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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/25 10:16:41」(JST)
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ロバストネスまたはロバスト性とは、ある系が応力や環境の変化といった外乱の影響によって変化することを阻止する内的な仕組み、または性質のこと。ロバストネスを持つような設計をロバスト設計、ロバストネスを最適化することをロバスト最適化という。
「頑強な」という意味の形容詞 "robust" が語源であり、他に頑強性、強靭性、堅牢性、強さ、などと呼称されることもある。
概要
- 生物学
- 進化については諸説あるが、生物は種の生存のために生育環境の変化に対応して形態・形質を変化させ対応してきた。これは、世代交代を利用したロバストネスの現れ方の一つである。
個体レベルでみると、免疫系や恒常性(ホメオスタシス)がロバストネスの典型的な例である。
- 情報工学
- プログラムの外乱に対する抵抗性を持たせるには、チェックサムを仕込んでプログラムやバイナリデータのデータ改変を検知する機能を持たせる。ファジングを行って、開発者にとって想定の範囲外のデータ入力に対する脆弱性を評価するなどの手法がある。
- データの破損対策や安定な保持は情報工学における重要なテーマであり、RAIDや誤り検出訂正といった技術が開発、運用され、改良され続けている。
- 統計学
- ある統計モデルの、外乱に対する安定性を数理的に評価する手法として、ロバストネス分析が存在する。
- 経済学
- 経済学においては、市場における変動と、それに対する安定性の評価などに用いられる。また、金融工学における不確定性のある取引における意思判断にもこれを援用した理論が用いられる。
- 制御工学
- 制御工学には、モデルに不確かさが存在する状況においても一定の性能を維持する制御器の設計手法として、ロバスト制御という方法がある。モデルの不確かさの性能への影響の最悪値を最小化するミニマックス法がロバストな制御系を設計する主な手法であり、特に線形システムに対するH∞制御理論は数値計算の観点からも優れた手法である。
関連項目
- 生物情報学
- 進化経済学
- 冗長化
- ロバストネス分析
- H∞制御理論
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 石井 亮,大古 亮太,中野 有紀子,西田 豊明
- 情報処理学会論文誌 52(12), 3625-3636, 2011-12-15
- … する.我々はこれまでに注視対象の遷移パターンからユーザの会話参加態度を推定する手法を提案・実装してきた.その中で,推定精度向上の必要性,アイトラッカの眼球検出失敗時に推定が行えないことによる頑健性の問題が明らかになった.そこで本研究では,注視パターン,注視時間,注視位置の移動距離,瞳孔径に関する複数の視線情報,および眼球検出によらない情報としてヘッドトラッキングによる頭部姿勢の情報に関 …
- NAID 110008719939
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- 国語辞書 1件 がん‐けん【頑健】 [名・形動]からだが丈夫で、非常に健康なこと。また、そのさま。「よく鍛えた―なからだ」 [派生]がんけんさ[名]
- 頑健性 (robustness) † 入力されるデータが理想的な状態からやや乖離していても,理想的であったときと同等の出力ができる性質. 統計と機械学習ではやや使われ方が違うように思う. 統計では,モデルが仮定する分布と,実際の ...
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