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この項目では、キリスト教の記念日について説明しています。その他の用法については「クリスマス (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
クリスマス(英: Christmas)は、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝う祭[1][2](降誕を記念する日)[3]。12月25日に祝われるが、正教会のうちユリウス暦を使用するものは、グレゴリオ暦の1月7日に該当する日にクリスマスを祝う[4][5]。
キリスト教に先立つユダヤ教の暦、ローマ帝国の暦、およびこれらを引き継いだ教会暦では日没を一日の境目としているので、クリスマス・イヴと呼ばれる12月24日夕刻から朝までも、教会暦上はクリスマスと同じ日に数えられる。
なお、キリスト教で最も重要な祭りと位置づけられるのはクリスマスではなく、復活祭である[6][7][8][9]。
新約聖書には、イエスの誕生日を特定する記述は無い。
イエスがヘロデ王の代に、ユダヤのベツレヘムでお生れになったとき、見よ、東からきた博士たちがエルサレムに着いて言った、「ユダヤ人の王としてお生れになったかたは、どこにおられますか。わたしたちは東の方でその星を見たので、そのかたを拝みにきました」。
— マタイによる福音書第2章第1・2節(口語訳聖書)
恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生まれになった。このかたこそ、主なるキリストである。
— ルカによる福音書第2章第10・11節(口語訳聖書)
キリスト教においてもクリスマスは「降誕[10]を記念する祭日」[3]と位置づけられており、「イエス・キリストの誕生日」と考えられているわけでは無い。イエス・キリストが降誕した日がいつにあたるのかについては、古代からキリスト教内でも様々な説があった(例えば3世紀の初め頃には、アレクサンドリアのクレメンスは5月20日と推測していた)[3]。
降誕祭とは別に、西方教会では1月6日にキリストの公現を祝う(公現祭)。12月25日の生誕祭は、遅くとも345年には西方教会で始まった。ミトラ教の冬至の祭を転用したものではないかと言われている。
キリスト教圏では、クリスマスには主に家族と過ごし、クリスマスツリー(常緑樹で、一般にモミの木)の下にプレゼントを置く。プレゼントを贈る気持ちである「愛」の日でもある。
クリスマスツリーの習慣は、中世ドイツの神秘劇でアダムとイヴの物語を演じた際に使用された樹木に由来している[11]。またクリスマスツリーに飾りつけやイルミネーションを施す風習は19世紀以降のアメリカ合衆国で始まったものである[11]。
サンタクロースは、キリスト教の聖人である奇蹟者聖ニコライ(ニコラウス)の伝説が起源とされる。
正教会では、正式なフルネームとしては「主神我が救世主イイススハリストスの降誕祭」として祝われる(イイスス・ハリストスはイエス・キリストのギリシャ語読み)。エルサレム総主教庁、ロシア正教会、グルジア正教会と、非カルケドン派教会であるコプト正教会はグレゴリウス暦1月7日(ユリウス暦の12月25日に当る)に降誕祭を祝うが、ギリシャ正教会、ブルガリア正教会などではグレゴリウス暦の12月25日に執り行う。正教会では、降誕祭と神現祭(主の洗礼祭:降誕祭の12日後)とは奉神礼として一連のものであり、構造は同じである。降誕祭の祭前期には「聖列祖の主日」で原祖アダム以来のキリストの肉に縁る先祖を、「聖世祖の主日」では神の祖父母イオアキムとアンナら歴代の義者を祭る。
日本語の「クリスマス」は、英語の「Christ(キリスト)のmass(ミサ)」に由来し、語史的には中英語 Cristemasse < 古英語 Crīstes mæsse(初出 1038年)[12][13]に遡る。日本語では他に、「降誕祭」、「聖誕祭」、「聖夜」などの呼び方がある。「クリスマス」にあたるドイツ語は「Weihnachten(ヴァイナハテン)」、フランス語は「Noël(ノエル)」、スペイン語は「Navidad(ナビダー)」、ラテン語は「Christi Natalis(クリスティ・ナタリス)」であるが、語源は必ずしも同じではない。ギリシア語では「Χριστούγεννα(クリストゥ・ゲナ)」と言い、「キリストの誕生」を意味する(γέννα:誕生)。
英語「Christmas」は、ややくだけた略記として「Xmas」または「X-mas」があり、英語圏のスタイルガイドでは推奨されていないものの[14]、印刷物によく見られる。これはギリシア語「Χριστος (Christos)」の頭文字である「Χ(カイ、キー)、またはそれと形が同じラテン文字「X(エックス)」をChristの省略形として用いたもので、古くは中英語に、Χρ̄es masseの表記が見られるという[13]。他にアポストロフィを付けた「X'mas」[15]、「Christ」の末字「t」を添えた「Xtmas」[16]や「Xtmas」、Χριστοςの頭二文字をラテン文字に置き換えた「Xpmas」などがあったが、Google Booksで検索する限りでは、「Xtmas」は稀、その他は極めて稀である。
