のシステムソフトウェア最新版3.42を公開”. 朝日インタラクティブ. 2010年9月30日閲覧。
- ^ “せかにゅ:豪でPS3ハッキングツール販売禁止に Webにはモバイル版も”. ITmedia (2010年9月7日). 2010年9月30日閲覧。
- ^ “動画:PS3にカスタムファームウェア作成ツール、自作アプリを起動可能”. engadget日本版 (2010年1月5日). 2011年1月10日閲覧。
- ^ “ハッカーGeohot、PS3のソフトウェアJailbreakを公開。署名ツールも提供”. engadget日本版 (2010年1月9日). 2011年1月10日閲覧。
関連項目[編集]
- Root化 (Android OS) - Androidにおける同様の行為
- 契約法
- 知的財産権
- 著作権
- デジタルミレニアム著作権法 - 米国著作権法
- オープンハードウェア