出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/02/01 16:03:12」(JST)
この項目では、電気機器の防水加工について説明しています。建築物の防水については「防水工事」をご覧ください。 |
防水(ぼうすい)とは、外界から水が入り込まないように加工すること。ウォータープルーフ(英: waterproof)とも。
一般には、防水の程度を表す用語として、完全防水(かんぜんぼうすい)や生活防水(せいかつぼうすい)、日常生活防水(にちじょうせいかつぼうすい)といった用語が用いられるが、これらの用語は何らかの規格に基づくものではない。
日本工業規格(JIS)においては、電気機械器具の外郭による保護等級#水の浸入に対する保護等級(JIS C 0920)のうちの水の浸入に対する保護等級(通称、JIS防水保護等級またはJIS保護等級)として0級から8級までの防水性能が規定されている(詳細は#防水に関する規格及び電気機械器具の外郭による保護等級#水の浸入に対する保護等級参照。)。近年では、完全防水や生活防水という用語に代えてJIS防水保護等級での表示が用いられたり、生活防水の表示とJIS防水保護等級での表示とが併記されていることが多い。 また、建築業界ではビルなどの屋根から下階に雨水が浸透しないように施す処置や地下階の居室に地下水が浸透しないように施す処置も防水と呼ばれる。 土木業界ではこれらは止水と呼ばれるが考え方は同じである。
完全防水とは、文字通り水の浸入を完全に防ぐ機能を指す。この機能が付いている製品は長時間水中に入れても使用可能となっている。現在、「完全防水」という言葉がメーカーによって用いられることはほとんどなく、製品を紹介する雑誌やウェブサイトにおいて、一般に、JIS防水保護等級8級などの製品に対して用いられることが多い。
完全防水の製品は、外板に特別厚いものを用い、またOリングやガスケットなどを用いて製品の隙から内部の構造に水が入り込まないような加工がしてあり、対水圧を高めてあるものが多い。
生活防水または日常生活防水とは、電気製品などに採用されている簡易な防水機能。身につける腕時計や携帯するカメラや携帯電話のように、生活の上で小雨に濡れたり、ちょっとした汚れがついても、水洗いできるように加工したもの。水中での使用には適さない。
完全防水とは異なり、現在でもメーカーによって製品の説明に用いられるが、JIS防水保護等級での表示とが併記されていることが多い。防水をうたう携帯電話ではほとんどが7級であり、水洗いが可能であるのに対し、生活防水をうたった製品は4級のものが多く、この場合には水洗いはできないことになる。JIS防水保護等級での表示がなされていない場合、生活防水の正確な解釈はメーカーによって異なるため、詳細はメーカーに問い合わせる必要がある。
保護等級 | 意味 | 種類 |
---|---|---|
0 | 無保護 | - |
1 | 垂直に滴下する水に対して保護されている。 | 防滴I形 |
2 | 15°以内で傾斜しても垂直に滴下する水に対して保護されている。 | 防滴II形 |
3 | 散水に対して保護されている。 | 防雨形 |
4 | 水の飛まつに対して保護されている。 | 防まつ形 |
5 | 噴流に対して保護されている。 | 防噴流形 |
6 | 暴噴流に対して保護されている。 | 耐水形 |
7 | 水に沈めても影響がないように保護されている。 | 防浸形 |
8 | 潜水状態での使用に対して保護されている。 | 水中形 |
- | 相対湿度90%以上の湿気の中で使用できるもの。 | 防湿形 |
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