出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/06 22:37:06」(JST)
この項目では、UNIXプログラムであるbiff(びふ)について説明しています。
Usenetや初期のインターネットなどにおける新入り(newbie)を示す用語については「en:BIFF」をご覧ください。 Biff Tannen(ビフ・タネン)という人物が登場する映画については「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をご覧ください。 Biff(ビフ)というマペットキャラクターが登場するテレビ番組については「セサミストリート」をご覧ください。 |
biffとは、UNIXにおけるメールの到着を通知するシステムである。
新しいメールメッセージが届けられたときに、biffはすぐにそれを読むことが出来るように受信者に知らせる。この通知には、メールの送信者名、件名と数行の本文が含まれており、メールの受信者がログインしている間、ttyに送られる。通知の際にはより確実にメールの着信を気づかせるためにビープ音が鳴る。
以下のコマンドは通知を有効にする。
biff y
以下のコマンドは通知を無効にする。
biff n
MTAは通知プロセスを稼働させることに責任がある。メールが配達されると、MTAは受信者名をcomsatデーモンに通知する。実質的な作業はここからcomsatによって行われる。comsatは、ユーザがどこにログインしているかを見つけてそこに通知を送る。comsatは、通知を送る前に、ttyのユーザ実行許可ビットをチェックする。それ以外では役に立たないこのビットはユーザがメールの通知を受けるかどうかの要望を示し、biff y
によってセットされ、biff n
によってクリアされる。
biffによる突然の通知が、簡単によみがえらせることの出来ないような有用な情報を予想外のテキストの塊で上書きしてしまうと煩わしいため、biffはもはやあまり使われていない。現在のいくつかのMTAはcomsatをサポートせず、biffは使い物にならない。
しかし、メール受信通知の概念自体はオリジナルのbiffとcomsatがほぼ完全に捨てられたときでさえ、とても人気があるままであった。よって、多くのbiffの代替が存在し、そのいくつかは、xbiff、xlbiff、kbiff、gnubiff、wmbiffやxbuffyといった、biffに似た名前である。概念はUnixの世界の外でも同じく拡張するのだろうか?AOLの"You've got mail"という音声はしゃべるbiffとみなすことが出来る。
3番目の動作モードを持つベンダー特有のバージョンがあった。それは、yとnに加えて、通知を端末に一切テキストを表示させずに一対のビープ音だけに低減させるbをセットすることが出来る。これはbiffの破壊性を低減した。しかし、あきらかに目立たなくなった。
biffはBSDから発祥し、バークレーの開発者によって知られていた犬にちなんで名付けられた。
いくつかの文献[1][2]は、郵便配達人に吠えていた犬であり、そこからメール通知システムの名前を選ぶことは自然の選択である、と記している。ジャーゴンファイルはこの説明を否定する[3]が、少なくとも犬が存在していたことは間違いないようである。
ピーター・H. サルスの著した『UNIX の 1/4 世紀』 ISBN 4-7561-3659-1 や、BSD 系 OS のマニュアル biff(1) には、その犬は1993年の8月に、15才で亡くなったことが記されている。 [1] [2] [3]
また、この『UNIX の 1/4 世紀』には、犬の Biff と飼い主の Heidi Stettner を写した写真や、Biff がとても人に懐いた犬だったことや、多くの学生がボールを投げては Biff に取ってきてもらって楽しんでいたことなどが紹介されている。
そのほかに同書には、犬の Biff が郵便配達員に吠えかかっていたというのはデマにすぎないということ[4]や、Bill Joy と、このコマンドの開発者である John Foderero の二人は、のちに biff というコマンドの名前について、"Be notified if mail arrives" (メールが届けば、お知らせしてくれる) という説明を考えつくために長時間を要したということなども、飼い主の Heidi Stettner から伝え聞いた話として紹介されている。
biff is a mail notification system for UNIX.
When a new mail message is delivered, the program biff alerts the recipient so he can read it immediately. The alert is sent to the tty where the recipient is logged in, and contains the Subject, From line, and first few lines of the body of the new message. The alert also includes terminal beeps to guarantee quick attention.
Notification is enabled by the command
biff y
and disabled by
biff n
Because the sudden, unexpected printing of a block of text on a tty can be annoying if it overwrites more useful information on the screen that can't be easily regenerated, biff is not used very much any more. Some modern MTAs do not even support comsat, making biff useless.
The general idea of the incoming mail alert has remained very popular even as the original biff and comsat have been almost completely abandoned. There are many biff replacements, several with similar names like xbiff, xlbiff, kbiff, gnubiff, wmbiff, imapbiff and xbuffy. The concept also extends outside the UNIX world — the AOL "You've got mail" voice could be seen as a talking biff.
Some versions of biff, such as the one found in FreeBSD as of 4.7[1] have a third mode of operation. In addition to y and n it could be set to b which would reduce the alert to just a pair of beeps, without any text written to the terminal. This makes biff less disruptive.
Biff came from 4.0BSD, and was named after a dog known by the developers at Berkeley, who – according to the UNIX manual page – died on 15 August 1993, at the age of 15, and belonged to a certain Heidi Stettner.
Some sources[2][3] report that the dog would bark at the mail carrier, making it a natural choice for the name of a mail notification system. The Jargon File contradicts[4] this description, but confirms at least that the dog existed.
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