日本で広まった事実無根の流説として、アポストロフィを用いた "X'mas" の表記は和製英語とする説や、アポストロフィを付けるのは誤りとする説、現在はアジア圏でのみ使われているとする説がある。歴史的に和製英語でないことは19世紀の書籍でも確認することができる[17]。そしてこの "X'mas", "X'Mas" 表記は、現在の英語圏でも出版物などで一般的に使用されている[18][19]。さらに先述のとおり、アポストロフィを付ける表記は "X" がギリシア語の "Χριστος" の頭文字を用いた省略形であることによるので誤りではない。なお、2012年現在Twitterにおいて米国のラジオ局が発信したツイートや、英米の著名人・一般人のツイートにも "X'mas", "X'Mas" 表記は見られる。しかしこれらがアジア圏でより一般的に多用されていること、"X-mas", "Xmas" 表記に比べると少数なことから、間違いと誤解されたり、Engrishの代表と誤解されることがある[20][21]。
ロシア語での「クリスマス」の略記は、「ハリストス(キリストの現代ギリシャ語・ロシア語読み)の降誕」を意味する「Рождество Христово」の頭文字からとった「РХ」で表される。ロシアでは、聖堂などに「РХ」とネオンサインで表示する様子がしばしば見られる。
キリスト教の中でもカトリックの影響の強いイタリア、ポーランド、フランス、スペインなどでは、クリスマスは12月25日に始まり、1月6日の公現祭(エピファニア)に終わる。クリスマスの飾り付けは23日頃に行う。24日はクリスマス・イヴとして夜を祝う。フランスの多くの教会堂でCrèche de Noëlクレシュ・ド・ノエル(キリスト生誕時の情景を表したジオラマ)が飾られ、それを見て人々はその出来事に想いを馳せる。大人たちは、12月初旬からクリスマスにかけて、愛情を込めた言葉を記したクリスマスカードを郵送しあう。子供達がプレゼントをもらうのは1月6日である。イタリアのほとんどの地域ではプレゼントを持って来るのは魔女のベファーナとされる。これらの国々でのクリスマス期間は12月24日から公現祭までで、飾り付けは1月6日を過ぎてから取り払われる。
オランダやドイツの一部地域などでは12月6日がニコラウスの日で、子供達はプレゼントをもらう。ドイツでプレゼントを持ってくるのは北部ではヴァイナハツマン(Weihnachtsmann、「降誕祭の男」)、南部ではクリスト・キント(Christkind、「キリストの子」)と呼ばれている。プレゼントをもらえるのはそれまでの1年間に良い子だった子どもだけで、悪い子は石炭を与えられたり木の枝で打たれることになっている地域もある。
北欧のクリスマスはユールと呼ばれ、聖ルチア祭から始まる[22]。古代ゲルマンの冬至祭の影響を色濃く残しており、ユール・ゴート(ユールブック)と呼ばれる、ワラで作ったヤギを飾ること、妖精がプレゼントを持って来てくれることなど、独自の習慣が見られる。また、クリスマスの時期は真冬であるため、小鳥たちがついばめるように、ユールネックという麦の穂束を立てる習慣もある[23]。
米国では、イギリス流のクリスマスが一般的で、日本のクリスマスもイギリス流を受け継いでいる。この日の前に、クリスマスの挨拶にとクリスマスにちなんだ絵はがきやカード(グリーティングカード)を送る習慣がある。イギリスやアメリカではクリスマスは基本的に自宅で家族と過ごすものであり、クリスマスのずいぶん前から一緒にリースやツリーを作ったり家を飾り付けるなどの協同作業をすることで家族で一緒に過ごす喜びを確認し、クリスマスの当日には家庭料理を味わうのが一般的であり、あえて外出するのはクリスマスのミサに参加するために教会に行くくらいである。イギリスではサンタクロース (Father Christmas) が12月25日にプレゼントを持って来る。米国では、クリスマスプレゼントを家族全員で交換し合う習慣がある。
欧米[要出典]では、クリスマスの日にヤドリギを室内に飾り、その下で出会った男女はキスをしてもよいとする習慣がある[要出典]。
近年米国では、宗教的中立の観点から、またユダヤ教の祭日ハヌカーがほぼ同じ時期であることもあり、クリスマスを祝わない立場の人に対して「メリー・クリスマス」の代わりに「ハッピー・ホリデーズ (Happy Holidays)」(「楽しい休日・祝日を」)の挨拶を用いる場合がある(ポリティカル・コレクトネスを参照)。1990年代後半から、政教分離の原則のもと、公的な空間に飾られたクリスマスツリーを「ホリデー・ツリー」と呼びかえるケースが出てきたが、キリスト教系の団体から批判を受けている。また、1960年代からアフリカ系アメリカ人の間で、クリスマスの翌日からアフリカ民族の伝統を祝うクワンザー(英語版)という行事を家庭で行うことが増えている。欧米諸国、さらに大韓民国、中華人民共和国香港特別行政区、同マカオ特別行政区では、クリスマスは法定祝日である。ヨーロッパでは12月24日(イブ)から1月1日(元日)までクリスマス休暇が続く。25日にはロンドンの地下鉄やバスが全線運休になる[24]。
一方、アメリカでは25日と1月1日だけが祝日で、後は個人で各々有給休暇を取得して休むのが一般的である[25][26]。軍も休暇となり基地やキャンプは閉鎖され、派兵中でない兵士達は自宅へ戻る。
オーストラリアや南米など南半球の国々では、クリスマスは真夏となる。そのためクリスマスパーティーは屋外やプールなどで開催されることも多い。
