出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/02/20 20:28:45」(JST)
音叉(おんさ)とは特定の高さの音を発する2又に別れた金属製の道具である。
1711年、イギリスのジョン・ショア (John Shore) がリュートの調律のために発明したのが起源である。素材は鋼か、軽量化のためにアルミニウムが用いられることもある[1]。全体的にU字形をしており、底部に柄が付いている。腕の部分を叩くなどして振動させると音を発する。それ自体の音は極めて弱いため、音を聞くには柄の部分を耳に近づけたり歯でくわえたりするか柄を共鳴しやすいものに触れさせる。音叉の発する音はほぼ純音である。叩いた直後にはさまざまな上音を含んでいるがこの形では基音以外の音は持続し得ないのですぐに消え去り、純音が得られるのである。
また、物理の世界でも利用された。特定の周波数の音を発生させる器具として音響の分野で利用された。この用途では音叉単体ではなく、共鳴させて大きな音を発生するための箱を付けた形で利用されている。この箱は1つの面が空いていて、そこから音が出るようになっている。
音響の分野での用途、すなわち特定の周波数の音源としての用途としては単体の音叉を複数集めたトノメータ (tonometer) がある。これは1834年にシャイブラー Johann Heinrich Sheibler) によって考案された。一定間隔で共振周波数の異なる音叉を並べ、測定したい音とトノメータの音叉とのうなりを利用して測定したい音の周波数を測定するものである。トノメータはケーニッヒ (Rudolph Koenig) によって、高度に進化したものが作成された。
周波数シンセサイザが普及するまでは、発振回路の信号源として音叉発振器が利用された[1]。また、音叉型水晶振動子がクォーツ時計などに利用されている[2]。
また、携帯性から感覚検査にも使用される。四肢に当てることで振動覚の評価ができるほか、耳に近づけた場合(空気伝導)の聞こえかたと骨伝導での聞こえかたを比べることで聴力障害の鑑別に役立つ(リンネ試験)。
通常、調律は音叉を使用するが近年はコンピュータのソフトウェアを使う者もいる。このことでピアノ調律師の個性が消えることが懸念されている[要出典]。
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2011年1月) |
パイオニアでは、オメガと組み合わせた音叉が社章に使われていた。
『科学大博物館』 ISBN 4-254-10186-4 には、本文中に「かつてはパイオニアの社章にもオメガと組み合わせて使われていた」と記載されているが、実際は現在でも使われている。
ウィキメディア・コモンズには、音叉に関連するカテゴリがあります。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
拡張検索 | 「音叉検査」「ハルトマン音叉」「ベツォルド-エーデルマン連続音叉」「ベツォルド・エーデルマン連続音叉」 |
.