出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/11 22:03:52」(JST)
抗老化医学(こうろうかいがく、英: Life extension)とは積極的予防医学の一種で、老化を防ぐために行う行為の総称である。アンチエイジング(anti-aging medicine)とも呼ばれる。
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その根底は検査診断学・従来医学を含む。範囲は一般診療科目全部、運動生理学、栄養学+東洋医学、美容外科、美容皮膚科、エステ、アロマ、ハーブ、補助栄養学、代替補完医学、音楽芸術など多岐にわたる。すなわち抗老化医学とは医学・及び周辺科学をも含む究極の集学的医学で人間の本来の姿、本来の寿命、至適な状態に心身ともに持ってゆく事を目的とする医学である。
詳細は「老化」を参照
1971年から1980年のデータで糖尿病患者と日本人一般の平均寿命を比べると男性で約10年、女性では約15年の寿命の短縮が認められた[1][2]。このメカニズムとして高血糖が生体のタンパク質を非酵素的に糖化反応を発生させ、タンパク質本来の機能を損うことによって障害が発生する。この糖化による影響は、コラーゲンや水晶体蛋白クリスタリンなど寿命の長いタンパク質ほど大きな影響を受ける。例えば白内障は老化によって引き起こされるが、血糖が高い状況ではこの老化現象がより高度に進行することになる[1]。同様のメカニズムにより動脈硬化も進行する。また、糖化反応により生じたフリーラジカル等により酸化ストレスも増大させる[3]。
年をとるデメリットに対抗するのが抗老化医学である。「加齢」とは年を重ねる事、即ち年々1歳1歳年をとるという事実を指し、これに逆らうことは出来ない。また日本語の加齢は悪い意味でなく、年を経ることのプラス面を表すものとされる(参考「熟成」)。
「老化」とは「加齢」により生じるマイナス面を表す言葉であり、年をとることによって起こりうる負の現象(=病的状態や病気につながる状態等)がすなわち老化である(しわ、しみ、動脈硬化等)。したがって1歳1歳年をとる「加齢」は防げないが老化を遅らせたりあるいは逆行させる事は可能であり、これを行う医学の総称がアンチ・エージング(アンチ・エイジング)医学=抗老化医学である。
とある抗加齢医学のホームページでは「抗老化」と「抗加齢」というテーマで、抗加齢に関する記載がある。たとえば「発育期から衰えがあり、加齢に対する治療が必要」などの記述。しかしながら、この主張にはアンチ・エージング医学/アンチ・エイジング医学の根本にある、医学的及び文学的、あるいは哲学や倫理学を含めた「加齢」と「老化」の定義に対する理解の欠如があるとの考え方もある(医学は自然科学だけではなく広く哲学や社会学、法学など多くの要素を含んだ総合科学である。その事を忘れた医者は医科学者であってもフィジシャン、臨床医ではありえない)。この記載を正すなら「発育期から衰えがあり、早期老化に対する治療が必要」とすべきであろう。
また、医学用語において「老化」が病気であると認識されている場合はある。実例をあげると遺伝子異常で思春期を過ぎたころから老化が進み、40-50歳くらいで老衰で死んでしまう病気「ウェルナー症候群」の日本語病名は「早期老化症」といい「早期加齢症」とは呼ばない。ゆえに、「抗加齢」と言う表現は不自然かつ非科学的であるとの指摘がある。
新英和中辞典 第6版(研究社)によれば、「セネセンス(Senescence)」とは 「老齢、老境」という高齢であるという状況をさす用語で老化の直訳にはならない。セネセンスの同意語はAGED。それに対して「エージング(Aging)」の邦訳は「1 老齢化、老化 2 (ワイン・チーズなどの)熟成」となっており、用法例では「an aging society 高齢化社会、the aging process 老化作用」とある。以上に鑑みるに「加齢」に基づくマイナスの現象が「老化」なのであり、「老化」ならばともかく「加齢」とは戦う手段がないと考えるのが一般的であろう。
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アンチエイジングの基礎研究はいくつかの分野でなされている。一方で、その診療に関しては東海大学医学部付属東京病院などで、抗加齢ドックが行われているが、健康保険制度を中心とする日本の実情では、実践診療に大いに活かされているとはまだまだ言い難い。
「アンチエイジングでイキイキ長生き」(秀和システム)、「自分の寿命を管理する本」(東京新聞出版局)の著者である風本真吾氏は、「年を重ねても健康な体と明晰な頭脳を持ち、ショッピングや旅行、おしゃれを楽しみながら、人生を謳歌する」ことを目指してもらうのがアンチエイジング診療の目的であり、その診療のポイントは、「気力、体力、容姿をより若いころの状態を目指して回復させること」「まず、意欲の向上が第一歩」などと説き、自著や自己のホームページ[4][5][6][7]では、「そのためには、成長ホルモン、プラセンタ(ラエンネック)注射、青魚成分のEPAに、研究価値を見いだすことができる」と説いている。
なお、風本真吾氏は、アンチエイジング医学の実践部門を「エイジングリカバリー医療(診療)」と名付けている[6]。
老化と体内で起こる糖化が密接な関係にあり、老化現象の顕著な特徴と糖化反応は直結している。コラーゲンの糖化は、肌の張りと弾力性を失わせ、老化した皮膚へと変質させる主な要因である。老人に多い皮膚の変色(老人班)もまた、糖化およびメイラード反応に伴う色素の形成の結果である。糖化された老廃物の蓄積が白内障や動脈硬化の進行(高血圧症)となって表れる。老人が骨折しやすくなるのは、骨密度の低下だけでなく、強度そのものの低下も関係している。骨に含まれるコラーゲンの糖化は、骨の質(骨強度)を劣化させる。アルツハイマー病は脳内のアミノ酸が糖化された結果蓄積されていく老廃物が原因という説も存在する。また体の糖化と糖尿病の合併症やメタボリックシンドロームには深い関係があることが、日本抗加齢医学会や日本メイラード学会で報告されている。たとえば、糖尿病患者にみられる褐色斑の色素の形成もまた、メイラード反応の結果であることが示唆されている。パソコンなどのディスプレイのLEDが放つブルーライトのストレスなどによって引き起こされる中心性網膜炎や加齢黄斑変性症(ともに滲出型/青色光網膜傷害参照)は、眼底の栄養不足に伴って形成される新生血管からの血漿の滲出が原因であるが、動脈硬化と同様に、血管壁が糖化して脆くなった結果であることが示唆されている。[8][9]。
抗糖化ケアは、摂取カロリーの適正な調整を行い、急激に血糖値を上げないGI(グリセミックインデックス)に留意した食生活をおくることによって実現される。たとえば、果糖のほうが他の糖類よりも血糖値の上昇が少ない性質を捉えて、果物から先に食べる工夫をするだけでも、血糖値の急激な上昇を抑えることが可能になり、体の糖化の抑制が期待出来る。ドクダミ茶、菊茶(黄山貢菊茶)、シソ葉茶、柿の葉茶、グアバ茶、ハマ茶などの健康茶は、コラーゲンの糖化に対して強い抑制力を示す。また、抗糖化作用を有する食品として、ローマンカモミール、サクラ、紫菊花(食用菊)、などが発見されている。[10]。
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