正教会圏に含まれるロシアでは、クリスマスは「冬祭り」、サンタクロースは「マロース爺さん」(ロシア語で、マロースは「吹雪」の意味)と呼ばれており、スネグーラチカ(雪娘)を連れているとされる。ロシア正教会、セルビア正教会など、ユリウス暦を使う正教会の降誕祭(クリスマス)は、1月7日(ユリウス暦で12月25日)である。宗教弾圧が行われていたソ連時代には表向き大々的に降誕祭が祝われることは無かったが、ソ連崩壊後の旧ソ連諸国で、降誕祭が大々的に祝われるようになった。
1552年(天文21年)に周防国山口(現在の山口県山口市)において、カトリック教会(イエズス会)の宣教師であるコスメ・デ・トーレスらが、日本人信徒を招いて降誕祭のミサを行ったのが、日本で初めてのクリスマスである。しかし、その後江戸幕府の禁教令によってキリスト教は禁止されたことで、明治の初めまでの200年以上の間、隠れキリシタン以外はまったく受け入れられることはなかった。
日本でクリスマスが受け入れられたのは、1900年[27](明治33年)に明治屋が銀座に進出し、その頃からクリスマス商戦が始まったことが大きな契機であった。
大正時代になると、児童向け雑誌や少女雑誌の十二月号には、表紙をはじめとしてクリスマスにまつわる話や挿絵がたくさん導入された。1925年(大正14年)に日本で初めてクリスマスシール(結核撲滅の寄付切手)が発行される。
1926年(大正15年)12月25日に大正天皇が崩御し、昭和時代が幕を開けた。戦前の休日法は当初から先帝祭を休日に定めていたため、1927年(昭和2年)3月4日に当時の休日法「休日ニ関スル件」が改正され、大正天皇祭(12月25日)が設定された。クリスマスの習慣は休日だったこの時代に広く普及したとされている。
1928年(昭和3年)の朝日新聞には「クリスマスは今や日本の年中行事となり、サンタクロースは立派に日本の子供のものに」と書かれるまでに普及していた[28]。
昭和初期の頃、銀座、渋谷道玄坂から浅草にいたるまでの多くのカフェや喫茶店においてはクリスマス料理の献立を用意し、その店員はクリスマスの仮装をして客を迎えた。この様子を1931年(昭和6年)12月12日の都新聞は、「七千四百余のカフェと二千五百余の喫茶店に華やかにクリスマスが訪れサンタ爺さん大多忙を来たす」と報じた。
1948年(昭和23年)7月20日に「国民の祝日に関する法律」が施行され、大正天皇祭は休日から外されてしまったが、以降もクリスマスは年中行事として定着し、行事も盛大に行われるようになった。商業施設では早いところは11月上旬からクリスマスツリーが飾られ、クリスマスセール等が行われる。店内にはクリスマスソングが流れ、洋菓子店ではクリスマスケーキが販売される。街中では街路樹に豆電球(近年は省エネに配慮してLED照明)が飾り付けられる(イルミネーション)。庭のある家庭では、庭木などに電飾を施すこともある。商業施設などの場合、12月24日のクリスマス・イブにイベントなどを開くことがある。
イギリスおよび英連邦諸国では12月26日に使用人や配達人などにプレゼントを渡すボクシング・デーがあり、1月6日までをクリスマス期間ともしている[29]のに対して、日本では12月26日になると、クリスマスの飾りが一転して門松などの正月飾り(日本の神道式)に付け替えられたり、小売店などでも正月準備用や大掃除用商品の陳列・販売が中心となる、BGMも「お正月」が流れる、という点が特異である。近年では、1月1日の「カウントダウンイベント」が盛んになる12月31日深夜まで、イルミネーションがそのままにされているところも出てきている。
日本でもクリスマスは大きなイベントとして定着したが、やはり本場のキリスト教圏と比べるとその規模は小さいという指摘もある。旅行サイトのスカイスキャナー(英語版)が発表している「クリスマスを避けるために行く国トップ10」のランキングでは、イスラーム圏のサウジアラビア、アルジェリア、イランや、仏教国のタイ、国に従わない宗教を弾圧しているとされる中国や北朝鮮などを押さえ、日本が1位となっている[30]。
キリスト教の教会は一般に、キリスト教徒であるか否かに関係なく門戸を開いており、教徒でない人もクリスマスの礼拝に出席することは可能である。日本各地の、正教会の晩祷・聖体礼儀や、カトリック教会のミサに出席し参加することができる。また、聖公会・プロテスタントの諸教会でも、非信徒をも歓迎しているところが多い(各教会堂の掲示板に「クリスチャンでない方もお気軽にどうぞ」と掲示が出る)。
日本人男女を対象とした2006年(平成18年)の統計調査によると、クリスマスは誰と過ごすか、との質問に対し「家族」との答えが約6割と圧倒的多数を占め、またクリスマスの過ごし方は「家でのんびりする」が群を抜いて1位 (66%) となるなど、日本人がクリスマスを家庭で過ごす傾向が明らかになった[31]。また子供たちにとってはサンタクロースがプレゼントを持って来てくれる嬉しい日である。
家族と過ごす人、恋人と過ごす人、友人と過ごす人、家で独りで過ごす人など、クリスマスの過ごし方は様々である[32]。
しかし、1930年代から、パートナーのいる人にとっては着飾ってパートナーと一緒に過ごしたり、プレゼントを贈ったりする日となっている。1931年(昭和6年)には、パートナーのいない"不幸な青年たち(ママ)"独身者には方々のレストランが「一円均一」のクリスマスディナーを売り出すなどして歓迎した、とも報じられた[33](現在の相場に換算すると約3,000円。例えば、朝日新聞朝刊購読料が昭和6年で約1円の時代)。
2005年(平成17年)11月に行われた1都3県の20~39歳の独身男女計474名のインターネット利用者を対象とした調査では調査対象者の約7割が「クリスマスは恋人と過ごしたい」と考えていると回答した[32]。
