出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/29 20:37:59」(JST)
この項目では、香料について記述しています。石油の精製については「製油」をご覧ください。 |
精油(せいゆ)、エッセンシャルオイル(英語 essential oil)は、植物に含まれ、揮発性の芳香物質を含む有機化合物である。「オイル/油」という字が付くが、油脂とは全く別の物質からできている。可溶化リポイドで、水に溶けにくく、アルコール・油脂などに溶ける性質(親油性・脂溶性)を持つ。現在、約250~300種類の精油が存在する。
「精油」は100%天然物質であり、人工的に合成した物質を一切含まず、アルコール希釈などをしていない完全成分のものだけを指す。狭義では更に水蒸気蒸留法により抽出された精油に限定される。一般的にはハーブ葉の質量に対し0.01%~0.2%程度しか含有せず、かつ、全量抽出するには6回から10回程度繰り返し同じ葉を蒸留しなければ得られない大変に貴重なものである(1.0kg=1000gの葉に対し1.0g=1.0cc=1.0ml程度の精油全量に対し、1回蒸留で0.1ml)。よって大量生産は考えにくく、安価なものにはできにくい。アロマオイルやポプリオイルなどと混同されることもままあるが、混ぜ物を含み大量生産されるそれらとは全く別物である。
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一般に精油は植物の特殊な分泌腺で合成され、その近くの油細胞に蓄えられている。精油は植物にとって様々な有用な作用を及ぼす。香りの誘因効果により鳥や昆虫に受粉や種子の運搬を託す。また精油の苦みなどの忌避効果によって害虫やカビ(真菌)などの有害な菌から植物を守ることもある。他の植物の発芽や成長を抑える働きのある精油もある。また精油が汗のように蒸散することにより自らを冷却し太陽熱からその植物を守ることもある。
ただし、薬事法の許可認可を受けていない精油を上記の効能を謳い販売・譲渡する行為は薬事法に違反する。
植物に含まれる揮発性の有機化合物を精油(エッセンシャル・オイル、essential oil)という。一般的な植物油脂は不揮発性でグリセリンの脂肪酸エステルを主成分としているのに対し、精油はテルペンや芳香族化合物など(アルコール・アルデヒド・シトラール・ケトン、エステル、フェノール、炭化水素)を主成分としている。低沸点の香気成分を豊富に含むことが多い。人体にとっては植物ホルモンを含む強い生理活性作用物質である。
特有の芳香を持つものが多く香料として使用される。また、香料としての働きも含めアロマテラピーにも使用される。精油の人体に及ぼす影響・効果・作用・毒性・利用法についてはアロマテラピーの項目を参照のこと。
植物の種類や抽出部位により次の7種類に分けられる。
採る植物は多岐にわたる。オレンジのように花、葉、果実から異なる精油が得られるような植物もある。以下に主な採油植物とその部位を示す。
製品化された精油は、開封後約1年が目安となるものが多い。柑橘系(ベルガモット・レモンなど)は約半年とされる。香木系(サンダルウッドやパチュリーなど)のように歳を経るごとに質が良くなるものもある。しかし、期限内であっても濁ってきたり香りが変わってきたりしたら使用しないほうがよい。
五十音順 (項目末尾のカッコ内は 科/抽出部位/その精油の一般的な抽出方法)
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ハッカ油「ヨシダ」
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