2006年ネットリサーチDIMSDRIVE『クリスマスの過ごし方』に関するアンケートでは、30歳代女性の43.5%が「自宅でパーティーなどをする」と回答している[34]。
これらの風潮について批判もありイタリアの「ベネルディ」誌は2010年12月24日、『クリスマスの東京 愛を祝う』と題した記事で、“人口のわずかしかキリスト教徒がいないのに多くの人がプレゼントを交換しあうほか、男女の愛の祭りとなっている”と評したという[35][36]。多くの日本人は、宗教行事としてイベントを行ってはいない。
クリスマス行事は幼稚園・保育所・小学校などでも行われることがある(通常冬休みの直前に行うため、12月24・25日ではないことがほとんどである)。祈りを伴った正式の形で行われるのはいわゆる“ミッション系”に限られている。
クリスマスに大一番が有る時には、どの大会でも聖夜決戦と呼ばれる事がある。中央競馬の有馬記念(グランプリ)がクリスマスに行われる場合はクリスマス・グランプリと言われることがある。
クリスマスは多くの国で祝日となっているが、日本でも祝日にしようという話がある。平成時代において祝日にした場合は、天皇誕生日が12月23日であるため、両日に挟まれた24日が自動的に国民の休日となり、3連休が発生する。年によっては21日から5連休となり、その後すぐに年末年始休暇となるため、(有給休暇などを上手く利用すれば)15連休前後の長期休暇が取りやすくなるという利点がある。しかし、多くの企業にとって年末はいわゆる繁忙期・かき入れ時であることもあり実現の見通しは全く立っていない。さらに、憲法が規定する政教分離の原則から、特定の宗教の記念日を祝日とすることは難しいとされる。ただし、昭和前期の大正天皇祭のように、休日が偶然に一致する可能性はあるが、同時にそうそうあることでもない。
キリスト教が後世に伝来した日本以外のアジア諸国でクリスマスを法定祝日とする国では、古くから信仰される宗教への配慮から、他の宗教の記念日もクリスマスと同等に法定祝日とする場合がある。
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新約聖書には、イエスの誕生日に関する記述はないが、10月1日か10月2日が誕生の日と推測する説もある。1993年9月15日に、イギリスの天文学者D・ヒューズが聖書中の天文現象の記述から、イエスの誕生日は紀元前7年9月15日とする説を発表した。また、羊飼いが誕生を祝ったあと夜中の見張りに戻ったとあり、羊を放牧するのは4月から9月の間で、冬の寒い時期には小屋に入れて外に出さない事から、夜中の羊の見張りを行う4月から9月までの間とする説もある。
1月1日が12月25日と1月6日のちょうど中間にあたることから、キリスト歴の1月1日を定める時に中間の日を妥協案として選んだという説がある[要出典]が、これは単なる俗説である。ローマ帝国で使用されていたユリウス暦は、紀元前45年から1月1日を年初日に設定しており、キリスト教との因果関係はあり得ない。ただし、1月1日は丁度クリスマスの8日後にあたり、主の割礼祭(ユダヤ教の律法において、生後8日目に割礼を施すことが慣わしになっている)としての祝日になっている。
西暦1年は、キリストの生まれた年と決められており、紀元前を表すB.C.は「Before Christ」すなわち「キリスト前」という意味である。しかし実際には、キリストが生まれた年は紀元前8年から紀元6年ごろまで諸説ある。
当初、ローマ帝国はキリスト教を迫害したため、キリスト教徒はローマから離れた地方に逃げており、スペインにはローマ帝国において変化する前の古いキリスト教が起源と思われる習慣も残っている。後にキリスト教はローマ帝国の国教として定められ、当時ローマ帝国の支配にあったヨーロッパ全域に広がり、各地の文化・慣習を取り入れた。クリスマスの起源として、ローマの農耕神サトゥルヌスのための祝祭(サートゥルナーリア)を挙げる説がある。
西暦の1月1日を新年として祝うのは王政ローマで紀元前713年ごろから始まった。のちに年初日はそれ以前の年初日であった3月1日に戻ったが、古代ローマ共和国時代、紀元前153年1月1日からローマでは年初日が1月1日に戻った。多くのキリスト教国や日本はそれに倣っている。例えばヒンドゥー教徒やイスラム教徒は、現在でも1月1日を通常の日と同じように過ごし、それぞれの新年の日を別に持っている。
第265代教皇・ベネディクト16世は、12月8日の「無原罪の聖マリアの祭日」とクリスマスの間の「聖なる降誕祭を準備する期間」について2005年、以下のようなコメントを発している。
現代の消費社会の中で、この時期が商業主義にいわば「汚染」されているのは、残念なこと。……
……降誕祭の精神は、「精神の集中」と「落ち着き」と「喜び」であり、この喜びとは、内面的なもので、外面的なものではない。— 教皇ベネディクト十六世の2005年12月11日の「お告げの祈り」のことば(カトリック中央協議会)
また2012年12月19日には、フィナンシャル・タイムズへ寄稿し、その中で、以下のように述べた。ローマ教皇が経済紙に寄稿するのは非常に異例だという[37]。
クリスマスには聖書を読んで学ぶべきだ。政治や株式市場など俗世の出来事にどう関わるべきかの啓示は、聖書の中に見つけられる。……
……貧困と闘わなければならない。資源を公平に分かち合い、弱者を助けなければならない。強欲や搾取には反対すべきだ。……
……クリスマスはとても楽しいが、同時に深く内省すべき時でもある。私たちはつつましく貧しい馬小屋の光景から何を学べるだろう。— A time for Christians to engage with the world(キリスト者が世界と繋がる時)
また、『ポーラー・エクスプレス(原作:クリス・ヴァン・オールズバーグ/THE POLAR EXPRESS/1985年/全米の絵本の最高栄誉であるコールデコット賞受賞)』(2005年)など、子供向け映画が毎年のように公開されている。 クリスマス映画として最も有名なのはビング・クロスビー、ダニー・ケイ主演の『ホワイト・クリスマス』(『スイング・ホテル』のリメイク)である。 この映画で流された主題歌「ホワイト・クリスマス」(歌:ビング・クロスビー)は後にクリスマスソングのスタンダード・ナンバーとなり、レコード、CDはクリスマスの時期に必ず売り出され、ミリオンヒットを記録している。
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Xmas is a common abbreviation of the word Christmas. It is sometimes pronounced /ˈɛksməs/, but Xmas, and variants such as Xtemass, originated as handwriting abbreviations for the typical pronunciation /ˈkrɪsməs/. The "-mas" part is from the Latin-derived Old English word for Mass,[1] while the "X" comes from the Greek letter Chi, which is the first letter of the Greek word Χριστός which comes into English as "Christ".[2]
There is a common belief that the word Xmas stems from a secular attempt to remove the religious tradition from Christmas[3] by taking the "Christ" out of "Christmas", but its use dates back to the 16th century.
"Xmas" is deprecated by some modern style guides, including those at the New York Times,[4] The Times, The Guardian, and the BBC.[5] Millicent Fenwick, in the 1948 Vogue's Book of Etiquette, states that "'Xmas' should never be used" in greeting cards.[6] The Cambridge Guide to Australian English Usage states that the spelling should be considered informal and restricted to contexts where concision is valued, such as headlines and greeting cards.[7] The Christian Writer's Manual of Style, while acknowledging the ancient and respectful use of "Xmas" in the past, states that the spelling should never be used in formal writing.[8]
Early use of "Xmas" includes Bernard Ward's History of St. Edmund's college, Old Hall (originally published circa 1755).[9] An earlier version, "X'temmas", dates to 1551.[9] Around 1100 the term was written as "Xp̄es mæsse" in the Anglo-Saxon Chronicle.[2] "Xmas" is found in a letter from George Woodward in 1753.[10] Lord Byron used the term in 1811,[11] as did Samuel Coleridge (1801)[5] and Lewis Carroll (1864).[11] In the United States, the fifth edition of the Royal Standard English Dictionary, published in Boston in 1800, included in its list of "Explanations of Common Abbreviations, or Contraction of Words" the entry: "Xmas. Christmas."[12] Oliver Wendell Holmes, Jr. used the term in a letter dated 1923.[11] Since at least the late 19th century, "Xmas" has been in use in various other English-language nations. Quotations with the word can be found in texts first written in Canada,[13] and the word has been used in Australia,[7] and in the Caribbean.[14] Merriam-Webster's Dictionary of English Usage stated that modern use of the term is largely limited to advertisements, headlines and banners, where its conciseness is valued. The association with commerce "has done nothing for its reputation", according to the dictionary.[11]
In the United Kingdom, the former Church of England Bishop of Blackburn, Alan Chesters, recommended to his clergy that they avoid the spelling.[5] In the United States, in 1977 New Hampshire Governor Meldrim Thomson sent out a press release saying that he wanted journalists to keep the "Christ" in Christmas, and not call it Xmas—which he called a "pagan" spelling of Christmas.[15]
The abbreviation of Christmas as "Xmas" is the source of disagreement among Christians who observe the holiday. Dennis Bratcher, writing for a website for Christians, states "there are always those who loudly decry the use of the abbreviation 'Xmas' as some kind of blasphemy against Christ and Christianity".[16] Among them are evangelist Franklin Graham and CNN journalist Roland S. Martin. Graham stated in an interview:
"for us as Christians, this is one of the most holy of the holidays, the birth of our savior Jesus Christ. And for people to take Christ out of Christmas. They're happy to say merry Xmas. Let's just take Jesus out. And really, I think, a war against the name of Jesus Christ."[17]
Martin likewise relates the use of "Xmas" to his growing concerns of increasing commercialization and secularization of one of Christianity's highest holy days.[18] Bratcher posits that those who dislike abbreviating the word are unfamiliar with a long history of Christians using X in place of "Christ" for various purposes.
The word "Christ" and its compounds, including "Christmas", have been abbreviated in English for at least the past 1,000 years, long before the modern "Xmas" was commonly used. "Christ" was often written as "Xρ" or "Xt"; there are references in the Anglo-Saxon Chronicle as far back as 1021. This X and P arose as the uppercase forms of the Greek letters χ (Ch) and ρ (R) used in ancient abbreviations for Χριστος (Greek for "Christ"),[2] and are still widely seen in many Eastern Orthodox icons depicting Jesus Christ. The labarum, an amalgamation of the two Greek letters rendered as ☧,[note 1] is a symbol often used to represent Christ in Catholic, Protestant, and Orthodox Christian Churches.[19]
The Oxford English Dictionary (OED) and the OED Supplement have cited usages of "X-" or "Xp-" for "Christ-" as early as 1485. The terms "Xtian" and less commonly "Xpian" have also been used for "Christian". The OED further cites usage of "Xtianity" for "Christianity" from 1634.[2] According to Merriam-Webster's Dictionary of English Usage, most of the evidence for these words comes from "educated Englishmen who knew their Greek".[11]
In ancient Christian art, χ and χρ are abbreviations for Christ's name.[20] In many manuscripts of the New Testament and icons, Χ is an abbreviation for Χριστος,[21] as is XC (the first and last letters in Greek, using the lunate sigma);[22] compare IC for Jesus in Greek.
Other proper names containing the name "Christ" besides those mentioned above are sometimes abbreviated similarly, either as "X" or "Xt", both of which have been used historically,[23] e.g., "Xtopher" or "Xopher" for "Christopher", or "Xtina" or "Xina" for the name "Christina".
In the 17th and 18th centuries, "Xene" and "Exene" were common spellings for the given name Christine. The American singer Christina Aguilera has sometimes gone by the name "Xtina". Similarly, Exene Cervenka has been a noted American singer-songwriter since 1977.
This usage of "X" to spell the syllable "kris" (rather than the sounds "ks") has extended to "xtal" for "crystal", and on florists' signs to "xant" for "chrysanthemum",[24] even though these words are not etymologically related to "Christ": "crystal" comes from a Greek word meaning "ice" (and not even using the letter χ), and "chrysanthemum" comes from Greek words meaning "golden flower", while "Christ" comes from a Greek word meaning "anointed".
In the animated television show Futurama, which is set in the 31st century, Xmas /ˈɛksməs/ is the official name for the day formerly known as Christmas (which, in the episode "Xmas Story," is said to have become an "archaic pronunciation").
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